【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
決勝戦の前にルール説明がなされた。
2部構成で行われ、前半戦は全10問の書き問題。
正解数の多い上位2名が、後半戦に進める。
その後半戦は3ポイント先取の早押し問題。
問題となる米の銘柄は、予選に登場した8品種と限定された。
これは不正解が続出して、イベントそのものがグダグダになるのを避けたものだと思われる。
裏を返せば、本当に「その世界の№1を決める」ような…そこまでマニアックな催しではないとも言えた。
「順調に後半戦に進めたとして…カギは早押しね」
絵里が心配そうに呟く。
「大丈夫。いざという時の花陽のダッシュスピードは、尋常じゃないんだから」
「にこ…。そうね…信じましょう」
「今のウチらには、静かに見守ることしかできないけどね」
「大丈夫。やるわよ、花陽なら」
にこは確信に満ちた表情をしていた。
ステージには5人の解答席が、横一列に並べられた。
その両端に、英玲奈と花陽。
「では、これより決勝戦を行います!イェイ!」
相変わらず女性司会者のテンションは、無駄に高い。
敗退者も含め、観客はそこそこ集まっているのだが、拍手はまばらだった。
「お集まりの皆さんも、もう少し盛り上がっていきましょう!」
恐らくこういう現場は慣れているのだろう。
あまり気にしていない様子だ。
「早速、第1問目と参りましょう!皆様の実力がいかほどのものなのか、まずは小手調べです。今からおにぎりをお配りしますので、こちらを食べて頂き、お米の銘柄を当ててください」
スタッフが海苔の付いていない、三角形のおにぎりを、各人に配膳する。
「シンキングタイムは20秒。解答はフリップにお願い致します。書き終わったら、ペンを置いてください。では、いきますよ…第1問!…レディ…ゴー!」
5人はそれぞれ一口食べただけで、すぐに解答を書き始めた。
「おぉ、さすがに早い!スラスラ、ペンが動く…はい、そこまでぇ!一斉にフリップを見せてください…。コシヒカリ、コシヒカリ、コシヒカリ、コシヒカリ…コシヒカリ…。全員、コシヒカリ!果たして正解は…」
司会者が、手にしたバインダーに挟まれた紙の文字を確認する。
そして…
「コシヒカリ!お見事!」
おぉ!
…と先程よりは大きな拍手が起こった。
「まぁ、これは予選をクリアした皆様には、サービス問題のようなもの。当てて当然というとこでしょうか。しか~し!…ここから残り9問…段々難易度が上がっていきますので、頑張ってくださいねぇ!」
時折、アクセントを強めながら、淀みなく進行をしていく司会者。
「…それでは、第2問!同じようにおにぎりを食べて、銘柄を当ててください。ただし先程と違うのは…今回のは塩がふってあります。果たしてその味に誤魔化されずに、正解を導きだすことが出来るのでしょうか…。準備はいいですか?…第2問!…レディ…ゴー!」
1問目同様、各人、口にするや否や、すぐに解答を書き始める。
「あきたこまち、あきたこまち、あきたこまち、あきたこまち…あきたこまち…はい、正解!!」
このような形式で、焼おにぎりや、お茶漬けやチャーハンなどに姿を変えたご飯が出題され、8問目まで終了。
問題が進むごとに、観客の感嘆の声と拍手が大きくなっていく。
ここまで4名が全問正解…ポイントに差はない。
自称「ミカリンスキー」のみ、6問目に躓き、7、8問目と3連続で不正解。
この時点で敗退が確定した。
「続いて、9問目。難易度がグッと上がります。皆様は目隠しをして、ご飯の匂いを10秒間嗅いで頂きます。その匂いだけで、解答をしてください。今回は食べることができません。よろしいですか…」
ひとりひとりにスタッフが付き、解答者はアイマスクを装着させられた。
「では、10秒間…いきますよう。ハイ、スタート!イチ、ニィ、サン…ジュウ!おっしま~い!アイマスクを外して、答えをフリップにお書きください!どうぞ!」
さすがにこれは簡単にはいかないようで、各々、時間いっぱいまで考えてから書き込んだ。
「さぁ、皆さんの解答を見てみましょう!統堂さん…ゆめぴりか…。水谷さんも、ゆめぴりか。湯川さんは…コシヒカリ…。小泉さん…ゆめぴりか!…なんと、湯川さんのみ、コシヒカリ!これが正解なら、湯川さん、一歩リード!!」
この展開にμ'sのメンバーも固唾を飲んで、ステージを見つめている。
8人全員が手を組み、祈っていた。
「正解は…」
女性司会者が持っていたバインダーを覗き込む。
「ゆめぴりか!!統堂さん、水谷さん、小泉さん正解!」
おぉ~!!
このイベントが始まってから、一番のどよめき起こった!
μ'sのメンバーも、思わずガッツポーズ!…からの…ハイタッチ!
「ハラショー!」
「かよちんのご飯センサーは、ハンパないにゃ!」
「犬並みの嗅覚だねぇ」
「穂乃果ちゃん、それ、誉めてるのかな?」
ことりは笑顔のまま、首を傾げた。
~つづく~