先日PCが逝きまして…資料用の動画見て文章化する予定でしたが、前述の理由で無理になったので…すみません。次回に回させて下さい…。
第02016レイヤー・束のラボ
周辺にウィンドウが表示され、束はモニターに映るゴーレム各機のステータスを忙しく確認しながら、突入したゴーレムから送られてきた第48596フォルダ内の映像を見る。
「よかった…箒ちゃんはまだいる…はやく、はやくあんな男から…【ばい菌】から離れさせなきゃ…じゃなきゃ箒ちゃんが現実世界に返されちゃう…。」
なんとも言えないくらい歪んだ顔で、言う。
「現実世界なんかじゃ箒ちゃんは生きていけない。生き残るには人殺しをするしかなくなる…そうなるくらいなら…この世界に隔離して保護した方が…。」
エゴに歪んだ顔で、言った。
だが、束は肝心な事が思考から欠落していた。
『箒が幸せかどうか』という事が。
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第48596フォルダ・市街地レイヤー
ゴーレムが侵入したと同時に簪が本フォルダの制御プログラムを弄り––––––
先程までの床や壁、天井に該当しるモノが真っ白で殺風景極まりなかった光景は、全体的に壁は青を基調に、白色で建物の輪郭や窓枠の描かれ、蛍色や桜色の灯りで装飾された高層ビル群が乱立し、ノイズまみれの立体映像や輝跡を引きながら流れていく情報が交錯する少し近未来的な無人市街地のフィールドへと変貌した。
そして3人はその無人市街地のフィールド内にある交差点手前の道路にいた。
「ここなら三次元機動が出来るし、オブジェクトでも敵を破壊できるから弾薬の節約もできる…。」
簪が言う。
「ああ、ナイスだ。簪。」
銃剣搭載型突撃砲を右手に構え、追加装甲を前面展開した肇が言う。
箒も一瞬この光景に困惑したが、これもプログラム云々なものなのだと、思い、困惑を思考の端に放り捨てる。
「––––––来る。」
簪がそう呟くと、ビルとビルの間にある、自動車が大量に放置されている6車線の道路から、ゴーレムが大挙してくる。
「撃ち方、始め––––––‼︎」
肇が静かに、けれど芯のある強い声音で、言い放つ。
瞬間、肇は銃剣搭載型突撃砲の、箒は突撃砲の12.7ミリ機関砲を、簪は腕部の20ミリチェーンガンと肩部の40ミリ滑腔砲を、放つ。
弾丸が空気を焼く––––––という現象を電子や情報がプログラムを展開しながらゴーレムに突き進んで行き––––––ゴーレムを蜂の巣にする。
プログラムでできている故か、着弾と同時にノイズが発生し、爆散する。
「さらに後方から敵機40、右手より敵機20接近‼︎」
簪が叫ぶ。
「簪は砲撃を継続。敵を交差点に合流させろ。その後俺と箒が吶喊し近接戦を仕掛ける。…やれるな?箒。」
「当然だ。伊達に剣を使っているわけではない。」
肇の問いに、箒は自信たっぷりの表情で、応える。
「そうか、なら安心した。」
肇も、不敵な笑みを浮かべながら言う。
「ところで、大群に突っ込むのに単騎で居ては各個撃破され兼ねない。だから2機でペアを組む。つーわけで背中は任せていいか?」
銃撃を行いながら、網膜投影で映っている通信ウィンドの箒に何処か子どもらしい顔で聴く。
「な、なんだその露骨な頼み方は…ま、良いか。いいよ。私が組んでやる。」
「さんきゅ。…じゃあ––––––行くぞ。」
無邪気な笑顔で礼を言って––––––一転。低い、大人びた声音で言い放った。
瞬間、肇は予備の【M6A1銃剣搭載型小銃】を右手に構え、爆発反応装甲の付属している追加装甲【シェルツェン】を左手に持ち、前面に展開。
箒は背部兵装担架から3式長刀【備前霧醒(びぜんきりさめ)】を兵装担架を展開させ、抜刀。
そして––––––
「突撃、始めぇ‼︎」
