【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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最高のライブ その7 ~ラブライ…ザップ(後編)~

 

 

 

 

 

「それでは、これまでのダイエットの状況を報告します! 」

「はい…」

直立不動…神妙な面持ちで海未の発表を待つのは、件(くだん)のダイエットコンビ。

「まずは花陽…。運動の成果もあって何とか元の体重まで戻りました 」

「本当!?」

「かよちん、やったにゃ!」

「花陽、おめでとう」

「ありがとう、凛ちゃん、真姫ちゃん!」

「…ですが!調子に乗ってご飯を食べすぎないこと!いいですね!?」

「は、はい…」

「次は穂乃果です」

「う、うん…」

息を飲む穂乃果…。

「あなたは変化なしです! 」

「ええ!そんなぁ…嘘でしょ!?」

「それはこっちのセリフです!本当にメニュー通りトレーニングしてるんですか? 」

「してるよぅ!ランニングだって、腕立てだって…花陽ちゃんも見てたでしょ?」

「はい、それは間違いないです」

「では、何故この結果なのでしょうか?」

「うっ!そ、それは…」

「昨日、ことりからお菓子をもらっていたという目撃情報もありますが… 」

「それはことりちゃん、ダメやない?」

「穂乃果ちゃんが、海未ちゃんの許可をもらったって…」

「言うわけがありません!」

「さらにフミコさんたちからも、お菓子を恵んでもらっていたとか」

「あ、あれも…ほんの一口…」

「雪穂の話によると、昨日、自宅でお団子も食べていたとか… 」

「雪穂め!」

穂乃果は軽く舌打ちした。

「え~と…あれはお父さんが新作を作ったから味見してて… 」

「では、そのあとのケーキは?」

「げっ!そこまで… それもお母さんがもらってきて…ほら!食べないと腐っちゃうから! 」

「問題外ね… 」

さすがのにこも『お手上げ』という表情。

「何考えているんです!?あなたはμ’sのリーダーなのですよ! 」

海未の言葉は怒り半分、嘆き半分…といったところ。

「それはそうだけど… 」

「本当にラブライブに出たいと思ってるのですか? 」

「当たり前だよ」

「とてもそうは見えません!」

「そんなことないよ!」

「気持ちのゆるみが、体のたるみに繋がってるんです!」

「ゆるんでな~い~」

「ゆるみまくりの、たるみまくりです!」

「なんで、なんでぇ…」

「ゆるみまりです!」

「ゆるくないってば」

…水掛け論。

 

「でも、真姫ちゃん。穂乃果ちゃんも悪いけど、海未ちゃんも厳しすぎだと思うにゃ…」

「海未は穂乃果のことになると、特別厳しくなるからね… 」

「海未ちゃんは穂乃果ちゃんの事…嫌いなのかな?」

「ううん」

それを側で聴いていたことりが否定した。

「海未ちゃんは穂乃果ちゃんのこと、大好きだよ…」

そう呟いたのを、今度は希が聴いていた。

 

…あ、またや…

なんか、ことりちゃん、雰囲気が変やね…

 

希の視線が、ことりと海未を行き来する。

 

「穂乃果!いったいあなたは、なんでいつもいつもこうなのです!私だってこんなガミガミ言いたくないんです?なのに…これじゃ私が鬼軍曹みたいじゃないですか! 」

「みたいじゃなくて、そうでしょ!」

 

「あ~うるさい!!」

 

延々と続く不毛なやりとりに、にこの怒りがついに爆発した。

「この大事な時期に、くだらないことで時間を潰さないでくれる?」

我に返る穂乃果と海未。

「ごめんなさい」

「すみません」

2人してメンバーに謝罪した。

 

「大好き…ねぇ…そうは見えないにゃ? 」

凛と真姫は顔を見合わせて、お互い首を傾げた。

 

 

 

 

 

アルパカ前。

 

世話にやって来た花陽だが、そこには既に先客がいた。

 

「あ、ことりちゃん!」

「花陽ちゃん…今日は当番?」

「は、はい…。ことりちゃんは?」

「ちょっと、癒されに来ました」

「癒されに?」

花陽は訊いたが、ことりはそれには答えずに

「このモフモフ、気持ちいいねぇ…」

とアルパカに首に抱きつき、うっとりとしている。

「…ことりちゃん…」

「どうしたの?」

「ことりちゃん、何かあった…でしょ?」

「えっ?」

「すごく悲しい目をしてます…」

「そうかな?そんなことないよ」

「花陽でよければ聴きますよ…」

「ううん、花陽ちゃんには…。迷惑掛けられないもん」

「花陽は頼りになりませんか?」

「ごめん、そういう意味じゃ…」

「なら、アルパカさんに何があったか話してください」

「アルパカさんに?」

「ことりちゃんなら『白パカさん』も『茶ルパカさん』も、怒らないで黙って聴いてくれますよ」

「…うん、そうだね」

「それで花陽は『カヨパカ』になりますから」

2人は顔を見合わせて笑った。

「部活に割り振る予算編成で、ことりが間違って、美術部に承認前の書類を通しちゃって…」

「生徒会?」

「…うん…」

「それって、大変なことなんですか?」

「ちょっとした事件に…」

「事件ですか!…でも、間違いは誰でもあるし…」

「それはそうなんだけど」

「絵里ちゃんと希ちゃんなら相談に乗ってくれるんじゃないかな?」

「うん、実はもう知ってるの。それで、色々調整してくれる…って言ってくれたんだけど…穂乃果ちゃんが『私たちが起こしたミスだから、私たちで片付けなかなゃ!』って」

「おぉ、さすがリーダー…じゃなくて、生徒会長!」

「そうだね。でも、本当は『私たちの』じゃなくて『私の』ミスなんだよ…。どうして『ことりが悪いっ』て言ってくれないのかな…」

「ことりちゃん…」

「…なんてね…。以上、ことりが少しだけブルーになってる理由でした。…って、そんなことかと思ったでしょ?」

「花陽、ちょっとだけ、わかる気がします」

「えっ?」

「凛ちゃんもそうだから」

「凛ちゃん?」

「穂乃果ちゃんは普段だらしなくて、ふざけてるように見えるけど、いざとなったら頼り甲斐があって…凛ちゃんも、口では厳しいこと言ったり、人をからかったりしてるけど…2人とも本当は凄く優しい人…。だから、甘えちゃうんです。甘えて、甘えて、甘えて…時々、そんな自分が嫌になる…このままじゃいけないってわかってるんですけどね」

