ポケモン「絵描き」の旅【未完】   作:yourphone

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蝉が鳴き
夏真っ盛り
日が照って
汗かきみんな
走れ走れ
~特に意味の無いyourphoneの五七五~


クエイクバッジ~ヤーコンロードは未だ無い~

「ヤ、ヤーコンさん!」

 

レナさんが叫ぶ。

うわぁ、ヤーコンさんか。むっちゃ怒ってらっしゃる。

 

「ったく!……ああ!?フィールドがぐっちゃじゃねぇか!」

「ご、ごめんなさい!」

 

こういうのは真っ先に謝るのが良いと思う。

 

「あ?お前がやったんか?」

「はい。ポケモンバトルで…。」

「ほぅ。」

 

しげしげと俺の顔を眺めてくる。

ある程度眺めたあと、首を回し今度はギィカを見る。

 

「ふむ。」

「ギッガア!」

 

ヤーコンさんはギィカをペタペタ触り、何か納得したように頷く。

 

「ヤーコンさん、すみません!私、熱くなりすぎちゃって…。」

 

レナさんが駆け寄ってくる。というか知り合いなのか。

 

「いや良い。小僧、名前は。」

「っ、ブールです。」

「そうか。俺のジムに挑戦したいか?」

「はい!」

「駄目だ。」

「…はい?」

「ヤーコンさん!?」

 

レナさんが再度叫ぶがヤーコンさんは淡々と続ける。

 

「ジムバッチが欲しいならくれてやる。だが、ポケモンバトルは駄目だ。」

「え、えぇ…?」

「ヤーコンさん、なんでですか!?」

「そうよ。せめて理由を言いなさいよ!」

 

レナさんとメイコさんが責め立てる。が、ヤーコンさんは顔色を変えずに言い切る。

 

「こいつの『じしん』。これを連発されたらジムが壊れるからだ。」

「いやいや、あんたのポケモンも地面タイプでしょうに、『じしん』や『じならし』程度なら耐えるでしょ?」

「まあな。だが残念な事に俺のポケモンたちじゃあフィールドを波打たせるなんて芸当は出来ない。それにここまで威力が高いとどんだけしっかりしたジムでも基盤から歪んじまう。」

「ん…確かに。」

「分かったか?ましてや俺のジムは地下にある。最悪、皆まるごと生き埋めだ。壊される程度なら協会の方に金を請求すりゃあ良いんだが、死んだら元も子も無いだろう。」

「そんな…。」

「ギッガァ?」

 

メイコさんも口を閉じちゃったし、レナさんに頼る訳にもいかない。

 

「じゃ、じゃあ『じしん』を使わなければ」

「バトルが始まったらそこまで気は回らん。それに、バトルをするならお互い全力じゃなきゃ不満が残る。見たところ、お前さんのポケモンは腰のボールの数から見て三匹。ギガイアスを使わないとすると…流石に俺には勝てん。」

「うぅ…。」

 

何も言えない。メイコさんに手伝ってもらっても良いけど、地面タイプ相手にペラップは辛すぎる。

残念無念。ちゃんと戦いたかった。

 

「……。ジムバッチは…くれるんですね…?」

「あぁ。とりあえずそこの嬢ちゃんに勝つぐらいの実力。かなり鍛えられ、育てられたギガイアス。フィールドを壊すぐらいの『じしん』。ジムバッチを渡すには充分だ。」

 

そして、少し躊躇ってから続ける。

 

「出来るなら、俺も戦いたいがな。何分、場所が悪いんだ。悪く思うな。」

 

…あぁ、悪い人ではないんだなぁ。強面でぶっきらぼうで怖いけど、俺の事もちゃんと考えてるって事が分かる。

 

「……分かり、ました。」

「ブール、いいの?」

「うん、メイコさん。ジムバッチをください。」

「…ちっと待ってろ。」

 

ヤーコンさんがジムへと向かう。

 

「ご免なさい、私のせいで。」

「え、レナさんのせいじゃ無いですよ?」

「そうよツインテール。どうせホドモエシティの地下にも空洞が大量にあったりするんでしょ、悪いのはあんな無茶苦茶をさせるブールと、それを実現しちゃうギィカと、土地よ。」

「ギッガアアア!?」

 

ギィカに熱い風評被害が!

 

「ギッガ!ギィッガアア!」

「あーはいはい。ギィカで悪くないわよ、あたしが間違ったわ。悪いのは全部ブール。これでいいでしょ?」

「ギィ!…ギッガァ。」

「え、ちょ、納得しないでよ!?」

 

なんて騒いでいると。

 

「……強いんですね、ブールさん。」

 

なんか、レナさんが俺たちを、慈しむ…違う、えっと、眩しそうな目で見てくる。

 

「へ?」

「普通、あんなこと言われたらもっと怒っても良いと思うんです。それか嘆くか。でも、ブールさんはそんなことにならない。……どうしてです?」

 

「サァ~。」と、幻聴が聞こえた。

あー、そういえばサーナイトとかラルトス系統って相手の心を読んで、優しい相手じゃなきゃ懐かないんだったっけ?つまり。

「レナさんって優しいんだね。」

「ふぇ!?」

「なんでそうなんのよブール。」

「後で教えますよ。それで…レナさん。」

「は、はい。」

「僕は別に悔しく無い訳じゃないし、怒ってない訳でもないよ。」

「え…?」

 

あー。こういう自分語りみたいなのは凄く苦手なんだけどなぁ。

 

「わざわざ他人に見せないだけ。そういう性格だからね。」

 

元の世界では、有り得ない夢を信じ続ける子供だった訳で。

それだと当然、周りの眼が気になってくる。

変な奴だと思われてないか。頭がおかしくないかと思われてないか。

 

「有り得ない物語を信じ続けるには、他人には理解できない夢を信じ続けるには……何時でも元気に、弱さを見せない。」

「ブールさん…。」

「なんてね。」

 

お、ヤーコンさんが戻ってきたみたいだ。

 

「小僧、これが俺が認めた証。クエイクバッジだ。」

「ありがとうございます!」

 

とはいえ、すっきりしないなぁ。

 

「そうだ。ヤーコンさん!」

「なんだ?」

「約束してください。今じゃなくていいので、何時か此処にでっかいバトル場を造ってください。ギィカの『じしん』程度じゃ壊れないような凄い場所を。世界中から強敵がやってくるような、バトルトーナメントを。」

「…それで?」

「そこで戦いましょう!出来たらお互い全力で、バトルしましょう!」

「……。」

 

ふっとヤーコンさんが笑う。

 

「あぁ、そうだな。約束しよう。」




2234文字です。
ヤーコンさんまじハードボイルド!
後書きが伏線とは、思わなかったろう?
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