鈴木悟分30%増量中   作:官兵衛

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第三章一編 ハンディキャップ戦

 

 

 恐怖はどのようなものであれ、直視しないことによってよりひどいものになっていく。

 考えを余所へそらそうと努力すればするほどに、目をそむけようとしている恐怖が無限に大きくなっていく

 

                  バートランド・ラッセル

 

 

 

 

 

 

 

 

 モモンガは執務室で膨大に過ぎる報告書に手を焼いていた。

 デミウルゴスやアルベドも手の空いた時に来て、一緒に報告書の処理をしてくれるのだが、アルベドには地図の作成。デミウルゴスには効率の良い換金素材&消耗品作成の素材集めに奔走してもらっている。

 本来なら、やはり異世界に来たのであるからモモンガもセバス達と一緒に「冒険」に勤しんでみたかった。ユグドラシルを始めた時のようにワクワクとした世界を楽しみたかったが、自分が構築した情報網から上がってくる情報量が過多で自分で自分の首を絞める様な状態に陥っている。

 ただ、恐ろしい事に恐怖公やエ・ランテル入りしたセバス、ソリュシャン、素材探しに部下を飛ばしているデミウルゴス、地図製作による発見物を見つけたニグレド&アルベドなどから上がってくる情報はモモンガの処理する十数倍であり、それをパンドラズアクターが情報総監として情報を濾過し、各自へ必要な情報を共有し、現場の人間を動きやすくした上で必要な情報をモモンガへと上げるのであり、本当にパンドラズアクターが居てくれて助かった!と心から思っている。

 

 またスレイン法国の捕虜からニューロニスト・ペインキルが聞き出した情報もかなり重要かつ膨大だ。しかし、より多くの情報権限があったであろう「陽光聖典」のリーダー『ニグン』は情報魔法を掛けた瞬間、爆散し死亡したというので驚いた。スグに実験がてらリザレクションをかけて蘇生させてみたが、復活出来なかったらしい。何らかの復活阻止魔法が掛けられていたと見られるな……。

 

 次に重要人物を捕らえたら、パンドラズアクターにタブラさん(ブレインイーター)に変身してもらって脳を食べてもらうか……ニューロニスト(ブレインイーター)だとレベルが足りないせいか食べるだけでは情報を得られないからな。なんだ、パンドラさんめっちゃ便利だな……。

 

 ネタキャラに近かったパンドラズアクターの現実世界での有意性に、何故か造物主が打ちのめされる

 

 しかし……本当に凄い情報量だ。知りたいこと以上の情報がぞくぞくと入ってくる。

 現在の世界の文明レベル、確認されている魔法、希少魔法の使用者、周辺国の状態と主だった人物のデータ。

モンスターの出現ポイントと強さ、攻撃方法、弱点……これ、完全にゲームの攻略本になってないか?

 

 例えば、この前に関わりのあったカルネ村が所属する「リ・エスティーゼ王国」について

『リ・エスティーゼ王国』

昔は強大で戦により国を広げたが、当時の功臣に報いるため、爵位と土地・税収権などを譲ったため時の流れと共に国王の権力が弱まることに。力のある伯爵家が集まった貴族派と国王派に分かれており不安定な状態。

 

 国王 ランポッサ三世

能力は平凡だが、平民からでも能あるものを取り立てる気概はあり部下からは慕われている。

子供は無能なバルブロと、平凡なザナック 「黄金」の名を持つ美しいラナー姫‥‥か

ちなみにラナー姫の所にパンドラズとデミウルゴスの両名から【要注意!】の判子が押されている。

 

 戦士長 ガゼフ・ストロノーフ

王国最強の戦士(レベル30強)であり「英雄級」とされている。平民の出でランポッサ三世に見出された。忠勇義烈の人物として有名。

 

 ふむ あの時のガゼフがこれ程の立場を持っていたとはな。

 その他にも「国王派」として、エリアス・ブラント・デイル・レエブン侯爵、ブルムラシュー侯爵、ぺスペア侯爵、ウロヴァーナ伯爵、イズエルク伯爵(犯罪組織「八本指」との繋がりアリ)

 貴族派(反国王派)としてボウロロープ侯爵(最大の権力を持つ貴族)、リットン伯爵

等々

 勿論、この「八本指」という犯罪組織についても構成規模、幹部名などが事細かに書かれている。

 

