『管制よりアークス各員に緊急連絡!惑星ナベリウスにてコードD発生!空間侵食を観測。警戒してください!』
「な、なんだ⁉︎」
俺たちの周りに空間に黒い霧が発生した。
そこから大量の蜘蛛のような外見のダーカー、ダガンが現れた。
『ダーカーの出現を確認。全アークスに通達!最優先コードによるダーカーへの戒厳令が下されました。』
「こいつらが……ダーカー?」
「アフィ「なんでだよ!どうしてだよ!ベリウスのはいないはずだろ!!なのにどうして「アフィン!!!」」
「は!相棒?」
「アフィン冷静さを失うな。戦場でそれは命取りになる。お前はアークスになるって決めたんだろ。ならアークスの敵であるダーカーと戦うこともわかっていたはずだ。」
「……あぁ、相棒の言う通りだぜ。こいつらはアークスの敵だ。俺たちが戦うべき相手だ!わりぃな相棒すこし取り乱しちまって。」
「よし。なら行くぞ。今は目の前の敵に集中しろ!」
「おう!」
俺たちは背中合わせにしてそれぞれ武器を構える。
背中の敵は相棒がどうにかしてくれる。俺は目の前の敵に集中するんだ。
アサルトライフルを握る手が汗でにじんでくるのがわかる。
近戦じゃ俺に戦うすべはない。接近される前に仕留めないと。ならば先手必勝だ!
まず敵全体に銃弾をばら撒く。1発に威力はそれほどないが敵を怯ませることはできる。その間におれは次に動作に移る。
腰のポーチからさっきとは別の爆弾を取り出し、敵の中心に投げ込む。
爆弾が弾けるとダガンたちがそこに吸い寄せられている。
グラビティボムは特殊な重力を発生させて敵を吸い寄せる。そして…
俺は弾倉を切り替えてアサルトライフルを構え、狙いを定める照射位置を固定する。
ダガンが密集している地点が明るくなっていく。
この技は隙は大きいが威力は抜群…
「サテライトカノン!!!」
ダガンどもに強力はレーザー弾が降り注ぐ。
ダーカーどもは一掃された。
「こいつらそんなに強くないじゃん。びびって損したぜ。1撃で片付いちまった。」
「アフィン油断するな!」
レーザー弾の発光で見えていなかった。1匹仕留め損なっている。
残った1匹はジャンプして俺との距離をいっきに詰めてきた。
やばい!今、弾倉はサテライトカノン用のレーザー弾だ。弾倉を切り替えてる暇はない。
距離を取ろうと後ずさりしようとすると足元にあった石につまずき、尻餅をついてしまった。ダガンは目前まで迫っている。
やられる!
「右に避けろ!!」
その言葉に従い、体を少し右にそらす。
「!!」
俺の元いた場所に矢…
ではなくダガーが通過した。
そのダガーはダガンに突き刺さり、ダガンは消えていく。
振り返ると相棒が他のすべてのダガンを倒したらしくこっちに向かって歩いてきてる。
なんだか顔が険しいが、とりあえず……
「助かったぜ相棒。」
「助かったではないわ!戯けが!」
あ、やばい。相棒の口調が変わってる。これは何度か経験がある。
相棒が説教するときの口調だ……
そして相棒の説教が始まった。
「何だあの取り乱しは!さっきも言ったが敵と対した時に冷静さを失えば命取りになるんだぞ!
確かにナベリウスはダーカーの出現例はない。だから修了任務の場所に選ばれてる。しかし任務内容はなんだった?」
「……ダーカー因子に侵食された原生種に捜索です。」
「ではなぜそのダーカー因子の塊であるダーカーがいるという可能性を考えなかった。その考えまで至っていたならばあの状況で取り乱すことも無かっただろう!」
「……おっしゃる通りです。」
「そして戦闘だ!バックアップがあるかもわからない状況で隙の大きい技を使用して、油断し、レンジャーが接近を許し、俺が助けに入らなかったら死んでいたんだぞ!」
「……はい。」
誰か助けてくれーーー!!
ピピッ
『全アークスに通達。コードDの発令を解除。警戒レベルを引き下げます。アークス研修生は安全を確認後、帰還してください。』
「帰還命令か。」
よし助かった!
「続きは帰ってからだだな。」
「………。」
……神よ。この世に救いはないのか。
◇ ◇ ◇
「よし。準備はいいか?テレパイプを使うぞ。」
「……おう。」
「どうした?元気がないぞ。」
「大丈夫だ。」
お前のせいだよ!
