最初はシ○○さんもいいと思ったんですけど、よく考えるとあの人もこの人もいいよなー
なんて思い始めてしまいまして…
「はぁ、それじゃあシズネはあの伝説の三人の一人、綱手様と知り合いなのか?そらまた、随分すごい人と知り合いなんだな。」
「うん、実は私の叔父さんが綱手様と仲が良くてね。叔父さんの所に遊びに行ったりするといつも綱手様がいるの。だから自然と会う機会や話す機会が多くなって、それでお近づきになることができたの。」
「へぇ、叔父さん経由で伝説の三人の一人と知り合いになれるとはなぁ。なんとも羨ましい限りだ。」
「えへへ、そうでしょー。綱手様とお近づきになれる子供なんてめったにいないんだから!」
「ふーん、綱手様と知り合い、ねぇ…。」
そう言って商店街の通りを歩きながら、若干胸を張り自慢げな顔をしているシズネと、顎に手を当てながら彼女を見つめているゲンマ。
彼らは先ほどからこのように商店街の通りを歩きながら楽しそうに談笑しており、とても探し物をしているようには見えない。
二人がなぜ探し物そっちのけで話すのに夢中になっているのにはある理由がある。
結局シズネが叔父と待ち合わせしていた店はわからなかったため、とりあえず商店街をしらみつぶしに探していくことになったゲンマとシズネ。
しかし、どこを探してもトントンは見つからずただただ時間だけが過ぎていった。
ゲンマの顔の広さを利用して、商店街の人たちに聞きこみをしてみたのだが、忍豚を見たという人にもいまだ会えずじまいである。
一応それらしき豚を見つけたら知らせるように言ってはあるが、あまり期待はしないほうがよいだろう。
そんなこんなで今の所全く成果が出ていない現状に、焦ったようにアタフタしてしまうシズネ。
心配そうに「うぅぅ…トント~ン」と涙声で呟く彼女を見て、このままでは心配のあまり泣いてしまうのではないかと割と本気で考えたゲンマ。
彼女の気を少しでも紛らわせるためにどうするかを考えた結果、彼は他愛もないおしゃべりをし始めたのだ。
最初の方こそあまり話はしなかったシズネだったが、人生相談をされるだけあってコミュニケーション能力の高いゲンマの手腕によって、だんだんと楽しそうに話し始めてきて、最終的にはノリノリでゲンマと談笑し始めた。
これが二人が談笑しはじめた理由である。
そんな談笑ばかりのゲンマとシズネだったが、ふとゲンマが思い出したように声を出した。
「そういえば、今探してるトントンっていう忍豚も綱手様のペットなんだっけか?」
「うん!今は私の叔父さんが綱手様から預けられて面倒を見てるの。よく私もトントンと一緒に散歩に行ったり、遊んだりしてるんだ。もし、このままトントンが見つからなかったりしたら…」
そう言って悲しそうに顔をうつむかせるシズネを心配そうに見つめるゲンマ。
(話題を間違えたか)と考えたゲンマは、何とか彼女の気を再び逸らそうと話題を探す彼を尻目に、シズネはバッと顔を上げた。
「私もダン叔父さんも、綱手様に雲の上まで吹っ飛ばされてしまいます!」
「……」
てっきり仲が良い忍豚がいなくなってしまった悲しみで落ち込んでいたと思っていたゲンマは、予想外のシズネの言葉に軽くずっこけてしまう。
げんなりとした様子で体を起こしてシズネへと視線を向けなおすと、咥えている爪楊枝を上下に動かした。
「たっく…忍豚の心配をしてるんだか、それとも自分と叔父の身が心配してるんだか。」
「できれば両方とも五体満足でお願いしたいなぁ…」
「おいおい、急に怖いこと言いだしてんじゃねぇよシズネ。その言い方だとうまくいかなかったら五体の一部がなくなっちまうみたいな言い方だぞ?比喩表現にしちゃあ言い過ぎじゃないか?」
軽く笑いながら、冗談が過ぎていることをそれとなく注意するゲンマ。
彼の知っている伝説の三人の一人、千手綱手は初代火影の血を引く由緒正しき女くのいちであり、あらゆる傷を治すと言われている凄腕の医療忍者である。
ゲンマの中で一番記憶に新しく、有名なのは忍びのスリーマンセル小隊に医療忍者を取り入れる案を提案し、戦死者の減少に貢献した功績である。
この提案のおかげで今なお続く戦争でも若干ではあるが木の葉が優勢に立てているのだ。