肇が号令を、飛ばす。
2人は跳躍ユニットを吹かし、迫り来るゴーレム群に、黒と紅のISが、吶喊する。
ゴーレムとの距離が縮まり––––––肇は、40ミリ滑腔砲の弾種を40ミリ貫通徹甲弾から40ミリ徹甲散弾に変更し、ゴーレム群の先鋒に向けて3斉射、放つ。
瞬間、至近距離からの攻撃により直撃弾を受けた先鋒のゴーレムは大破。さらに散弾の余りを受けた他のゴーレムも大破ないし、センサーを破壊され、動きが鈍る。
すかさずそこに、
「斬り込め!箒‼︎」
「了解‼︎」
箒が紅椿壱型丙の3式長刀を振り上げ、斬りかかり、一の太刀、二の太刀、三の太刀と剣戟をゴーレム群に叩き込み、ゴーレムを花弁が舞う様に、次々と両断して行く。
その間にも肇は紫電弐式のM6A1の銃剣でゴーレムの頭部などの精密機械が集中している部位を銃剣の刃で貫く事で攻撃し、さらに駄目押しの12.7ミリ機関砲を撃ち込み、後方から攻めてこようモノなら背部兵装担架にマウントさせた4門の突撃砲を展開させ、ガンマウントによる手厚い歓迎を、くれてやる。まるで猟犬が獲物を仕留めるように、ゴーレムを撃破していく。
ゴーレム群は、直ぐに開いた穴を埋めるために後方からさらに増援が来るが、それらは全て、簪の打鉄改二の砲撃により、次々と撃墜されて行く。
「…本当に、天災のクセに頭に脳味噌が詰まってるのかすら疑わしい戦術ね。」
簪が呟く。
実際、今のゴーレム群が行っている戦術は、前進のみを繰り広げる人海戦術だ。
だが即席の機体だからか、学園襲撃時の機体より圧倒的に弱い。
簪の砲火や肇の銃撃と箒の剣戟であっさりやられる程の、ザコ。
現時点では既に半分近くを撃破している。
「…各自、全周警戒。」
ゴーレム群を一通り撃破し、このままでは不利と判断したのかゴーレム群が撤退を開始して、侵攻が停滞した最中、肇が呟く。
「⁉︎…何故だ?敵は全て––––––」
箒が肇に聴く。
「フォルダに侵入したゴーレムはな。だが…変だと思わないか?」
肇は疑念に満ちた声音で言う。
「なぜゴーレムはこちらにだけ攻めて来た?ゲートだけではなく、フォルダの情報外壁をクラックして侵入する事も可能なはずだ。」
にもかかわらず、ゴーレムはバカの一つ覚えのようにゲートから侵入して来た。
肇の言う方法でも、フォルダには侵入できたはずだった。
だがそれをゴーレムはしなかった。
「––––––まさか」
簪は、何かを察したような顔をして、
「陽動⁉︎」
叫んだ。
瞬間、
第48596フォルダ・都市レイヤーの、高層ビルがジャングルの樹木のように伸びる空に、ノイズが走り––––––空を映し出していたプログラムがガラスが割れるようにして砕け、ゴーレムとは違う、3機の、箒にとっては見慣れたISが侵入してくる。
「久しぶりね。かんちゃん。」
簪の姉である更識簪のミステリアスレイディ。
「…ご無事でしたか?箒さん。」
セシリア・オルコットのブルーティアーズ。
「…さて、その不埒者をどうする?」
ラウラ・ボーデヴィッヒのシュヴァルツァレーゲン。
その3機が、侵入してくる。
「ああ、やっぱり。」
肇は、それ見たことか、と言わんばかりの顔をして言う。
「…肇、どうする気だ?」
箒が問う。
「…そりゃ、お引き取り頂くよ。…ま、どうやら無理みたいだから…殺すけどさ。」
肇が少し子供のような、それでいて冷徹な表情をして、言った。
「そうか…なら、しょうがない。悪いけど、篠ノ之さんにかんちゃん、叩きのめさせてもらうから‼︎」
瞬間、3機は肇に襲い掛かってきた––––––。
楯無がミステリアスレイディのランスを振りかざし、箒に襲かかる。
「貴様の相手は!」
「わたくし達ですわ‼︎」
セシリアがブルーティアーズのスターライトMk.2とビットからレーザーをを、ラウラがシュヴァルツァレーゲンのパンツァーカノニーアから砲弾を、肇に向けて放ちながら、襲い掛かる。
