【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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次章はことり編(予定)です。
その前に単発のエピソードを…。
※1月17日までは待てませんでしたw




優勝をめざして(花陽 誕生日編)
優勝をめざして ~誕生日あるある~


 

 

 

1月17日。

 

小泉花陽は16歳になった。

 

μ'sのメンバーでは、8番目に迎えるバースデー。

 

 

 

1年12ヶ月ある中で、9人の『誕生月』は誰ひとりとして重なっていない。

つまり、ほぼ毎月、誰かしらが誕生日を迎えることになる。

 

そして彼女たちは、その都度、部室で誕生会を開催する。

…とは言え、家で開く『それ』とは別で、そんなに大袈裟なものではなく、部室に菓子とジュース…それにケーキを持ち込み、乾杯する程度である。

もちろん、アルコールは飲まない。

プレゼントは、みんなで金を出し合い、何かひとつ買う(不公平が生じないよう、ひとり千円の出資と決めている)。

 

直近の凛の誕生会(11月1日)には、名前入りのオリジナルラーメンどんぶり、レンゲ、箸のセットが贈られた。

 

 

 

因みに年度で区切れば、最初に誕生日を迎えるのは真姫の4月で、ひと月空いたあとは、6~11月まで6ヶ月連続で開かれる。

 

従って花陽の誕生会は、2ヶ月ぶりとなるのだが…

 

最終予選突破の打上げ、クリスマス、お正月と大きなイベントが続いた為、逆にこの期間の方が諸々忙しかったように思われる。

 

 

 

「…それが『下半期の誕生日あるある』なんです。特に12月、1月は…」

と花陽。

 

 

「下半期の誕生日あるある?」

「この中だと唯一、海未ちゃんが共感してもらえるかと思うんですけど…」

「だから、なんのことよ?」

話が見えない!…とイラつく、にこ。

「いいですか、上半期って家族や友達とお祝いするようなイベントって少ないですよね?」

「上半期?えっ~と…夏休み?」

「穂乃果は小学生ですか?」

「また海未ちゃん、そういうことを言う…」

「…こどもの日くらい?」

と、ことり。

「七夕…はお祝いする感じではないわね…」

これは絵里。

「ところが、下半期はどうでしょう?ハロウィーン…は、さておき…11月から七五三、クリスマス、お正月、成人式、バレンタインデー、桃の節句、ホワイトデーと大事なイベントが盛り沢山!」

「確かに…」

一堂、納得の様子。

「そんな最中にある誕生日は、得てして、ないがしろにされがちなんですぅ!」

「なるほど…」

「特にクリスマス前後からお正月明けにかけての誕生日…花陽もそうですが…は、どちらかにまとめられてしまうことが多く、なんとなく『期待感』『特別感』が薄まるんです」

「ウチの知り合いにも、お正月の三ヵ日に誕生日の人がいるんやけど、やっぱり同じようなことを言ってたなぁ。プレゼントはお年玉にされちゃうとか、時期が時期だけに、友達を呼んでの誕生会を開いたことがないとか」

「はい、よくわかります」

大きく頷く花陽。

「あら、そんなこと言ったら私だって…」

「真姫ちゃんも?」

「4月だと、進学とか進級してクラス替えしたばかりだから『新しく出来た友達』が『気付いたときには』私の誕生日が過ぎてる…ってことは、よくあるもの」

「真姫ちゃんの口から『新しく出来た友達』なんて言葉、聴くとは思わなかったわ」

「希、それどういうこと?私だって小中は普通の子供だったんだから!」

「ごめん、ごめん…悪気はなかったよ…。でも、そうやね…ウチらも合流が遅れたから、リアルタイムでは間に合わなかったもんね」

「確か希の誕生会の時に合わせて、2人でプレゼントしたのよね」

「…私たちはなんとか間に合ったけど…もう少し真姫ちゃんの入部が遅かったら、来年までなかったかも知れないね」

「穂乃果は変わってるわよ。普通、会ったばかりで、あんなに根掘り葉掘り訊かないもの」

「まぁ、その強引さが穂乃果の穂乃果たる由縁なのですが…」

「そうだね」

海未の言葉に相槌を打つことり。

「ところで、さっきの下半期あるあるですが、私は花陽ほど、そうは思いませんよ…。確かに幼稚園に通っていた頃は、一番最後の誕生会ということで、私はいつになったら祝ってもらえるんだろうと思ったことはありましたが…今は、もう…」

