如何にして隊長を尊敬している戦車道に対して真面目な黒森峰女学園機甲科生徒達は副隊長の下着を盗むようになったか   作:てきとうあき

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第五話【キガ ツク トワ タシ ハ】

 

 -1-

 

 

 

熱い個人試合が終わった次の日。

今回、行われるのは隊同士の試合となる。

新入生の中から自薦もしくは他薦された者が指揮者となり、上級生を含む15輌を率いて戦うのだ。

将来的に小隊長や副隊長等を狙うのであれば、自身の能力を証明するまたと無い機会になる。

最も一昨年まではこの練習試合で小隊長になるのは一年生だけであったのだが、去年と今年は上級生も混ざる事になっている。

去年度にそうなった理由は当然ながら西住家長女の指揮者としての資質を周知させ、隊長へスムーズに納める為だ。

無論ながら今年も当初は対象だけを妹様に変えて、その含まれている意味は変わらないだろうと思われていた。

最も其れは自己紹介の際の妹様の様子―――醜態とは絶対に表現しない―――によって疑わしくなり、そして個人練習の結果によって今度は尽きない興味へと変貌した。

即ち、この練習試合で最も注目されている点はあの西住妹の指揮能力は如何にという点である。

 

結論から言うと妹様は想像以上であった。

ここで妹様の指揮が如何に優れていたかを美辞麗句や過剰な修飾語と比喩で表現したい所だが・・・その前に隊長との差異を説明しよう。

隊長の指揮を一言で言うならば「安定」である。

徹底して数・相性・地形等を相手に対して僅かでも有利になる様に配置し動く。

此れは局地的な戦術に措いても全体的な戦略に於てもその傾向が見られる。

孫子曰く「今、君の下駟を以て彼の上駟に与て、君の上駟を取りて彼の中駟に与て、君の中駟を取りて彼の下駟に与てよ」とあるが此れを正に実践しているのが隊長である。

即ち、「互いに上中下あれば、相手の中に上をもってあたり、下に中を、上に下を当てれば2対1で勝てる」という意味だ。

実戦でも相手の配置に対して全体で有利を取り、そしてそれで得たマージンを更に活用して広げていき、確実に相手を磨り潰すという正道の王者の戦いである。

言うは易しではあるが行うは難しだ。

裏をかこうと奇襲を仕掛けてこようと、離れていく差を何とかしようと奇策に持ち込もうとしても、決して誘いに乗らず掌に乗らず、どの様な相手でも己を貫き通すというある意味では傲岸不遜とも言える戦い方であった。

 

 

-2-

 

 

まず妹様の最初の練習試合が行われた。

相手はセオリー通りに包囲せんとして左翼・中央・右翼の三方面に展開していく。

普通に考えるのならば此方も同様に展開し、まず包囲を止めようとする所だが、そんな事には目もくれずに妹様は敵部隊の右翼目掛けて指揮下の車輌を全て動かし、一丸となって試合開始後に即座に全力で襲い掛かった。。

3倍の兵力差なのでランチェスターの第二法則に従い単純に考えて戦力差は9倍となる上に、不意打ちによる混乱によってこの敵軍を損害なしで短時間で突破した妹様の部隊はそのまま敵フラッグ車がいる中央部隊に黒狼の群れの様に襲い掛かり、そのまま咽喉を食い破ったのだ。

此れを見て周囲は普段の性格とは違い、超攻撃的な戦い方をするのだなと思ったようだ。

何を温い事を言っているのだ。戦車に乗った妹様を見てみると良い。あれは餓狼だ。

敵に喰らい憑き、咀嚼する事に餓えているのだ。あの戦場を駆ける黒色の槍騎兵がただ前進し全てを糞尿と血袋に変えていく様こそ妹様の其れに相応しい。

上級生の中で戦車に乗った妹様を知っているのが自分一人という優越感が私にそう思わせていた。

その評価ですら間違いであったのだが・・・。

 

