島風は旅に出るようです。   作:delled

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5.始まりの楽園(3)

 それから現在に至るまでの三年間、晴妃はシャノンの保護者として一緒に暮してきたという。時刻は15時を過ぎようかという頃。都合30分程度は晴妃の話を聞いていたことになる。

 

「今のところ、シャノンの記憶は戻ってないわ。」

 

 あるいは、純粋に発見される以前の記憶はないのかもしれないと晴妃は言う。つまり、深海棲艦として生まれてすぐに発見されたという可能性もあるということだ。

 

「こんなことを聞かされても、由希子を困らせるだけかもしれない。でも、私はこの子のことを家族だと思っているの。だから……。」

 

「多分、私が晴妃さんでもそう思うはずですから。シャノンさん、さっきは驚かせてしまって、本当にごめんなさい。」

 

 もはや由希子にシャノンを攻撃する意思などあるはずがなかった。たとえ、シャノンが由希子の知る"彼女"であったとしてもである。

 

「うウん、大丈夫。それよリも、ユキコ。良かっタら、アタシと友達になっテくれる?」

 

 透けるように白いシャノンの右手が机を挟んで躊躇いがちに差し出される。ためらうことなく握ったシャノンの手は、由希子の手よりも少しだけ小さく、そしてひんやりと冷たかった。

 

「もちろん、こちらこそよろしく、シャノンさん。」

 

「うン、よろシく。アタシ、ユキコのことも知りたいナ。昔のこと、聞かセてよ。」

 

「由希子はねぇ、艦娘になってすぐの頃はとっつきにくい子だったのよ。」

 

「ちょっと、それは昔の話ですから。」

 

「うン、そレそれ。そうイうのが聞きタいんだってば。ドク、聞かセて。」

 

「じゃあ、島風ちゃん着任から、憧れの先輩の影響で豹変するところまで……。」

 

「エ!? コイバナなノ?」

 

「違うって、そういうのじゃないし。そもそもそういう話はやめてくださいって!」

 

 結局、由希子の昔話は実に一時間近くを要して詳細に語られることになった。既に傾き始めた日差しが窓から差し込み、部屋を橙色に染め始めている。

 

「あら、もうこんな時間。どうせだから、少しだけ仕事して帰るわ。あなたたちは先に戻ってて。」

 

「うン。晩ゴハンの準備、始めトくね。」

 

「えっと、私は……。」

 

「ごめんなさい。本当は今日手伝って欲しかったんだけど、明日でもいい?」

 

「はい、大丈夫です。」

 

「じゃア、ユキコはアタシと帰ろう。」

 

 また後で、と手を振る晴妃に頭を下げる由希子。大き目の黒い帽子を被ったシャノンに軽く手首を掴まれて、引っ張られるように部屋を出る。真珠湾の軍施設は広く、宿舎までは徒歩で十五分程度かかるらしい。彼女に手を引かれながら、改めて視線を向ける。背は自分よりも10cm程度低く、全体的に華奢だ。そんなシャノンが急いで歩くものだから、腰までの純白の髪は彼女の歩調に合わせて豊かに弾む。深海棲艦ということを抜きにして、一人の少女として見ても目立つ容姿だと由希子は思った。晴妃の話では、軍関係者以外には色素欠乏症の類だと説明しているらしい。視線を向けていたからだろう、赤い瞳が由希子へと向いた。

 

「どうかしタ?」

 

「いいえ、なんでもないです。」

 

「そういエば、敬語……使わナくて良イよ。」

 

「えぇっと……うん、わかった。」

 

「おぉ、なンか良イ。嬉しいナぁ。」

 

 口角を吊り上げてにんまりとシャノンは笑った。

 

「嬉しい?」

 

「だっテ、ドクもミズーリもアタシのこトを妹みたいに見テるから。うまく言えナいけど、ユキコとこういウ風に話せるのが嬉しい。」

 

 友達みタいじゃナい、と言うシャノン。もう友達だよ、と由希子は返した。こちらを見るシャノンの瞳がきらめいたように見えた直後、彼女は由希子の腕に緩く抱きついた。

 

「優しイね、ユキコは。」

 

 自分たちが命懸けで戦っていた敵だとは、思えなかった。見た目こそ深海棲艦なのかもしれないが、その言動に普通の少女とどんな違いがあると言えるのだろう。自分が沈めた彼女たちも、由希子の知らないところでこんな風に過ごしていたのだろうか。

 

「そウだ。ユキコは何か食べタいもノ、ある?」

 

「うーん、好き嫌いはないから、何でも食べられるけど……すぐには思いつかないかな。」

 

「飛行機で疲れたりしテない? なんか重いモのは食べたクない、とか。」

 

「大丈夫。艦娘の体力、なめないで。一度出撃したら、三日くらいゆっくり眠れないとか普通だったから。それでも戦うために非常食がっつり食べてたし。」

 

