ハイスクールD×D モンスターでクリーチャーな俺 作:misuta
『封印された眷属を解放する?』
「えぇ、旧校舎に立ち入り禁止の扉があったでしょ? そこに封印してあるの」
『へぇ…それは俺も立ち会って大丈夫なのか?』
「別に人間を取って食べるような子じゃないわ」
オカ研の部室で朱乃がいれてくれた紅茶を飲みながら持参したシュークリームを堪能していた俺はリアスから言われた言葉を聞き返す。
その封印されている眷属はビショップ…確かアーシアと同じ駒だ。
思い出してみれば俺に入れようと試した時も駒は一つだけだったな。
何でも能力が危険だから封印されてたらしい…何それ怖い。
いや、俺のもある意味危険か。歴代所持者が自殺してるし。
『酷いよねぇ、夢の中で数回会っただけで不眠症になって自殺するんだから』
『どう考えてもお前の所為だろ…』
『こんなに僕が可愛いのに!?』
『はいはいかわいいかわいい( ´_ゝ`)』
『雑ぅ!!』
ロビー君とそんなやり取りしながら俺達は封印されている扉の前まで移動した。
リアスが手を翳すと、立ち入り禁止のテープが赤い光となって消えて鍵も開錠される。
息を呑んでゆっくり開けようとするのを俺は静かに見守る。
さて、何が出て来るやら…?
「いやぁぁぁぁぁっ!」
開けて入ろうとするといきなり悲鳴が聞こえた。
いきなりだからびっくりしてタイラントに変身するところだったわ!
右手に出した覆面を消しながらよく見ると暗い部屋の真ん中に子供が入れるサイズの棺桶。
何か薔薇の装飾とかが入ってて何かオシャレだわ。
「何事なんですかぁ…?」
「封印が解けたのですよ」
泣いてるような声で言う棺桶を朱乃が優しく声掛けながら開ける。
中にいたのはうちの学園の女子制服を着た金髪の子がいた。
あらま、可愛らしい女の子。でも気のせいか、何か違和感が…?
おいイッセー興奮すんな、気持ち悪い。
「この子は男の子よ」
「…え? 部長、今なんと?」
『見た目は女の子だが実際は男…男の娘って奴か。初めて見たわ…』
俺が感じていた違和感の正体がわかって少しスッキリしているとイッセーとアーシアがすげぇ驚いていた。
どうやらこいつは女装趣味があるらしい。いや、似合っているけどさ?
こうもピッタリと女装が決まるなら服を探すのは楽しいだろうな。
因みに俺のは大きいサイズしか着れないから決まった店(ミルたんに教えてもらった)しか行けない。
リアスがこの男の娘をあやす様に抱きしめながら教えてくれた。
こいつはギャスパー・ヴラディ。
リアスのもう一人の僧侶で、吸血鬼と人間の間に生まれたハーフ。
そして駒王学園の一年生、という事は小猫の同級生か。
あ、確かによく見ると吸血鬼みたいな牙が見える。
「いやぁぁぁ! 何か怖い人がいるぅ!!」
『(´・ω・`)』
「大丈夫だよ、ギャーくん。剛先輩は迫力があるけど優しい人だよ」
『(´;ω;`)ブワッ』
ふと俺と目が合ったギャスパーはさらに泣き出した。
いや、怖がられるのは慣れてるけどこうも泣かれると凹む。
そっと小猫がフォローに回ってくれた優しさに全俺が感動の涙を流した。
とりあえず暗いのもなんだから電気つけよう。
電気のスイッチをつけると意外とファンシーな内装だった。
こうして改めて見ると女の子にしか見えない。
これが俺と同じ男だぜ? とてもじゃないけど女装とか出来ないわ。
ミルたん? 覚えとけ、あの人は別だ!
しかし、封印されてるとはいえ引き籠りの女装好きショタにしか見えないこいつの能力…一体何だろ?
何とか外に連れ出そうとイッセーがギャスパーの腕を掴んだ瞬間に奴が消えた。
あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!
イッセーがギャスパーを連れ出そうとしたらギャスパーは部屋の隅で泣いていた。
な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…。
頭がどうにかなりそうだった…。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。
朱乃が言うには「停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)」という神器らしい。
能力は視線に入ったものの時間を停止させる…何それ強い。
時間を止められるとか強すぎるだろ!?
