2015年、使徒襲来。
 ネルフはこれに対抗するためにエヴァンゲリオン「初豪鬼」を起動させる。
 だがそれはどう見ても背中に「天」の文字が印された袖のない黒い道着にしか見えなかった。

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使徒、襲来

 

 

2015年。

15年振りに使徒が襲来。

人類は滅亡の危機に瀕していた。

ネルフはこれを迎え撃つために……

 

 

 

「これが凡用人型決戦兵器エヴァンゲリオン『初豪鬼』よ、シンジ君」

 

「初豪鬼って…ただのぼろぼろの黒い道着にしか見えないんですけど、ミサトさん?」

 

 

少年――シンジが指差す先、彼女が手に持っているのは背中に「天」の文字が印されている袖のない黒の道着と巨大な数珠。

 

 

「あなたはこれを着て使徒と戦わなければならないの…」

 

「イヤだ! できっこないよ!」

 

「お願いシンジ君、今あなたしか頼れる人がいないの…」

 

「それでどうやって戦えっていうのさ!?

 話の流れからしてあのロボットで戦うもんじゃないの!?」

 

 

近くには巨大な浴槽にロボットが入れられていて頭部だけが外に晒されていた。

ミサトは悲痛な表情で首を横に振ると…

 

 

「ゴメン、あれただの飾り…」

 

「ウソだぁぁ――――っ!!!!」

 

 

 

 

  何をしている? 早く準備をしろ

 

 

 

 

頭上、ガラス越しに男性。

 

 

「父さん…」

 

 

 

 

  それを着て使徒と戦ってこい

 

 

 

 

「無理だよ!?」

 

「お願いシンジ君、ワガママ言わないで…」

 

「中学生の男子に道着渡して戦ってこい、という方がワガママだよね!?」

 

 

 

 

  仕方ない「レイ」を連れてこい…予備が使い物にならなくなったと…

 

 

 

 

男の指示で担架に乗せられた少女が運び出される。事故にでも遭ったのか、ところどころ包帯が巻かれて痛々しい。

 

 

「まさか彼女に道着を着させて戦わせるつもりじゃ…」

 

「いえ、普通に人型兵器に乗って戦うわよ?」

 

「なんで彼女が人型兵器で、僕が道着なんですか!? おかしくないですか!?

 僕が彼女の代わりにロボットに乗って戦えば済む話ですよね!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、シンジ君…戦う決断をしてくれて…」

 

 

モニターには袖のない黒の道着を身に纏い荒縄で締めて、手には皮革の手甲、首には巨大な数珠を巻いたシンジ君。

なぜかぶっといワイヤーでぐるぐる巻きにされて巨大なリフトにくくりつけられている。

 

 

「初豪鬼で!? 話の流れからして人型兵器じゃないんですか!? 

 っていうか何ですかこのワイヤーは!?」

 

 

『それは「アンビリカルケーブル」っていってね。

 エヴァンゲリオンに電気を送るためのケーブルよ』

 

 

「それ僕に必要なんですか!? ただのワイヤーにしか見えないんですけど!?」

 

 

『初豪鬼、発進!』

 

 

「おい聞けよ、このアマぁぁぁぁぁ――――っ!?」

 

 

シンジを乗せたリフトが高速で上昇、声と共に遠ざかっていく…

 

 

「普通の人間だとぐちゃぐちゃになるんですけど、大丈夫でしょうか彼?」

 

 

オペレーターの一人が心配そうにミサトに問いかけるが…

 

 

「大丈夫よ、何も問題ないわ」

 

 

いったい何処から湧いてくるのか自信満々に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うごぉぉぉぉ……」

 

 

ネルフ本部の上にある街で片手両膝を地面につけて獣のような呻き声を上げながら腰を押さえているシンジ君。到着の際に強く打ち付けられたようだ。

 

 

『シンジ君、あなたは歩くことだけを考えればいいのよ』

 

 

「バカにしてるんですか!?」

 

 

そう言いつつも立ち上がる。

前方には周囲のビルの高さに相当する使徒サキエルがシンジをその能面のような顔でじっと見つめていた。

それに対してシンジの大きさは豆粒のように小さい。

 

 

「無理だ! 勝てっこないよ!」

 

 

『シンジ君「↓↘→+P」で豪波動拳よ。それで様子見るわよ』

 

 

「コマンドで伝えられても困るんですけど!?」

 

 

半開きにした両手をくっつけて前に突き出す。

 

 

 

 

 豪っ!!!!

 

 

 

 

人を包み込むほどの大きな紫色の塊が掌から生み出されてサキエルへと飛んでいく。

 

 

「なんか出た!?」

 

 

サキエルの足先に「ぽん」と当たると煙のように消えて、痒かったのかサキエルが指先でぽりぽりと掻く。

 

 

「まったくもって効いてませんけど!?」

 

 

『落ち着きなさいシンジ君、使徒にはコアと呼ばれる弱点があるのよ。

 胸部に赤い玉があるでしょう? あれがそうよ』

 

 

二つある頭の下には体の大きさに不釣り合いな巨大な赤い玉がある……あることはあるのだが…ビルの十数階に匹敵する高さにある。

 

 

「どうやって当てるんですか!?」

 

 

『しゃがみ小キック連打から、中、大に繋げて相手を転ばせるのよ』

 

 

「あなた達は楽な仕事でいいですね!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『まさか本当に倒せるとは…』

 

 

倒れているサキエルに乗っかって、ひたすらコアを殴り続けるシンジ君。

そのコアにヒビが入り亀裂が走る。

 

 

「よし! もう少しだ!」

 

 

額に汗を滲ませて歓喜の声を出す。

その時にサキエルが甲高い声を発生させると体をゴムのように伸縮、シンジを包み込むように体の内側に取り込み球形状に変形。

 

 

『まさか、自爆する気!?』

 

 

「え、ちょっと!?」

 

 

言い終える間もなく、シンジを取り込んだままサキエルの体が弾け、十字架のような巨大な光の柱が立つ。

光の柱が収まった後には焔を背にした上半身裸のシンジ君。体のあちこちに火傷を負ったようだが命に別状は無さそうだ。

少なからずダメージを負ったのか、糸が切れた人形のようにその場で倒れる。

 

 

『あれが初豪鬼…』

 

 

誰が漏らした呟きと喉を鳴らす音が静かに聞こえる。

こうして15年振りの使徒の襲来から人類は救われた。

 

 

 アイツらにいつか地獄を見せてやる…

 

 

シンジは心の中でそう決意した。

 

 




 
 (´・ω・)にゃもし。

 唐突に思いついて、唐突に書いてみようと思った。
 ここまで読んでくれて、ありがとうです。
 評価と感想があると助かるです。

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