闇の書事件から数ヶ月、砕け得ぬ闇事件から数日が経った…

リインフォースがいなくなる時が近づく中、八神家は…

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なのはGOD 八神家後日談

―海鳴市―

 

「あの、主。これは一体・・・」

「ん?もちろん、晩御飯やよ♪」

銀髪を腰の辺りまで伸ばした二十歳ぐらいの女性―リインフォースと、ショートカットの茶髪を黄色の髪留め二つでX字に止めている十歳ほどの車椅子の少女―八神はやてが、食卓で話している。

テーブルの上には多種多様の料理が置かれていた。

更に、テーブルの上からだけでなく、キッチンの方からも別の食べ物の匂いが漂ってくる。

「ですがこの量は・・・多すぎではありませんか?」

八神家には、リインフォース、はやて以外に四人が住んでいる。

「そう文句を言うな。最悪明日も食べればよい。」

リインフォースの隣で腕を組んで立っていた、ピンクの髪をポニーテールにしている凛とした二十歳ぐらいの女性―シグナム。

「はやての飯はギガうまだからな♪いくらでも食えるぜ!」

リビングのソファーに座り肩越しにはやて達を見ていた、赤みがかったオレンジの髪を肩の辺りで二つに編んでいる、はやてより若干幼そうな少女―ヴィータ。

「一応私も手伝ったのよ?」

キッチンから鳥唐揚げが盛られた食器を持ってきた、シグナムと同年代ほどの金髪のおっとりとした感じの女性―シャマル。

「シャマルの料理の腕も大分上達したものだ。」

ソファーの向こうから姿を現した青い毛皮の大柄な狼―ザフィーラ。

この四人は八神はやてが所持している、デバイス『夜天の書』のプログラムとして、役目を果たし消えるはずだった。

が、ある出来事を経て、家族として、はやてを守るため生きている。

「ここんところ色々あったせいで皆で一緒にご飯食べる機会が少なかったやろ?」

「とはいえ・・・いや、そうですね。余ったら明日食べればいいのですし。」

陽だまりのように明るい笑顔を向けてくるはやてに、リインフォースも笑顔で返した。

「ホンマは、王様達とも食べたかったんやけどなぁ・・・」

「王達なら、きっとまた会えますよ。」

「そうやね。あ、準備出来たよ♪皆座って座って♪」

はやてに促され、各々自分の席に座っていく。

狼であるザフィーラの分はテーブルの下の皿に盛られていた。

「全部用意出来たな。じゃあ、いただきます。」

「「「「「いただきます!」」」」」

全員が揃って合掌、そして食べ始めた。

 

 

 

「ふぅ~、食った食った~♪」

「本当にたくさん食べたな・・・。」

食後、リビングのソファーにリインフォースとヴィータが座っていた。

はやてとシャマルは後片付けをしていて、今はキッチンで食器を洗っている。

「全くだ。食べ過ぎにも程がある。」

「育ち盛りなんだよ!」

ソファーに座りにきたシグナムがヴィータに対して一言。

そしてそのままリインフォースをヴィータと挟むように、肩が触れ合うほどの位置で座る。

「しょ、将?」

微妙に紅くなった表情で戸惑うリインフォース。

「たまには良いではないか。」

と、更に身を寄せるシグナム。

その表情は、普段道りクールにも見えるが、少し紅くなっていた。

(た、たまにはってどういう意味だ・・・?)

「リインフォース~♪」

キッチンから車椅子に乗ったはやてが寄ってきた。

「上座らせてぇな♪」

「あ、は、はい!」

寄ってきたはやてをリインフォースがその場で抱き上げ、自分の膝の上に座らせる。

「おおきにな♪」

リインフォースの膝の上から嬉しそうに言うはやて。

何故か小さく鼻歌を歌っている。

(それにしてもこの状況は一体・・・)

右手には寄り添ってくるシグナム。

左手にはヴィータ。

膝の上には上機嫌なはやて。

その状況にリインフォースは少し戸惑い、少し考え出してしまう。

(これは嬉しいが、なぜ急に・・・?確かに私は主たちとこうしたいとは思っていたが、先程の夕食といい、皆何か張り切っているような・・・)