 同じように「ズーラーノーン」という不老不死を目的とした宗教団体に似た地下組織の事についても触れられている。

 彼らは実験や怪しい儀式のために不法に墓地でアンデッドを作成したり、死体を盗んだりするらしく、ついでに死体と一緒に埋められた貴金属なども回収していくため、主に貴族達からの苦情も多いらしい。同時に不老不死を願うのもまた貴族なので変なバランスがとれているらしいが……。

 

 うーん セバス組に「オマエ達の判断で良いので、犯罪者や民を苦しめる貴族などを拉致しナザリック送りにせよ」と云う命令を忠実に守った結果。大量の団体がニューロニストの所に来てビックリしたんだよなあ……この調子だと数年でエ・ランテルの人口が半分になるからセーブして!?と言わなければ、どうなったんだろうな……セバスとユリが送ってくるぐらいだから人間のクズばかりなんだろうけど。

 

 まあ お陰で貴族社会と裏社会の情報は得放題だし、アンデッドの実験とか、食人系の部下への良い褒美になってくれたけど。

 

 あと、アウラから 結局、トブの森の主として「フサフサした獣」、「ナーガ」、「ウォー・トロール」が居るとのことだ。ただしレベルは大したことがないらしい。大したことないのが「主」か……という事は他の森の生物達の強さが知れるな。

 

『バハルス帝国』は……皇帝「ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス」が有能であり独裁者なんだよな。あとこの世界で最高峰の魔術師「フールーダ・パラダイン」が最重要人物か……ほう、フライを使いながらファイヤーボールを撃ち続けるという戦法で数万の兵をも追い返すのか……追い返せるんだ……そんなので……。ああ、そう言えば、『リ・エスティーゼ王国』では魔法使いは尊重されていないという報告もあったな。

 

 問題の『スレイン法国』はまだ詳しく分かっていることが少ない。「最高神官長」が一番偉くて、その下に「六大神官長」が文字通り6人居る。そして実行部隊として『陽光聖典』『漆黒聖典』『風花聖典』などが存在して『陽光聖典』は、つい最近任務中に行方不明になったそうだ。コワイナー(棒読み)『漆黒聖典』が、とんでもなく強いらしい。英雄級‥‥えーと 単位で言う所の「1ガゼフ」だったな。英雄級(1ガゼフ)を揃えて、もっと強い「2ガゼフ」すら居るという噂だ……。ん?現在、漆黒聖典の女性隊員の一人が国宝のマジックアイテムを奪って脱走中、その確保命令が出ているのか……ふむ。

 

 ナザリックの近くで「リザードマン」の集落を発見。小規模な集落が点在しており、集落同士、敵対はしていないが交流も無いと……「強いアンデッドを作る実験素材としてどうでしょう?」というアルベドの提案文があるな。

 

 そして『竜王国』 王女「ドラウディロン・オーリウクルス」がドラゴンロードの血を引いているらしいが、そんなに軍事的には強くないらしい。スレイン法国に防衛資金を出して、度々軍事的危機を救ってもらっているらしい……。ん? スレイン法国って人外は「悪・即・斬」主義じゃなかったのか? ドラゴンの血を幾分引いてるくらいなら許せる範囲なのかな?

 

『ローブル聖王国』には有名な「女聖騎士」が居て聖剣を使うらしい。詳細不明か……続報求ムだな。

 

『ビーストマンの国』があり、ビーストマンという一人?一匹?個人個人が相当強いらしい。現在「竜王国」を圧迫中か……ふーむ、そうか……。

 

 そしてガゼフ・ストロノーフが言っていた『冒険者』という組織についてだが……。

強さと実績によって等級分けが為されていて、等級に応じた報酬とクエストが与えられるらしい。

組織と言ったが、「冒険者組合」という組合であり、国の体制には組み込まれておらず、モンスター討伐や要人警護、希少素材の採集等が主な依頼とのことだが……所謂「暗殺」などの犯罪行為や「戦争行為」とは一線を引いているらしい。なるほど。

 ちなみに等級は『アダマンタイト』をトップとして、『オリハルコン』『ミスリル』『ゴールド』『シルバー』『アイアン』『カッパー』の順番らしい。現時点で『アダマンタイト』の強さは不明……。

 

 アダマンタイト級冒険者チームは現在5チームが確認されており、所属国は、

 リ・エスティーゼ王国に『蒼の薔薇』『朱の雫』の2チームが所属

 バハルス帝国には『銀糸鳥』『漣八連』の2チームが所属

 竜王国には『クリスタル・ティア』が所属

 とのことか ふむう……ただ 王国最強と讃えられている「ガゼフ・ストロノーフ」より強いという事は無いだろうしレベル30くらいと見るべきかな? 

