【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
…暇やね…
…今日はえりちも、にこっちもいないし…久しぶりに学校の中を巡回してみますか…
…といきなり、アルパカ前で第一村人発見!…って、ことりちゃんやん…
「カヨパカさん、カヨパカさん、次の衣装はどんなのがいいですか?」
…カヨパカさん?…
「そうですね…『ユメノトビラ』は淡い色で清楚な感じ…『Dancing stars on me』はハロウィーンベースの賑やかな衣装…『Snow halation』が雪をイメージした白だったので…順番から言っても、次はパッと明るい、華やかなのがいいと思います」
…花陽ちゃん?…カヨパカ…あぁ、そういうこと…
「やっぱり、そう思う?」
「春になりますし」
「そうだね」
「あの…カヨパカの意見を言ってもいいですか?」
「うん!」
「カヨパカは…『START:DASH!!』の衣装がいいと思います!』
「えっ?制服?」
「違いますよ…μ'sのファーストライブをやった、あの時の衣装です」
「あ!…でも、どうして?」
「まだ歌詞は出来上がってないみたいだけど、海未ちゃんから今回はμ'sとして活動した、この1年間をテーマにする…って聴いてます」
「うん、言ってたね」
「だったら、あの日の3人が…9人になりました!っていうのもいいかな…って」
「ふむふむ…」
「それに、ひとりひとりのパーソナルカラーを衣装に使えば、ステージ上に9色のお花が咲いたようになるし…」
「うん、うん…さすがカヨパカさん。頼りになるなぁ…」
「でも、本当を言うと、カヨパカがあの衣装を着たいだけなんですけど」
「えっ?」
「あ、いやカヨパカの知り合いの…小泉さんの話です。スクールアイドルになったら、あんな衣装が着れるんだ!あのステージの上の人たちみたいな衣装が着れるんだ!って。だから…その子にとっては憧れの衣装なんです」
「カヨパカさん…」
「今でもあの時の光景は、忘れていないみたいですよ!3人ともすごく可愛くて、格好よくて…って」
「でもね、カヨパカさん…あの日、あの時…その『小泉花陽さん』が来てくれなかったら、あの衣装の御披露目はなかったかも知れないんだよ。だからことりは、小泉花陽さんに逆に感謝してます」
「ことりちゃん…」
「そうだねぇ…よし、頑張ろう!小泉花陽さんは手伝ってくれるかなぁ…」
「大丈夫です。ちゃんとカヨパカが伝えておきますよ」
「うん!カヨパカさん、毎回毎回相談に乗ってくれてありがとう!!じゃあ、ことりは生徒会の仕事があるから、先に戻るね…」
「はい」
「また、あとで」
…っと、思わず立ち聞きしたゃったやん…
…それにしても…
…ことりちゃんのカウンセラーが花陽ちゃんやったとは…
…気持ちはわかるけど…
…ウチも花陽ちゃんには何でも話せるし…
…そうか…ことりちゃんもか…
その頃部室では、海未がノートとにらめっこしていた。
「どう?進んでるにゃ?」
やってきたのは、凛。
この間も絵里が同じ台詞で、入室してきた。
どうやら、今の時期、海未に対するこの言葉は、某刑事ドラマに出てくる「よっ!ヒマか?」と変わらないくらいの日常句になっているようである。
「だいぶ進みましたよ。あとは真姫の作った曲に合わせて、言葉をどう重ねていくか…です」
「見てもいい?」
「はい」
…どんな明日が待ってるんだろう…
…毎日手探りだった…
…真っ直ぐな想いで、本気でぶつかり合った…
…喧嘩もした…
…励ましあって…泣いて、笑った…
…だけど、みんなが見ていたのは同じ夢、同じ未来…
…行くんだ…強い自分になって、変わり続けて…
…目指してきたのは、このステージ…
…好きなことを信じて…
…毎日ときめいて…
…今日まで進んできた…
…奇跡という言葉があるなら…
…それが今、この瞬間…
…みんなの想いが導いた場所…
…みんなで叶える物語…
…ひとつになった私たちの心…
「どうですか?まだまだ完成には、ほど遠いですが…」
「スゴいにゃ!まさにμ'sの1年が詰め込まれてるにゃ」
「もっと言いたい、伝えたいことはあるんですけどね」
「そうにゃ!例えば凛が、にこちゃんと川に落ちたこととか…海未ちゃんのせいで遭難しそうになったこととか」
「そういう個人的な出来事までは、盛り込めません…」
と苦笑いする海未。
「どう?海未ちゃん、少しは進んだ?」
やはり同じ台詞で入ってきたのは、穂乃果。
「生徒会の仕事は?」
「ちょっと休憩。ことりちゃんが来たから、代わってもらった」
「そうですか」
「真姫ちゃんの方は、順調そうだったよ」
「穂乃果ちゃん、海未ちゃんもバッチリだにゃ!」
「いえ、まだまだですが…」
「どれどれ…」
と穂乃果がノートを覗きこむ。
「あ…『みんなで叶える物語』…μ'sのキャッチフレーズだね」
「えぇ、これは絶対に外したくないワードです」
「うん、うん…いいねぇ…。なんか、これ見ただけで泣いちゃいそうだよ」
「色々ありましものね…」
「ありすぎにゃ!」
「穂乃果の生徒会長就任とか…」
「ですから、個人的な話題は盛り込みません!」
…穂乃果ちゃん、さっき凛も同じようなことを言ったにゃ…
…考えることは一緒だね…
「う、うん…まぁ、個人のことは置いておいても、本当にドラマチックな1年だった」
「なら、ドラマにしちゃえばいいにゃ!」
「ドラマ?」
「あ、いいかも!時間制限ないって言ってたよね?」
「演劇は対象外です」
「だから…オペラ?ミュージカル?」
「ミュージカル?」
「面白そうにゃ!」
「…確かに、興味なくはないですが…規定としてどうなんでしょう…」
沼津にある高校のスクールアイドルが、地区予選において、いきなりミュージカルを始めて観客を唖然させるのは、これより数年経ってからのことである…。
~つづく~