「マジで?お休ミは?」

 

「休みはちゃんと取れてたけど、疲れきってて、寝るだけで終ったりとか。」

 

「うわー、絶対ヤだそれ。アタシ艦娘にはナりたくない。」

 

「その代わりお給料は良かったよ。服とかネットで好きなだけ買えたから。」

 

「ドクも言ってタ。色々手当てガつくんだよネ。」

 

「でも、折角買った服を着ていく時間がなかったかな。同じ部屋の仲間と見せ合いっこするくらいだもん。」

 

「――辛イね。」

 

 そんな他愛もない艦娘時代の話をしているうちに、宿舎に辿り着いていた。

 

「ユキコは一度部屋の中見たんデしょ?」

 

「うん、シャワー貸してもらったよ。」

 

「そうダ、部屋にはシャワーしかなイけど、共同のバスルームの方には大きなバスタブがあルよ。」

 

「あ、良いねそれ。使わせてもらおうかな。」

 

「じゃア、一緒に入ロう。ドクも誘っテ。」

 

 ほぼすべての艦娘に言えることであろうが、入浴の時間は人一倍大切にしていたつもりだ。一度海に出れば、長い場合で一週間近く風呂には入れないこともあった。そのうえ、靴には海水が入り、ときに波飛沫を被り、ときに砲弾の欠片を浴びる。とりわけ夏場において、帰港するころには年頃の少女として許容できない程度には色々と酷い状態になっている。だから、シャワーで溜まりに溜まった汚れをすべて落としてから、浸かる風呂の暖かさに勝る快楽はないと断言できる。それくらいに、浴槽の存在はありがたかった。だから、浴槽があるというなら断る理由もない。話すうちに、晴妃の部屋に戻った二人。由希子にはリビングで待っているように言って、シャノンは足早にキッチンへと向かう。

 

「鶏肉あルから、モチコチキンを作ろウ。」

 

「モチコチキン?」

 

「うン、ハワイ風の鶏のから揚げダよ。片栗粉の代わりに餅粉を使うンだ。だカらモチコ。最近はニホンでモちょっとずつ有名になっテるみたい。」

 

「初めて聞いたよ。」

 

「から揚げトは違って、衣がチょっとふワっとしてるの。急いでお肉漬け込まナいと。」

 

 黒いワンピースの上から灰色のエプロンを身につけて、頭には三角巾代わりのバンダナを巻くシャノン。慣れた手付きで鶏肉を切っていく彼女は、やっぱり深海棲艦には見えない。少なくとも、自分が抱いていた彼女たちのイメージとは異なる。

 

「ユキコは料理スるの?」

 

「できなくはないけど、あんまり手の込んだものは作らないよ。焼き魚とか、煮物とかカレーとか、そんな感じ。」

 

「アタシもそんなに難しイのは出来ナいけど、料理は好キ。」

 

「食事の用意は晴妃さんと交代とかで?」

 

「ううん、ドクは帰ってくるの遅いコとが多いから、アタシが準備してる。」

 

「だから手際良いんだ。ね、何か手伝うことあるかな?」

 

「ありがとう、でもこレは一人で十分。適当に鶏肉を切り分ケて、あとは調味料に漬けテ少し寝かせるダけ。醤油と砂糖と、アタシはオイスターソースも混ぜるの……あ、ニンニクも入れテ良いよネ?」

 

「うん、大丈夫。」

 

 切り分けた鶏肉と調味料を入れた袋を冷蔵庫で寝かせること三十分。二人リビングでお茶を片手に艦娘だった頃の食事事情を話している間に、ちょうど良い時間となっていた。

 

「本当は一晩くらい漬け込んデも良いんダけど……時間が無いとキはこれくらいでも良いノ。」

 

 餅粉を袋の中の入れて馴染ませた後、シャノンは手際よく鶏肉を揚げはじめる。

 

「それにシても、ユキコ、細いのにそんなに食べてタんだ。困っタ。うチの炊飯器だと、十合も炊けナい。」

 

「ううん、今はそんなに食べてないよ? 艦娘やってた頃は、それくらい食べてたってだけで……。あ、でも今日は少しお腹すいてるかも。」

 

「ちョっと艦娘になってタもんね。あ、ドクもか……。ごはん、五合炊いとクね。これが最大。」

 

「そんなには食べないと思うけど……一応お願いします。」

 

 艦娘はその驚異的な身体能力と引き換えに、とてつもない熱量を消費する。当然、それは食事で補うしかないわけで、当時の一日あたり摂取カロリーは今と一桁は違っていた筈だ。艦娘の力を使った反動だけではないだろうが、由希子は確かに空腹感を覚えていた。シャノンは一度軽く揚げた鶏肉を冷ましてから、二度揚げをしているらしい。鶏肉の揚がる香ばしい匂いもまた、食欲を刺激するのだ。