「残念ながら負ける訳にはいかない‼︎」
箒は、楯無のランスを、3式長刀で受け止める。
「私は…私はこの世界から出ると、決めたんだ‼︎」
ランスと3式長刀の刃が互いに擦れ、摩擦を起こし、火花を散らしながら、決意に満ちた強い瞳で、箒はそう、叫んだ。
「…ホントに参ったよ。彼奴には…決めた事を全然曲げやしねぇ。」
セシリアのビットから次々と雨のように放たれるレーザーをM6A1の対レーザー蒸散塗膜の施された銃剣で弾き、また放たれるレーザーを体軸を捻って弾き、レーザーの中を突き進んできたラウラの砲弾を躱しながら、呟く。
「ホント…しょうがねえ、頑固なツンデレ女だよなぁ…あんなに危なっかしくて、真っ直ぐ過ぎると––––––」
レーザーを雨の中、地面に着地し、走りながらレーザーや砲弾を回避し、背中の背部兵装担架の突撃砲を展開して発砲。セシリアとラウラを牽制しながら、呆れたように呟く。
そして右手に持つM6A1の40ミリ滑腔砲の弾種を高速徹甲弾に変更し––––––
跳躍ユニットで方向転換し、ラウラとセシリアに向けて二斉射、穿つ。
「こっちも手助けしたくなるじゃねえか。」
少し恥ずかしげに肇は呟いた。
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???・東京都庁・臨時国会議事堂、技術庁事務所・事務長室。
「…首尾は上々のようね…」
長机に置いたノートPCのモニターに表示されるログ情報を覗き込みながら、椅子に座った紫の髪を持つ女性が呟く。
そこにコン、コン、とドアをノックする音が2回鳴り、
「はいはいどうぞ〜。」
ノートPCを閉じてその女性が入室許可を出す。
すると、ココア色の長髪をした女性が入ってくる。
「失礼します。防衛陸軍第1戦術機連隊第2戦術機大隊長、神宮司まりも少佐です。」
いかにも軍人然とした雰囲気で、まりもと自己紹介した女性が、香月という事務長らしい女性に話す。
「んも〜硬い。軍人口調なんて全然似合ってないわよ、まりも。」
すると香月という女性がからかうような口調で悪戯っぽく笑いながら軽い口調で話し掛ける。
「なっ…ちょっと夕呼!あのねぇ…」
赤面しながら、まりもは抗議するように言う。
「まぁまぁ、とりあえずそこに座りなさいな。それで〜?一体何の用なわけ〜?わざわざ私の所に来るなんて。珍しいじゃない?」
まりもをソファに座らせ、コーヒーを入れながら女性、香月夕呼は聴く。
「…じゃあ単刀直入に聴くけど…夕呼、貴女一体、何してるの?」
まりもは鋭い視線を向けながら、聴く。
「あら、なんの事かしら?」
「とぼけないで。貴女、最近新潟の旧核シェルターの管理システムのコンピューターにアクセスしてるわね?」
少し、厳しいような声音で聴く。
「あら、ばれちった?」
夕呼はいかにもわざとらしい、ふざけた態度で舌を出して、誤魔化そうとする。
「何のためにそんなマネをしているの?」
まりもが聴く。すると、夕呼は目を鋭くして、言う。
「簡単な話。対コロニー用の政治的カードのひとつを手に入れるためよ。」
夕呼は女狐のような顔をして微笑みながら、答える。
「対コロニー用?対米政策や対フランス・カナダ同盟への政策もままならないのに?」
「そ。まぁアメリカやフランス・カナダ同盟も放っては置けないけど、コロニーへの対策も忘れる訳にはいかないでしょ?…ま、間接的とは言え、現在軍政を敷いている日本防衛軍のアンタの手助けにはなると思うわよ。」
そう言いながら、夕呼はコーヒーをまりもの前の机の上に置く。
そしてまりもは入れられたコーヒーの水面に写る自分を見ながら、呟く。