「リインフォース?」

呼び声にはっと顔を上げると、はやて達が心配そうにこちらを見ていた。

いつのまにかシャマルもヴィータの隣に座っていた。

「大丈夫?私重かった?」

と、はやてがバツが悪そうに聞いてくる。

「いえいえ、そんなことありませんよ!むしろ軽すぎるくらいです!」

「しかし、心ここにあらずな様子だったぞ?」

慌てて否定するリインフォースに対して、優しく気にかけてくれるシグナム。

「どこか具合が悪いなら言ってね?ちゃんと診るから。」

医者でもあるシャマルにまで心配されてしまった。

余程悩ましげな表情でもしてしまっていたのだろう。

「本当に大丈夫だ。少し考えてしまっていただけだから・・・」

「何をだ?」

左手からヴィータが小首を傾げて聞いてくる。

「え?あ、いや・・・その・・・」

「もしかして・・・皆で一緒にいるのが嫌やったの?」

若干目を潤ませ、はやてが聞いてくる。

「そうではなく・・・寧ろ嬉しいです。でも、あまりに急だったので・・・少し驚いてただけです。」

そう言って、リインフォースがはやての頭を撫でる。

すると、ほっとしたようにはやてが、

「よかったぁ~。皆で悩んだ甲斐があったよ♪」

「・・・はい?」

思わず聞き返すリインフォースに答えたのはシャマルだった。

「はやてちゃんね、あなたのために色々考えてたのよ?例えば、好きな食べ物は何かとか、どうしたら喜んでもらえるかとか。」

「主・・・」

「だから、今日の夕飯はいつもより多かったんだぜ?オメェが何食いたいのかわかんないからって。」

ヴィータの説明で、更に納得したリインフォース。

「ちなみに、これはテスタロッサ達の提案だ。」

と、シグナムが若干頬を紅く染めて言ってくる。

「これ・・・とは?」

「今のこの状況のことだ。大方、お前は今の状況に戸惑っていたのだろ?」

「・・・」

(さすが将だ・・・鋭い・・・)

思わず口を閉ざすリインフォースに対して

「なのはちゃん達がな、家族で一緒に居れば幸せだって言ってくれたからな、そうすることにしたんよ♪」

と、上機嫌で今度は抱きつくはやて。

「ま、まあ、たまにはこういうのも悪かぁねぇな。」

と、頬を紅く染めるヴィータ。

「今までこういう事はしてこなかったからな。慣れない気持ちもわかる。」

距離感に慣れてきたのだろう。先程よりも平然とした表情で語るシグナム。

「ずっとこうしてたいわね♪」

優しい笑顔で話すシャマル。

「ずっとは無理でも、リインフォースがおる限り、いつでもこうしてられるよ♪」

全員の手を取り、幸せそうに、しかしどこか寂しげに笑うはやて。

「主・・・私はいつでも貴方の、貴方達の御傍にいます。」

四人の顔を順に見ていき、伝えるべき事を伝えていくリインフォース。

「例えこの身が消えても、それは変わりません。なぜなら・・・」

一息置いて、

「私は、世界で一番幸福な魔道書ですから♪」

自信に満ち溢れた笑顔を、その場の全員に向けた。

「・・・そうやね。リインフォースは、これからもずっと私達の側にいてくれるよな♪」

「はい♪」

膝の上のはやてを抱きしめるリインフォース。

それを見て、

「そうだな!」

二人を抱きしめるヴィータ。

「今までも、これからも。」

同じく二人を抱きしめるシグナム。

「ずっとずっと、私達は一緒よ♪」

そして横から四人を抱きしめるシャマル。

「うん♪」

その中で、はやてはさっきとはまた違う、とても幸せそうな笑顔をしていた・・・

 

 

 

 

 

 

一方、リビングではやて達が話している間、ザフィーラはというと、

「さすがにまだ夜は冷える・・・」

五人に気を使って、玄関で狼の姿のまま寝そべっていた

「さすがにあの中にいるのはな・・・」

誰が返すわけでもないが、心細さを無くすため、一人言を言いつつ眠りについていた・・・

「さむい・・・」




試験投稿ゆえ、色々不足等があったと思いますが、そこは言ってもらえるとありがたいですm(_ _)m


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