 

「そろそろデきるよ。ドクももう帰ってクる頃だけど……。」

 

「ただいまっ!!お腹空いたーっ。」

 

 シャノンが言ったとほぼ同時に、晴妃が部屋に帰ってきた。

 

 廊下側から由希子たちのいるリビングに向けて、フローリングの床を歩く足音が響く。急ぎ足なのがわかるのに、決して乱暴な印象が無い足音はいかにも晴妃らしい。彼女の足が五歩分の音を刻んだ直後、ゆっくりと扉が開かれる。

 

「改めて、ただいまー。おぉ、今日はモチコチキンなのね、おいしそうな匂い。」

 

 対面式のカウンターからキッチンを覗き込み、目を輝かせる晴妃。

 

「おかエり、ドク。すぐにごはんノ準備すルね。」

 

「おかえりなさい、晴妃さん。シャノン、私も手伝うよ。」

 

「由希子は座ってて。お客様なんだから、ね。」

 

「でも……、何かお手伝いをしないと。」

 

「じゃあ、気持チだけ貰っとクね。」

 

 晴妃に両肩を掴まれて、リビングの椅子に少々強引に座らされる。確かに、勝手を知らない由希子が手伝おうとしたところで、邪魔になるだけなのだろう。皿に料理を盛り付けるシャノンも、それをテーブルに並べる晴妃も確かに手際が良い。しかし、それを眺めるだけというのはどうにも落ち着かないものだ。二人の息の合った動きのためか、所在なさそうにテーブルを見つめている時間もそう長くはなかったのが救いといえる。

 

 正方形のテーブルには四辺を囲むように四脚の椅子があり、うち二脚は来客用らしい。晴妃とシャノンは定位置であろう隣り合う辺にそれぞれ座り、由希子は晴妃と向かい合う形で座っている。テーブルの中央には、大皿に山盛りとなったモチコチキン。それぞれの目の前にはごはんと味噌汁、漬物が盛られた小鉢と麦茶が並ぶ。晴妃の前だけは、小さめのグラスにビールが注がれている。

 

「えー、では……ワタクシだけお酒ありというのも恐縮ではありますが――。えー、遥々お越しになった藤堂由希子さんの――。」

 

「なンか始まッた。何こレ。」

 

 グラス片手に芝居がかった低い声で話し始めた晴妃。シャノンは由希子へと視線を向ける。説明を求めると言わんばかりの視線に、由希子は視線を天井に向けてうーん、と悩む素振りを見せる。

 

「えぇっと、何ていえば良いのかな。日本での乾杯の音頭がこういう感じなんだよ。」

 

「あー、日本ダとこういウのなんだ。」

 

「こら、乾杯がされるまで私語は禁止よ。もう、こういうのは雰囲気が大事なのに――。ま、良いか。久々に由希子に逢えてうれしいわ。シャノンとも仲良くなってくれたし。短い間かもしれないけど、沢山楽しんでいってちょうだい。というわけで、乾杯っ!!」

 

「お世話になります、乾杯。」

 

「アタシもユキコと知り合えて嬉しイ。カンパイっ!」

 

 三人がそれぞれが飲み物を軽く掲げて、小さな音が響く程度に触れ合わせる。コップに唇を寄せると、麦茶の香ばしい香りが鼻腔を擽った。シャノンはアメリカの酒造メーカーのロゴが描かれたビール瓶から、早速晴妃のグラスに二杯目を注いでいる。

 

「そういえば、晴妃さんってお酒飲みましたっけ?」

 

「日本ではあんまり飲まなかったかな。そもそも、未成年だったし。でもこっちの気候ってさ、ビールがおいしく感じるのよ。」

 

「あー、なんとなくわかります。ね、晴妃さん。私たち駆逐艦の娘達が時々隠れてお酒飲んでたの、知ってます?」

 

 由希子は口角を吊り上げて、少しだけ悪戯な笑顔を浮かべる。艦娘は基本的に10代から20代前半で適正が発現するとされている。その中でも駆逐艦娘は二次性徴前後程度の、極めて若年の内から適正を見出されることが多い。堂々と酒を飲める年齢に達している艦娘も少なくない鎮守府内で、駆逐艦娘たちにとっての飲酒は身近でわかりやすい背伸びだった。

 

「知らなかったとでも思う? でも、あんな生活してたんだもの、ちょっとくらい羽目を外さないと、ねぇ?」

 

「ユキコ、不良だっタんだ。」

 

「ううん、そんな毎日じゃないよ? 休暇の前の夜に同じ部屋の娘とちょっとだけ……とか。」

 

「少し飲む? エールっていって、日本の一般的なビールより苦くないから飲みやすいわよ。」

 