 

ふーむ 『蒼の薔薇』は女性だけのチームか……ゲームじゃなく実際の肉体で女性が冒険者のトップに立っているというのは……なかなか不思議ではあるなあ。どうしても力弱さがあるだろうし、魔法使い主体のチームかも知れないな。

なになに「ソリュシャンに護衛の依頼を蒼の薔薇あたりに出して、下僕を嗾けてみれば警戒度がハッキリすると思われます。」か。デミウルゴスの奴め。ソリュシャンに危ない橋を渡らせることにならないか?

 

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長考の後、モモンガはメッセージでアルベドとデミウルゴスを呼び出す。

2人とも忙しい中で手を休めて執務室に赴いてくれる。

 

「すまないな、2人とも多忙な中で。」と慰労の一つもしたくなるのが人の情と云う物だ。半分アンデッドだが

 

「とんでも御座いません。至高の御方に必要として頂けるだけで、どれほど下僕として幸せでありましょうか。」

とデミウルゴスが全ての人を幸せにするかの様な心からの笑みを湛えて喜びを表現する。

 

「全くで御座います。個人的な事になりますが、女として、愛しい御方には何度でもお逢いする度に幸せを感じる物でございます。くふー」と白く美しい顔を赤く染めながらウットリとアルベドが続ける。「くふー」を斬新な語尾として定着させようとするのを止めような?な?

 

 なんだろう……テニスでボールをサーブした瞬間に、向こうだけダブルスペアで打ち返されてる気分になるのだが……。

 

「う、うむ。大儀である。ただ、二人の働きに感謝をする事を許してほしい。」

 

「勿体ないお言葉で御座います……。」

と二人とも声を震わせながら頭を床に擦りつけんばかりに平伏する。話が進みにくいのだが……

 

「ナザリックの現世界での方策の一つとして思うことがあるので、ナザリックの頭脳である二人に聞いてほしいのだが」

 

「何を仰られますか!モモンガ様こそナザリックの頭脳であり心臓であらせられます!モモンガ様の為さりたい事をお手伝いさせて頂く事こそが下僕としての使命であり喜びで御座います!」とアルベドが詰め寄る。となりで「うんうん」と肯くデミウルゴス。

 

「まあ 待て。船で言えば私は責任者である船長である事は確かだ。だが航海士でも無ければ操舵士でも無い。測量士でも無いし水夫長でも無いのだ。今、この世界のことが少しずつ解り始めたと共に、航路がうっすらと見えてきた所だ。目的地に着くには当然、皆の力が必要である事を忘れないでほしい。」

 

「「モ、モモンガさま……。」」と二人は涙腺を決壊させる。

 ……恒例行事みたいになっているが、なかなか分かってくれないな。

 贅沢なのは分かっているし、「そうあれ」と作られているのは解っているが、私が望むのは守護者達の成長であり、それに伴いこの世界を冒険する「仲間」であると言うことを。

 

「まあ とりあえず二人とも聞いて欲しいんだが」と先程思いついた腹案を話す。

 

 

 

 

 

「……なるほど、素晴らしい案だと思います。」

 

「そうか?」

 

「はい この世界への『ナザリック』としてのファーストコンタクトとしてはよろしいかと。」

 

「そう 我々はどうやらこの世界にとって強大で異質すぎる存在らしいからな。ソフトランディングの方法としては悪くないよな?」

 

「そうですわね。これから入る情報次第で変更も出来ますし、モモンガ様の案の路線で良いと思います。」

 

「うむ ではパンドラズアクターとも協力して3人で、この案‥‥そうだな「トモダチ作戦」とでも名付けるが、私の案を叩き台にしてより確実、安全に実行出来る様な「案」に修正して欲しい。」

 