だがコントロールが出来ず、興奮状態になると自動で発動して停止させてしまうらしい。
なるほど、そんな強力な力だからこそ制御が難しい…そんな所か。
その後何とか部室まで連れていく事に成功したが当のギャスパーはいつの間にか段ボールに入っていた。
こらこら、どこぞの傭兵だお前さんは。そしてイッセーも蹴って怖がらせるな。
そんなイッセーを注意(アイアンクロー)してると、
リアスと朱乃と祐斗は会談の用事で出かけるのでその間ギャスパーの教育をしてほしいと頼まれた。
『俺がいると必要以上に怖がるだろうから俺は抜けた方がいいか』
「ごめんなさい、剛は悪い人じゃないって言うのはわかってくれる筈なんだけど」
『なぁに、少しずつ慣れれば大丈夫だろ。気にするな』
「剛は皆が無理しないように見ていてくれるだけでいいから」
『はいよ、気をつけて行って来い』
それだけ話してリアス達を見送ると早速ゼノヴィアがギャスパーを連れ出していく。
なーんか嫌な予感がするぞぉ…あの脳筋娘がやりそうな事は大体わかる。
イッセーと小猫にゼノヴィアがやりすぎないように言っておいたから大丈夫だろ…多分。
とりあえず俺も行こうとしたら携帯電話にメールが届いた。
おや、これはアザゼルさんからだ。
えーと、何々?
散歩がてら会談の場所である学校に行くから案内してくれ、か。
あんた堕天使の総督なのにそんな自由でいいのかな?
尻拭いしているであろう部下さん達は大変だろうなぁ…。
「何だ剛。ここにいたのか」
『捜しましたよ。案内頼むなら待ち合わせ場所くらい書いてくださいよ…』
「すまんすまん、赤龍帝や悪魔達がどんなもんか見に行ってたわ」
『もうやだこのじゆうじん…』
旧校舎から少し離れたくらいで着物姿のアザゼルさんと合流した。
どうやら祐斗の神器を見に行きがてらイッセー達に顔を出したようだけど、
ついでギャスパーの眼と匙の神器についてもアドバイスしたらしい。
アザセルさんは溜息をつく俺を尻目にケラケラと笑っていた。
「赤龍帝もお前くらいに神器を使いこなせればヴァーリの奴と並べられると思うがな」
『イッセーの底力を軽く見ない方がいいですよ。あいつはあっという間に俺を凌駕しますから』
これは真実だ。
俺は毎日体を鍛え、さらに夢の中で戦闘経験を積んでいる。
だがそんな努力も、強くなる為のコツを掴んだイッセーに瞬く間に追い越されていく。
人間と悪魔、神器と神滅具、違いはあれど後輩に追い越されるのは嬉しくもあるが悔しいのもある。
禁手化…祐斗やヴァーリ、そして僅かだがイッセーも至った。
俺はまだそこへ辿りつけてはいない。
「剛、お前は禁手化が欲しいのか?」
『…要らないと言えば嘘になります。でも無暗に力を求めれば己を喰われます』
「モンスター・オブ・クリーチャーは多くの化け物の力をその身に宿すからな。その可能性もあるだろ」
『俺の神器はこう言っています。きっかけさえあればすぐに至れると』
ロビー君の言っている事が間違っていなければの話だ。
俺の成長ぶりは予想以上らしく、力の引き出し方も上手いらしい。
きっかけかぁ…死に直面しそうな場面とかになれば出るのだろうか?
そもそも俺だけそんなのになる事態になったら…後が怖い!