「……確かに美味しそうですけど。」

 

「良いじャん、アタシもちょっトだけ飲みタい。」

 

「じゃあ……少しだけ。」

 

 水滴が滴るほどに冷やされた瓶と、晴妃のコップに注がれた琥珀色の誘惑は確かに強力だった。今年十八歳の由希子にとって、飲酒は未だ背徳感を覚える禁じられた遊びなのだ。新たに持ってきた空のグラスに晴妃がビールを注ぐ。日本でよく見るビールよりも若干液色が濃く、泡が少ないように見える。シャノンは早速とばかりに唇を寄せたグラスを大きく傾けて、喉さえ鳴らして飲み始めていた。対照的に、蛍光灯にかざしてグラスの中身を揺らしてみてから、おずおずと唇を寄せる由希子。決してその味に詳しいわけではないが、日本のビール特有の癖のある匂いがあまり感じられない代わりに、苦味が少ない。味の多くを占めるのは、甘みだろうか。確かに、思ったよりも飲みやすかった。喉から体内に流れ落ちて、体の内側が少しだけ熱を帯びる感覚。その熱さを逃がすように吐息を漏らした。

 

「どう? 結構おいしいでしょ?」

 

「はい、でも……まだ私にお酒は早いかも。」

 

「うゥん、おいシいけど、やっパりごはんにハお茶かナ。」

 

「それが良いわ。ここだと21歳以下の飲酒はアウトだもの。まぁ、元艦娘に対しても意味ある制限かと言えばって話にはなるけど。何にせよ、ごはんよ。冷めちゃわないうちに頂きましょう!」

 

「ですね。いただきます。」

 

「イただキますっ。」

 

 モチコチキンを一つ、小皿にとってから唇に近づける。直接触れる前から熱さを感じる程だから、慎重に口に含むことにした。程よく揚がった歯切れの良い衣は、同時に少し弾力を覚える。中の鶏肉はくどくない程度に味が染みていて、何より柔らかく瑞々しい。咀嚼すると同時に、調和の取られた香辛料の匂いが鼻を抜けた。

 

「あっ……んぅ。熱いけど、おいしい。」

 

「ほんト?良カった……。」

 

「シャノンは何作らせても上手なのよね。最近はインド料理に凝ってるみたいで。」

 

「そウ、特に南インドの料理ハ面白いンだよ。」

 

「南インド……えぇっと、ナン、とかは?」

 

「あれは北インドの料理らしいわ。なんだっけ、ポテトオムレツの具みたいなのを包む。」

 

「マサラドーサ。簡単だカら、ユキコが興味あルならまた作るヨ。」

 

「良いの? うん、是非作って欲しいな。」

 

「オッケー、任せテ。」

 

 モチコチキンの余韻が口に残っている間に、ごはんを口に運ぶ。ハワイなら日本の米も手に入るのはわかるが、それ以上に気になっていたのは漬物だった。恐らく大根を漬けたもので、一口食べてみると塩気よりも酸味を感じる。京都のすぐき漬に少し似ているかもしれない。

 

「お漬物もおいしい。これって、シャノンが?」

 

「うウん、一度漬けてみタいとハ思ってるんだケど、こレは買ってキたやつ。」

 

「こっちでお漬物を作ってる会社があるのよ。結構歴史は古いらしいわ。日系移民とその子孫が多いからかしら。」

 

「あぁ、なるほど。ここでもこんなにおいしいお漬物が手に入るんですね。」

 

「ま、日本人が必要とするものは大体手に入る島だから。ところでね、由希子に聞きたいことがあるの。作りたての暖かい食事を摂れる日の方が多いことって、戦いが終わって嬉しかったことの上位に来るわよね?」

 

「わかります。五本の指に入ると言っても良いくらいです!」

 

「エー、それ、ミズーリも言ってタけど、本当ニ?」

 

「当然よ。真夏に一週間かけて外国の艦娘を支援に行くとしましょう。向こうの艦娘たちがごはん作って待っててくれたりするのよ。」

 

「――その時の自分は、一週間の航海でもう自分でもびっくりするほど汗臭くってさ。」

 

「お風呂に先に入るか、今まさに湯気を立てる暖かいごはんをすぐに頂くか!」

 

「究極の選択になるんだよ。私はいつも先にお風呂だったけど。」

 

「私は先にごはん食べてたわね。まともな食事の誘惑には勝てないわ。」

 

「ドクはそうだヨね……。なんとなクわかル。」

 

「え……? それ、どういう意味よ。ねぇ、シャノン。」

 