続いての試合では、妹様の相手は中々熟練とした上級生であった。

彼女は薄く長い横一本の線の様な陣形をとり、そしてその線の中央部には僅かに前方へと膨らんでおり、その中にフラッグ車を配置していた。

この中央部に妹様のフラッグ車と他の主力が先程の試合の様に開始後即座に電光石火の如く襲い掛かった。

しかしながら、やはりこの上級生は巧みであった。

重装甲戦車同士であり、また中央部を護るに易き地形を活用させて防御陣形を確りと採っていた事もあって、妹様の猛攻を受け止めていたのだ。

その間に相手側はじりじりと少しずつ後退していき、妹様もそれに釣られるように前進して押していった。

必然的に横一本の線だった陣形は中央部がへこんでいき、そして左右の両翼が押してきた妹様を包み込むように動き出し、∩の様な形を取る。

左右が伏せられていた訳ではないが、島津家久が得意としていた釣り野伏せといえるだろう。

猪突で攻撃的な敵に対して有効なこの戦術によって、∩の字の中に囲まれた妹様は詰んだ・・・・・・そう相手は思っていただろう。

その瞬間、妹様を囲んでいた敵の右辺(敵左翼)の反対側と正面に妹様の残りの部隊が現れたのだ。

つまり、一方的に妹様を囲んでいたのが互いに互いの左翼を囲う形となったのだ。

形としては∩とUを互いに噛み合わせた形になるだろう。

勿論、これだけ見れば状況は同等ではあるが、囲まれた妹様の部隊は特に重装甲の戦車で構成されており、何時の間にやら三方の敵に対して其々が斜め45度に傾き、かつそれらが互いに側面をカバーしあうという方陣が組まれていた。

一方で敵の囲まれている右辺は全てが中央にある妹様の方向を正面に捕らえており、側面や後方の敵に対して全くの無防備であった。

瞬く間に囲まれていた敵の左翼は壊滅し、その後は敵左翼を正面から叩いていた部隊が敵右翼の後方へ、右から叩いていた部隊が敵中央の後方へと移動し、包囲殲滅へと移っていった。

この状況を何とか打開しようと移動を開始する素振りを見せると、妹様の主力部隊がその途端に喰らいついてくる為、動くに動けず嬲殺しにされるのを待つだけであった。

 

その次の試合では相手側も同じ様に全軍で突撃してきたが、それを完全に読み取っていたらしく林の中に部隊を伏せて、両側からジャーン!ジャーン!と銅鑼をかき鳴らしたかの様に奇襲した。

まず先頭と最後尾の敵戦車に攻撃が集中し、道幅が細いが故に進むも戻るもできずに立ち往生した所をゆっくりと妹様は殲滅した。

別の試合ではまず一塊となって防御陣地を構築しゆっくりと様子を見るという攻撃性の強い相手に対しての常道手段を取ったが、其れこそ自分に対して最も悪手であると言わんばかりの展開であった。

徐々に端から削り取って行くという王道の戦法をし始めたと思ったら、回り込もうという素振りを出して別働隊が反対側を襲撃したり、さも前に出すぎてしまったという様態でフラッグ車を前に出して餌にし、それについ釣られてしまった敵戦車を喰らう等である。

更に言えばこれらを俯瞰的に見ていた私達非参加者からすれば、この誘いに引っかかり続ける相手の行動は余りにも愚直すぎる様に見えたが、試合後に通信記録を聞きながら検証した所、当事者からすれば余りにも正確で精密な精神的揺さぶりの結果から起きた事である事が解った。

特にこの誘導・囮の対象は端から敵隊長を相手にした物ではなく、一般隊員を対象としていたのだ。

実際にフラッグ車の囮に釣られて一部の車両が前進したのは決して敵隊長の指示によるものではなく、逆に制止の命令を出していたぐらいであったのだ。

絶えず揺さぶりをかけ、閉塞感に追い込み、焦りと動揺を蔓延させ、そして巣穴から飛び出た所を狩って行く。

 

『此方はなぁに焦る事はない。ゆっくり・・・ゆっくりと少しずつ削いで行けばいい。皮膚と脂肪と肉を削げば、その内、心の臓が直接握れるようになる・・・』

 