「あぁ、それは海未ちゃん、わかってないですぅ…あ、いや、むしろ海未ちゃんだからわからないのかな」

「花陽、それはどういう意味でしょうか?」

「だって海未ちゃんは今のところ、クリスマスもバレンタインデーもホワイトデーも関係な…」

「そんなことはないです!!しますよ、穂乃果とことりとプレゼント交換くらいは…」

「相手がその2人じゃあ、夢がないです…」

「むっ!花陽!」

「あははは…これは海未ちゃん、1本取られたね」

「穂乃果!」

「かよちん、16歳になった途端、強気にゃ…」

と笑う凛。

「あ、そうだね!これで私も、ようやく海未ちゃんに並んだんだねぇ!ちょっとの間だけ、同い年です」

「おぉ!そうやね…海未ちゃんがまだ16歳っていうのが、逆に意外やけど」

「希、それは仕方ないです。私の誕生日は2ヶ月後なのですから」

「もう半月遅かったら、凛たちと同じ学年ってことだったわけにゃ」

「そうですね」

「そっかぁ…そうすると、穂乃果たちとは、出会ってなかった可能性があるんだねぇ…」

「そんなことを言ったら、私だったて1ヶ月ちょっと早ければ、穂乃果たちと同じ学年だったってことでしょ」

と真姫。

「えぇ、まぁ…」

「不思議だねぇ」

ことりが、うん、うんと頷く。

「それで花陽ちゃん、どうなん?16歳になった感想は?」

「感想?いやぁ、まだ昨日と全く変わらないですぅ」

「あははは…そうだよね。お酒が飲めるようになるわけじゃないしね」

「でも穂乃果ちゃん、バイクの免許は取れるんですよね」

「バイク?花陽ちゃんが?」

「花陽、それはやめた方がいいかと」

「うん、やめた方がいいにゃ!」

「花陽がオートバイに乗ってる姿なんか、想像出来ないわね」

穂乃果が、海未が、凛や真姫までもその発言を全否定。

「まぁ、在学中は校則で乗ったらいけないことになってるんやし、それやったら今取らなくても…って話やん」

「…あの…花陽が取るとは一言も言ってないんですけど…」

「にゃ?」

「そ、そやね」

「そうでしたね…」

プクッとふくれる花陽。

「まぁまぁ、みんな、花陽を心配してのことだし、そんなことで怒らないの」

と絵里に言われ

「怒ってはいないですけど…なんか複雑です…」

と返した。

 

「それで3年生は?」

訊いたのは穂乃果。

「えっ?」

「もう全員18歳でしょ?車の免許は?」

「そうね、年齢的にはクリアだけど、私はまだ受験があるし…卒業してからかしら」

「ウチもやね。内定はもらったんやけど、卒業してから通うつもり」

「アタシは車、運転しないから。アイドルはマネージャーさんが迎えにくるものでしょ?」

「…という妄想の話は置いといて…」

と、にこに真姫が突っ込む。

「妄想って何よ!…って、先立つ物がないのよ。アンタの家と違って、経済的な余裕がないからね!」

「べ、別にそういうつもりじゃ…」

「わかってるわよ。だけど、そういうこと。あれば便利だと思うけど、当面、車も買えないし。…そもそも、都内で生活していれば、そんなに必要じゃないんじゃない?」

「穂乃果は必要かな…」

「アンタのとこは自営業でしょ?それはそれで話が別よ」

「ははは…そうでした…」

「いずれにしても、μ'sの活動と平行して、車の免許を取りに行くなんて余裕はないわよ」

「えりちの言う通りやね」

「そもそも、3月に大会…って設定がおかしいのよ。普通に考えれば3年生には出るな!って言ってるようなものじゃない」

「にこちゃんの意見はもっともです。花陽もそれはそう思います。まぁ、今回のラブライブは急遽、開催が決まったという経緯(いきさつ)もありますし、今後も年2回になるかどうかは不透明なところがあるので、来年はまた違うかも…ですが…」

と言ったあと黙りこむ花陽。

「かよちん?」

「あ…ごめん、なんでもない…」

「また、私たちが卒業したあとのことを考えてたんでしょ?」

「絵里ちゃん…」

「ダメよ!にこはともかく、絶対卒業はするんだし、そうしたら部活には残れないことくらい、花陽もわかってることでしょ?いい加減、頭を切り替えなさい」

「アタシも卒業するわよ!」

「できるかにゃ?」

「危ないよね?」

「ぬわんですって!?」

「凛も穂乃果も、人の心配してる余裕はないんじゃない?すぐにくるわよ、期末テスト」

「あぁ、そうだった…ことりちゃん、勉強教えて」

「かよちん…以下同文にゃ…」

「穂乃果は仮にも生徒会長なんだから、もう少ししっかりしないと…安心して卒業出来ないじゃない」

「はい…」

「凛ちゃんも。後輩も入ってくるんやし…」

「わかってるにゃ…」

「頑張ろうね、凛ちゃん!」

「穂乃果ちゃん、頑張るにゃ!」

ふたりはお互い手と手を握りあって、健闘を誓いあった。

 