「花陽ちゃん…」

「ダメな時はダメって言って欲しい…って思います」

「…うふふ…一緒だね…」

「はい!」

「カヨパカさん、ありがとう!話が出来て楽になったよ!白パカさんも、茶ルパカさんもありがとう!」

「頑張ってくださいね、生徒会!海未ちゃんが言ってたけど、だいぶ溜まってるんでしょ?手伝ってあげたいけど…」

「気持ちだけで充分だよ。早めに仕事を片付けて、ラブライブに集中しないとね!」

「はい!」

 

「あ、かよちん、ここにいたにゃ!あれ、ことりちゃんも?みんな待ってるよ!早く練習に行くにゃ」

「うん。エサをあげたら行くって伝えておいて」

「わかった!早く来るにゃ!」

「じゃあ、花陽ちゃん、私も先に行ってるね?」

「はい」

 

「かよちんと何を話してたにゃ?」

「えへへ…内緒だよ」

「あぁ、それってズルいにゃあ…」

凛はことりの笑顔を見て、不思議がった。

 

 

 

 

 

迎えた予算会議。

 

冒頭、ことりのミスで審査を待たずに予算承認をしてしまった美術部について、生徒会の責任が問われた。

まずは非を認め、謝罪する穂乃果。

その上で『予算について、無い袖は振れない』という、開き直りとも思える発言で会場を騒然とさせる。

しかしその後、海未の理路整然とした分配に対する説明…さらには『アイドル研究部部長』として出席していた矢澤にこの『隠れたアシスト』によって、会議はそれ以上紛糾することなく無事終了した。

ホッと胸を撫で下ろす、穂乃果、海未…そして、ことり。

 

 

 

 

 

「お疲れさま」

「大変やろ?生徒会の仕事って」

「絵里ちゃん、希ちゃん、気遣ってくれて、ありがとう!本当、危なかったぁ~」

「アタシがあそこで、率先して予算案に賛成したおかげでしょ、感謝しな…」

「ありがとう!にこちゃ~ん!!」

にこが言い終わらないうちに、穂乃果が抱きついてきた。

「そ、そんなのいいから!アイドル研究部の予算アップしなさいよね!」

「いえ、その前にダイエットです!」

「まだ続いていたのね…」

にこは、まとわりついてきた穂乃果の身体を引き剥がしながら、海未に言う。

 

「それがさ、さっき測ったら戻ってたの! 」

 

「えっ?」

穂乃果の突然の告白に、キョトンとするメンバー一同。

「えっ?…って…だから体重…」

「本当? 」

ことりも半信半疑で訊き返す。

「うん!3人で一生懸命、生徒会の仕事を頑張ってたら、食べるの忘れちゃって… あははは…」

「なにそれ?意味わかんない…」

呆れる真姫。

「穂乃果ちゃんらしいといえば、穂乃果ちゃんらしいにゃ」

「うん、そうだね」

「花陽はそんな呑気なこと言ってていいの?穂乃果に振り回されたひとりでしょ」

「あははは…。でも、なんでか、穂乃果ちゃんなら、仕方ないか…って思えちゃうんだよねぇ」

凛と真姫と花陽が、穂乃果と海未を見る。

 

「いやぁ、今日もパンがうまい!」

「穂乃果!いつの間に、そんなものを」

「食べてもいいでしょ?戻ったんだからぁ」

「いけません! 」

「海未ちゃんも食べようよぅ」

「いけません!こっちに渡しなさい! 」

「やぁだよ~だ!」

「あなたは小学生ですか!」

「ことりちゃんの言った通りだね。やっぱり、あの2人は仲良しにゃ」

「喧嘩するほど仲がいい…ってこと?面倒な人たち…」

「でも、言いたいことが素直に言い合える関係って、羨ましいかも」

「そうだよねぇ」

「にゃ?かよちん?ことりちゃん?」

「えっ?あ、なんでもないよ」

「うん、なんでもない。あ、そろそろ練習始めないと…」

ことりは走り回ってる穂乃果と海未に、練習するよ!と呼び掛けた。

 

「生徒会、大丈夫そうやね… 」

「ええ…穂乃果ひとりじゃ危なっかしいけど、あの2人がいれば大丈夫だわ」

希と絵里が2年生の3人を見る。

「そやね…」

「それより…練習終わったらパフェでも食べに行かない?」

「太るやん」

「そうしたら、生徒会の仕事をすればいいんじゃない?」

「それ、穂乃果ちゃんやから」

希はイヒヒ…と笑った。

しかし次の瞬間、絵里の言葉に希の視線が揺らいだ。

「話したいこと…あるんでしょ?」

「はて、なんのことやら…」

「こう見えても希のことは、私が一番知ってるんだから」

「えりち…余計な心配はいらんよ…。でもパフェはゴチになろうかな…」

希はニヤっとして、絵里を見た。

 

 

 

 

 

~つづく~

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