【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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新しいわたし その6 ~シャーベットカラー~

 

 

 

 

 

「通気性のいいものと言えば…まず、これなんかどうかしら?」

サリナが商品を花陽に見せる。

「ん?…うひゃあ!な、なんですか、これは!…ブラの下部分しかないですよ…大事なとこが丸出しです!」

「通気性バツグンでしょ?。」

「い、いや、それ以前の問題かと…。そもそも、これは何用なんですか?」

「それはシェルフカップとか、トップレスとか呼ばれるタイプの1/4カップブラなんだけど、お胸を下から持ち上げて、前に押し出す効果が大きいの。『よりセクシーに』魅せたいとき用ね」

「…えっと…これはいいです」

「だよね。じゃあ、これは?目の細かいメッシュタイプなんだけど」

と、別のブラジャーを手渡した。

それをジッと見つめる花陽。

「これ、向こうが透けて見えますね…」

「見えるね…」

「却下です!」

「だよね」

サリナは半笑いで答えた。

「ちょっと、サリナさん!真面目に選んで下さい」

花陽が少しムッとした。

「ごめん、ごめん。ちょっとからかってみたくなっちゃって」

とサリナ。

 

…ウチの楽しみをとらんといて…

 

希はサリナに念を送った。

 

「真面目に選ぶと…普段使いなら花陽ちゃんの場合、フルカップが最適ね。お胸全体をしっかり包みこんで安定させるタイプで『お肉』の柔らかい人やボリュームのある人にお薦めよ。カップの幅が広いから、お胸のお肉が脇へ流れるのを防いでくれるわ」

「はぁ…」

「デザイン的には3/4カップブラもいいと思うんだけど、こっちはお胸をボリュームアップさせたり、谷間を協調したりするのが特徴だから、花陽ちゃんにはtoo muchかも」

「とぅ まっち?」

「○○過ぎる…。今のだと、花陽ちゃんにはそこまでする必要がないってこと」

希が花陽に説明した。

 

「そこで…これなんか、どう?これはカップ部分の通気性の良さと軽さが特徴なの。汗ばむ季節でも、付けてるのを忘れるくらい爽やかで軽いわ」

「あ、軽い!」

「ね?それと、カップサイドの背部は、伸縮性のいいレースが1枚だから、着け心地が軽やかなのはもちろん、アウターにも響きにくいの」

「ほほう…」

「温度が上がらない理由はね、ここ…メッシュ素材のパッドポケットで、これが通気性がよくしてるの。お胸にかいた汗もすばやく乾かすから、いつでも爽やかにいられるわよ」

「でも、これ…ストラップないですよね。落ちないですか?」

「それは大丈夫だと思うけど。不安?」

「多少は…」

「なら…こっちはどうかな?」

サリナは別のブラジャーを選定した。

 

「こっちもカップ部分の通気性がいいわよ。フロント部分のテープが締め付けにくくなってるし。サイド部分も、テープが当たらないから軽い着け心地で…こっちもお薦め」

「ふむふむ」

「カップ部分は両面メッシュで、通気性がよくムレにくい構造ね。肌側もサラッとドライな着け心地で、軽さと通気性がいいから、暑い季節でも爽やかにお洒落が楽しめるわよ」

「なんか、店員さんみたいですね…」

「店員ですけど…なにか?」

「そうでした」

花陽とサリナは顔を見合わせて、笑った。

 

「うん、そうね。こっちのほうがカラーバリエーションも豊富だし、いいかもね」

「はい!」

「普段は何色が多い?」

「ほとんど白です」

「学生だもんね。 色の濃いのしてたらブラウスから透けて、わかっちゃうものね」

「そうですね」

「まぁ、せっかく今日、新しく買うんだし、色も少し変えてみようよ。…そうだなぁ…花陽ちゃんの雰囲気からして、柔らかな、淡い色が似合うと思うな…う~んと…これなんか、どう?」

「あ、可愛いです!」

「今年の新色なんだけどね、シャーベットグリーン。可愛いよね」

「緑は花陽ちゃんのイメージカラーだから、ピッタリなんじゃない?」

「イメージカラー?」

「あ、部活の衣装とかで、一応、それぞれの目印的な…ちなみに私は紫です」

「あら、じゃあ、ノゾミィは好きな色と一致してるんじゃない」

「先輩の特権で…ウソです。たまたま誰もいなかったから貰いました」

「花陽ちゃんは?好きな色」

「そうですねぇ…わりとオレンジとかも好きです」

「あぁ、そうね…うん、うん…あるわよ、シャーベットオレンジも…ほら。いいじゃない、この色も素敵ね」

「はい」

「他も見てみる?」

「えっ?いや…多分、こんなに沢山あると、迷って決められなくなっちゃうので…」

「じゃあ、この2つにしようか」

「あ、あの…」

「?」

「…おいくらでしょうか?」

「ん?価格?えっと、これは…ショーツとセットで5千円ね」

「…ですか…」

「ん?」

「すみません、その…持ち合わせが、あまりないので、どちらかひとつにしようかと…」

「あ、そんなこと、全然気にしないでいいのよ」

サリナは笑顔で

「どっちにする?」

と花陽に尋ねる。

 

花陽はさんざん悩んだあげく

「どれにしようかな、神様のいう通り…」

と交互に指差し、最終的にグリーンを選んだ。

 

「ネットと違って『こういう専門店』は、ブラのアジャストができるのが『ウリ』のひとつなの。最後は、あそこにフィッティングルームがあるから、一緒に入って、微調整をしよう」

「ま、また、脱ぐんですか!?」

「あら、私と一緒じゃ、不満?」

「あ、いや、そういう意味じゃ」

「ノゾミィも一緒に入ってもらう?」

「入ってあげようか?」

そう言った希の両手は、何故かワシワシポーズをしている。

「やっぱり、サリナさんと入ります…」

「じゃあ、行こうか」

花陽とサリナは、ブラを片手にフィッティングルームへと向かった。

 

 

 

 

 

~つづく~


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