【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
「あの2人がそんなことを…」
「そうなんだよ、ことりちゃん。ちょっと、ビックリしちゃった」
「穂乃果より、よっぽど大人ですね」
「確かに…返す言葉がない。我が妹ながら、たいしたものだね…」
…部室…。
穂乃果は昨晩の出来事を、振り返っていた。
昨晩、亜里沙は言った。
「雪穂に言われてわかったんです。私…μ'sが好き…9人が大好き…みんなが一緒に一歩ずつ進む…その姿が大好きなんだって。私が大好きなスクールアイドルμ'sに…私はいない!…だから、私は…私のいるハラショーなスクールアイドルを目指します!雪穂と一緒に!」
「雪穂と一緒に?」
穂乃果は、亜里沙の隣に立つ妹を見た。
「だから、いろいろ教えてね、お姉ちゃ…じゃない…穂乃果先輩!…なんてね…」
ペロッと舌を出す雪穂。
「…」
「あれ?まさかのノーリアクション?」
呆気に取られて、言葉を失う姉。
少し間を置いてから
「ううん、ごめん…ちょっと予想してなかったから…。あ、でも…そうだよね!?当たり前のことなのに…わかってたはずなのに…」
と穂乃果は自問自答した。
だが雪穂と亜里沙は、その言葉の真意がわからない。
「お姉ちゃん?どうかした?」
「ううん、なんでもない。そっか…雪穂、亜里沙ちゃん…頑張ってね!」
「うん!」
「はい!」
「『私が大好きなμ'sに、私はいない』…か…」
「なんか、哲学的な言葉だよね」
真姫の呟きに、花陽が答える。
「新入生2人は結論を出した。次は私たちの番ね」
「そうだね、真姫ちゃん。早くスッキリして、ラブライブに集中するにゃ~!」
凛は大きく両腕を突き上げて、力一杯叫んだ。
「あ、凛ちゃん、いい事言った!」
穂乃果はポンッと手を叩いて、なにか閃いた様子。
「にゃ?」
「スッキリしようよ!?みんなで!」
「休みの日くらい、ゆっくりさせなさいよ!」
「なにか急用?いきなり呼び出して…なにをするつもり?…」
「休養日やなかったん?」
今日は日曜日。
時刻は朝の9時を少し回ったところ。
にこ、絵里、希が不満を口にするのも、やむを得ない。
「うん、今日は休養日だよ。だから…」
「思いっきり遊びま~す!」
穂乃果が、声高らかに宣言した。
「はぁ?遊ぶって…」
「今日一日、楽しいことをいっぱいして、身も心もリフレッシュ!」
「一日、遊ぶの?逆に疲れそうじゃない!」
「いやいや、にこちゃん!たまには気分転換も必要でしょ?なにもかも忘れて、パーッと騒いで…楽しい!って気持ちをたくさん持って、ステージに立ったほうがいいし!ね?海未ちゃん」
「そ、そうですよ。穂乃果にしては正論かと。ことりはどう思います?」
「いいんじゃないかな?今日はとっても暖かいし」
「遊ぶのは、精神的な休養って本で読んだことがあります」
「花陽の言う通り。家に籠っててもストレスは発散できないでしょ!?」
「にゃ~!」
「どうしたの、みんな…」
「なによ、気持ち悪い…」
「今日はやけに強引やね…」
と絵里、にこ、希。
「えへへ…本当言うと…ほら、μ's結成してから、みんな揃って『ちゃんと』遊んだことないでしょ?一度くらいは、いいかなぁ…って 」
穂乃果の言葉に頷く、海未、ことり、花陽、真姫…そして凛。
…なるほど…つまり…想い出作り…やね…
「そういうこと?…仕方ないわねぇ!それなら、アタシが付き合ってあ…」
「でも、遊ぶって何するつもり? 」
「絵里!まだアタシが喋ってる!」
「お約束にゃ…」
「そうだねぇ…みんなはどこ行きたい?」
「穂乃果ちゃん、凛はラーメン!」
「花陽はご飯!」
「ことりはスイーツ!」
「ウチは焼き肉!」
「ハラショー!」
「ハラショー!じゃないわよ!行くわけないでしょ!まだ、朝の9時!」
「にこの指摘はもっともです」
冷静な海未。
「お昼ご飯は、またあとで考えるとして…他に行きたいところは?」
「はい、穂乃果ちゃん!凛は遊園地で遊びたいにゃ!」
「子供ねぇ…私は美術館がいいわ」
「真姫ちゃん、大人…。それなら、花陽は、まずアイドルショップに!」
「アダルトショップ?」
「いや、希ちゃん…アイドルショップ…」
「あ、アタシもそこに一票!」
「どうせなら、普段行けないとこがいいんやない?」
「例えばどこよ?」
「ラブホテ…」
「希!!」
「興味あるにゃ!」
「破廉恥です!希も凛も破廉恥過ぎます!」
冷静…じゃなくなる、海未。
「ほら、そういうこと言うから、こうなる…」
にこが希を睨みつける。
希はうん、うんと頷いて笑っている。
「それにしても、みんな行きたいとこがバラバラやね…どうするつもりなん?」
そう訊かれて穂乃果が出した結論…。
それは…
「ん~…じゃあ、全部!!」
「えぇ~!?」
「行きたいところ全部行こう!」
「本気!?」
「うん、にこちゃん!本気と書いてマジだよ!みんなが行きたいところを、全部行こう!」
「なにそれ?意味わかんない!」
「時間の許す限り…日が暮れるまで遊びまくろう!」
「面白そうやん!今から9ヶ所?超弾丸ツアーやね」
「しょうがないわね 」
「絵里!それはアタシのセリフ…」
「ようし、全力で遊ぶにぁ~!」
「μ's…出発進行!!」
~つづく~