【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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やりたいことは(みんなが大好き編)最終話です。
…というか、この作品の最終話です…。





やりたいことは その21 ~行ってきます!!~

 

 

 

 

「…こうした先輩たちのお陰で、ラブライブはドームで行われるようになったのです」

新入部員に対する雪穂のレクチャーが終わった。

「なにか質問ある人?」

横にいる亜里沙が問い掛けるが、なかなか手は挙がらない。

「ここで恥ずかしいなんて思ってたら、人前で歌うことなんてできないよ?」

雪穂は悪戯っぽく笑った。

 

「じゃ…じゃあ…あの…」

20人ほどいる新入部員のうち、ひとりが恐る恐る手を挙げる。

「はい、どうぞ」

「μ'sだった先輩たちは今、どうしてるんですか?」

「そうねぇ…」

 

 

 

「にこ先輩は調理師の専門学校を卒業したあと、ミュージカル俳優を目指して、劇団に入ったみたい」

「希先輩はツアー会社に入社して、パワースポットを巡るツアーとかの企画・営業で活躍中」

「絵里先輩…私のお姉ちゃんは大学で通訳になるため、猛勉強してるって」

「穂乃果先輩は…私のお姉ちゃんは…とりあえず大学には進んだ。けど、まだその先は決まってないみたい。呑気というかなんというか…」

「ことり先輩は美大に進んだよ。やっぱりデザイナーになるんじゃないかな?」

「海未先輩は大学で古典を学んでる。文学者になるのかな?」

「真姫先輩は、この春から医大生」

「そりゃ…ね?」

「うん。…で、凛先輩はスポーツのインストラクターになるって、専門学校に進学したよ」

「そして花陽先輩は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか花陽がアメリカに行くなんて思いませんでした」

