お仕事忙しくてさぼってました。
ポッポに案内されて島の南の森にやってきた。
少し開けた広場の様な所に10数匹の私の友達、ポケモン達が集まっていた。
『おお、いらっしゃい』
ゆっくりと顔をこちらに向けながらトロピウスが声をかける。
その言葉を聞きながらその場に座る。
『おうおう、おせぇじゃねぇか』
柄の悪い口調でロコンが話しかける。
「勉強してたの。」
『偉い偉い、外の世界に行くには勉強が必要だからね』
優しく微笑むトロピウス。
『ところで外に連れていく6匹は決まったの?』
木の上からイトマルが話す。
「まだ。」
うつむきながら呟くように言葉を流す。
私が旅立つ時、この島から6匹共に旅をする友達を連れて行かなければならないらしい。
先生が決めたことだ。
この島にいるポケモンは外の世界でトラブルを抱えていた子達ばかりだから外に出たいと思うものはいない。
『おめぇが頼むんなら行ってやってもいいぜぇ』
ロコンを除いて。
『大変大変!』
ちょうど私の頭上から羽をバタバタと忙しく羽ばたかせながら1匹のアゲハントが降りてくる。
『どうしたの慌てて』
『こいつが慌ただしいのはいつものことだろぉが』
ポッポの言葉に続きロコンが口を挟む。
その間にアゲハントは私の頭の上にへたりこむように止まった。
『あのね大変なの!』
『それはわかったから続きを話せや!』
アゲハントに苛立ちながらロコンが用件を聞き出そうとする。
少しロコンにビビりながらアゲハントが口を開く。
『あのね、あのね南の海に人が来たの!外の世界の!』
その場にいた友達、ポケモン達が一斉に驚きの色に染まる。
何度も言っていることだがこの島には私と先生以外は誰もいない。
そして私の知る限り、外の世界から人が来たこともない。
『一大事じゃねぇかよ!』
吠えるロコン。
それを制するようにトロピウスが口を開く。
『まだ敵と決まった訳ではない』
「ポッポは先生にこの事を伝えて、他の皆は島にいる友達皆につたえ。アゲハントはそこまで案内して。」
伝えると同時に反射的に私は走り出した。
『オレもいくぜぇ!』
後ろからロコンが駆け出した。
背中からは止める声が聞こえるが耳には入ってこない。
私の頭にはアゲハントが必死に掴まっている。
私は記憶のある中で先生以外の人と話したことがない。
私の中には人と会うことに恐怖心があったが、それ以上に好奇心があった。
この時からだろう、外の世界に興味を持ったのは。
『このまままっすぐ!』
頭の上から声が飛ぶ。
ここからだと走って5分位で海まで出る。
本当に小さな島なのだ。
南の森の先、南の海はこの島では珍しく砂浜が広がる場所だ。
そしてこの島の年長者が住む場所だ。
『ラプラスが人と話をしているの』
ラプラスはこの島で1番年上で1番賢く1番強い。
外の世界の海を旅していたこともあり、外の世界の事もよく知っている。
彼女、ラプラスは昔子供を人に盗られ、復讐をしようとしたがその願い叶わずこの島に住むようになった。
詳しくは私は知らないし、教えてもくれない。
でも今でもラプラスが人を恨んでいる事は知っている。
「急がないと、ラプラスが何をするかわからない。」
目の前の景色が開けてきた。
もうすぐ海岸に出る。
「ラプラス!」
はぁはぁ。
足元が砂に変わりそこで一度止まり呼吸を整える。
両手を膝に当て、肩で息をする。
息を大きく吸い込み、目の前の光景を確認する。
波打ち際で倒れているラプラス。
そこか少し距離をとった所に緑の髪をした人が立っている。
その人の隣には私が見たことのない大きな黒いポケモンが立っている。
「君の名前は?」
その人は私に聞いてきた。
私は軽く睨み、
「キレアです。」