【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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先輩禁止! その9 ~えれちん?~

 

 

 

 

 

 

《それでは、正解を発表します。皆さんに食して頂いたのは…Aがササニシキ、Bがあきたこまち、そしてCがコシヒカリです》

 

 

この瞬間、参加者から歓喜の声と悲鳴が同時にあがった。

その数は半々というところか。

 

 

《続いて合格者の番号を発表を致します》

 

 

「英玲奈さんは何番?」

「私は15番だ」

「早っ!」

「高坂さんは?」

「穂乃果は150番だよ」

「あぁ、そうか…ギリギリと言っていたもんな」

「ウチらは146番からやね」

 

 

《3番…8番…9番…15番…》

 

 

よし、通過!…と英玲奈。

μ'sの5人から拍手をされ

「まぁ、当然だ…」

と照れながら呟いた。

 

 

《…128番…131番…132番…136番…》

 

 

「そろそろにゃ」

「凛ちゃん、ドキドキするね」

 

 

《146番…147番…148番…149番…。以上、予備予選通過は66名です》

 

 

「えっ!?…」

と慌てて声をあげたのは、μ'sの5人。

 

「うそ!穂乃果の150番は?」

「穂乃果ちゃん、落ちたにゃ…」

「なんで?なんで?Aがササニシキでしょ…Bがあきたこまち…Cがコシヒカリ…でしょ」

「ちゃんと線を結んだんやろね」

「も、もちろんだよ!」

「穂乃果ちゃんの言うことは、当てにならないにゃ…」

と騒いでいると、再びアナウンスが流れた。

 

 

《失礼しました。見落としがございました。最後、150番…以上、67名が通過です》

 

 

ほらぁ!…と穂乃果が不貞腐れる。

「まぁ、穂乃果ちゃんやからね…」

「ちょっと、希ちゃん、どういう意味?」

「そこは、髪の毛クルクルしながら『何それ?意味わかんない』って言うのが正解にゃ~」

「凛ちゃん、真姫ちゃんがいないからって…」

と花陽。

長い付き合いだが、時折、凛が放つセリフに冷や汗をかく。

「そっちは5人全員通過か」

英玲奈がポツリと呟いた。

「ひとり、おまけがいるけどね」

「ん?おまけって穂乃果?…にこちゃん、それは酷いよ」

どこに居てもμ'sはμ'sである。

いつもの光景。

 

しかし、英玲奈は、それを物珍しそうに眺めていた。

…なんだ?高坂さんは弄られ役なのか…

…イメージと違うな…

と口には出さないものの、複雑な表情をしている。

 

「苦手…ですか?…」

ボーっとしていた英玲奈に声を掛けたのは花陽だった。

「えっ?あぁ…いや」

「騒がしいですよね…μ'sって」

「騒がしいというか、賑かというか…」

「A-RISEとは真逆ですよね」

「う~ん…まぁ、確かに。私たちはどう頑張っても3人しかいないからな。大人数には慣れていない」

「でも、その分、3人の信頼関係がないと、うまくはいかないですよね?」

「それはそうだが…お互いプライベートはあまり干渉しないんだ。だから今、この時間、ツバサとアンジュが何をやっているのか知らない」

そう言うと英玲奈は、軽く笑った。

「そうなんですか!?」

「四六時中一緒だからな。好き好んで、休日に連(つる)もうとは思わないのさ…」

「ふ~ん、意外と A-RISEって仲、悪いにゃ?」

「り、凛ちゃん…いつから聴いてたの?」

「いつからって…かよちんが珍しく積極的に話掛けてるな…と思って」

「かよちん?」

「あぁ、私のことです。名前が花陽なので音読みで…基本的に凛ちゃんだけですけどね、そう呼ぶの」

花陽はえへへ…と照れ笑いをした。

「かよちん、可愛いにゃ~」

 

かよちん…か…。

可愛い呼び方だな…。

私なら…英玲奈だから、えれちんか?

ふふふ、なんかロシア人ぽいな…

エリツィン大統領…違うか!

つばちん…あんちん…う~ん、語呂が悪い…

 

「どうかしました?」

「い、いや、なんでもない…」

「なに、なに?A-RISEの3人って仲悪いの?」

「にこちゃん、そんなことは言ってないよ」

花陽がプクッと頬を膨らませて否定する。

「A-RISEか?私たちは3人とも付き合いは長いし、仲が悪いわけではない。ただし、A-RISEに関しては遊びでやってるわけではないから、活動外のことについては、あまり余裕がない…というのは事実だ」

「それは暗に、ウチらが真剣にスクールアイドルをしてない…って言ってるん?」

英玲奈の言葉に、珍しく希が噛みついた。

「失礼!気を悪くしないでほしい。そういう意味で言ったのではない。A-RISEにはA-RISEの…μ'sにはμ'sのスタイルがある。それを否定するつもりはない。逆に3人とも、私たちとはまったく対照的なμ'sに、すごく興味を持っているんだ」

「そうなん?」

「前にも言ったと思うが…私たちはかなり早い段階から、注目していた。近いうちに、私たちのライバルになりうる存在になる…と」

「なんたって小悪魔のにこ様がいるグループだからね…」

 

にこの言葉に、英玲奈の時が一瞬止まった。

そして、一拍置いてから

「…そろそろ次の説明が始まるみたいだ」

と花陽の顔を見て言った。

「あ、そうですね…」

 

 

「安定のスルーにゃ」

「うるさいわよ」

「英玲奈ちんも、にこちゃんのキャラを良くわかってるにゃ」

「ふん!そりゃあ、ライバルってくらいだからね。研究してるのよ」

「にこちゃんは単なるファンだと思われてるんじゃないの?小悪魔って単語も、なんか取って付けた…」

「凛!それ以上言ったら、アンタ、こ○すわよ」

「にぁ~!アイドルにあるまじき言葉にゃ~」

小声で凛とにこがやりあう。

 

 

ほどなくして、英玲奈の言う通り、2次予選に関する説明が始まった。

 

 

 

 

 

~つづく~


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