 晴妃の瞳に剣呑な色が宿る。淡々とした表情の裏に沸々と湧き上がる怒りを感じさせる晴妃と、悪びれる様子もないシャノン。そんな二人の応酬が楽しくて、由希子は片手で口を押えながら笑い声を零す。おいしい料理は会話をさらに弾ませる。同時に楽しい会話はおいしい料理をさらに――というもの。それが久々に再会した仲間と新たな友人が一緒なら尚更だ。由希子と晴妃が満足する頃には、丁度五合炊きの炊飯器も空となった。さすがに片付けは手伝わせて欲しいと申し出て、三人手分けしてテーブルと皿を片付ける。時刻は19時半を少し回った頃。シャノンが淹れた食後のお茶を飲みながら、三人は一息ついていた。

 

「二人トも、お風呂行こウよ。」

 

「えぇっと、大浴場があるんだったかな?」

 

「そうね、このくらいの時間ならまだ混んでないだろうし、行きましょうか。バスタオルはレンタルのものがあるから、着替えだけ持ってきてね。」

 

 共同の浴場は晴妃の部屋がある建屋の隣、いわゆる厚生棟に設置されていた。決して新しくはないが、しっかりと手入れされた清潔感のある施設で、スポーツジムの浴場に近い印象を受けた。ブラウスとコットンパンツを脱いで、ブラジャーのホックに両手を回したところで、すぐ隣にいるシャノンから向けられる視線に気がついた。妙に熱を帯びた視線に、由希子は軽く首を傾げる。

 

「やっパり、由希子も筋肉凄い。ちょっとダけ腹筋割れテる……。」

 

「あぁ、これ……。うん、特に運動はしてないんだけどね。」

 

「減らないわよね。無駄なお肉も増えないから、善し悪しではあるけれど……ねぇ。」

 

 確かに、ごくごく普通の暮らしをしてきた少女たちと比べれば、由希子も晴妃も引き締まった身体をしている。個人差はあれど、概ね艦娘の身体に無駄は少ない。軽くうつむいて自分の身体を確かめる。確かに、うっすらと腹筋の隆起が透けて見える。同世代の短距離陸上部員の体型、と表現すれば近いのだろう。女としてあり得ないほどではないが、相応に鍛えている人たちと同等である。そして、少なくともあれから三年、背が伸びた以外に体型の変化は訪れていない。戦い続けていたあの頃から、一切衰えていないということだ。

 

「まぁ、あれよね……。良い人が出来た時に、身体を見せるのにちょっとだけ勇気が要りそうよね。」

 

「あぁ、自衛隊や軍の関係の人なら理解があるかも……。」

 

「選択肢狭まるわね。実際のところ艦娘の力が、その身体が持つ最大のポテンシャルを維持し続けているみたいなの。」

 

「じゃあ、一生このまま……?」

 

「それもわからないわね。どこかで力が消失するのか、それともこのままなのか。」

 

「えぇー、二人とも格好良イんだかラ良いじャん。アタシ、そンなに筋肉無い……。」

 

 言いながらに下着を外したシャノンは、全体的に華奢でしなやかな癖に、女性らしい豊かさを兼ね備えていた。

 

「何も言っちゃ駄目よ。結局無いものねだりってことなのよね。」

 

「――ですね。」

 

 重い吐息を漏らす二人。それでも大きな風呂は気分を高揚させてくれる。結局一時間以上は浴槽のありがたみを堪能してから、三人は部屋に戻った。

 

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 時刻は22時を過ぎた頃。湯上りで火照った体を冷ましがてら、冷たい麦茶片手に明日以降の予定を話し始めて一時間程が過ぎた。時々うつらうつらと船を漕ぎ始めていたシャノンが一足先に自分の寝室へと戻っていったのが五分ほど前のこと。まだまだ話したそうにしてはいたが、普段はもう少し早く眠っているらしい。晴妃と二人だけになったリビングは、急に広くなったように感じた。まだ出会って半日くらいでしかないが、シャノンがそばにいることが由希子にとって普通になり始めているということかもしれない。由希子自身の社交性は決して高い方ではないと自覚している。にもかかわらず、こんなに急速に仲良くなれるものなのだろうか。確かに、シャノンが人と打ち解けることに長けているということもあるとは思う。しかし、本当にそれだけの理由なのだろうか。頭のどこかでひっかかるものこそあったものの、それ以上は考えないことにした。

 

「なんだか、今日はごめんね。驚いちゃったわよね。」

 

「そんな! 気にしないでください。確かにびっくりしましたけど、シャノンと知り合えて嬉しいんですから。」

 

 由希子は表情を少しだけ緩ませて、麦茶が注がれたグラスに唇を寄せる。

 

「あなたが遊びに来ることが決まったときにね――。どうしてもシャノンを紹介したいと思ったの。由希子が知っている彼女と、シャノンは関係があるかもしれないってね。うん、私自身の好奇心に二人を巻き込んだだけなんだと思う。だから、ごめん……。」

 