そんな医療のスペシャリストと名高い綱手姫が人の五体の一部を吹き飛ばすなんてことは彼には想像もできないのだ。
「そんなことないわよ!綱手様を怒らせたら最後、絶対に無傷じゃすまないんだから。骨の三本は覚悟しておかないと!」
「お、おう。そうなのか、そりゃ何とも大変だな…てか、ちっと顔が近いぞシズネ。」
ずいっと顔を近づけて険しい顔をゲンマに向けるシズネ。
鼻と鼻が触れそうなほどの近さに思わず引いてしまう彼を見てシズネは「あ、ご、ごめんなさい」と謝り、慌てて後ろに下がった。
ゲンマはシズネが下がってから身なりをただし軽く息を吐いた後、不思議そうに首を傾げた。
「しっかし、怒らせたら骨が逝っちまうほどの攻撃をしてくる医療忍者ねぇ…。なんか筋肉ムキムキの女性を想像しちまうが…実際はどんな人なんだ?」
「さ、さすがにムキムキではないかな…。容姿はとっても綺麗な人だよ、顔だちも素晴らしいし。性格も…んー、悪くはない、かも。少し短気だけど面倒見もよくて優しいし。でも…」
「怒るとめちゃくちゃ怖いんだっけか?」
「うん…ものすごく怖い。」
首を縦に振って頷いているシズネの顔は何かを思い出しているせいか、若干ではあるが青くなっているように感じられた。
しかしそれも一瞬だけで、すぐに彼女は表情を明るくし、笑顔を作り始めた。
「でもね!医療忍術の腕も素晴らしいし、さっきも言ったけど普段はとても優しい人だし、人柄も技術も容姿も素晴らしいまさに医療忍者の鏡のような人なのよ!」
「へぇ、そうかい…。そりゃぜひとも一度見てみたいもんだな。」
「私もいつか綱手様のように立派な医療忍者になりたいんだ。」
まるで自分のことのように誇らしげに話しているシズネを爪楊枝を揺らしながら優し気な笑顔で見つめるゲンマ。
自分の敬愛する綱手と自分の目標についての話をしているシズネの顔はとてもいい笑顔をしており、とても上機嫌なのがうかがえる。
そんなシズネはゲンマをよそに、なおも楽しそうに笑顔で話を続け始めた。
「そうだ!ゲンマもこの後一緒にご飯を食べない?ダン叔父さんの事だから、きっと綱手様も一緒に連れてくるだろうし、そうすればゲンマも綱手様のお顔を見ることができるかもよ?」
「お、いいのか?いきなり部外者が割り込んで来たら、シズネにもそのダンっていう叔父さんにも迷惑がかかるんじゃないのか?」
「大丈夫大丈夫。ダン叔父さんはそれくらいの事で怒るような人じゃないから!」
「綱手様にだって迷惑が掛かっちまうだろ?俺、この年で身体が不自由になるのはゴメンだぞ…。」
「いくら短気な綱手様でも、初めて会った子供に暴力をふるうことなんてないって!…たぶん」
「最後の一言で不安が倍増したな…。」
若干冷や汗を流して爪楊枝を片手でいじくるゲンマをみて、思わず乾いた笑いをしてしまうシズネ。
そんな彼女を一瞥したゲンマはフッ、と軽く笑みを浮かべた後気を取り直したように表情を改めた。。
「ま、綱手様にあえるにしても会えないにしても、まずははぐれちまった忍豚を探さないとな。ちゃんと連れて帰らないと叱られっちまうんだろ?」
「あ、あひぃ~!そ、そうだった…。まずはいなくなったトントンを探さないといけないんだった…。」
先ほどまでの楽しそうな雰囲気はどこへ行ったのか、一転してアタフタとせわしなく慌て始めてしまうシズネ。
その姿が少しおかしく、ゲンマは彼女をみて少しばかり声を上げて笑ってしまった。
「はは、アンタ随分と面白い奴だよなぁ。見てて飽きないっていうかなんて言うか…」
「ちょ、ちょっとゲンマ、笑わないでよ!なんだか恥ずかしくなっちゃうじゃない!」
「なはは、わりぃわりぃ。」
「あー、また笑ってる!もうー…そうやって人を馬鹿にしてぇ。」
ゲンマの態度に不服があるシズネは恥ずかしいのか頬をほんのりと赤く染めて、可愛りしく少しだけ膨らませた。
それを見たゲンマは笑いを抑えて「わるいわるい」と片手で謝罪の意を示した。
「全くもう…」と呟いて膨らませていた頬を元に戻したシズネを見て、ゲンマも笑いながら片手を顔の前から下ろしていった。
その後ゲンマは下ろした片手を腰にやり、もう片方の手を顎へと添え、口元の爪楊枝を器用に揺らし始めた。