「ことりもだよ」

「えへへ…」

「映像クリエーターだよ。本当にスゴいよね」

「いや、穂乃果ちゃん…まだなったワケじゃなくて、その為の勉強に行くんだから」

「頑張ってくださいね」

「うん、海未ちゃん、ありがとう!」

「お!間に合った!すまんな、ツバサとあんじゅはどうしてもスケジュールが合わなくて」

「英玲奈さん!この度は色々ありがとうございました」

「別に…礼を言われるようなことはしていない。小泉さんが過去に作ったスクールアイドルのPVを、私のプロデュースしてくれてるディレクターに紹介しただけだ」

「それを気に入られて、こんなにトントン拍子に話が決まっちゃうんだもん!やっぱ、持つべきものは友だねぇ」

「いやいや、高坂さん…小泉さんの実力とセンスの賜物だよ」

「いえいえ、皆さんあっての花陽ですから」

「そういう謙虚なところは、昔から変わらないですね。穂乃果とは大違いです」

「海未ちゃん…」

「他のメンバーは来ないのか?」

「この平日に時間取れるのは、大学生くらいだからねぇ」

「真姫ちゃんと凛ちゃんは、入学式が重なっちゃったし」

「絵里ちゃんが来るって言ってたんだけど…」

「あ、ことり…あれではないですか?」

「そうだ!絵里ちゃ~ん!!こっちだよ~」

「ごめんなさい…出掛けに急用が入っちゃって…」

「もう!遅いよ」

「なんで穂乃果が怒るのよ…」

「あはは…」

「花陽…2年間、亜里沙を面倒みてくれてありがとう!」

「花陽は大したことはしてませんよ」

「いえ、あなたが部長として、生徒会長として、部と学校を守り、発展させてくれたことに対して、本当に感謝しているわ」

「大袈裟ですって…」

「これ、希から預かってきたの」

「御守り?…」

「それと、こっちは…にこから」

「これは…」

「矢澤シスターズからのお手紙だって」

「うわ…」

「すごく寂しがってたみたい。もう、遊んでもらえないんじゃないかって」

「そうだよね。花陽ちゃん、慕われたもんね…。穂乃果なんて相手もしてもらえないのに」

「穂乃果は子供相手にも、すぐムキになるから嫌われるんです」

「海未ちゃんだって、なついてないじゃん」

「私は単に接し方がわからないだけで…」

「また、すぐにそうなっちゃうんだからぁ」

「あ…ことりちゃん、ゴメン」

「失礼しました」

「うふっ…やっぱり、みんなといると楽しいです」

「えへへ…」

「それで…いつ、帰ってくるの?」

「絵里ちゃん、これから行くんだよ?それなのにもう帰ってくるの話?」

「穂乃果、それはわかってるけど…」

「休みがもらえれば、帰ってきますよ。でもスタッフとして採用して頂きましたが、最初はそんな余裕ないかと…」

「そうね…」

「大丈夫です。心は繋がっていますから!」

「はい!」

「うん!」

「そうだよね!」

「わかってる!」

 

「では…そろそろ…」

 

「いってらっしゃい!」

「気を付けて下さい」

「遊びに行くからね!」

「仕事で会うかも知れないな…頑張れよ!」

「みんな応援してるから…」

「はい、ありがとうございます!…じゃあ…」

 

 

 

 

 

「行ってきます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの…もうひとつ…訊いてもいいですか?」

「なんでも、どうぞ!」

「あの…私みたいな…背も低くて…気も弱くて…声もちっちゃくて…こんな私でもμ'sみたいになれますか?」

 

 

 

雪穂と亜里沙は一瞬、顔を見合わせたあと、彼女に向かって微笑んで言った。

 

 

 

 

 

「もちろんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やりたいことは

~完~

 

 

 

 

 

Can't stop lovin'you!

~花陽ちゃんへの愛が止まらない~

 

 

参考曲(一部歌詞を引用/順不同)

 

僕らは今のなかで

きっと青春が聞こえる

それは僕たちの奇跡

どんなときもずっと

START:DASH

No brand girls

Dancing stars on me!

Kira-Kira Sensation!

愛してるばんざーい!

Wonderful Rush

Pure girls project

Cutie Panther

 

 

ほか

 






【作品について】

足掛け10ヶ月に渡り長々と連載させて頂きましたが、ようやく終了となりました。

これまで、ご愛読頂きありがとうございました。



ここまで長くなるとは思わなかった…というのが、正直な感想です。

後述しますが、後追いで得た知識の方が多く、どんどん話が膨らんでいった…という感じです。
自分なりに伏線を張りながら書いてきたので、なんとか回収しようと欲張った結果、伸びてしまったというのもあります。

色々勉強しながら、書かせてもらいました。

別作品ですが『穂乃果』を『穂乃香』と書いて、指摘されたことも、遠い昔のようです。







最初はもっとエロくしてやろう!と思ったんですが、結局はそうならなかったですね…。

希編では、17話のあとにエッチなシーンを書く予定にしてたのですが(一応、それぞれのエピソードに、そういう描写が挿入できるよう『余地』は残してあります)。






【ラブライブについて】

ラブライブ?
名前は知ってる、声優が紅白に出たんだよね…

…程度の認識しかなかった私。



それが…Eテレでの再放送(?)を『たまたま娘が観た』のをきっかけに、私がこんなにハマってしまうとは…夢にも思わなかったです。

そこから、ベストアルバムを買ったり、ライブ映像を観たりと、後追いで勉強(?)して、今に至る…です。

なので『歴』で言うと、本当にまだ1年足らずなんですね…。

もっと早くに知ってればなぁ…と多少の後悔はあります。



ええ、思いましたよ。
今、ラブライブ?…って。



でも16年になっても、ファイルライブがあったり、年末にはμ'sのインタビューが掲載された本が出たり、アーケードゲームまで登場したりして…



なんだ、まだ『進行中』なんじゃん!



…って、思ったりしてるわけで。





もう少しだけ、ラブライブの設定を借りて、書いてみたい作品があるのですが…

どうでしょうかね…
気が向いたら、やってみます。

では。

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