「私が晴妃さんでも、きっとそうしますよ。シャノンの何かがわかるかもしれないって。それに、晴妃さんの好奇心や探究心が私達を何度も助けてくれたじゃないですか。今回は私に新しい友達を連れてきてくれました。」

 

 両手でグラスを包むように持ったまま、瞳を伏せたままとつとつと話す晴妃に、由希子はゆっくりと首を振った。

 

「ん……そう言ってもらえると救われるわ。」

 

「事前に教えておいて貰えるともっと良かったんですけどね。」

 

「それは本当にごめんなさい。私の配慮不足。」

 

「大丈夫です。その分美味しいものでも奢って貰おうと思ってますから。もちろんシャノンと一緒に。」

 

「そんなことで良いなら、任せなさいな。おっと、そろそろ良い時間ね、私達も寝よっか。明日は朝から街に遊びに行きましょう。」

 

「はい。今日はありがとうございました。おやすみなさい。」

 

「うん、お休み。」

 

 二人揃ってお茶を飲み干すと、互いに手を振って部屋へと向かう。晴妃はシャノンと一緒の寝室へ、由希子は来客用の部屋に足を踏み入れる。普段使われていないだけあって、ベッドと机があるだけの質素な部屋ではあるが、由希子にはむしろ丁度良かった。エアコンを消して、窓を開ける。この部屋の窓は海側に向いている。近くに見える真珠湾が明るいのは軍港だから当然のこととして、入江を挟んで遠くに見える海沿いが軍港よりもなお明るく見えるのは、あの辺りがワイキキだからなのだろう。

 ハワイ州の経済活動全体のうち実に三割が観光によるものだと、この国の艦隊を支援していた際にミズーリから聞いた覚えがある。深海棲艦の活動が活発であった頃は、ハワイから観光地の雰囲気は失われていた。あくまで米国の軍事拠点であり、申し訳程度に保養所の機能を兼ねた島にしか見えなかった。当時も有名な店や観光スポットでは多少の観光客の姿が見られたが、それでも全体数は随分と減っていたはずだ。それが、戦後の三年で楽園の姿を取り戻した。思っていた以上に冷たく心地よい夜風に撫でられた髪に触れて、由希子は窓の外の景色に瞳を細める。しばらくそうやって外を眺めた後、ベッドへと座ってスマートフォンを取り出した。メールを送信するために5分ほど操作した後、ゆっくりと体を横たえる。一日目から随分と色々なことがあったが、この一日が既に自分にとって大切な思い出になっていた。明日も楽しくなりそうだ……。そう思いながら、由希子は瞳を閉じた。

 

 

 

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 葵さんへ

 

 こんばんは、そちらはまだ夕方ですね。

 お仕事、無理しないでください。

 

 こちらは無事ハワイに着きました。

 晴妃さんのバイクに揺られたり、美味しいパンケーキのお店に連れていってもらったり、

 一日目から楽しかったです。

 

 後、新しい友達も出来ました。写真、添付します。

 色々と説明しなきゃいけないんですけど、メールだとややこしいと思うので。

 また日本に帰ってからお話します。大丈夫、すごく良い娘なんですよ。

 

 あ、やっぱり明日、電話かけてもいいですか?

 葵さんの声、聞けないとやっぱり寂しいなって。

 

 藤堂由希子

 

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 メールに添付したのは、晴妃とシャノンと三人で風呂上りに撮影した写真。

 カメラ側に手を伸ばしながら、体を隠すバスタオルが外れかけている晴妃と、

 そんな晴妃のバスタオルを両側から必死に抑える由希子とシャノンが写っている。

 

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 オアフ島は島の東西に位置する二つの楯状火山によって形成された島である。東側のコオラウと西側のワイアナエ、それぞれの山脈は並行して北西から南東に伸び、世界有数の観光地としてのハワイは、まさにこの二つの山脈の間を縫うように発展を遂げてきた。そのうち、西側に位置するワイアナエ山脈の麓、島の中部に米陸軍基地が存在する。由希子たちがいる海軍基地からは国道を使って車で30分といった距離。ここに、日本の艦娘が一人呼び出されていた。由希子はもちろん、晴妃すらもその事実を知らされてはいない。

 基地中央にある歩兵師団司令部が設置された建屋の中。厳しい表情の軍人二人の後を歩くのは、小柄で華奢な少女。わずかに赤みが混じる茶に近い淡い黒髪は腰に届くほど長く、少々癖毛気味に所々跳ねている。眼前を歩く軍人が足を止めると、少女もまた足を止めて正面を見据える。両開きの重厚な木製扉を前に、自分より長身である二人の軍人の顔をそれぞれ見遣った。

 

「ここからは一人で、ってことか?」

 

「えぇ、師団長はあなたと内密の話がしたいとのことです。」

 

「はっ……米軍の少将サマが、たかが14のガキと内密な話とはね。」

 

