【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

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心のメロディ その10 ~急用?休養!~

 

 

 

 

「あの2人がそんなことを…」

「そうなんだよ、ことりちゃん。ちょっと、ビックリしちゃった」

「穂乃果より、よっぽど大人ですね」

「確かに…返す言葉がない。我が妹ながら、たいしたものだね…」

 

…部室…。

 

穂乃果は昨晩の出来事を、振り返っていた。

 

 

 

 

 

昨晩、亜里沙は言った。

 

「雪穂に言われてわかったんです。私…μ'sが好き…9人が大好き…みんなが一緒に一歩ずつ進む…その姿が大好きなんだって。私が大好きなスクールアイドルμ'sに…私はいない!…だから、私は…私のいるハラショーなスクールアイドルを目指します!雪穂と一緒に!」

「雪穂と一緒に?」

穂乃果は、亜里沙の隣に立つ妹を見た。

「だから、いろいろ教えてね、お姉ちゃ…じゃない…穂乃果先輩!…なんてね…」

ペロッと舌を出す雪穂。

 

「…」

 

「あれ?まさかのノーリアクション?」

 

呆気に取られて、言葉を失う姉。

少し間を置いてから

「ううん、ごめん…ちょっと予想してなかったから…。あ、でも…そうだよね!?当たり前のことなのに…わかってたはずなのに…」

と穂乃果は自問自答した。

 

だが雪穂と亜里沙は、その言葉の真意がわからない。

「お姉ちゃん?どうかした?」

「ううん、なんでもない。そっか…雪穂、亜里沙ちゃん…頑張ってね!」

「うん!」

「はい!」

 

 

 

 

 

「『私が大好きなμ'sに、私はいない』…か…」

「なんか、哲学的な言葉だよね」

真姫の呟きに、花陽が答える。

「新入生2人は結論を出した。次は私たちの番ね」

「そうだね、真姫ちゃん。早くスッキリして、ラブライブに集中するにゃ~!」

凛は大きく両腕を突き上げて、力一杯叫んだ。

「あ、凛ちゃん、いい事言った!」

穂乃果はポンッと手を叩いて、なにか閃いた様子。

「にゃ?」

「スッキリしようよ!?みんなで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「休みの日くらい、ゆっくりさせなさいよ!」

「なにか急用?いきなり呼び出して…なにをするつもり?…」

「休養日やなかったん?」

 

今日は日曜日。

時刻は朝の9時を少し回ったところ。

にこ、絵里、希が不満を口にするのも、やむを得ない。

 

「うん、今日は休養日だよ。だから…」

 

「思いっきり遊びま~す!」

穂乃果が、声高らかに宣言した。

 

「はぁ?遊ぶって…」

「今日一日、楽しいことをいっぱいして、身も心もリフレッシュ!」

「一日、遊ぶの?逆に疲れそうじゃない!」

「いやいや、にこちゃん!たまには気分転換も必要でしょ?なにもかも忘れて、パーッと騒いで…楽しい!って気持ちをたくさん持って、ステージに立ったほうがいいし!ね?海未ちゃん」

「そ、そうですよ。穂乃果にしては正論かと。ことりはどう思います?」

「いいんじゃないかな?今日はとっても暖かいし」

「遊ぶのは、精神的な休養って本で読んだことがあります」

「花陽の言う通り。家に籠っててもストレスは発散できないでしょ!?」

「にゃ~!」

 

「どうしたの、みんな…」

「なによ、気持ち悪い…」

「今日はやけに強引やね…」

と絵里、にこ、希。

 

「えへへ…本当言うと…ほら、μ's結成してから、みんな揃って『ちゃんと』遊んだことないでしょ?一度くらいは、いいかなぁ…って 」

穂乃果の言葉に頷く、海未、ことり、花陽、真姫…そして凛。

 

…なるほど…つまり…想い出作り…やね…

 

「そういうこと?…仕方ないわねぇ!それなら、アタシが付き合ってあ…」

「でも、遊ぶって何するつもり? 」

「絵里!まだアタシが喋ってる!」

「お約束にゃ…」

「そうだねぇ…みんなはどこ行きたい?」

「穂乃果ちゃん、凛はラーメン!」

「花陽はご飯!」

「ことりはスイーツ!」

「ウチは焼き肉!」

「ハラショー!」

「ハラショー!じゃないわよ!行くわけないでしょ!まだ、朝の9時!」

「にこの指摘はもっともです」

冷静な海未。

 

「お昼ご飯は、またあとで考えるとして…他に行きたいところは?」

「はい、穂乃果ちゃん!凛は遊園地で遊びたいにゃ!」

「子供ねぇ…私は美術館がいいわ」

「真姫ちゃん、大人…。それなら、花陽は、まずアイドルショップに!」

「アダルトショップ?」

「いや、希ちゃん…アイドルショップ…」

「あ、アタシもそこに一票!」

「どうせなら、普段行けないとこがいいんやない?」

「例えばどこよ?」

「ラブホテ…」

「希!!」

「興味あるにゃ!」

「破廉恥です!希も凛も破廉恥過ぎます!」

冷静…じゃなくなる、海未。

「ほら、そういうこと言うから、こうなる…」

にこが希を睨みつける。

希はうん、うんと頷いて笑っている。

 

「それにしても、みんな行きたいとこがバラバラやね…どうするつもりなん?」

そう訊かれて穂乃果が出した結論…。

 

 

 

それは…

 

 

 

「ん~…じゃあ、全部!!」

 

 

 

「えぇ~!?」

「行きたいところ全部行こう!」

「本気!?」

「うん、にこちゃん!本気と書いてマジだよ!みんなが行きたいところを、全部行こう!」

「なにそれ?意味わかんない!」

「時間の許す限り…日が暮れるまで遊びまくろう!」

「面白そうやん!今から9ヶ所?超弾丸ツアーやね」

「しょうがないわね 」

「絵里!それはアタシのセリフ…」

「ようし、全力で遊ぶにぁ~!」

 

 

 

「μ's…出発進行!!」

 

 

 

 

 

~つづく~


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