まるでそう聞こえてくる様な戦い方であった。

攻撃一辺倒などとんでもなかったのだ。

隊長の戦い方を真円や正方形といった平面図形に例えるなら、妹様の戦い方は不定形で四方八方に好きな様に乱雑に各部分が延びて増殖したカビやアメーバといえる。

先程の孫子の馬車競争の言葉に例えるなら、しっかり上中下に下上中と充てて全体で勝つのが隊長なら、妹様はまず下に3車全てを当てて、しかも下の馬車を上と中で引っ張って全力で追い抜くのが妹様だ。

どんなに慎重に行っても、考え抜いても、一か八かの奇策に出ても、その全てを読み取られ、絡み取られ、沼の中に引きずり込まれる。

正道や王道や邪道など関係が無いと言わんばかりであった。

妹様は天使のような方であったが唯の天使ではなかったのだ。

まるで眩く白く輝かんとする白金の天使であり、その天使は試合に敗北することはなく、天使の対戦相手は試合に勝利することはないのだ。

 

 

なお、密かにこの相反する様な西住姉妹が戦ったらどうなるのだろうかという議題が一部の生徒の中で持ち上がった。

考えてみれば見方を変えればどちらもが矛側にも盾側にもなりえる二人だ。

確かに戦えばどうなるのだろうか。

隊長が全てを受け流して勝つに決まっている。

いやいや、然しもの隊長とはいえ妹様が相手では突き崩されるのではないだろうか。

3戦したとしよう。最初の二回は隊長が勝って最後の一回は妹様が勝ち、そしてそれ以降は交互に勝利していく。

様々な意見が交わされたが、結局は隊長が一度も参戦しなかった事から机上の話となった。

 

 

 -3-

 

 

練習試合が全て終わり、私は最大の苦境に立たされていた。

個人戦に参加していた上級生は担当した車輌の一年生の評価をレポートに纏めて提出しなければならない。

他の人員は長所も短所もハッキリしている子達だったので特に支障も無く終わっている。

実際の所優秀であったのも間違いないし早々に2軍に入れるだろうし、そこから何時か1軍に上がる事も十分期待できるだろう。

問題は妹様である。

いったいどう纏めればいいのだろうか。

頭から湧き上がる言葉を全て書き連ねていくには余りにも用紙が小さすぎる。

もういっその事本当に「西住家ヤバイ」とだけ書いて提出したらまずいだろうか。

流石に隊長も怒るだろうか?いや、それよりも「無理をさせすぎたか?」「疲れたなら時には休むことも大事だぞ?」と心配してくるだろう。

・・・怒られるより遥かに心にきそうだ。

その後、何とか長所については書けた。

単純に如何に簡潔に纏めるかだけなのだからできない方がおかしいのだ。

それでも切り詰めて用紙の8割がたは埋まってしまっているのだが。

そして、まだ此れまでの苦難は唯の前哨戦に過ぎない。

まだ狼の冬フェンヴェルトが終わっただけなのだ。

この後に太陽と月が飲み込まれ、星々は天から零れ落ち大地が震えて山は崩れ、ヘイムダルが世界の終焉を告げる為にギャラホルンを吹き鳴らす。

ラグナロックは今これから始まるのだ!

そう!西住みほの短所を書くという最後の聖戦が!!

 

三省堂 大辞林

(ある人や物の性格や性質のうち)他のものと比べて劣っているところ。不足しているところ。欠点

 

・・・短所?西住みほの短所?あの試合の最中の?不足している所?

何処にあるのだそんなものが。何処を探せばあるのだというのだ。

『猫の足音』『女の顎髭』『山の根元』『熊の神経』『魚の吐息』『鳥の唾液』

これらはフェンリルを繋ぎとめる為のグレイプニールの材料にされた故にこの世には存在しなくなったと言うが、『西住みほの短所』も一緒に材料となったに違いない!

