【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
「ご飯炊けたよぅ!」
炊飯器のメロディーがなると同時に、花陽の大きな声が部屋に響いた。
「ハンバーグ、オムレツ…目玉焼き…サラダの盛り付け完了!」
と、こちらはにこ。
「お味噌汁、よそりました!」
「はい、アンタたち…折り紙は終わりにして、ご飯の時間よぅ!」
「は~い」
にこの呼び掛けに3妹弟が隣の部屋からやってきて、席に着いた。
「じゃあ、みんなで手を合わせて…いただきます」
「いただきます!」
にこの音頭で、3妹弟+花陽が食事を始まった。
「う~ん、やっぱり新米は美味しいねぇ!」
「今日はね、花陽が持ってきてくれたお米で、ご飯を炊いたんだよ」
「そう言われてみれば…いつもよりもご飯がふっくらしていて、なおかつ甘く感じられます」
「お、こころちゃん、それがわかるとは、舌が肥えてるねぇ…うん、にこちゃん、ハンバーグも美味しい」
「にこちゃん、オムレツも美味しいよ」
「にこちゃん、お味噌汁、美味しいねぇ」
花陽は一口食べる度に、感想を述べる。
「花陽さま、お姉さまの作るお食事が美味しいのは、当たり前です!」
「そうか…そうだよね。じゃあ、そんなお姉ちゃんを持ったこころちゃんたちは幸せ者だね」
「はい?」
「こころちゃんたちにとって、料理上手のお姉ちゃんは当たり前の存在かも知れないけど、みんながみんな、そういうワケじゃないんだから」
「はい…」
「花陽は姉妹(きょうだい)がいないから、みんながすごく羨ましいな。私にも、にこちゃんみたいな、素敵なお姉さんがいたらいいのに…って思うんだよ」
「素敵なお姉さんだなんて…」
と言いながら、まんざらでもない様子のにこ。
「だったら、花陽お姉さまは、にこお姉さまの妹になれば良いのではないでしょうか。そうしたら、自然とわたくしたちのお姉さまになります」
「あ、そっか!そうしてもいい?」
「はい、ここあは賛成です。そうしたら、毎日、折り紙、教えてもらえますものね」
「そうだね」
「花陽お姉さまが、にこお姉さまの妹になってもいいでょ?」
「何、勝手に話を進めてるよ。アンタたちはお喋りはいいから、早く食べなさい」
にこは照れ隠しなのか、3妹弟の食事を急(せ)かした。
「ごちそうさまでした」
全員が食事を終えると、手を合わせて挨拶を行った。
「今日も美味しかったです」
「いっぱい食べました」
「そう言ってもらえると、作った甲斐がありますね」
「まあね」
こころたちは食べ終わった食器を、流し台へと運んでいる。
「本当に、しっかりしてますね」
「アタシみたいな環境の家は、みんなこうじゃない?自然とそうなるわよ」
「そうなんですかね…」
「じゃあ、アタシは洗い物するから…」
「あ、花陽がやりますよ」
「いいから、いいから…洗い物はアタシがやるわよ。その代わりアンタは、妹たちをお風呂に入れて!」
「はい、お風呂ですね、わかりまし…お風呂…お風呂ぉ!?」
「声が大きいわよ!」
「す、すみません…って、花陽がお風呂に入れるんですか?」
「やったことある?」
「ないです」
「じゃあ、やってみて。何事も経験よ!」
「それはそうですが…いきなりハードルが高いです」
「大丈夫よ。こころもここあも自分で洗えるし…」
「こたろう君は?」
「『こた』は…うん、大丈夫…」
にこの目線が、一瞬、あさっての方向を見た。
「間がありましたけど…」
「ん?」
「お風呂ですよ?お風呂…」
「花陽はさっき、こころたちのお姉さんになるって言ってなかったっけ?」
「…言いましたねぇ…」
「はい、決まり!…簡単だって!順番に頭と身体を洗って出せばいいから。そうしたら、拭くのはこっちでやるし」
「う~ん、その追加発注は強引過ぎますぅ…」
しかし、花陽は諦めたのか、顔は笑っていた。
「仕方ないです…にこちゃんのお願いじゃ、断れません」
「さすが、わが妹よ」
「調子いいです」
と花陽が言ったと同時に、風呂のお湯が張ったことを知らせるアラームが鳴った。
「お風呂沸いたよぅ!」
「…それ、私のマネですか?」
「似てるでしょ?」
「似て…ますかね?」
「使っていいから」
「いつ、使うんですか!」
「決まってるじゃない、お風呂が沸いたとき」
「まぁ、そうですけど」
「ご飯炊けたよぅ!お風呂も沸いたよぅ!…ご飯にする?お風呂にする?それとも…ア・タ…シ?う~ん、ダメダメ。焦らない、焦らない!にこは逃げないんだか…」
「お姉さま?」
「のわっ!アンタたち!何してるの!」
「それはこころのセリフです。お風呂と呼ばれて来てみれば、お姉さまはひとり芝居の真っ最中でしたけど」
「こ、今度のライブで寸劇があるのよ!これはその練習なの!」
「にこちゃん、またそんなこと言って…」
「それより、今日は花陽がアンタたちをお風呂に入れてくれるんだって」
「えっ!花陽さまが?」
「うん…。イヤ…かな?」
「いえ…恐縮です…」
「難しい言葉を知ってるねぇ」
思わずこころの頭を撫でる。
「じゃあ、早く入ろうか」
「は、はい。お願いします!」
「ん?緊張してる?」
「え?えぇ…いや…」
「お姉ちゃんもだよ。仲間だね」
「は、はい…」
「よし、みんなでお風呂場に行こう!」
花陽はここあとこたろうの手を繋ぐと、歩き始めた。
「お風呂場は反対側です!」
「ぴゃあ!」
こころの冷静な突っ込みに、足を滑らせ、ひっくり返った花陽であった…。
~つづく~