「ん?」
「なんだ?また声が聞こえたのか?」
「ああ。あっちの方から聞こえた。」
「そんなに気になるなら一度行ってみるか。」
そして俺たちは相棒が声がしたという方向へ行ってみた。
茂みを掻き分け進んで行くとそこには
銀髪の少女がいた。
「…たす…け…て」
パタリッ
「お、おい?!」
「おい、大丈夫か?!」
倒れた少女を相棒が抱き上げる。
「疲労で気を失っているだけだな。命に別状はない。」
「なんだ、よかった。けどなんでこんなところに?見たところヒューマンのようだけど。アークスか?」
「いや、武器を持ってないところを見ると一般人じゃないか。」
「なんでこんなところに一般人が?はっ!まさかダーカーに連れ去られていて逃げてきたとか。」
「その可能性はあるかもしれないな。とりあえずアークスシップに連れ帰ってこの子が起きるのを待つしかないな。」
「そうだな。」
「メリッタさん。こちらアークス研修生のシロウとアフィンです。任務中に身元不明の少女と遭遇、保護しました。外傷はないが気を失っています。救護班の手配をお願いします。」
『こちらメリッタ、今からそちらに救護班向かわせます。そちら座標を教えて下さい。』
相棒がここの座標を教えると『わかりました。至急向かわせます。』といい、通信が終わった。
「俺たちは救護班がくるまでここで待機だな。」
「ああ、そうだな……っ!!
アフィン!この子を頼む!」
「え?!」
「すぐに戻る!」
そん言うと相棒は少女を俺に預けて、走っていった。
*
『…助けて』
ダーカーが出現する前に聞こえていた声。
10年前この世界に来る時に聞こえた声と同じ声。
ダーカーを倒したあとにも聞こえた。俺とアフィンは声の方向へ行ってみた。そこには1人の銀色の髪を持った少女がいた。
少女は倒れてしまった。どうやら気を失ったようだ。
この子が声の主なんだろうか。もしかしたらシオンが俺をこの世界に連れてきた理由と関係するかもしれない。
しかしこの子のこんな綺麗な銀色の髪を見ていると、1人の少女のことを思い出してしまう。
俺が未熟だったために救えなかった彼女を……
『……ようやく見つけた。』
さっきと違う声が聞こえた。それと同時に一瞬、ある方向から凄まじい殺気が飛んで来た。
アフィンは気づいてない。だが殺気は明らかにこの子を狙ったものだった。しかも正確にはわからないが相当に実力者だ。この場で戦闘になったらこの2人を守りながら戦うのは無理だ。ならばこっちから仕掛けるしかない。
アフィンに少女を預けて俺は殺気のした方へ走り出す。
俺はこの世界に来てから投影魔術は1人で訓練するときは使っていたが、人前では使わないようにしている。この世界で魔術はすでに失われたもの、使えるものが現れたとなれば、それをほっとかない連中が現れるだろう。
しかし今はそんなことは言ってられないかもしれない。それほどの相手だ。
そんなこと考えるながら殺気のした方へ急ぐ。
◇ ◇ ◇
少し行くとそこには崖に囲まれた少し開けた場所があった。その真ん中には仮面を被り、黒く体型がわからないほどの分厚い衣服を身に纏った者が一人が立っていた。
「……お前は誰だ?」
と問いかけてきた。声は仮面を被ってるからか、男とも女とも判断出来ないくぐもった声だ。
「貴様こそ誰だ?なぜ彼女を狙う?」
「…教える気はない。お前には関係のないことだ。」
その時
「はぁぁぁ、おらっ!!」
仮面の者がいた地面が一人の男によって砕かれていた。仮面の者はバックステップをしてそれを避けていた。
「おいおいおい、ダーカーが出現してる聞いて気まぐれで来てみれば、まさかダークファルスと出会えるなんてよ!ふははははははっ!」
いきなり現れた男はそう言い放った。
「…邪魔が入った。」
と言うと、仮面の者は黒い霧を発生されてその中へ消えていった。
「ちっ、にげられちまったか。なかなか楽しめそうだったのに。まぁいい、うまそうな獲物が1匹残ってるからな!」
そう言うと男はこっちを向く。
「おいシーナ!こいつは誰だ?」
さっきまで気づいてなかったが男の後ろにエメラルド色の髪で目を隠した少女がいた。
少女は空中にpc端末を展開すると何かを調べ始めた。
「ゲッテムハルト様、その方の名前はエミヤシロウ。ただいま研修生であり、戦闘、座学ともに優秀な成績を取られています。特に対人戦はとても高い評価を得ています。」
「ほ〜、それはいいな。おいそこのお前!今から俺と戦え。」
やはりか。薄々感じていたが、こいつは戦闘狂だ。
「俺はあんたと戦う気などない。」
「そんなことは知らねぇ。これは命令だ。俺と戦え。それとも命の危機を感じれば、少しはやる気が出るか!!」
ゲッテムハルトがこちらに向かって走り出した。
戦闘は避けられないか。
ツインダガーを握る手に力を込める。
「マシな顔になったじゃねぇか。少しは俺を楽しませてくれよ。おらっ!行くぞ!」
ゲッテムハルトが拳を振り上げる。
そこには籠手がはめられておりフォトンが込められている。直撃すれば、ただでは済まないだろう。
拳が振り下ろされる。
ガキンッ!
