【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
花陽のお米ーターは満たされた。
μ'sに平和が訪れ、一行は宿泊先のホテルへと向かう。
その道中…。
「ウチ、ひとつ提案があるんやけど」
と希が切り出した。
「提案?」
「うん。今日の泊まる部屋、シャッフルしたらどうやろか?」
「!」
この唐突な言葉に、ピクッと反応したのは、にこ、真姫、ことり…。
3人とも、同室となった『相方』のせいで寝不足気味である。
だから、今日はグッスリ眠りたい…と望む彼女たちにとって、この提案は『渡りに舟』だと言っていい。
ただし、リスクもある。
…穂乃果の寝相の悪さから逃れられるならいいけど、海未やことりと一緒になっても、会話が続かないし…
…真姫じゃ…変に緊張するし…
…希のおかしなペースに巻き込まれる心配はなくなるけど…かと言って、他のメンバーと一緒になっても、間が持てないし…
…海未ちゃんがトランプやらなきゃ、別に一緒でもいいんだけど…
…今日も…やるよね…
「凛は別に替わらなくてもいいにゃ!かよちんと一緒だし」
「そうね。わざわざ、そんなことしなくても…どうせ寝るだけなんだし…」
「えっ!えりちは、寝るだけなん?同室になった人と、あんなことしたり、こんなことしたりはしないん?ウチなんか真姫ちゃんと…」
「ちょっと!おかしなことを言わないでよ!」
「色んな話をした…って言おうとしただけなんやけど…」
「ま、紛らわしい言い方しないで…」
「折角の…というか、μ's最後の旅行やん。ウチはまだまだみんなと喋って、色んなことを知りたいと思ってるんやけどね…。こういうときじゃなきゃ、聴けないこととかあったりするやん」
「まぁ、それは、わからなくはないけど…」
絵里は希の意見に、一定の理解を示した。
「シャッフル賛成!!」
にこは『部費の予算会議』で『周りに同意を促した時のように』自ら手を挙げた。
「にこっち!?」
「にこちゃん!」
「にこ…」
「考えてみれば、アタシも海未やことりと、そんなに深い話とかしたことないし…先輩として教えたいこともあるし…」
「そ、そうだね!ことりもいいと思う」
「ことり!?」
「海未ちゃんも、たまには穂乃果ちゃん以外の人と、お喋りした方がいいと思うよ」
「な、なんですか!その言い方は!まるで私が、穂乃果としか話してないみたいじゃないですか!」
「…」
全員が無言で海未の顔を見る。
「えっ?えっ?なんですか、その反応は!?」
「まぁまぁ、海未ちゃん、事実なんやから怒らないの」
「うぅ…」
「私も賛成…。雪穂や亜里沙も入ってくることだし、そういうことにも、慣れておかないと…」
「ふ~ん…」
凛が、真姫を怪訝な顔をして見る。
「なに?…」
「なんか、みんな裏があるにゃ!」
「裏?」
「凛とかよちんを引き離そうとしてるにゃ!」
「そ、そんなわけないでしょ!」
「そ、そうよ」
にこと真姫が全力で否定。
「怪しいにゃ!」
「そ、そんなことないよ!たまには違う人と一緒もいいかな…って話で…」
「…う~ん…ことりちゃんが言うなら信じるにゃ!」
「なんでよ!」
にこと真姫の声がシンクロして、お互いに恥ずかしそうに顔をみる。
だが心の中は少し違った。
…確かに凛が言う通り、真姫がこんなことを言うのは、おかしいわね…
…まさか本当に、希にあんなことやそんなことをされて…部屋から逃げ出そうとしてる?…
…考えてみれば、にこちゃんが海未やことりと話がしたい…なんて、にわかに信じられないものね…
…穂乃果の寝相が悪くて眠れなかったとは聴いたけど…本当にそれだけの理由?…
