【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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最高のライブ その16 ~♪ファはファンのファ~

 

 

 

 

 

 

「μ'sを突き動かしてる原動力? 」

 

ツバサが立ち去ったあと、ことりと花陽は、穂乃果の元へ走った。

2人は事情を説明した上で、穂乃果の話を聴いた。

 

「私はうまく答えられなくて…ことりちゃんはなんだと思う? 」

「難しいね…。でも、それが私たちのキャッチフレーズなのかもしれないよ」

「えっ?」

「なるほど!μ'sを表現する一言…それがμ'sの原動力ってことですね!」

「そっか…。じゃあ、その原動力って?」

「う~ん…」

考え込む3人…。

 

 

 

 

 

自宅に帰った穂乃果。

部屋には雪穂がいた。

「受験勉強?」

「こたつ、お姉ちゃんの部屋にしかないから、使わせてもらってるよ」

「うん…別に構わないけど…あ…ねぇ、雪穂から見てμ'sってどう思う? 」

「ええ?なんで急にそんなこと… ん~そうだなぁ…『心配』?」

「はぁ?」

「あとは…『危なっかしい』『頼りない』『ハラハラする』…『無鉄砲』『だらしない』『いい加減』『ガサツ』『妹に厳しい』…」

「途中から私の悪口になってるけど…」

「冗談!冗談!あ、でも最初の方は本当だよ。不安定っていうか…」

「一応地区代表だよ!」

「分かってるよ!だけど、なんか心配になっちゃうんだよねぇ」

「そうかなぁ…じゃあ、なんでA-RISEに勝てたんだと思う?」

「さぁ…」

「さぁ…って」

「ただ、応援しなきゃって気持ちには不思議となるんだよね。どんなグループよりも」

「それは身内だからでしょ?」

「いや、お姉ちゃんだから、地元だから…とか関係なく… だって投票してくれた人は関係者ばっかりじゃないでしょ?」

「うん、まぁ…。う~ん、応援しなきゃ…か…」

「あれ?お姉ちゃん、スマホ鳴ってるよ!」

「私?あ、本当だ!花陽ちゃん?…もしもし、どうかした?えっ?うん…うん…うん…そうだよ!それだよ!大事なこと忘れてた!さすが花陽ちゃん、ありがとう!!」

穂乃果は電話を切ると

「お母さ~ん!お父さ~ん! ちょっとお願い事があるんだけど~」

と階下へ走って行った。

 

「もう、騒がしいなぁ!受験生がいるんだから、もう少し気を使って…っていうの!」

雪穂は姉の相変わらずな言動に、小さく溜め息を吐いた。

 

 

 

 

数日後…冬休み最終日。

穂むらの前。

 

「は~い、おまたせ!」

穂乃果の母が、蒸(ふ)かしたての餅米を持って現れた。

店の前に置かれた臼に、それを移す。

「うわぁ!いい匂い!」

それだけで、うっとりとする花陽。

凛も真姫も…それ以外のメンバーも『初めての餅つき』に興味津々だ。

 

「ちゃんとできるの?」

心配するのは、穂乃果の母。

「大丈夫だって!お父さんに教わったも~ん」

杵を振り上げる穂乃果。

臼の隣で腰を屈(かが)め、待ち受けるのは海未。

「ダメよ!いきなりじゃなくて、最初は杵で捏(こ)ねてからでしょ!ちゃんと潰しておかないと、飛び出るわよ!」

穂乃果の母が注意する。

「そうでした、そうでした…」

杵を持ち直し、頭の部分で数回、餅米を押し込んでいく。

 

「これでよし!じゃあ、海未ちゃん、いっくよぅ!」

「はい!」

 

 

 

ガコッ!

「うわっ!」

 

 

 

「あ、あなたは私を殺す気ですか!?」

「ごめん、ごめん!手が滑った!…あ、雪穂の前で『すべった』は…」

「もう、遅いよ!」

 

「…と、ここまでがお約束のコントにゃ!」

「つかみはOK!ってとこやね!」

 

「では、仕切り直して」

 

はいっ!

よっ!

ほっ!

はっ!

うりゃっ!

よっ!

うぃっ!

はいっ!

