【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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新しいわたし その4 ~B.W.H~

 

 

 

 

 

花陽は着替え終わると、テーブルに戻ってきた。

希はそれに気付くと、読んでいた雑誌を閉じ、花陽を迎えた。

「さっきすごい音がしたけど、大丈夫やった?」

「は、はい…」

「ん?膝どうしたん?擦りむいてるやん?」

「はははは…実はちょっと転んじゃいまして…」

「まったく、花陽ちゃんはドジやね…」

「恥ずかしい…」

「絆創膏、貼ってあげる」

「そんな、平気です。たいしたことないですから」

「アイドルが膝から血ぃ出してたら、みっともないやん!」

希は持っていたバックの小物入れから、絆創膏を取り出すと、花陽の膝に貼った。

「これで、よし!」

「すみません…」

「ウチができることなんて、これくらいしかないんよ」

…今はね…と続けようとしたが、その言葉はグッと飲み込んだ。

 

「えっと、ハナヨちゃん…って言ったっけ?お疲れ様。どうだった?やっぱり恥ずかった?…でも、すぐ終わったでしょ?」

サリナが、少し早足で2人のテーブルにやって来た。

「それで…ごめんね…。先に書いてもらえば良かったんだけど…データ登録するから、ここに名前と生年月日、あと…この太枠の部分に必要事項を記入してくれるかな?」

と、花陽にバインダーとペンを手渡す。

花陽は言われた通りに記入し、サリナにそれを戻した。

「はい、ありがとう。ホントごめんね、段取り悪くて…あと2、3分待ってて…」

 

ほどなくして、サリナが戻ってきた。

お待たせしました…と、空いているイスに腰をおろす。

「さっきの計測結果が出ました。これがそのデータね…」

と言いながら、2人に数枚の紙を見せた。

 

そこには数値のほか、人形(ひとかた)を模した画像が載っていた。

 

「ね、スゴいでしょ?あの計測器。実は身長、体重だけじゃなくて、花陽ちゃんの体型まで、3Dで取り込むことができるのよ」

 

その理屈はわからないが、恥ずかしがって目を瞑ってる20秒の間に、ボディラインを立体的にトレースしたらしい…ということを花陽は理解した。

 

「えっと、小泉花陽ちゃん、15歳」

「はい」

「若いなあ…。ノゾミィも、うちに初めてきたのは15歳?」

「私は…14歳だったかな?お母さんと一緒に…」

「そうだったわね…あれから4年も経つの?…私も歳を取るわけだ…って、それは置いといて…」

サリナは一呼吸置いて言葉を続けた。

「花陽ちゃん、身長156.3cm、体重50.4kg、体脂肪率26%」

「セーフ…」

花陽は自分の数値を見て、安堵の声をあげた。

「セーフ?」

と訊き返したのはサリナ。

「…だと思ってるんですけど…アウトですか?」

「ううん、ダイエットでもしてるのかな…と思って。色々な統計があるから一概には言えないんだけど…この会社のデータに依ると…156cmの女子の標準体重は…53.5kg。理想体重が51.1kgってなってるから、まったく問題ないんじゃない?」

「良かったですぅ」

「体脂肪率も26%なら…15歳だと…標準Aの上限値?うん、いいんじゃない?…むしろ、大きなお胸の分だけ重さが増してるのに、理想体重を下回ってるんだから、ナイスバディだと思うけど。…あ、もしかしたらダイエット…してる?」

「いえ…ダイエットはしてないですけど…毎日運動はしてます」

「なるほど」

「でも結構、ご飯食べるの我慢してるんじゃない?」

と希。

「えっ、あ…実は…少し…」

花陽は希の誘導尋問に引っ掛かった。

「味覚の秋だもんね?食べるな…って言う方が無理よ。育ち盛りだし」

(花陽の特殊な)事情を知らないサリナが同調する。

 

「そ、そうですよね!!と、特に今の時期はお米が…」

「花陽ちゃん!」

「あ…」

新米について熱く語りだしそうな花陽の気配に気付き、希がストップをかけた。

「?」

首を傾げたのはサリナ。

いえ、こっちの話です…と、希はその場を取り繕った。

 

「無理なダイエットは良くないから…これでいくと…モデル体重は…46.5kgらしいけど」

「46.5kg!?」

花陽と希の声がシンクロした。

「46.5kg…?そんなになったら、花陽はきっと…死んでます」

大袈裟よ…とサリナは笑ったが、希はあり得るかも…と思って苦笑した。

 

「さて、ここからが本題…スリーサイズの発表で~す!」

花陽がデータ用紙に目を落とす。

「バスト…トップ85.0cm、アンダー64.0cm」

「あ、やっぱり、大きくなってる…」

ウチのワシワシは正確やね…と希が小声で囁く。

「ウェストは59.5cm、ヒップ83.0cm」

「ウェストはたった5mmしか細くなってない…」

ショックです…と花陽。

「参考までに同じ身長の女子平均は、上から81cm、57cm、84cmだって」

「そうすると、やっぱり3cm大きくなったの?」

「は、はい…」

希の問に答えた花陽は、視線を自分の胸元にやった。

「ブラのサイズ、変わるんですか?」

「今は『D』?」

「はい」

「おめでとう!レベルアップだね!これからは『E』になるわよ」

サリナが親指を立て、花陽に微笑んだ。

 

「ちなみに私は『G』やけどね」

とドヤ顔の希。

「ノゾミィはデカ過ぎるの…」

そう言うとサリナは…2人の分を少しづつ分けて欲しいわ…と、自分の胸を見て嘆いた。

 

 

 

 

 

~つづく~


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