「そんな!? モモンガ様の案を修正するなどと!?」

 

「いや もう、ホント そういうの良いから。私は裸の王様で居るよりは、オマエ達と共にアインズ・ウール・ゴウンを支える良き柱で良いと思っている。これは私の我が儘か?」

 

「……その仰り様は、少々 ズルい仰りようで御座います」

 

「下僕にとっての「支配して頂く幸せ」というモノも確かに有るので御座います。」

 

「……今はそれで良い。ただ私は非常に我が儘なのだと云うことも覚えていて欲しい」

 

「はっ ご期待に添えざる身、誠に申し訳ございません。しかしモモンガ様の御言葉、大変、身に余り過ぎる栄誉であります……」

 

「うむ では今の仕事をこなしながらで良いので「トモダチ作戦」の下地作りのために二人とも動いてくれ。」

 

「「はっ」」と2人で深く忠誠の義を行う。

 

 そういえば二人とも忙しい上に頻繁に執務室にも出入りしてもらったりと大変だし時間も無駄にしているな……仕事振りに報いてやりたい気持ちもある……。 どうせ宝物殿との行き来のためにパンドラズアクターには渡してしまったしな……。

 

 モモンガはゴソゴソとアイテムBOXを探り指輪を掴む。

 

 

 

「アルベドよ、こちらへ。」と、アルベドは愛しい御方に手招きされる。

ただでさえ、有り難く頂いた任務のためとは云え、地図作製のためにニグレドの所に詰める事が多く「最近、モモンガ様分が足りないの……。」と姉のニグレドに愚痴りまくっていた所である。アルベドは上機嫌で「はいっ!」とモモンガの近くに行く。

 

 

「もっと近くに」

 

?! 今でも近いのに更に近く!? そんな嬉しい事を!とアルベドは期待に胸を膨らませながらモモンガのパーソナル・スペースである、1m以内に入る。

 

「うむ では手を出すが良い」

 

「はい?」とアルベドは、手の甲を上向きにした状態で両手を上げる。ちなみに海外では近年まで、この姿勢で手の甲を鞭で叩かれるという伝統的な折檻が有った。関係ないけど 関係ないのに何故書いたのか

 

 

「アルベドよ……受けとるが良い。」

 

 モモンガは指輪を手渡そうとしたが、アルベドの手の平が下向きだったため、イタズラ心からか、そのまま着けてあげようかな……と指輪を持つ自分の右腕の前にあったアルベドの左手の薬指にギルドメンバーの証である「リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」をスッと填(は)めてやる。薬指なのはTVドラマや映画で「指輪を着けるシーン」として散々見てきた事による刷り込みによるもので他意は無かった。と後のモモンガは涙ながらに語る。

 

 それが何なのかを確認した瞬間。アルベドは全身を「ビクンッ」と波打たせた。

 

 まず この指輪は至高の御方しか持つことを許されないギルドの秘宝「リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」である。

 それを頂けるだけでも、ギルドのために何百回何万回死んでも構わない程の栄誉であり、夢にも思わなかった僥倖である。

 

 それを下賜された――――しかも 自分の最愛の愛しき至高の御方であるモモンガからである。

 

 更に、御自ら まるで!まるで恋する乙女が夢にまで見た結婚式の聖なる儀式の様にアルベドの薬指に填めてくれたのだ。これは遠回しでもなんでもなく「我がモノになれ」というモモンガ様の宣言である。と思ったアルベドを誰が責められようか。むしろ責められるべきは自分に恋い焦がれる部下に罪深いイタズラを行ったモモンガであろう。

 

 

 この時のアルベドの気持ちを どう表せば良いのか……その表現方法が一番解らなかったのは本人かも知れない。

 

 絞りだすように「――――あ、リ、が、とう……ご、ざい、ま、す……」

と言いながら左手薬指を右手で包み込みつつ胸に掻き込む様に抱き締めながら頭を深く深く下げる。

 

 腰の黒い羽は「ミシミシ」と音を立てるほどに力が入りながら、ゆっくりと波立つ。

 

 うむ。と満足そうに返事をしたモモンガが、もう1つの指輪をアイテムBOXから取り出しデミウルゴスにも渡そうと

「では デ…」ミウルゴスこちらへ と続けようとしたモモンガは信頼すべき知謀の主である「第七階層守護者」が無言で必死に手を振りながら口パクで何かを伝えようとしている事に気づいた。

