【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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新しいわたし その16 ~告白~

 

 

 

 

「さ、明日も早いし、寝よっか?」

希はわざと勢いよく立ち上がり、そう言った。

「まだ、肝心なことを聞いてません」

と花陽。

「もう、その話はいいんやない?」

「ダメです!」

「どうしても、しないとダメ?」

「ダメです」

花陽はキッと希を睨んだ。

「そんな、怖い顔しないの…」

無言のまま睨む花陽。

その気迫に押されたの、ついに希は観念した。

 

「しゃあないなぁ…そんなんされたらかなわんわぁ…ほんなら、花陽ちゃんも覚悟しぃやぁ」

無意識なのか、照れ隠しなのか、希の関西弁が強まっている。

 

「ウチなぁ、改めて言うのもなんやけど、μ'sのメンバーは全員好きやねん。えりちもにこっちも、穂乃果ちゃんも海未ちゃんもことりちゃんも、真姫ちゃんも凛ちゃんも…」

「私も同じです」

「そうやなぁ、全員好き。好きやけど…花陽ちゃんだけは…」

希はそこまで言って言葉に詰まった。

 

さすがに次の一言は勇気がいる。

 

花陽は俯(うつむ)き、希の言葉を待っていた。

今までの話の流れから、だいたい予想はついている。

だけど、まさかそんな…という気持ちも半分ある。

 

「花陽ちゃんだけは…」

「ま、待って下さい!あの、その…まだ、心の準備が…」

「う、うん…。ほんなら、2人で深呼吸しよか?」

「そ、そうですね…」

2人で息を合わせて、3回ほど深呼吸。

 

「では、改めて…」

希は大きく息を吸い込むと、吐き出すように言った。

「東條希は小泉花陽のことを…」

 

キンコ~ン…

 

「なんやねん!」

緊迫した場面に突然なり響くLINEのメッセージを知らせる音。

 

キンコ~ン

キンコ~ン

キンコ~ン

 

立て続けに4度ほどなった。

 

「花陽のケータイ…ですかね」

「なら、凛ちゃんかね?」

「すみません、大事な場面でなんですが…」

「凛ちゃんなら、返事しといた方がいいやろな」

「…では、ちょっと失礼して…」

 

…さすが凛ちゃん、この場面でLINEとは、なかなか手強い…

 

希は盛り上がった雰囲気に水を差され、苦笑した。

 

 

 

花陽はバッグに入れておいたスマホを見る。

案の定、送り主は凛だった。

 

《今日も暑かったけど、明日はもっと暑いらしいにゃ~》

《でも、凛は負けないにゃ~!!明日も頑張ろう!》

《かよちん、大好き》

最後は最近、凛がお気に入りのネコのスタンプが送られていた。

 

『かよちん、大好き』…いつからだろう、凛はこの言葉を「バイバイ」や「おやすみなさい」と同じ意味で使うようになっていた。

 

…ついさっきまで、何も意識していなかった言葉…。

…だけど、今は…

…どういう意味なのかな…

 

花陽にとって、とても深く重い言葉となってしまった。

 

《明日はもっと暑いんだ?水分補給に気を付けよう!》

《花陽も、いつも間違えるとこを明日こそクリアしないと…だね!!》

《では、また明日…》

《おやすみ》

 

今、この状況下にあることは、とてもじゃないが言えない。

 

送ったメッセージはすぐに既読になった。

そして、ネコがいびきをかいているスタンプが送られてきた。

 

 

 

取り敢えずこっちは終了…そう思って、振り替えると、希はベッドに横たわっていた。

「希ちゃん!?」

「凛ちゃんの方は済んだ?」

「今、メッセージ返しましたけど…なんか、疚(やま)しい気分です」

「なんで?まだ何もしてへんけど」

「されたら困ります…って、どうして横になってるんですか?」

「眠くなっちゃった…花陽ちゃんも、一緒に寝ぇへん?」

「いや、このままだと続きが気になって、眠れないです」

「もう、秘密のままでいいんやない?」

「ダメです、そんなのズルい…あっ!?」

話を遮るように、希は上半身を起こすと、立っていた花陽の腕をグイッと引き寄せる。

不意を突かれた花陽は無抵抗にベッドに倒れこんだ。

そこに希が素早く体を入れ替える。

マウントポジションは希。

そのまま花陽を抱き締めるように、覆い被さった。

 

「の、希ちゃん…」

「花陽ちゃん…ちゃんと聴いてな…」

「…は、はい…」

「ウチなぁ、花陽ちゃんのことが…」

そこまで言うと希は、花陽の耳元に口を寄せ、小さく囁くいた。

 

 

「好きになってしもうたんよ…」

 

 

耳元で囁きと同時に発せられた、甘い吐息。

告白されたストレートな言葉。

言われた瞬間、頭から爪先まで電気が走った。

ビクッと身体を硬直させたあと、頭は真っ白になり、動けなくなってしまった。

 

一方の希は…ついに言うてしもうた…と呟いたあと、身体の力が抜け、全体重を花陽に預けた。

しかし、花陽が苦しそうにしてるのをみると、添い寝するように横たわった。

 

 

 

覚悟はしていた。

 

それでも花陽にとって、やはり簡単には受け入れない言葉だった。

回らない頭の中で、必死に言葉を絞り出す。

 

「…冗談…ですよね…」

「冗談でもないし、からかってもない。ウチがメンバーの中で誰よりも好きなのは、花陽ちゃんなんよ!」

「…どうして…」

「人を好きになるのに、理由なんて必要ないやん」

「…絵里ちゃんは…」

「えりちも好きや。でも違うんよ。えりちに対する好きと、花湯ちゃんに対する好きは違うんや」

「どう…違うんですか…」

「それは…ウチにも…ようわからん」

「えっ?」

「花湯ちゃんが好きな気持ちにウソはない。せやけど『どう好きか』と訊かれたら、よう言われへん。とにかく、ずっとそばに居たいし、ずっとそばに居て欲しいんよ」

「希ちゃん…」

「えりちが『一人立ち」したと気付いたとき、ウチの心にポッカリ穴があいてしもうた…『えりロス』やね。そんなウチのポッカリ埋めてくれてる存在…それが花陽ちゃんなんよ」

「何故、花陽なんでしょう」

「敢えて言うんやったら…癒しかな」

「癒し…ですか…」

「なんやろうね…ちょっとドジなところも、とにかく美味しそうにご飯を食べる姿も、ダンスに歌に頑張ってるとこも、全てが愛おしくて…ごめんなぁ、迷惑な話やね」

「迷惑なんて…そんな…」

「迷惑やあらへん?」

「素直に嬉しいです。花陽のことを好きって言ってくれて」

 

希は花陽の身体を引き寄せ、抱き締めた。

花陽も同じくらいの力で、希を抱き締めた。

 

 

 

 

 

~つづく~

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