 

「ハラショー!さすが穂乃果と海未!何だかんだ言ってもバツグンのコンビネーション…」

「そうやね!熟年夫婦やもんね、あの2人」

「凛ちゃん、ご飯キラキラしてたねぇ!お餅だねぇ!」

「かよちんは食べる気満々にゃ!」

「もしかして、自分の食欲を満たす為に、この企画を提案した?」

「え~違うよ、にこちゃん!お餅つきは穂乃果ちゃんの発案だよ」

「…なんで急に餅つきなのよ?」

「なんでって…よっ!…にこちゃん…ほいっ!…お正月だし…うりゃっ!…」

「在庫処分?」

「ふぅ…一丁上がり!お母さん、雪穂!お餅つけたよぅ!」

「はい、はい」

「じゃあ、あっちで丸めてくるね!」

「よろしくぅ!」

「あ、何か手伝いましょうか?」

年長者らしく、絵里が声を掛ける。

「大丈夫よ。まだまだいっぱいついてもらうんだから、そっちを頑張って」

穂乃果の母はそう言って、雪穂と共に、店へと入った。

「この企画自体は花陽ちゃんの案なんだよ。『考えてみたら学校のみんなに、何のお礼もしてないですよね?』って。」

「お礼? 」

絵里が訊き返す。

「うん!最終予選を突破できたのって、みんなが雪掻きしてくれたおかげでしょ?でも、あのまま冬休み入って、お正月になっちゃって…」

「…だから、どこかで『ケジメ』をつけておかないと…ってね」

と花陽に続き、穂乃果が言葉を引き継いだ。

「だからって、餅つきにする必要はないじゃない?」

「にこちゃん、うちは和菓子やさんだよ!『餅は餅屋』って言うでしょ?」

「微妙に使い方が違いますが…」

と、小声で海未が突っ込む。

「それに、妙に初詣の時に花陽ちゃんが言った『ちからうどん』の響きが忘れられなくて…ちからうどん…お餅の入ったうどん…力餅…縁の下の力持ち…支えてくれたみんな…みたいな。思いつきって言えばそうなんだけど…あ、来た来た!その縁の下の力持ちが」

「おお!本格的だね!」

「ミカ!フミコ!ヒデコ!へい、らっしゃい!…と、これまた、随分いっぱい来たねぇ」

彼女たちが引き連れてきたわけではないだろうが、あっという間に数十人もの人が集まってきた。

「あははは…全生徒ってわけにはいかないけど、反響、大きいぞ!」

「なんて言ったってμ's主催の餅つき大会だからね」

「プレミアもんだよ、プレミアもん」

「ははは、大袈裟だよ!」

照れる穂乃果。

 

「お姉ちゃん、出来たよぅ!誰か運んで!」

店の奥から雪穂が叫ぶ。

「よし、手伝うよ!」

にこの号令で、メンバーが忙(せわ)しなく動き始めた。

 

 

 

「みんなの分あるから、ゆっくりしていって」

「西木野さんがエプロンしてる!」

「するわよ、エプロンくらい!」

 

 

 

「きな粉とお醤油、どっちがいいかにゃ? 」

「あんこはある?」

「あんこ?」

「あるよ!私が用意してもらったから!」

「かよちん、自分が食べる気満々にゃ~」

「あははは…」

 

 

 

「並んで、並んでぇ!おもちは逃げないから~」

「あ、こんな所に、小泉さんのポスターが!」

「あ、それは私のポスターじゃなくて『穂むらの新作』ですぅ…」

…雪穂ちゃん、いつの間に…

 

 

 

「ことり、こうしているとメイド喫茶でバイトしたことを思い出します」

「やってみる?『おかえりなさいませ、ご主人様!』…はい、海未ちゃん!」

「わ、私はやりませんよ!」

 

 

 

「あの、矢澤先輩!写真撮ってください!」

「仕方ないなぁ…じゃあ、みんな、並んで、並んで!…せーのっ!」

「にっこ、にっこ、に~! 」

 

 

「絢瀬さん、東條さん!」

「一条さん!二本松さん!ソフト部のみんな!」

「たいしたものだな、全国大会か!」

「お陰さまで」

「受験、就職と忙しいと思うけど、正直、この時期まで部活ができるなんて、羨ましいよ」

「そうやね」

「引退したら…寂しくなるぞ」

「うん」

「精一杯、戦ってこいよ!」

「もちろんやん!」

「わざわざありがとう!」

 

 

 

メンバーそれぞれが、思いおもいに『ファン』との交流を深めていた…。

 

 

 

 

~つづく~

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