【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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先輩禁止! その16 ~サラララ(サぷラいず あラいずラいぶ)~

 

 

 

 

 

「…はい…え~…少しトラブルがありましたが…気を取り直して参りましょう。…このあと後半戦を始めます」

まだ観客がざわつく中、女性司会者は自分を落ち着かせるように、息を整えながら、ゆっくりと会場にアナウンスした。

 

勝ち残った英玲奈と花陽は、ステージから姿を消していた。

一旦控え室に戻ったようだ。

 

「少し準備があるため、しばしお待ちいただきます。その間…と言っては何ですが、皆様には素敵なプレゼントがございます!」

司会者はひと呼吸置いてから、言葉を続けた。

 

 

 

「これよりA-RISEのスペシャルライブを行います!!」

 

 

 

おぉ!と男性の低い声。

きゃあ!という女性の黄色い声。

 

そして…A-RISEがステージ袖から、手を振りながら現れた。

もちろん先程まで解答者として、ステージにいた英玲奈も、合流している。

 

3人の姿を見て、さらに高まる歓声。

 

 

「サプライズって言いながら、結構ファンの人が来てるね」

と穂乃果。

「コアなファンなら、それくらいの情報持ってるわよ」

「にこちゃんも知ってたの?」

「アタシは…今、μ'sのことで目一杯よ。そんな余裕はないわよ」

「でも、目がA-RISEに釘付けにゃ」

「そ、そりゃ、長い間憧れの存在だったし…でも今はライバルだもの。見ておかないわけにはいかないでしょ!」

「ライバルか…」

穂乃果が呟いた。

「スクールアイドルを始めた当初、まさかこんな日が来るとは夢にも思わなかったよ…」

…それは穂乃果ちゃんより、にこっちの方が強く感じてるんやないかな…と希は思ったが、口にはしなかった。

そんなことを言ってもにこは、素直に首を縦に振らないことが、わかっているからだ。

 

 

 

「皆さん、こんにちわ。A-RISEです!」

「お集まりのお客様は、ご存知の方が多いかと思いますが…改めて自己紹介をお願い致します」

「はい、A-RISEの綺羅ツバサです」

「統堂英玲奈…」

「優木あんじゅです」

「よろしくお願いします」

3人は同時に頭を下げた。

「私たちは、道路を挟んで向かいのUTX学園のスクールアイドルをやってます。今日は地元のイベントということで、こういう機会を設けていただき、ありがとうございます」

代表してツバサが挨拶をした。

「先程も触れたのですが…A-RISEの皆さんは、スクールアイドルの甲子園とも言われるラブライブの、前回チャンピオンなんですよね。今年は連覇が掛かりますが、意気込みはいかがですか」

「もちろん、出るからには優勝を目指しています。…ですが、全国的にレベルが上がってますし、そう簡単にはいかないでしょうね…。まずは本大会に出れるよう頑張ります」

「実に謙虚なお答えですね…」

「それより、世間的にスクールアイドルの認知度はまだまだ低いと思ってます。今日は少しでもその存在に興味を持っていただけたらな…と思ってます」

「なるほど。あ、では、準備が整ったようなので、早速…」

「あの…一言いいですか…」

司会者の進行を遮って、手を挙げたのは、英玲奈だった。

「どうしても、言っておきたいことが…。私は今日のイベントに個人的に参加したんだ。もちろん多少の自信はあったが、それでも、まさか、決勝に残れるとは思ってなかったし…、勝ち残れるとも思っていなかった。正直、この結果には自分自信でもビックリしてる…。だから…これだけは信じてほしい…決して八百長なんかじゃないんだということを…。このライブと私のイベント参加は別物なんだということを…」

普段はクールなキャラクターの英玲奈が、神妙な面持ちでそう訴えると、会場は水を打ったように静まりかえった。

 

 

 

「アタシは信じてるよぉ!!」

 

 

 

その静寂を破ったのは、にこだった。

今まで聞いたこともないような、叫びにも似た大きな声だった。

 

 

 

その言葉を合図に、堰を切ったように英玲奈を励ます大歓声が木霊した。

 

 

 

「にこっち…」

「統堂英玲奈が八百長してたかどうかなんて知らないわよ。でも、彼女が疑われたら、花陽も同類だと思われるじゃない?そんなの可哀想でしょ?」

「にこちゃん、優しいにゃ!」

「と、当然よ」

凛に頭を撫でられ、照れるにこ…。

 

 

ステージ上では、観客の声援に対し、3人が深々と頭を下げている。

そのお辞儀は1分以上も続いた。

歓声はやがて…3人のパフォーマンスを促す手拍子へと変わっていった。

それを機に、音楽がカットインする。

スピーカーから流れてきたのは彼女たちの代表曲「private wars」。

 

 

 

歌、ダンスとも完璧だった。

ところどころ、アドリブで観客を煽る仕草も見られ、余裕すら感じられた。

ステージ慣れしていると言っていい。

A-RISEはこのイベント空間を、一瞬にして、自分たちののライブ会場に変えたのだった。

そして、息つく間もなく、たて続けてにもう1曲披露した。

 

 

 

「ハラショー…さすがA-RISEね」

絵里が唸る。

「あら、前は『素人同然のダンス』とか言ってなかったっけ?」

「真姫…それはアナタたちを鼓舞するためのセリフで…。ううん、違うの…まだあの時はスクールアイドルの本質をちゃんと理解していなかったの。歌って、踊るということが、どれだけ大変か…。でも今なら彼女たちのスゴさがわかるわ」

「ウチらはあの人たちを越えなきゃ、本戦にはいけないんやね」

「頭では理解していましたが…やはり…高い壁ですね」

「希ちゃんも海未ちゃんも、今さらじゃない?」

「穂乃果?」

「A-RISEはA-RISE、μ'sはμ's。私たちはどうやっても、自分たちのできることしかできないんだしさ、較べて見たところで始まらないよ」

「その通りね。たまには穂乃果もいいこと言うじゃない」

「にこちゃん、たまには…って」

「そうね。A-RISEとは音楽性も違うし…同じフィールドで張り合っても意味ないし」

真姫は自分の髪の毛を、指でクルクルと絡めながら言った。

 

 

 

その時だった。

ステージの上から、全く予期しない言葉が飛んできた。

 

 

 

「折角だから、μ'sにも歌ってもらいましょうよ!」

 

 

 

 

 

~つづく~

 

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