しかしその拳が俺に届くことはなかった。
「おい、ゲッテムハルト。お前、どういう考えで仲間に攻撃してんだ。」
そこに現れたのはゼノさんだった。
ゼノさんは俺たちの間に割って入り、ゲッテムハルトの拳をソードの腹で受けたのだ。
「ちっ、ゼノまたお前か。いつも俺の邪魔しやがって。
興が醒めちまった。帰るぞシーナ!」
「はい、ゲッテムハルト様。 それでは失礼します。」ペコッ
「とろとろすんな。置いて行くぞ。」
シーナと呼ばれる少女は、こちらに一礼するとゲッテムハルトの後を追い、走って行った。
「大丈夫かシロウ?」
「あぁ、大丈夫だゼノさん。」
「すまねぇな。知り合いが迷惑かけちまって。全くあいつは……」
「しかしなんでゼノさんがここに?」
「お前たちが少女を保護したっていう連絡が来てな。アークス研修生だけでは心配だからって一番近くにいた俺たちにお前たちの補助の命令が下りたってわけよ。それで急いで指定の座標に向かってたら、少し違う方向からすごい音がしたんでな。エコーに先に行かせて俺はその音の原因を調べにここへ来たら、お前がゲッテムハルトに襲われていたということだ。それよりお前はなんでこんなところにいるんだ?少女の発見地点で待機してるはずだろ。」
俺は少女発見してからゼノが助けに入るまでの経緯を話した。
「まったくお前は無茶をするな。お前の言う仮面の者の特徴からしてそいつはダークファルスだろう。詳しい話はまた後で聞くとして、とりあえずお前たちが保護したっていう少女のところまで戻るぞ。」
◇ ◇ ◇
……あれがダークファルスか。
少女を保護している地点に戻ってる最中俺はさっき出会った仮面の者について考えていた。
確かに凄まじいダーカー因子は感じられた。しかしなんと言うか、俺たちとは少し存在が違うように感じた。ダークファルスとはそういうものなのか……
そんなことを考えてるうちに俺たちは少女のもとに戻ってきてた。
「相棒!」
「あっゼノ!遅いわよ。シロウくんも待機しとかないとダメじゃない。」
俺はアフィンとエコーさんにもゼノさんにした話と同じ話した。
「本当か相棒?まったく気づかなかったぜ。」
「シロウくん、無茶しちゃダメだよ。」
「エコーそれでこの子の容体はどうなんだ?」
「うん、シロウくんの推測通り疲労のよって気を失ってるだけだよ。」
「そうか。それはよかった。」
その後救護班が到着し、少女はアークスシップに搬送されて、俺たちもアークスシップに帰還し任務の報告をした。
◇ ◇ ◇
A.P.238 2/20
次の日
俺とアフィンは士官学校の教官室に呼び出されていた。
「予期せぬことが起こったが二人とも修了任務ごくろうだった。」
「今日お前たちを呼んだのは、修了任務の結果を言い渡すためだ。」
「「……はい。」」
「……二人とも合格だ。明日から晴れて君たちはアークスだ!」
「よっしゃー、ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
「しかしお前たちはまだまだ直さなければならないところがたくさんあるぞ。まずアフィン!お前は予期せぬことが起こると大きく動揺するのと、すぐに調子に乗るのを直せ!」
「うっ、……はい。」
「そしてエミヤシロウ!お前はできることが多いためにすべてを自分だけでどうにかしようとするところがある。今のところはそれでもいけるかもしれないが、必ずどこかで自分一人ではどうにも出来ないことが出てくる。
お前はもう少し人に頼ることを覚えろ!」
「…はい。」
「お前たち2人はまだまだ未熟だ。それを心に刻みこみ、これからはアークスとしてしっかり任務をこなしていくように!」
「「はい。」」
士官学校を後にした俺たちは昨日保護した少女がいるメディカルセンターに様子を見に行くことにした。
◇ ◇ ◇
メディカルセンターの少女がいる部屋に来た俺たちはこの子の看護官のフィリアさんに容体を聞いていた。
「昨日からずっと気を失ってままね。もうすぐ起きると思うんだけど。」
「そうですか。この子に素性について何かわかったことはありますか?」
「アークスではなかったわ。わかってると思うけどアークスになると顔と名前そしてDNA情報がデータベースに登録されるのだけどこの子のDNAで検索をかけたところ一致するデータはなかったわ。」
「なら一般人ってことですか?」
「たぶんそうじやないかな。」
そんな時
「……んっ、あれ?…ここはどこ?」
少女が起きた。
「ここは、メディカルセンター。あなたがナベリウスで倒れているところをこの二人が助けてくれたのよ。」
「……ナベリウス?」
「そうナベリウス。あなた自分の名前はわかる?」
「……………マトイ。………………私の名前はマトイ。」
次回から更新が少し遅くなるかも……
リアルが忙しくなってきた。