翡翠の罪、星の罰   作:山匠

1 / 7
司書長室に埋もれている殴り書き

何故こんなことになってしまったんだろう?

 

 

 

なのはが墜ちた。

連絡を受けて、病院に駆け付けた時に一番に思ったことだった。

何故、何故、何故。

ずっとずっと頭の中を回っていた。

 

 

 

僕はなのはが好きだった。

いつも明るく、うれしそうにいろんな話をしてくれる。

いつも楽しそうに僕の話を聞いてくれる。

そんな、なのはが好きだった。

いつも僕はなのはの笑顔に救われていた。

どんなに司書の仕事がつらくてもなのはがいてくれたから僕は頑張れた。

 

 

 

それなのに僕は気付いてあげられなかった。

 

 

 

なのはが墜ちたのは疲労が原因らしい。

いつもなら、本調子なら対処出来たはずの攻撃に反応出来なかったんだそうだ。

僕はしばらく前に会っていたのに気付いてあげられなかった。

いつも僕はそうだ。

初めてなのはに会った時も何も知らない普通の少女に魔法を教えて危険な戦場に巻き込んだ。

ジュエルシードの危険をしっかりと伝えて、攻撃に耐えれるようにしてもらうか、もっと迅速に行動してもらうために管理局に連絡するとかいろんなことが出来たはずなのに。

巻き込まないように出来たはずなのに。

 

 

 

 

 

 

 

ああ、そっか。

これが僕の罪なのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

なのはに会ったこと、なのはに救われたこと、なのはを好きになったこと。

そして、なのはが墜ちたこと。

それが僕の罪だったんだ。

なんて愚かだったんだろう。

平和な世界で普通に生きるはずだった少女を戦場に引き込んで。

それでその少女と一緒にいられることを幸せに思い。

まして、その少女を好きになるなんて。

 

 

 

 

 

 

 

僕なんかに許されるはずないじゃないか。

 

 

 

 

 

 

なのはは奇跡的に回復し、歩くことも走ることも、空を飛ぶことも再び出来るようになった。

でも、今でもその時の傷が残ってるらしい。

 

 

僕はあれからなのはに会いに行っていない。

いつも会うのはなのはからだ。

あんなことがあったのに僕にこれまで通りに接してくれる。

なのはを巻き込んだのは僕なのに。

 

 

 

 

 

なのは、好きだった。

出来ればずっと一緒に居たかった。

でもそれはもう無理だ。

さよなら。なのは。

 

 

 

僕はこれから無限書庫の司書長として君を支えて行く。

君への想いを奥底に縛り付けて、少しでも君が傷つかないように。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。