落第騎士の英雄譚ANOTHERー黒腕の戦鬼ー 作:PON-FON
拙い文章ですが楽しんでくれてら幸いです!
少年と少女
ズドドドドッッ!!!
何発もの銃弾が荒れ狂う死地を、全身真っ白な服を着た1人の少女が悠然と歩いていた。銃弾は少女に当たることなく、その当たる一歩手前の所で何かにぶつかったように弾かれる。
「"クソッタレ!!なんで当たらねェ!?"」
銃口を少女に向け、マシンガンを乱発させていた比較的 薄い褐色肌の男が叫ぶ。その声は震え、顔は焦りと恐怖で歪んでいた。
「"これだから
さきほどの男とは また別の褐色肌の男がぼそりと呟く。見渡せば、少女の前方には20人弱の武装した褐色肌の男たちがいた。しかし、その誰もが恐怖で戦意を喪失しかけていた。
「"ひるむんじゃねえ てめぇらっ!!相手はたかが女1人だ!! 1発でも当たりゃ こっちのー"」
「残念ですが貴方達じゃ当てられませんわ、それに」
リーダー格と思わしき男の声を遮り、少女が言葉を紡ぐ。
「これで終わりですもの」
瞬間、
「『
男たちの意識は一瞬で刈り取られた。その場に花火のように肉片を飛び散らし、飛沫のように紅い華を咲かせながら。
「………」
地獄絵図と化した目の前の光景をどこか悲しそうな目で見る。その瞳には懺悔と虚しさが混合し揺れていた。
そこで、ふと先ほどの爆発で返り血を浴びたことを思い出した少女は自身の服に視線を向けた。
真っ白だった服はどこへやら、ものの見事に紅く染め上がっていた。
「……私がやったことですし霊装的にも仕方はないのですけれど…次からは傘でも持ってこようかしら…」
複雑な表情でそれを見る少女。ものすごっく微妙な反応をしていた。
「ま、まぁ それは置いておくとして、一応は制圧しましたわね」
自分の周りに敵兵がいないことを確認した少女がぼそっと呟く。
そう、今 少女はある国で反政府を掲げるテロリスト集団を拘束するため、『特別招集』という形でテロリストが根城としている廃墟に身を置いていた。
そして少女が制圧を担当するエリアこそが今この廃墟の中にある広く薄暗いホールだったのだ。
「では、ここからは本部に合流…、ーーっ!?」
瞬間、少女の身体は突然 浴びせられた未だかつて体感したことのない濃密な殺意によって身動きを封じられたのだ。
しかし、流石は実戦を経験したことのある伐刀者と言うべきか、少女はすぐに我に返り戦闘モードへと移行した。自身の周りに
足音が、聞こえる。
カツ、カツと、前方から足音を響かせながら だんだん こちらに近いづいてくる。
殺気が重くなる。
そして、ついにその『殺意』は開け放たれていたドアの向こうから姿を現した。
「子供…?」
少女の第一声がそれだった。
近いづいて来た『殺意』は銀色の髪に銀色の瞳、そして褐色肌という姿で、全身には薄汚いボロボロの白い服とズボンを履いており、返り血のような血痕がそこらじゅうに点いていた。年の頃は少女よりも1、2歳 年下というところだろう。
「お前、ここにいた奴らを殺したのか?」
少女から約25m地点で止まった少年はおもむろにそう言い放った。
「…そうだと言ったら、どうなるのかしら?」
未だ向けられる圧倒的な殺意を真正面から受け止め少女は言う。
「いや、別にどうもしねえよ」
それに対し少年は無表情で答え、
「俺の殺すターゲットが増えただけだからな」
少年は一気に少女へと詰め寄った。
「ーーーっ!?!」
少女の顔が驚きに染まる。それもそうだろう、今の踏み込みはあきらかに人間のそれを超えている。とても人間業とは思えない。
その思いがけない不意打ちに一瞬 反応が遅れた少女は、少年の
ここで本来ならばチェックメイト、少女の死を意味していたが、
「……っ」
あともう一歩 踏み込めば殺れるというところまで迫っていた少年は何かに気付き条件反射とも言うべきスピードで後ろに跳躍する。
「今のに気付くなんて……何者ですか貴方?」
少女が睨んだ。
この間合いは同じく少女の
先ほど反応が遅れたように見せたのも全ては確実に初手で敵を殺すため。遠くに離れた敵でもフランチェスカならば殺すことは可能だが やはり至近距離の方が確実性は上がる。
しかし、
(まさか、初手で見抜かれるなんて…しかもあの子、寸前で息も止めていた…)
初見で見破られた。
自分の固有霊装は粒にもできるという特徴故、酸素にに乗じて相手の口のなかから身体の中に侵入し攻撃するという暗殺じみたとことが可能なのにもかかわらずだ。
そして思う。遠距離で攻撃をした場合でもおそらく少年は何らかの手段で躱していただろう。そう思わせるほどに、
(強い……なんて ものじゃないですね、今までの敵とは次元が違い過ぎる…っ)
少女が内心そう毒づくと、
「俺はただの兵器だ、それ以下でもそれ以上でもない」
おもむろに、少年はそう呟いた。
「兵器?」
「そういうお前は
少女のセリフを無視して質問を投げかける。
「……えぇ、そうですけど、それが何か?」
「いや、別に対したことじゃない」
少年はゆっくりと目を閉じて、
「殺すのに時間がかかるなと、そう思っただけだ」
呪いの言葉を口にする。
「『
瞬間、少年の魔力が爆発的に上昇したのと同時に、両手から両肘にかけて黒い魔力の粒子が迸る。
「これは…霊装!?……しかもこの魔力量…その辺の伐刀者よりも遥かに多いですね…」
魔力の奔流に呑み込まれないようにと、足に力を入れながら耐え踏みとどまる。
魔力の奔流が徐々に収まっていくのと同時に、形が明確になっていく少年の固有霊装。赤いラインが幾千にも浮かぶ黒いガントレットがそこにはあった。
「いくぜ女、お前を」
そして閉じていた瞼を開け、その"赤い瞳"で少女を見据え、
「殺す」
殺意が、爆発した。
これが当時15歳の少女ー貴徳原カナタと少年ーシルヴァの鮮烈な出会いだった。
とまぁ、こんなところで切ろうとは最初 自分も思ってませんでした(笑)思いのほか字数がね……(笑)
てなわけで次回もよろしければ ご覧下さいな( ´ ▽ ` )ノ