 澄んだ空を思わせる青く大きな瞳と、整った目鼻立ちに華奢で小柄な体躯。一見して可憐と言える容姿に反して、粗野な言葉を平然と放つ少女は片眉を跳ね上げる。彼らは少女の皮肉には応じず、それぞれ扉の両側へと移動して、直立不動の姿勢となった。もはや少女と話すことは無いとでも言いたいのだろう。そんな彼らに溜息交じりの笑い声を零して、扉を三度叩いた。少女の肘の動きに合わせて、神職が羽織る千早のような上着は緩やかに靡く。程なくして、扉の向こうから日本語で入室を促す言葉が返ってきた。前髪を一度かき上げてから、少女は扉の中に足を踏み入れる。部屋は思ったよりも手狭で、胡桃の木材で作られた艶やかな執務机が正面に置かれ、左右には背の低い書類棚が設置されている程度。幅広の椅子に緩やかに腰を下ろした初老の男性は、少女の入室を確かめるとやおら片手を上げた。彼がこの師団の長であるらしい。

 

「夜分申し訳ない。何せ、予定よりも早い帰還だ。君の優秀さを斟酌しきれなかった我々のスケジューリングの甘さを許して欲しい。」

 

「遠回しな物言いだな。もうちょい太平洋のクルージングを楽しんで来れば良かったか?」

 

 師団長は流暢な日本語で少女を迎える。一方の少女は不機嫌な様子を隠しもせず、ひねくれた言葉を返した。少女は先程まで近海の哨戒任務にあたっていた。もちろん、脅威などあるはずも無く、その任務はあくまで形式上のものだ。決められたコースを周り、戻ってくるだけのこと。少女にとってはあまりに退屈かつ容易な任務であり、その結果として想定所要時間を大幅に短縮して帰港していた。その直後、速やかにここに来るように呼び出しを受けたのだ。

 

「君がそれを望むなら、かな。」

 

「で、次のテストは何? 今度はグアム辺りまで行って来ようか?」

 

「グアムにはグアムの良さがあるが、ワイキキを堪能した後では少々淡白に感じるものだ。お勧めはできないね。」

 

「だったら、イルカの群れだけが楽しみになるような、孤独な海の旅はしなくていいわけだ。」

 

 そりゃいいや、なんて呟き声を零しながら、少女は大きく肩を竦めてから腕を組んだ。ふてぶてしい少女の態度にも、彼は気にした素振りもなく言葉を続ける。

 

「……ときに、君たち艦娘の存在意義とは何だと思う?」

 

「僕はまだ艦娘じゃねぇよ。まぁでも、戦うこと……なんだろうな。」

 

「確かに、君たちの特徴はその驚異的な戦闘能力にある。したがって君たちは世界で最も優秀な戦士だ。ただそこにいるだけで、世界の犯罪者たちによる脅威を大きく殺ぎ続ける程にね。」

 

 師団長は少女を見据え、小さく笑い声を零す。深海棲艦の出現を機に、一時はテロリストやマフィアといった犯罪組織の勢力が拡大し始めたこともある。未曾有の脅威が出現したことによる混乱は、彼らにとって都合が良かったからだ。国際的な犯罪組織への対策にマンパワーを割けなくなった社会は、その勢力が拡大するのを防げなかった。そのうえ、大部分の海路が掌握されたことにより大打撃を負った世界経済は、資源相場の高騰を生み、いわゆる地下経済で暗躍する彼らにとっては利益を得やすい環境となっていた。

 しかし、それも束の間のことだった。艦娘の出現と三年に渡る戦いの勝利までの間に、急速に混乱から回復した社会は再び犯罪組織への対策を強化した。さらに、深海棲艦の出現前と決定的に異なるのは、艦娘の存在である。特に米国は彼女たちの力を積極的に借りて、犯罪組織の掃討に力を入れた。大型機銃の掃射をそよ風でも吹くかのように受け止め、強力な爆発物も難なく抱き留めて周囲への被害をゼロにする。直接戦闘などしようものなら、犯罪組織の巨大なアジトですらわずか数分以内に壊滅させてしまうのだ。それも、普通の少女と見た目は何ら変わらぬ存在が、である。"普通の人々に紛れ込む脅威"を今度は彼ら自身が味わわされることになった。ただし、すべての犯罪組織が完全に壊滅したわけではない。今も国際社会にとって、テロ組織や麻薬カルテルは大きな懸案事項ではあるが、その勢力と活動が極端なほどに殺がれたことだけは間違いなかった。

 

「そうだろうな。で、今更そんな職業意識を僕に植え付けるために呼びつけたのかよ? ならもう十分だ、さっさと寝かせろ。」

 

「君たちの――失礼、君の役割を再確認したいのさ。つまり、艦娘は戦うために存在する。もちろん、年頃の少女たちとしての生活は尊重されるべきだ。だが、あくまで職業としての君たちの意義は、そういうことになる。」