空白で出してもいいだろうか。いや、報告書で短所なしは流石にまずい・・・だがしかし・・・。

結局私は朝方になってやっとの事で「戦車乗車時以外では威厳に難有り」とだけ書いて提出したのだ。

そして三日後に妹様が副隊長に就任することが発表された。

誰からも文句は出なかった。少なくとも表面上は・・・。

 

 

-4-

 

 

暫くの時が経ったが、妹様は未だに副隊長という地位に慣れていないようだ。

それも致し方が無いだろう。

戦車に乗車している時は強く自信を持って語りかけてくるのだが、そうではない時は少々統率者としては問題があった。

全体に予定や方針を伝える時も声が小さく勢いが無い。会議やミーティング等でも自分の意見を述べようともせず、他人の意見に追従するばかりであった。

無論、実戦での実力は全員知っていた。

だが、それでも現実として触れる機会が多いのはそれ以外の場合の方が圧倒的に多いため、理屈で理解していてもどうしても侮りが心から沸いてくるのは仕方の無いことであった。

一方で一年生の間では副隊長の評判は全体的に決して悪くは無い。

これは副隊長の指揮下に置かれる機会と副隊長の車輌に乗車する機会が圧倒的に多いからである。

解る。私にはそれが強く解る。

一度でも副隊長の戦車に乗って、一度でも一緒に戦って、一度でも副隊長から命令され、一度でも褒められて・・・・・・そして、一度でもアレを見てしまえば・・・。

そう、私はあの時から強い飢餓感を感じていた。

まず間違いなく人生で最も興奮し、愉快で、そして蠱惑的なあの瞬間を忘れるわけが無い。

もう一度、もう一度アレを味わいたい!あの全能感を!あの幸福感を!

しかし学年が違う私には副隊長の戦車に乗る機会は回ってこない。

もう暫くして他校との練習試合等のある程度真剣な部隊でならば副隊長の車輌に上級生が配置される事はあるだろうが、まだ今年度も始まったばかりなので副隊長とはいえまだ一年生同士で練習を行っているのだ。

乗りたい。指示されたい。命令されたい。そして私を引き出して欲しい。もっと引き上げて欲しい。もっと!もっと高みへ!

毎晩の事だ。寝床に入り目を瞑り、あの時の事を思い出すだけで脳内物質が生成されるのを感じる。

そうするとあの時の事が何時も夢に見れるのだ。

現実では体験できないのでせめて明晰夢でもというのが、私のせめてもの楽しみであった。

眠りに着く前に脳裏に思い浮かべる物と夢から覚める直前に見えるものは、何時もあの瞬間の最後に見えた眩く白く輝かんとする白金であった。

 

 

-5-

 

 

しばらくして一つの噂が流れた。

いや、噂というよりは事実を談笑の一部に乗せて会話してるというべきだろう。

3年生の元副隊長が現副隊長に不満を覚えているという事だ。

ここで念の為に言っておこう。

この元副隊長は己の分も弁えずに自身の力を過剰評価し、周囲からどう見えているかも気にせずキャンキャン吼える阿呆・・・・・・等という頭の悪い素人小説に出てくるような主人公の噛ませ犬のような人ではない。