 

『モモンガ様! 非常に光栄であり、嬉しく、また無礼なのを承知の上ですが、今は結構で御座います!』という悲鳴のようなメッセージがデミウルゴスから入ってくる。

 

『どうしたのだ?デミウルゴス』とモモンガは困惑しながら目の前の守護者相手にメッセージでやり取りをする。

 

『今だけは……今だけはアルベドに良い夢を見させてあげて頂けないでしょうか……』

 

 アルベド?と思いアルベドの方を見ると プルプルと小刻みに震えっぱなしで俯いている。

 

「どうしたのだ? アルベド」

 

「ももんがさまあ……わたし しあわせです……。えうっ えうっ」

 

 え? ……泣いてる? 

 

「は、ははは 泣くでないアルベド。綺麗な顔が台無しだぞ。」とセリフを繋いだ瞬間 

 

 

 

「もおおおおおおおおおおおおおおおおお――――!!!」

 

 と云う雄叫びが聞こえた瞬間、ダンプカーに撥ねられたかのような衝撃でモモンガは何者かに押し倒された。

 

 何者というか ケダモノ(アルベド)がそこに居た。

 

 縦の瞳孔をギランギランに輝かせながら

「良いですよね! もう良いですよね!」と言いながら愛しい御方の第三頸椎から第五頚椎をペロペロと激しく舐めつつモモンガに覆いかぶさる。

 

「ちょっ オマ! 何を言ってるんだ!?」

 

「もう私達は夫婦も同然!むしろ夫婦です!睦事の一つや二つ良いではありませんかぁ!」

 とモモンガの腕を掴んで強引に自分の双丘に持って行って「むにょん」と揉ませる。

 

「あわわっ!」

 

「我慢しているのに我慢出来ない事を仰るから!先っちょだけ!先っちょだけしか入れませんから!責任取りますから!」

 

 と言いながら自分の下腹部をモモンガの下腹部に激しくグニグニと擦り付け蕩けるような顔で言う

 

「ま、待てと言うに!」 まさかの部下の反乱にモモンガは恐怖を感じる 

 

「大丈夫です! 天井のエイトエッジアサシンの数と恐怖公の眷属の数を数えているうちに終わりますから!」

 

「長いな!? 何をしている! 助けろ! 助けてください!」と涙ながらに護衛で天井に張り付いている蜘蛛忍者に叫ぶ。

 

「ア、アルベド様 ご乱心!ご乱心!」と叫びながら慌てて飛び降りてくるエイトエッジアサシンたち

 

「良いじゃないですか!初心(うぶ)なネンネじゃあるまいし!ユリ・アルファやルプスレギナには御寵愛を授けられたのでしょう?私だって!」

 

「オマエ、本当に何を言ってるんだ!? ユリ達とは何もないぞ!?」

 

「殿方はみんなそう言うのです!あ、デミウルゴス達が気になりますか?大丈夫です!初めてが露出プレイと云うのもオツな物だと思います!」

 

「……人を勝手にアナタのプレイに巻き込まないで頂きたい。」と漸く余りの出来事によるショック状態から再起動を果たしたデミウルゴスが動き出し、エイトエッジアサシンと共に主人を獣から救おうとする。

しかし流石はLevel100の戦士職。力が違う。何より本気度が違う。

しかもデミウルゴス達が激しくモモンガを抱きしめているアルベドを無理矢理剥がせば、モモンガの脊椎が損傷する可能性もあるのだ。

 

「もう少し、もう少しで終わるからあ!」とアルベドは腰の動きを早める。

 

「あっ も、もうっ」と何故か切ない声をモモンガの中の鈴木悟(童貞)が出す

 

「アルベド、良い加減にしないかね?」とデミウルゴスは荒い息でアルベドの腕を掴む

 

「だって! だって!」

 

「解った!アルベド! これからは月に一度モモンガ様に抱きしめてもらいなさい。」

 

「え?」

 急にデミウルゴスがモモンガを裏切りだしたのでモモンガが驚く。

 

「抱く? ふひっ それは当然性的な……」

「いえ ハグ的な意味です」

 

「ええー 性的な意味でなければイヤですー」

 