 

「あぁ、だからそれがどうしたってんだ。」

 

「深海棲艦がまだ残っているとしたら、君はどう思う。」

 

「何を馬鹿げたことを言ってるんだ……。」

 

「我々は核心的な情報を隠匿するのが得意でね。そう、我々にいつ牙を剥くとも限らない彼女たちの残党は、今この島にいるのだよ。君の卒業試験としては、最適な相手と思わないかい。箔も大いにつくことだろう。」

 

 深海棲艦は根絶された。それが一般的な理解であり、少女もまたそうだと思っていた。確かに、深海棲艦の残党を討伐したとあれば、艦娘として相応の格が得られるのは間違いない。しかし、そもそも深海棲艦が存在しているとして、何故この島はこんなに悠長にしていられるのかという疑問が沸く。少女が見る限り、ハワイはイメージ通りの観光地の島であり、軍施設を除けば緊張感らしきものは一切感じられなかった。だから、まだ信用するには値しない。少女は眉を顰めながら、師団長を薄らとねめつけた。その表情に嘘が隠れていそうなら、さっさと踵を返して部屋に戻るまでだ、と。チェック柄のスカートの裾を無意識にきゅっと両手で握り締める。

 

「その話が本当だとして……。正式に鎮守府に着任するまでは、僕のような見習いは直接的な戦闘を認められていないんじゃなかったか?」

 

「何分、駐留しているミズーリが本土に出張していてね。現在この島唯一の艦娘が君なのだから、例外的に戦闘は認められるだろう。それに、海の人間たちは正気を疑うほど深海棲艦に寛容と来ている。あぁ、つまり……海軍はその生き残りを匿っているというわけだよ。ミズーリの不在は、この点においても非常に重要だ。」

 

「なんで海軍が……。」

 

「その点は君が気にすることではないよ。とにかく、ミズーリがいる状況では、深海棲艦を狙えば彼女との戦闘になる可能性が非常に高い。いかに君が優秀だとしても、ミズーリを相手にするのは分が悪すぎる。この世界から深海棲艦を完全に消してしまうのは、今がチャンスなんだ。」

 

「どうも胡散臭ぇな――。」

 

「いずれにしても、これが君の最終試験だ。個人的感情を持ち込むのは非常に遺憾だが、我々の願いを聞いて貰えないならば、インターンシップの修了証書は渡せないな。」

 

 少女は奥歯を噛み締める。深海棲艦の生き残りという点からして信じ難いのに、そのうえ眼前の師団長が腹に一物抱えているのも間違いなかった。それも、自分が好まぬ類の――いわゆる権謀術数めいた面倒臭い物事だ。敵を叩くだけならシンプルでわかりやすいが、どうやら海軍と陸軍で何らかの確執があるらしい。少女は短絡的に物事を考える節がある。だが、同時にそんな弱点を十分に理解している。だから、そう簡単に首を縦に振るべきでないことだけは良くわかっていた。

 しかし、艦娘になれないとなれば話は別だ。新たに適正を見出された艦娘は、一定の選抜を潜り抜けた後に晴れて艦娘となれる。受験時の年齢に応じた学科、身体能力試験をパスした後は、実際に艤装を身につけて、諸外国の軍に派遣されて交換研修を受けることになる。インターンシップなどとも言われるが、これがいわば最終選考であり、ここで落選する艦娘見習いも少なくない。戦時中とは異なり、今はとにかく多くの艦娘が欲しいと言う時代でも無いのだろう。極めて優秀な艦娘が一定数所属していることの方が重要となったのだ。少女もまさにこの交換研修中であり、ここでふるい落とされる可能性があるとすれば、首を横に振ることもまた不可能だった。少女はブーツの足先で苛立たしげに床を叩く。

 

「仕方、ねぇな。わかった、その話に乗ってやるよ。」

 

「心から感謝するよ。詳しい話は明日改めて伝えよう。こんな時間に澄まなかったね。ゆっくり休んで欲しい。」

 

「言われなくても、そうさせて貰うよ。」

 

 少女は言葉の途中で踵を返して、振り返ることもせずにその場を後にした。扉が閉められた後、師団長は一人肩を振るわせて低い笑い声を漏らす。少女の様を蔑むかのように――。やがて、一人の男性兵士が足を踏み入れる。互いに顔を見合わせると同時、微かな笑みを浮かべた。

 

「手筈は整いましたね。後は、夕張と島風が脅威となりますか。」

 

「まさか、彼女たちは英雄だ。我々の偉大な先輩でこそあれ、脅威だなんてあまりに失礼だろう。ただ……そろそろ我々に任せて貰おうじゃないか。」

 

 その夜、師団長の執務室から灯りが消えることは無かった――。

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