その後、アザゼルさんと別れた俺はイッセー達がギャスパーの訓練をやっていた体育館へ行った。
しかし、訓練の結果は失敗。ギャスパーは再び封印されていた部屋に引き籠ってしまった。
イッセーは合宿の時のように自らを追い込むような特訓を選んだようだが、それは間違っている。
お前はお前、ギャスパーはギャスパーだ。全員がそのやり方で良い訳がない。
俺があの時そういう特訓をしたのは「イッセーはこれをやり遂げる」と確信した上で考案した。
だから、まずは相手を知らなくてはならない。
それを無視して無理な訓練させるのはそれはやらせている側によるただの自己満足に過ぎねぇ。
本当は俺がそれを指導しなくてはいけないのだろう。
けれどイッセーは王になりたいと言った。
なら自分が後輩を導ける様にならなくてはそんなは無理に決まっている。
成功も失敗も成長するには必要不可欠な物だ。
全部俺が甲斐甲斐しく世話をするのもあいつの成長する機会を奪っちまう。
忙しい最中に呼んでしまったリアスには本当に申し訳ないがな。
そろそろフォローをしようと思い、ギャスパーの部屋へ行こうとしたら既にイッセーが部屋の前で座ってギャスパーに語りかけていた。
あぁ…そうだよな。お前はそう言う奴だったよ。
何事にもとことん真っ直ぐに突き進めるのがイッセーの良い所の一つだ。
これなら俺のフォローはいらないだろうな。
そう考えた俺は踵を返して部室に戻ると小猫とゼノヴィアとアーシアが話し合っていた。
「剛、お前に訊きたい事がある」
『俺にか?』
「どうやったらギャー君が外に出られるかを考えているんです」
「イッセーさんだけに任せる訳にもいかないので…」
ようやく力尽くじゃ駄目だと気付いたか、イッセーと共々成長したと喜ぶべきかな。
さて、問題は外、若しくは他人に対する恐怖感が拭えないってことだろ?
あいつも俺みたいに爪弾き者にされたんじゃないかなと見ているが…。
とりあえず情報の整理してみよう。
『まずはあいつの行動を思い返してみろ』
「行動だと?」
『小猫はともかく俺らは初対面だったろ? その時は俺らの顔を見て話したか?』
「棺桶に…隠れていました」
「私が初めてギャー君に会った時もすぐに隠れていました」
『だろう? 他人に顔を見られるのが怖いんだろうな』
「それはわかる気がします。私、人と面と向かって話すのが苦手なので…」
『電話越しだとどうだ?』
「それだと大丈夫なんです」
「…なるほど、そういうことか!」
話をしていく内にゼノヴィアが何かを思いついたのか、そのアイディアを皆で聞いた。
それは顔を隠せばいいんじゃないかという。なるほど、どうやら俺の変身から連想したらしい。
かといって俺の覆面を貸すわけにはいかない、アイマスクは寝たらロビー君達にお出迎えされるから無理。あいつ死ぬぞ。
ふと、テーブルに置いておいた俺が買ってきた茶菓子が入った紙袋が目に入る。
…これならいけるんじゃね?
「落ち着く…なんかいい感じ…」
結果は成功、やったぜ。
紙袋をハサミで目出しの穴を作って顔に被せる作戦だった。
だとしても小猫、段ボール箱から出すためにニンニク投げるなよ…エグいぞ?
このニンニクは俺が引き取って今日の夕飯にしよう。ガーリック炒飯とか最高だぞ。
ギャスパーもこれで少しずつ仲間に慣れていけば外へ出れるようにもなるだろう。まずは一歩前進したという事で。
ところで、イッセー。
扉越しに聞こえたんだけどギャスパーに時を止めてもらって何をしようとしたんだ?
怒らないからその素敵なオカルト部男子の連携とやらを聞かせてもらおうか?
おい、逃げんなコラ。エイリアンに変身した俺から逃げられると思うなよ!
『えっお前、正式名称はゼノモーフって言うの?』
『シャァァァッ(コクッ)』
『エイリアンってまんまの名前にしちまったよ…』
『でも宿主がつけた名前でいいって。ね?』
『シャァァァッ(コクッコクッ)』
『尻尾めっちゃ振ってる…』
『そんなエイリアンのゲームもあるよ!』
『へぇ、せっかくだからやってみるか』
『ギャアァァァァ!!Σ(゚д゚lll)』
閲覧ありがとうございます。
ようやく戦闘シーンが書けるぞ(白目)
最近はフロム系統からクリーチャー出したいとは考えてはいますが、悩みますね!
因みに一番好きなキャラはダークソウル3のジークバルト氏です。
もう少し進ませて戦闘シーンに行こうと思いますので是非楽しみにして頂けると嬉しいです。
それでは、また。