「駄・目・だ。 私は今回はモモンガ様にも非があると思うので譲歩しているのです。本来なら下僕が至高の御方に不逞を働くなど許されざることなのですよ。」

 

「え? え!?」

 先程から被害者を置いて話がどんどん進んでいる状況に支配者が戸惑う。

 

「……分かったわ。それで譲るとします。今回は……今回だけですよ?」

 

 話がまとまったようだ。

 

「ちょ、ちょっと待てデミウルゴス! ちょっと待って……」

 

「不敬とは存じますが、その上でお聞き下さいモモンガ様。お聞きの上、後で私の首を刎ねて頂いても構いませんのでお聞き下さい。守護者統括であるアルベドが、どれ程モモンガ様を至高の御方として敬愛する以上に女性として愛しているかは賢明なる至高の御方は当然ご存知の事と思います。 その様な一女性であるアルベドに対してアレだけ思わせぶりな態度を取った上で突き放すのは、同じ守護者として余りにもアルベドが不憫で御座います。どうか月に一度で良いのでアルベドを労ってあげて頂ければ幸いです。もちろんモモンガ様が誰かアルベド以外の女性を愛し、操を立て、アルベドを抱き締められない時がくればアルベドも納得するでしょうし。宜しいですね?モモンガ様。お解り頂けましたね?」

 

「は、はい」

 

 一息で言い切ったデミウルゴスの妙な迫力にナザリックの王は負けた

 

「もちろん アルベドとの間に、お世継ぎをお造りになって頂けるのであれば、ナザリックの者として、これに勝る喜びは御座いません。」

 

「まあ デミウルゴスったら!」と赤くなった頬を両手で押さえてイヤンイヤンとサキュバスが体をくねらす。

 

 ……なぜ こいつらは俺には付いてないと云うのにこんな無理難題を押し付けてくるのだろう。 新しい虐めかな?カナ?

 

 

 しばらくして、デミウルゴスにも指輪を渡してから、2人が退出したあと

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――途中までは、いい話だったよな……――――――

 

 

 

 と虚ろな眼で呟くと、主人の余りの痛ましさからか、普段は天井で石ころのように自分を殺しているエイトエッジアサシンから

 

 

 

 ――――はい……――――

 

 

 と、とても小さな声で返事が帰ってきた。

 

 

 モモンガは、エイトエッジアサシンの優しさに、少し泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「それはそうとアルベドは謹慎3日な」

「くふん‥‥‥」

「はい 妥当かと」

「あと ニグレドとアウラとシャルティアから、それぞれ2時間の説教を受けよ」

「ひどいっ モモンガ様ひどい!」

「5時間に致しましょう」

「デミウルゴス!?」

 

 

 

 

ちなみにシャルティア(アホの子)に説教されるのが一番屈辱的で堪えるかと思ったが、そうでは無かった。

 

ニグレドには

 

「モモンガ様を襲うだなんて‥‥あなた、鬼の子なの?」

 

「いえ サキュバスの子で、あなたの妹です」

 

「末妹だけでなく真ん中の子までこんな残念な仕様に‥‥。モモンガ様に合わせる顔が無いわ‥‥。」

と顔の無い姉に嘆かれた。

 

 

 

 

シャルティアには

 

「なにを勝手に抜け駆けしてるでありんすか!」

 

「次は二人がかりで襲いましょう。計画次第で確実にヤれると思うの。」

 

「‥‥‥その話。詳しくするでありんす」

 

 と仲間を増やした。

 

 

 

しかし アウラには終始、ジト目で

 

「アルベドさあ‥‥ あれだけ「モモンガ様大好き」って言っておいて、肝心の時にはモモンガ様の「お気持ち」を無視して無理矢理ことに及ぶんだ‥‥。」

 

「ごめんなさい‥‥。」

 

「ワタシに謝ってどうすんのさ。モモンガ様、傷ついたと思うよ~。ハア まったく、何してんのさ。」

 

「くすん ごめんなさい‥‥。」

 

見た目子供、のダークエルフに呆れられながら言葉責めに遭うのは、何かに目覚めそうな危険な香りがした。

 

 

 

 

 




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

遠野様、ゆっくりしていきやがれ様、まりも7007様、誤字脱字修正有り難う御座います
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