【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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先輩禁止! その11 ~おかしな2人~

 

 

 

 

「どうやった?」

先に回答を終えて休憩室にいた凛のもとに、希がやって来た。

「激ムズにゃ~!…希ちゃんは?」

「自信があるのは…ミルキークイーンくらいやね」

「凛はどれもサッパリにゃ」

ショボンと項垂(うなだ)れる。

「まぁ、何事も経験やからね」

希はドリンクバーからアイスティーをチョイスし、口へと運んだ。

 

「凛ちゃんと2人きり…って、珍しいやね」

「えっ?2人きり?」

希が部屋に入ってきた…ということは、既に20人が回答を終えたわけだが…確かに他に知り合いはいない。

なるほど、そういう意味では、2人きりと言えなくもない。

「ホントにゃ。珍しいかも」

「ウチなぁ…前々から、凛ちゃんに訊きたいことがあって…」

「にゃ?」

「…いや、凛ちゃんにとって、その…の存在は…」

「む?良く聞き取れなかったにゃ?何の存在にゃ?」

「その…」

 

あかん!希!今ここで訊く話やないやろ?

でも、凛ちゃんと2人きりなんて、滅多にないチャンス!

本心を訊くなら今しか…

いやいや、そやけど…そうなんやけど…

 

「希ちゃん?」

「えっ!あ…」

「何か変だにゃ」

「変かな?」

「なんか悶えてたにゃ…」

「悶えてた!それは変やね…やっぱり…」

「らしくないにゃ…」

「そ、そうやね…。それなら、ズバリ訊けど…」

「?」

「凛ちゃんにとって…」

「凛にとって?」

「はな…」

「はな?」

「はなよ…」

「はなよ?」

「はなよ…花より団子…って好きな言葉?」

「にゃ?にゃ?…『にゃにそれ?意味わかんにゃい!』…どう?凛ちゃんバージョン…初披露なんだけど」

「ん?うん、いいやん、いいやん」

「…じゃなくて、ホントに質問の意味がわからないんだけど…」

「そやね…ウチもおかしなことを訊いたなぁ…って思ったけど…」

「そうだな…凛は『花より花陽』だよ」

「うまい!さすが凛ちゃん、面白いこと言うやん」

「ん?何の話?」

「あ、穂乃果ちゃん!終わったんやね…」

希は穂乃果が来て、ホッとした表情を見せた。

ちょっとした気の迷いで、危うく凛に、花陽への気持ちを確かめるところだった。

 

うまく、ごまかせたやろうか…

しかし、凛ちゃんは手強いねぇ…

花より花陽とは…相当やね…

 

「う~ん、全然わからなかったよう!わからないから『どれにしようかな…』してきた」

穂乃果は悪びれもせず、微笑む。

「それで通ったら、穂乃果ちゃんは神様にゃ」

「もしくは悪魔か…。むふふ、スピリチュアルやね」

「あぁ、喉渇いちゃった。希ちゃんは何飲んでるの?アイスティー?凛ちゃんは?コーラ?穂乃果は何にしようかな…」

そう言いながらドリンクバーへと向かって行った。

「あとはかよちん待ちだね」

「『♪かよちんなら、いつの日も大丈夫!』」

希が何気なく口ずさんだ。

そのメロディに合わせて、凛は軽くジャンプした。

周りの視線が、一瞬にして凛に集まる。

「にゃ、つい跳んじゃった…」

顔を赤くして小さくなる凛。

だがすぐに希の耳元で

「かよちんだったら…『♪隣にキミがいて』…じゃなくて…『隣にコメがいて…隣はコメなんだ…』だね」

「ぷっ!いや、凛ちゃん、それはダメや。これからキミって歌詞があったら、全部コメに脳内変換されちゃうやん」

凛と希は顔を見合わせて、クスクスと笑った。

 

「あれ?あれ?穂乃果に内緒で、なに話してるの?」

片手にお茶を持って戻ってきた穂乃果が、2人に問う。

「さぁ…ね」

と希が笑いを堪えながら、凛に顔を向けた。

すると凛が

「さぁ…今、希ちゃん、さぁ…って言った?」

「言ったけど…」

「『♪さぁ、コメを抱き締めたら、上を向いて…』」

「『夢』やし!」

そう言って、2人は、また顔を見合わせて笑った。

「えっ、なに?なに?」

「いや、なんでもないんよ。凛ちゃん、その替え歌はもう止めにせんと…」

「わかってるにゃ。自分でもくだらないと思ってる…『♪悔しいなまだ No brand ! 知られてないよ No brand!なにもかもコメから…熱い気分』」

「『これから』やって…って、凛ちゃん!」

「止まらないにゃ~」

 

いわゆる『ツボにハマった』という状態のようだ。

希も凛も、お互いの顔を見ては「にゃはは…」と笑い合う。

 

穂乃果だけが不思議な顔をして、2人を見ていた。

 

「ところで…にこっちは平気なんやろか…」

と希。

やっと『おかしな状態』から復帰したようだ。

「にこちゃん?」

「そういえば、なんか後ろの方で声が聴こえたにゃ」

「マイクで注意されてたよね」

「何かあったのかにゃ?」

「常にアイドルを意識してるにこっちやから、公衆の面前で変な真似はしないと思うんやけど」

「そうだよね…」

と言っているうちに、にこと花陽が休憩室に入ってきた。

 

「にこっち、どうやった?」

「訊くだけ野暮ってものよ…」

「かよちんは?」

「たぶん大丈夫じゃないかな?」

「だよねぇ、だよねぇ!さすが花陽ちゃん!」

「そういうみんなは?」

「凛はダメダメだったにゃ…」

「ウチも…」

「穂乃果はねぇ…」

「神頼み…やって」

「先に言われちゃった…」

「神頼みはアンタじゃないの?」

「ここでカードなんか使えないやろ…」

「そりゃそうね」

「あれ?英玲奈さんは?」

「さぁ…」

「さぁ…って、にこっち、何か揉めてなかった?」

「別に揉めてなんか…。ただちょっと花陽に頑張れって言っただけよ。そうしたら『ラブライサーの称号は渡せない』…とか言っちゃって」

「カズレーザー?」

「ラブライサー!!どういう耳してるのよ…」

「へへへへ…。でも、英玲奈さんて、そういうキャラだったんだ。もっと無口でクールな人かと思った」

「海未に似てるとこがあるかも。意外と熱いよ、花陽に対抗心剥き出しにしてたもの」

「それはにこちゃんが煽ったから…」

「海未ちゃん似?う~ん、それはちょっとヤダな…」

 

 

 

「は…はっくしょん!はっくしょん!」

「海未ちゃん、大丈夫?風邪?」

「いえ、そんなハズは…誰かが私の噂をしてるのでしょう」

「2回続けて…って良くない噂っていうけど」

「真姫、それは初耳だわ」

「知らないの。くしゃみが1回で良い噂。2回は悪い噂。3回目は…」

「3回目は?」

「風邪。そうしたらすぐ医者に行きなさいよ」

「ハラショー!」

「私が診てあげてもいいけど」

「まぁ、穂乃果でしょうね…」

「海未ちゃん、決めつけるのはよくないよ」

「いいえ、間違いありません。穂乃果です」

 

 

園田海未、正解!

 

 

 

 

 

~つづく~

 

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