そのような人物が暫定とはいえこの王者黒森峰で副隊長に選ばれる訳が無い。

戦車道としての指揮力もさる事ながら、本人も人格者である事は間違いない。

黒森峰の気風では珍しく物腰穏やかで、下級生にも良く相談されては優しく乗ってあげていた方であり、私も大変世話にもなっていた。

決して公衆の面前で副隊長の事を糾弾する事などした事もないし、影口を叩いたなどという噂があったとしても一笑に付されていただろう。

当然思慮深くもあるので本人も理解してるのだろう、自分より副隊長のほうが戦車道の指揮官として向いているという事も。

実際に戦車道活動含む日常においては、むしろ積極的に副隊長を立てていたくらいだ。

心の表層では現実を認め、副隊長も認めていたのだろう。

だが、理屈で理解していても如何しようも無いのが感情である。

2年生の時点から下級生である隊長を支えてきたという自負もあったのだろう。

隊長の下で副隊長として支えるという夢を抱えていたのは慕っていたものなら誰でも知っている。

だからこそ諦めがつかないのだ。

無論、この状態は放置はしておけない。

いっその事表に出してぶつかりあった方がマシなのだろうが、あの元副隊長がそのような事をする訳が無い。

自分の胸の奥に閉まって、飲み込み続けるつもりなのだろう・・・・・・限界が来るまで。

そう、何時か限界が来る。今は表に故障として出てきてはいないが内部で歯車の擦れる異音やクランク等に歪みが来ているのが見えないだけだ。

それが何時かは解らないが、確実に崩壊は来る。そしてそれは時を置けば置く程致命的な崩壊となるだろう。

という見解もあってか私は隊長に呼び出されて相談を受けたのだ。

隊長から呼び出された事は光栄だが、これはどちらかというと私自身を買っての事というよりは、ある程度信頼している上級生の中で私が最も―――いや、唯一妹様と接点があるからだろう。

相談を受けた私は即座にそして絶対の自信を持って応えた。

 

「元副隊長を現副隊長の車輌に乗せて試合を行ってください。それで全て解決します」

 

「・・・それだけでいいのか?逆に拗れたりしないだろうか?」

 

「いいえ、乗ったことのある私だから解ります。絶対にそれで上手くいきます」

 

そうだ、あの妹様のいる戦車。あの金属で密閉された空間は精神隷属器みたいな物だ。

妹様に・・・その存在に驚愕する。その後に中に取り込んだものを精神を揺さぶり己に依存させ、あらゆる人間に伝播して進化させる。

そう私みたいにだ。

 

「そうか・・・斑鳩がそういうなら信じよう!」

 

そうして私は退室し、自分の部屋に帰るために歩きながら思考する。

本当に良かったのだろうか?私は今は確実に幸せだ。

だが、この暗い水の底にあの優しく尊敬もしていた先輩を引き摺り込んで良かったのだろうか?

一度溺れてしまえば幸福以外の何物でもないが、果たしてその変異を経た時、私は私だったのだろうか・・・

 

 

-6-

 

 

「失敗だったようだ」

 

「・・・は?」

 

あれから元副隊長を妹様の戦車に搭乗させての試合が行われた。

組み分けが発表された時、あの穏やかな笑顔を浮かべていた先輩が僅かにだが何かを堪える様な嫌悪感を滲ませた表情が見えたのは確かだ。

あの様に負の表情を浮かべるのを見たのは初めてであった。

それでも一切の心配もしていなかったのだが

 

「失敗?あの・・・元副隊長は妹様を・・・っと副隊長を認めなかったんですか?」

 

有り得ない。アレに耐えられる人間が、ドロドロに溺れずにすむ者がいる訳が無い。

妹様は強力な麻薬だ。その戦車に搭乗するなどその麻薬を脳髄に直接注入するようなものだ。

絶対に妹様なんかに負けない!という強い意志など風前の灯のような物の筈だ。

・・・最も私は心の何処かで安心していたのかもしれない。

尊敬もしていたし憧れていたあの優しい先輩を、自分と同じ様に深い深い水の底に沈まなくて済んだ事を・・・

 

「彼女が言うには、一回だけではまだ判別がつかないので、もう何度か一緒に搭乗してから見極めたいそうだ」

 

「きったねぇぞあのアマぁああああああああああ!!!」

 

私はそう叫ぶなり部屋から飛び出していった。

私は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の蛇を除かなければならぬと決意したのだ。

・・・・・・そこで、もし一瞬だけ冷静になって振り返れば世にも珍しい"きょとん"とした隊長が見れただろう。

 

 

 

 

 

 

 




次回予告!

愚かにも斑鳩は自身の強力なライバルを自分の手で生み出してしまった!
自分一人で独占できるかも知れぬ機会は、容易く己の手から指の間をすり抜けるように零れ落ちてしまったのだ。
次第に妹様の魅力に気づき始める同級生と先輩達。
このまま座視していては妹様が手の届かぬ場所に行くのではないかと思った斑鳩はここで攻勢に出る!

次回「IS APPROACHING FAST」

副隊長の下着がまた一枚・・・

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