【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
「では、近いとこから…にこちゃんと花陽ちゃんのリクエストからスタートしよう!」
…ということで、まずはアイドルショップに来た一同。
「すご~い!これ全部μ'sだぁ!μ'sだよ!」
穂乃果は嬉々とした表情で、陳列されている商品を眺めた。
「声が大きいわよ!」
にこが穂乃果に注意する。
「ん?」
「気付かれたら、大騒ぎになるじゃない!」
「そ、そっか…」
開店して間もないこともあり、まだ客は少ない。
それは、ある意味、彼女たちにとってラッキーだった。
にこが心配するのも無理はない。
今日はサングラスもマスクもしていない。
すっぴんなのだ。
μ'sのグッズを目当てに訪れる客に、バレぬハズがない。
これだけの人数…つまり全員で『ご本人登場』となれば、この場がパニックになるだろう。
そして、それは、その後の行動にも支障が出る。
だが、通い馴れていないメンバーは、自分たちの知らないところで、これだけ人気になっていることに対し、やはり興奮を隠せないでいる。
「わぁ~、私がこんなに沢山…恥ずかしすぎます!」
「…と言いながらも、海未ちゃん、ウチワやポスターを念入りにチェックしてるにゃ」
「凛!ち、違います!そんなつもりじゃ…」
「別に隠さなくてもいいのに。凛だって、嬉しいような、恥ずかしいような…。まさか、ここまでになってるとは思ってなか…えっ?なにこれ!『花陽ちゃんのおにぎり』?…さすが、アキバのお米クイーン!タイトルホルダーは違うにゃ」
…ところで、これって肖像権とかどうなってるのかしら…
至極当然の疑問を持ったのは絵里。
因みに…
訴えたら勝てる可能性が高いと思われる…が…見方を変えれば『無償で』μ'sの広報活動をしてくれている…と言えなくもない。
※少なくとも彼女たちが、宣伝に対する支払いをしている訳ではない。
プライベートな姿を狙われたなら別だが、衣装を着ている写真ならギリギリでセーフでなのだろうか。
要はμ'sが、これを容認するかしないかである。
「売り場面積は…A-RISEと同じくらい?肩を並べるくらいには、なったのかしら?」
「絵里、甘いわよ。向こうは3人。アタシたちは9人。つまり、あと3倍の面積で、やっと同等レベル…ってこと」
「地区代表にはなれたけど、まだまだってわけね」
「その通り!だから真姫、必ずμ'sを続けて、A-RISEを抜きなさいよ!」
「う、うん…」
「あれ?ことりちゃんは?」
「希もどこに?」
「…って、ちゃっかり、なにか買ってるし!」
「希も!」
穂乃果と絵里がレジに並んでる2人を見て笑った。
「かよちんもいないにゃ…」
「あそこじゃない?」
にこが指差す。
…『超伝伝伝・完全版』予約受付中?…
…こっちは『愛ドールマスター特別版』…
…果たしてどっちを買ったらいいのでしょう…
花陽は自分たちのグッズより、趣味に意識が飛んでいた…。
アイドルショップに続いて訪れたのは…
「え~!?絵里ちゃん、ゲームセンターに行ったことないの~?」
「穂乃果!そんなに驚かなくても…ゼロではないのよ、ゼロでは。でも生徒会長として、そういうとこに行くのは…」
「アンタ、どれだけ真面目なのよ!」
「じゃあ、次はゲームセンターね!」
…ということになった。
「穂乃果!勝負よ!」
「!」
「アタシはあの時の屈辱を忘れてないんだから…リベンジよ!」
「にこちゃん!このダンスのゲームのことだね?よ~し、返り討ちにしてみせるよ」
「思い出すねぇ…あれはリーダーを誰にするか決める時だっけ?」
「そうにゃ!カラオケ対決したり、ビラ配りしたり…」
「にこは全敗でしたね?」
「海未!違うわよ!それじゃ、アタシが全部最下位だったみたいじゃない?」
「似たようなものでしょ?」
「真姫、言ったわね!?あの時はブランクがあって…」
「始まってるわよ…」
「ぬわっと!」
にこは慌てて、リズムに合わせてステップを踏む。
ハッ!
ほっ!
ヨッ!
ふんっ!
アッ!?…
えいっ!
さすがラブライブ本大会出場チームのリーダー。
さすがμ'sが所属するアイドル研究部の部長。
両者、相譲らず…。
結果は…
「あ~…負けたぁ!!」
「うっふふ~ん♪これで宇宙No.1ダンサーはア・タ・シ・よ!」
…穂乃果、最後、手を抜きましたね…
「どう?真姫…って、見てないし!」
ガシッ!
バシッ!
バンッ!
ビシッ!
「なんの音!?」
にこと穂乃果と海未が、その方向に目を向ける。
そこには真姫、ことりと凛、そして花陽が、ある闘いに見入っていった。
「エアホッケー!?」
「絵里ちゃん、強いにゃ…」
「ロシアはホッケーの本場だもんね!」
「花陽、エアホッケーは関係ないんじゃない?」
ガコン…
「やった!」
「ありゃりゃ…でも、まだまだ。勝負はこれからやん!」
「いくわよ、希!」
「ここは負けんよ!」
えいっ!
ていっ!
そこっ!
甘い!
カウンター!?
…ガコン…
「よしっ!これで再び1点差に詰め寄ったやん!」
「希、ハラショーです!」
「花陽ちゃん、2人ともすごいね…」
「うん、ことりちゃん…早くて目が追い付かない…」
「希ちゃんも負けてないにゃ…」
「なんか、アンタもやりたそうじゃない…」
「べ、別に…私は…あ、にこちゃ…」
ビュン!
スコーン…
「パックが飛んだ…」
「そして、にこに直撃しましたね」
「お約束にゃ」
「アンタたち、アタシを殺す気!?」
「じゃあ、今のノーカウントで!」
「どっちからやったっけ?」
「こらこら、少しは心配しなさいよ!」
「これもお約束にゃ…」
~つづく~