「なに2人とも見つめ合ってるん?」
「!」
「まぁ、いいんやけど…。じゃあ、シャッフルをするってことで…」
「仕方ないですね。特別、反対する理由はありませんので…」
「そうね。それでどうやって、決めるの?」
「そうやね…こんなんどうやろ?今、えりちたちがいる部屋をA、ウチの部屋をB、ことりちゃんのとこをC、凛ちゃんのとこをDとして…ジャンケンで『勝った人から強制的に』A、B、C、Dに振り分けていくっていうのは」
「強制的に?」
「勝った人から部屋を『選択』にしてしまうと、結局、いつものペアになりそうやん」
「なるほど。強制にすれば、ギャンブル性が高くなるってことね!面白いわ、やってやろうじゃないの!」
「にこちゃん、そんな熱くなる話じゃ…」
これまで、この件に関して静かに聴いていた穂乃果だったが、思わずそう口にした。
しかし
「アタシはアンタの寝相の悪さから、逃れたいだけなの!」
と反撃されてしまう。
「うっ!ストレート過ぎるよ…」
「まぁまぁ…じゃあ、誰がどの部屋になっても、恨みっこ無しで!」
「うん、わかった!」
「はい、了解しました!」
「いっくにゃ~!」
「最初はμ's!ジャンケンポン!」
「あっ!」
「…希ちゃん、イチ抜けにゃ…」
…まぁ、言い出しっぺは、得てしてこんなことになるんよ…
…これで、花陽ちゃんと2人きりはないやん…
「最初はμ's!ジャンケンポン!アイコでしょ!」
「にゃ~!凛にゃ!…って、ことは…」
「ウチと一緒にやね!」
「待って!最初は3人部屋だよね?…次、海ちゃんが勝っちゃうと、合宿と同じ組み合わせになっちゃうにゃ!」
「凛!なんですか、私を厄介者みたいに!」
「部屋で特訓とか言われても困るにゃ!」
「本番は明日ですよ。そんなことは言いません!」
「ホテルやから、遭難の心配もないしね…」
「うぅ…。しかし、こればかりは運ですから…いきますよ?最初はμ's、ジャンケン…」
「3人目はえりち!」
「私は部屋の移動なし!しかも、希と一緒…ちょっと、面白味に掛けるわね…」
「でも、凛ちゃんと一緒って、珍しいんやない?」
「そういえばそうね」
希と絵里の間に挟まれた凛は、2人の胸元を眺める。
そして一言。
「なんか不本意にゃ~…」
次に勝ち抜けしたのは、ことり。
固唾を飲んで、残りのメンバーのジャンケンを見守る。
そして…
「あっ!」
ことりと真姫が、同時に声を出した。
…えっと、取り敢えず、海未ちゃんは回避!…
…でも、花陽ちゃんとは一緒になれず…
…それで…真姫ちゃんと?…
…残念!花陽とは…一緒になれなかった…
…ことりとねぇ…
…2人きりって、あまりないから、ちょっと、緊張するわね…
「これで残りは4人やね」
…なによ、このパターン…
…天国なら花陽、地獄なら穂乃果…
…どちらとも言えないのが、海未…
…まぁ、海未なら寝るのは早そうだし…
「…って、穂乃果ぁ!なんでアンタ、グーを出すのよ!」
「そういう、にこちゃんこそ!!」
海未と花陽はチョキ…。
「さすがネタ要員にゃ!」
「こんなこと…って…。まさにスピリチュアルやね!…ということは…」
「…はい。私と花陽が同室ですね!」
「はい、よろしくお願いします!」
「この2人も珍しいわね…」
「あ、でも『放送事故コンビ』でしょ?」
真姫の言葉に、絵里もその時の事を思い出した。
「『園田海未役の…園田海未』って言ったときの…」
「名言にゃ!」
「なにか言いましたか?」
「にゃ?な、なんでもないにゃ!かよちんをよろしく頼むにゃ!」
「えぇ!もちろんです!」
…花陽ちゃん、大丈夫かな?…
…トランプ地獄に嵌まらないかな?…
~つづく~