「なーんか、あれだな。さっき会ったばかりだけど、シズネがどういうやつだかなんとなくわかった来たわ。」
「え、そんな簡単に他人がどういう人か何てわかるものなの?」
「ま、あくまでなんとなくだけどな。」
「ふーん…。ちなみにゲンマから見て私ってどんな人にみえるの?」
「ま、あがり症だわな。あと純粋、っていうかちょっと天然が入ってる感じがする。」
「ちょ、て、天然って!?私そんなに天然じゃないよ!普通だよ、ふ・つ・う!」
(ま、本物の天然は自分が天然だって気が付いてないことが多いからな…。ま、シズネの場合は良くも悪くも素直なだけなのかもしれないけどな…。)
先ほどの談笑で、自分が言った冗談などをすぐに信じてしまうことが多かったシズネ見て、思わず忍者には向かないんじゃないかなぁ、なんて思ったりもしたのだがそれを口に出すほどゲンマも非常識ではない。
とりあえずここはこれ以上余計なことを言わないでおこうと考えたゲンマは、自分が天然ではないことを主張し続けるシズネの言葉を聞いているふりをし続けることにした。
適当に相槌をうちつつ、件の忍豚を探し始める。
あちらこちらに視線を移しているゲンマの隣でシズネが「ちょっと、聞いてるのゲンマ!」などと言っている気がするが彼は完全に無視である。
そしてしばらくの間、ゲンマの誤解?を解くことを一旦中断したシズネと共にトントンを探して商店街を歩く彼ら。
しかし、一向に豚のブの字すら見つからない状態が続き、だんだんと時間だけが経って行ってしまった。
「んー、見当たらんなー。さて、どうしたもんか…。」
「うぅ~…トント~ン!どこにいるのー!?いたなら返事してよー!」
「うーむ…ブーの一声すら聞こえないな。」
困ったように頭を片手で搔くゲンマと、その隣でがっくりと肩を落とすシズネ。
もしかしたらもう見つからないかも…、と弱気になってきたシズネをゲンマがそれとなく励まし続けていると、彼らの背中から威勢のいい男性の声が聞こえてきた。
「おー、ゲンマーじゃねえか!そんなところで何やってんだぁ、おめぇ?」
「ん?おぉ、肉巻き屋のおっちゃん。随分久しぶりあったなぁ、元気にしてたか?儲かってる?」
「ま、ぼちぼちだわな。いつも通り元気でやっとるよ。」
ゲンマが声の下方向へ振り返るとそこには一軒のお店がたっており、そこにねじり鉢巻きをした男性が立っていた。
その男性はゲンマと知り合いなのか、気前の良さそうな笑顔で彼らに近づいて行った。
「それにしてもどうしてこの時間帯にお前さんがここまで来てるんだ?ここら辺は肉・魚エリアだぞ。店の方はいいのか?」
「あー、実はいろいろあってな。今は探し物をしてる最中なんだ。」
「探し物ぉ?お前さんが探しものなんて珍しいな。こんなところまで探しに来るほど大切なものなのかい?」
「んー、正確に言えば俺は手伝いをしてるだけで、俺自身は何もなくしてはないんだけどな」
「?そりゃ一体どういう意味だ?」
「ああ、実は」
「あの…ゲンマ?」
「ん?」
ゲンマが目の前にいる知り合いらしき男性に事情を説明しようとしたその時、隣でゲンマと男性をあたふたと交互に見続けていたシズネがおずおずとゲンマに話しかけてきた。
「どうしたシズネ?なんかあったのか?」
「いや、あの…その人は一体誰なの?」
「あ、わりぃわりぃ。シズネはこの商店街の近くには住んでないもんな。知らないのも無理はないか。」
そう言ってゲンマは一度咳払いをした後、手で目の前の男性を指した。
「この人の名前は牧野二玖弥(まきのにくや)。目の前にある肉巻きおむすび専門店の店主をやってる人だ。」
「おう、肉巻きおむすび専門店!『肉巻きの肉や』店主の牧野二玖弥だ!よろしくな嬢ちゃん!」
「あ、は、はい!私の名前はシズネって言います。よ、よろしくお願いします。」
そう言って二カッと歯を見せた笑顔をして、親指を立ててグッドポーズをする牧野と彼に続いて自己紹介をし、ぺこりと頭を下げたシズネ。
……とりあえず一言
チョロイ、チョロすぎるぜ
見ても分かる通り、私は恋愛シーンを書くのがド下手なんです。
特に恋が芽生えるシーンなんて全然かけません。
まぁ、ほかの文章も駄文なんですけどね…