【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~   作:スターダイヤモンド

92 / 121
心のメロディ その11 ~対決~

 

 

 

 

 

 

「では、近いとこから…にこちゃんと花陽ちゃんのリクエストからスタートしよう!」

 

…ということで、まずはアイドルショップに来た一同。

 

 

「すご~い!これ全部μ'sだぁ!μ'sだよ!」

穂乃果は嬉々とした表情で、陳列されている商品を眺めた。

「声が大きいわよ!」

にこが穂乃果に注意する。

「ん?」

「気付かれたら、大騒ぎになるじゃない!」

「そ、そっか…」

開店して間もないこともあり、まだ客は少ない。

それは、ある意味、彼女たちにとってラッキーだった。

 

にこが心配するのも無理はない。

今日はサングラスもマスクもしていない。

すっぴんなのだ。

μ'sのグッズを目当てに訪れる客に、バレぬハズがない。

これだけの人数…つまり全員で『ご本人登場』となれば、この場がパニックになるだろう。

そして、それは、その後の行動にも支障が出る。

 

だが、通い馴れていないメンバーは、自分たちの知らないところで、これだけ人気になっていることに対し、やはり興奮を隠せないでいる。

 

「わぁ~、私がこんなに沢山…恥ずかしすぎます!」

「…と言いながらも、海未ちゃん、ウチワやポスターを念入りにチェックしてるにゃ」

「凛!ち、違います!そんなつもりじゃ…」

「別に隠さなくてもいいのに。凛だって、嬉しいような、恥ずかしいような…。まさか、ここまでになってるとは思ってなか…えっ?なにこれ!『花陽ちゃんのおにぎり』?…さすが、アキバのお米クイーン!タイトルホルダーは違うにゃ」

 

 

 

…ところで、これって肖像権とかどうなってるのかしら…

 

至極当然の疑問を持ったのは絵里。

 

因みに…

訴えたら勝てる可能性が高いと思われる…が…見方を変えれば『無償で』μ'sの広報活動をしてくれている…と言えなくもない。

※少なくとも彼女たちが、宣伝に対する支払いをしている訳ではない。

 

プライベートな姿を狙われたなら別だが、衣装を着ている写真ならギリギリでセーフでなのだろうか。

 

要はμ'sが、これを容認するかしないかである。

 

 

 

「売り場面積は…A-RISEと同じくらい?肩を並べるくらいには、なったのかしら?」

「絵里、甘いわよ。向こうは3人。アタシたちは9人。つまり、あと3倍の面積で、やっと同等レベル…ってこと」

「地区代表にはなれたけど、まだまだってわけね」

「その通り!だから真姫、必ずμ'sを続けて、A-RISEを抜きなさいよ!」

「う、うん…」

「あれ?ことりちゃんは?」

「希もどこに?」

「…って、ちゃっかり、なにか買ってるし!」

「希も!」

穂乃果と絵里がレジに並んでる2人を見て笑った。

「かよちんもいないにゃ…」

「あそこじゃない?」

にこが指差す。

 

…『超伝伝伝・完全版』予約受付中?…

…こっちは『愛ドールマスター特別版』…

…果たしてどっちを買ったらいいのでしょう…

 

花陽は自分たちのグッズより、趣味に意識が飛んでいた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイドルショップに続いて訪れたのは…

 

「え~!?絵里ちゃん、ゲームセンターに行ったことないの~?」

「穂乃果!そんなに驚かなくても…ゼロではないのよ、ゼロでは。でも生徒会長として、そういうとこに行くのは…」

「アンタ、どれだけ真面目なのよ!」

「じゃあ、次はゲームセンターね!」

 

…ということになった。

 

 

 

「穂乃果!勝負よ!」

「!」

「アタシはあの時の屈辱を忘れてないんだから…リベンジよ!」

「にこちゃん!このダンスのゲームのことだね?よ~し、返り討ちにしてみせるよ」

「思い出すねぇ…あれはリーダーを誰にするか決める時だっけ?」

「そうにゃ!カラオケ対決したり、ビラ配りしたり…」

「にこは全敗でしたね?」

「海未!違うわよ!それじゃ、アタシが全部最下位だったみたいじゃない?」

「似たようなものでしょ?」

「真姫、言ったわね!?あの時はブランクがあって…」

「始まってるわよ…」

「ぬわっと!」

にこは慌てて、リズムに合わせてステップを踏む。

 

ハッ!

 

ほっ!

 

ヨッ!

 

ふんっ!

 

アッ!?…

 

えいっ!

 

 

さすがラブライブ本大会出場チームのリーダー。

さすがμ'sが所属するアイドル研究部の部長。

両者、相譲らず…。

 

 

 

結果は…

 

 

 

「あ~…負けたぁ!!」

「うっふふ~ん♪これで宇宙No.1ダンサーはア・タ・シ・よ!」

 

…穂乃果、最後、手を抜きましたね…

 

「どう?真姫…って、見てないし!」

 

 

 

ガシッ!

バシッ!

バンッ!

ビシッ!

 

 

 

「なんの音!?」

にこと穂乃果と海未が、その方向に目を向ける。

そこには真姫、ことりと凛、そして花陽が、ある闘いに見入っていった。

 

「エアホッケー!?」

 

「絵里ちゃん、強いにゃ…」

「ロシアはホッケーの本場だもんね!」

「花陽、エアホッケーは関係ないんじゃない?」

 

 

 

ガコン…

 

 

 

「やった!」

「ありゃりゃ…でも、まだまだ。勝負はこれからやん!」

「いくわよ、希!」

「ここは負けんよ!」

 

えいっ!

 

ていっ!

 

そこっ!

 

甘い!

 

カウンター!?

 

 

 

…ガコン…

 

 

 

「よしっ!これで再び1点差に詰め寄ったやん!」

「希、ハラショーです!」

 

「花陽ちゃん、2人ともすごいね…」

「うん、ことりちゃん…早くて目が追い付かない…」

「希ちゃんも負けてないにゃ…」

「なんか、アンタもやりたそうじゃない…」

「べ、別に…私は…あ、にこちゃ…」

 

 

 

ビュン!

 

 

スコーン…

 

 

 

「パックが飛んだ…」

「そして、にこに直撃しましたね」

「お約束にゃ」

 

「アンタたち、アタシを殺す気!?」

 

「じゃあ、今のノーカウントで!」

「どっちからやったっけ?」

 

「こらこら、少しは心配しなさいよ!」

 

 

 

「これもお約束にゃ…」

 

 

 

 

 

~つづく~


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。