作りたくなっちゃった、ちょっと切ない感じの話。
アルA「…………来てたのか。カズ。」
和「へへへ、まあね。だって今日はミリ旗君にとって大切な日やろ?」
アルA「ま、そうだな。しかしあのミリ旗さんがねぇ……。」
そう、今俺達は教会にいる。なんでかって?…………ミリ旗さんが結婚したからだよバーカ!誰と?そりゃあ…………あ、いや、訂正。『そりゃあ』じゃなくて、『まさかの』白瀬さん。訂正したのは…………ミリ旗さんのことを好きなのは白瀬さんだけじゃないからだ。そう、横にいるこいつも、同じなのさ。
和「しっかしミリ旗君もええお嫁さんを貰ったなぁ。美人さんで、家事もちゃんと出来て…………私とは大違いやなぁ……。」
アルA「カズ…………。お前……。」
和「やめて!…………それ以上言われたら私……我慢出来なくなるから……。」
アルA「…………。」
和「やっぱさ、私は幸せとかとは無縁なんよ。あの時、ミリ旗君に別れを告げて……正解やったなぁ……。」
アルA「…………カズ。」
和「……?」
アルA「……お前、どうせミリ旗さんに会わずに行くつもりだったんだろ?」
和「そりゃあ……そうや……。」
アルA「……もう一度だけ会ってこい。」
和「でも……私、」
アルA「大丈夫だって。……だってさ、仮にも自分の大好きだった人に、折角会えるチャンスなのに会わず終いなんて、悲しいでしょ?」
和「そうやけど……。」
アルA「……行ってこいよ。」
和「…………。」
〜〜〜そして〜〜〜
アルB「ミリ旗さんピースピース!」
ミリ「へいへい。ピース!」(パシャッ
アルB「はいオッケー!」
ミリ「ちゃんと撮れてなかったらミンチだからな!」
アルB「だ、大丈夫だって汗」
ミリ「おお、安定のイケメン!」
アルB「おい汗 …………あれ?」
ミリ「ん?どしたん?UFO?」
アルB「…………カズ……?」
ミリ「えっ?」(クルッ
和「…………。」
ミリ「カズ…………ひ、久しぶり!」
和「あっ!うん、久しぶりやね!」
ミリ「……来てくれたんだね。」
和「……うん。ミリ旗君の記念日やからね。」
ミリ「へへ、ありがと!」
和「…………。」
変わらない。ミリ旗君は変わらない。あの時と同じ顔で、同じ笑顔を見せて、おどけた笑い方をする。私達が恋人やった頃のミリ旗君がそこにいた気がした。…………でも目の前のミリ旗君は私の恋人やない。そりゃあそうやね、自分で突き放したんやから。
和「…………ミリ旗君。」
ミリ「ん?どした?」
和「…………ごめんなぁ……。」
ミリ「……あの時のこと?」
和「(コクリ」
ミリ「許さん!」
和「(ビクッ」
ミリ「と、言いたいところだけど、許しちゃる!」
和「も、も〜、脅かさんといてや……。」
ミリ「そんな引きずるほど僕は悪い奴じゃないよ汗 もう、過ぎたことだろ?」
和「……過ぎたこと…………そうやな!引きずってる方が馬鹿やな!」
ミリ「なんだよ!いい気になりゃ好き放題いいやがって!」
和「アハハ、ごめんごめん笑」
ミリ「ったく……。」
和「…………ミリ旗君。」
ミリ「……なぁに?」
和「…………お幸せに。」
ミリ「…………カズ、僕……、」
和「……?」
ミリ「…………ありがと!」
和「……おう!」
〜〜〜そして〜〜〜
和「……ふぅ。」
アルA「お疲れ。」
和「アルペジオ……。」
アルA「どうだった?ちゃんと話せたか?」
和「うん、話せた。」
アルA「そっか。…………なあカズ。」
和「ん?なんや?」
アルA「…………これを、お前にやる。」
和「えっ?……これは?」
アルA「後でじっくり見てよ。」
和「…………。」
〜〜〜そして〜〜〜
和「……私宛の……。」
『アルA「それさ、ミリ旗さんが書いた手紙なんだよ。カズ宛に。」
和「え?私宛……?」
アルA「うん。あの人さ、口で伝えようとすると恥ずかしがるからさ、手紙でカズに自分の考えをつたえようとしたんだよ。」
和「…………。」
アルA「ホントはさ、甲子園で優勝した後、カズに渡すつもりだったんだって。カズがいなくなってさ、もう渡す必要も無いのに、あの人、その手紙ずっと大事そうに持ってたんだ。」』
和「…………。」(手紙を開ける)
『拝啓 大江和那殿。
この度は失礼ながら手紙を認めさせていただきました。こうでもしないと僕……いや私は思いを伝えられないというか……ああもうめんどくせぇ!えーっとさ、だからね、何時もカズには迷惑かけたりして振り回してばっかだったけどさ、それでもカズは僕のこと好きだって言ってくれたよね。あれさ……恥ずかしかったけどすっごく嬉しかったんだ。だからさ、今日は僕もちゃんと伝えようかなって思ったんだ。』
和「……。」
『好きだって言ってくれてありがとう。僕のわがままに付き合わせっぱなしでごめんなさい。時々見せる泣き顔とかすっごく可愛かったです。何時も二人で楽しく話すのもすっごい好きだ。カズと一緒にいる時が一番楽しいです。それで…………僕は…………。』
和「……もうっ……なんやこれは……(ポロポロ」
『僕も、カズのこと大好きです。』
和「……なんやこれは…………ほんと……いけずやな……ミリ旗君は…………こんなの見せられたら……私、もう我慢出来ないやない……か……。(ポロポロ」
あの時間は、もう二度と戻らへん。今更後悔してももう遅いんや。…………でも、不思議なんや。悲しい、すっごく悲しい。せやけど、なんだか、嬉しい気持ちの方が大きいんや。私、ミリ旗君に愛されてたんやなぁって、私のこと好きだったんやなぁって。嬉しかったんや。…………嗚呼、そうなんや。私、今でもミリ旗君のこと大好きなんや。素敵なお嫁さんがいてもいい。私のこと忘れてしまってもええ。それでも…………。
和「やっぱ好きなんやなぁ……。アンタやなきゃアカンよ……。」
アルA「…………なあ白瀬。」
白「あら、なあに?」
アルA「……こんなことはさ、本来は男であるミリ旗さんに言うべきなんだろうけどさ。……ミリ旗さんのこと大切にしろよ。でないと…………俺が許さねぇからな。」
白「…………ええ。わかってる。」
アルA「そっか。それならよかった。でないと…………。」
白「でないと?」
アルA「……報われないからな、あいつがさ……。」
白「…………。」
おばあちゃんが言っていた。恋愛ってのは、人をよわくするものだ。けど、人は弱みを知って初めて強くなる。人を愛するってのは、必ずしも幸せになれるものではない。けどその辛さが、その弱さが、きっと何物にも変え難い宝物になると。今の俺はその意味がよくわかる気がする。
アルA「……今日は星が綺麗だな。」
白「……そうね。」
空に光る夏の大三角。眩しく輝く彦星(アルタイル)と織姫(ベガ)の二人。その横で、何故か今日に限って一際眩しく輝き、ふたりを見守り続ける、白鳥(デネブ)が一羽。
ミリ旗さん、ゲスト出演ありがとうございます。この小説書いてる時にやしきたかじんさんのあの曲を聞きながら書いてたんだけど、割と悲しくなった汗
『きつく抱いてよ、今夜は。』
なあみんな、みんなで桧垣先生殴りに行こうぜ笑