「なんか、だいぶ話が逸れちゃってないかな?」

そう言って軌道修正を図ったのは、ことり。

「花陽ちゃんの誕生日、忘れてるよ!」

「あ、ことりちゃん…別に、そんな…」

「今まで、みんなにプレゼントしてきたんだから、花陽ちゃんだけないわけ、ないでしょ」

「すごく、すごく迷ったにゃ」

「花陽ちゃんと言えば、お米!…というわけで、お米と思ったんだけど…さすがにこの間、優勝賞品でもらったばっかりだろうし…」

と穂乃果。

「もう、なくなりましたけどね」

「へっ!?」

「120kgがですか?」

「1年分でしょ?」

「あれ?言いませんでしたっけ?花陽には3ヶ月分だと」

「…言ってました…」

その時の会話を思い出し、確かに…と頷く海未以下8名…。

「じゃあ、お米でも良かったね」

「はい、全然」

ことりの言葉に笑顔で答える花陽。

 

「と、取り敢えず、お米は一旦忘れて…」

と穂乃果。

「はい、あと候補に上がったのは『ブラ』でしょ?」

「ブ、ブラ?」

「ほら、花陽ちゃん、胸が大きくなった…って…」

「あ、あぁ…そうですね…」

 

…ブラなら希ちゃんからもらいました…

 

「でも、さすがにそれは…ってことになって」

 

…きっと、それは希ちゃんが言いましたね…

 

「あとは『ピアノ』…」

「ピアノ?」

「…って言ってもちっちゃいやつね。キーボードっていうの?それと『ミシン』」

「ミシン?」

「『72色セットの色鉛筆』『アイドルDVD』』『サウナスーツ』…」

「サ、サウナスーツ!?」

「あと『シカコグッズ』とか」

「シカコグッズ!!それは興味あるかも…」

「…などなど、色々あったんだけど…最終的にこれだろう…って」

 

「誕生日おめでとう!」

とメンバーから、綺麗にラッピングされたプレゼントが手渡された。

 

「ありがとう!開けてもいい?」

「どうぞ、どうぞ」

「では…」

花陽が丁寧にリボンを解(ほど)き、包装紙を剥がしていく。

 

中から現れたのは…

 

 

 

「携帯炊飯器!?…っていうか、お弁当箱?…ひょえ~!なんですか、これは!…『お米が炊けるお弁当箱…お米が炊ける!おかずもホカホカに温められる!炊く・煮る・蒸す・焼く・茹でるの多彩な機能!1台5役! 和洋中あらゆる料理が作れます』…なんと、なんと、凄すぎますぅ」

 

「かよちん、大興奮にゃ!」

 

「『 調理ができるお弁当箱!…保温式のお弁当箱なんて時代遅れ!?ご飯を炊く、その蒸気で温めるなんて当たり前!…焼く・煮る・蒸す・煮込み・チーズフォンデュ・パンケーキが完全に調理ができちゃいます』『本格一人前を贅沢調理!お米の浸し、蒸らし時間もコンピューターが調整しながらご飯を炊きる!』『焼き物をしながらお弁当を楽しむことも!!』『おかずケースが3つ(大1コ、小2コ)になり、おかずの分類(汁物OK)が可能!! さらにフライパンと鍋フタが付属!』『沸かす機能搭載で電気ポットとしても利用可能!タイマー機能で好きな時間に食事ができる』…夢のようですぅ」

 

「使い勝手までは保証できないけど、こういうのって自分で買うの、勇気いるでしょ?」

「絵里ちゃん、メチャクチャ嬉しいです!」

「喜んでくれて良かった」

「ことりちゃん、ありがとう」

「でも、平日、教室では使わないでよね!授業中、炊飯器の蒸気がもくもくしてたら、シャレにならないんだから」

「あははは…真姫ちゃん、気を付けるね」

「それじゃあ、花陽ちゃん!16歳になった決意とか抱負を一言!」

「はい、穂乃果ちゃん!」

花陽の顔がキリッと引き締まった。

 

 

 

「今日は皆さん、ありがとうございます。素晴らしいプレゼントをいただき、感動してます…。小泉花陽、16歳!これからもアキバのお米クイーンの名に恥じぬよう、次回があれば優勝をめざして頑張ります!!」

 

 

 

ラブライブじゃなくて、そっちかい!!

 

メンバー全員、イスから滑り落ちた…。

 

 

 

…こっちのかよちんも、大好きにゃ!…

 

 

 

 

 

優勝をめざして

~完~

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