「…確かに対コロニー政策は必須だし…あそこには日本人だっているから…いいわ。上には私から報告しとく。」
そういってコーヒーを飲む。
「…⁉︎…おいしい…。」
意外にもコーヒーが美味かった為に、まりもは驚く。
「でしょ〜。それブラジル産のコーヒー豆で作ったヤツよ。」
「ブラジルって…今はもう…夕呼貴女どうやってこれ手に入れたの⁉︎」
「別に〜…大海崩前に通販で手に入れたヤツよ。」
夕呼はなんでもないような。それでいて少し黄昏たような顔をして言う。
「…そう。」
まりもも黙ってしまう。
「…ねえまりも。アンタはさ…どうしたい?この国を、この世界で。」
ふと、夕呼が聴く。
「そうね…どうにかして…大海崩前の頃にまで…戻せたら、良いんだけど…。」
まりもは、辛そうに笑う。
「あたしもそれが一番の理想よね。…どっかの天災がしでかしたあの厄災が起きる前の状態に……でもそれは、何十年とかかるわよね。」
夕呼は、窓の外に見える、所々が崩壊し、水没した東京の街並みを見ながら、言う。
「ええ…でもね、例え石ころや砂から、高い塔を築き上げるような作業でも、時間を掛ければきっと成し遂げられる。ゴールにたどり着くまでに様々な苦難があっても、最後には、みんなで笑い会えるような幸せがあるって…そう信じて、私は頑張っていこうと思うの。」
まりもは、何処となく母性を孕んだ微笑みを浮かべて、呟いた。
コンコン。するとノックする音が聞こえて、
「失礼します。防衛陸軍第1戦術機連隊・第2大隊・第2中隊中隊長更識刀奈大尉です。…って、あ、神宮司少佐‼︎」
更識刀奈という少女が入って来る。
「探しましたよ!もうすぐ定時会議のお時間です‼︎」
刀奈が言う。
「おっと、もうそんな時間か。分かった、すぐ戻る。では香月博士、コーヒーをご馳走になった。」
「はいはーい。お仕事頑張ってね〜、まりも。」
そう言って、まりもは部屋を出て行き、夕呼はまりもに声をかけてから、椅子に座り込んだ。
「みんなで笑い会えるような幸せのために頑張る…か。」
椅子の背もたれにもたれ、窓から見える崩壊した東京の街並みの見て、呟く。
「この地獄から、日本を再興するつもりなのね……でもそれは、本当に苦難の続く、茨の道よ…まりも。」
少し、心配げな顔をして、呟く。
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???、???・???・束の部屋。
真っ暗で、モニターから差す燈しか光源がない部屋。
そこで束は地球をモニターに映しながら見ていた。
…自分の所為で変わり果ててしまう、大海崩以前の地球を。
「箒ちゃん…大丈夫……なのかな…」
束は弱々しく呟く。
そして自らがしでかしてしまった出来事のせいで箒が辛い目に遭っているかもしれない––––––そう思うと、胸が張り裂けそうになる。
「箒ちゃんの幸せの為に、あの世界に箒ちゃんを精神ダイブさせたけど…どうなってるんだろ…あっちにここからじゃアクセス出来ないし………箒ちゃんに…会いたいよ…」
涙を流しながら、束は呟いた。
今回はここまでです。
最近大学が忙しくて短いものしか書けず、すみません。
あと自分、この話書いてて気付いたのが、自分、対生物戦(インフィニット・ストラトスadvanced【G】やマブラヴレギオン)なら書けるけど対人戦が苦手なんだなぁ…(特にIS)と感じたり…。
まぁ愚痴は置いといて、
今回は束と対ゴーレム戦+専用機3機乱入でした。
え?じゃあ後半は何かって?
…前回から一部の読者の方が気になさっていた、『現実世界』の一部です。
日本国防衛軍。
壊滅した東京。
軍政。
コロニー。
対米政策。
フランス・カナダ同盟。
大海崩。
現実世界では何が起きてしまったのか…それは今後の展開をお待ち下さい。
次回も不定期ですがよろしくお願い致します。