【ラブライブ μ's物語 Vol.1】Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~ 作:スターダイヤモンド
「わーい、ペンギンさんだ!」
「ヨチヨチしてて可愛いねぇ」
次に訪れたのは動物園。
…アルパカペアは、ここでも意気投合やね…
希は優しさ半分、羨ましさ半分という気持ちで2人を見ている。
「ピヨ、ピヨ…」
「え~、ことりちゃん、ペンギンさんはピヨピヨって鳴かないんじゃないかな?」
「じゃあ…チュン、チュン?」
「それも違うような…」
「ことりちゃん、花陽ちゃん、ウチが正解を教えてあげるよん!」
…ここら辺でウチをアピールしておかないと、花陽ちゃんに忘れらちゃうからね…
「ズバリ…『ブフォフォ~~~』」
「うそ?象さん?」
「ラッパ?」
ブゥォ~ブフォフォ~
「うわっ、本当にそうだ!」
「ペンギンさんて、あんな鳴き声なんだね…」
「希ちゃん、物知りだねぇ!」
「あれ?言わなかったっけ?ウチ、ペンギンと一緒に南十字星を見たって!」
「あっ!」
班が違ったので直接聴いたわけではないが、それは合宿の時、海未と凛に、希が語った話だ。
ことりと花陽は、顔を見合わせて言った。
「あれって本当だったの?」
ふふふ~ん…とドヤ顔の希。
…アピール成功!…
「さて、えりちたちは…お、あんなとこに…」
3人は、絵里たちがいるところに移動した。
「フラミンゴ?」
「穂乃果ちゃん、みんなで並んで、なにしてるん?」
「片足立ち…フラミンゴの真似だよ。よっと…とっ、とっ…」
そんな中、見事なバランスで微動だにしないのは、絵里。
「おお~~!!!!! 」
「さすが片足立ちのプロですね !」
海未は感嘆の声。
「アタシだって、それくらい…よっ!」
「にこちゃん、それじゃ『シェーッ!!』に、なってるにゃ」
あははは…
「どうせ、アタシはオチ担当よ…」
ボウリング場…。
学年別に分かれ、3チームの対抗戦。
しかし、ここでも、絵里の独壇場だった。
9フレームを終わって、フルマーク…いやオールストライク。
もう他のメンバーも、自分のスコアには興味ない。
固唾を飲んで、投球を見守る。
…ボウリング初挑戦やって言ってたけど…ビギナーズラックでは片付けられんね…
…えりち、恐るべし!…
希は親友の潜在能力の高さに、驚きを隠しきれなかった。
迎えた、10フレーム…。
1投目…ストライク!
2投目…ストライク!
そして…3投目…
「パンチアウトぉ~!!」
メンバーは自分のことのように、飛び上がり、抱き合って喜んだ。
「ボウリングって楽しい~!!」
「ハラショー…」
いつもは絵里が言う決めゼリフ。
この瞬間だけは、メンバーが使うこととなった。
スタッフに導かれて、記念撮影。
‐パーフェクト達成者 絢瀬絵里さんとその友人‐
みんな笑顔で写真に収まった。
「『パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ』 …なんやって」
美術館に移動した一行。
絵里ばかりに活躍させじ…と希が自慢気にメンバーに教える。
「それがピカソの本名にゃ?」
「希は本当に博学なのですね。前も落語の『寿限無』を語っていましたし…」
凛と海未…合宿で一夜をテントで共にした2人。
希が語った南十字星の話は、未だ半信半疑でいるが、ここまで色々な知識を披露されると、まんざら嘘でもないのでは…と思えるようになってきた。
「因みに、ちゃんと意味があって『小さな使徒よ お前は神が与えた人間である 神の恵みである 聖母マリアの救いである 渦巻く三位一体 それはキリスト教徒の戦いである…ツルハシ便利』」
「ツルハシ?」
「便利?」
その説明に、メンバーが口々に疑問符を投げ掛ける。
「まぁ、そこは説明が必要なんやけど…それはまた、別の機会に…ね」
「希ちゃんはピカソが好きにゃ?」
「ウチ?ウチが好きな画家は…ダリなんよ」
「ダリ…って誰?」
「にこちゃん、寒いにゃ…」
「そんなつもりじゃ、なかったんだけど」
「希はダリですか。私はマグリットです」
…希も海未も、やはり少し変わってるわ…
真姫は『自分の理解を越えた性格の2人』が、シュールレアリズムの画家を選んだことに、なんとなく納得した。
「真姫ちゃんは、誰が好きなん?」
「えっ?私?私は…ミケランジェロかしら」
「ことりはモネかな」
「あ、わかります!花陽もモネは好きです!」
「柔らかなタッチがいいよね?」
「はい!」
「私は…ドガね」
「えりちはドガなんやね。バレリーナの絵が多いから?」
「そうね。単純かしら」
「いいんやない、それは人それぞれやし」
「画家の好みひとつでも、結構性格が出るわね」
「穂乃果ちゃんは?」
「えっ?」
ことりの急な『フリ』に、一瞬焦る穂乃果。
「わ、私は…イルカの絵を描く人…」
「ラッセン?」
「そう、その人…ラッセンが好き!」
…ここにきて、まさかの芸人ネタ?…
…しかもビミョーに古いにゃ…
にこと凛が、穂乃果に冷たい視線を送る。
ことりと花陽、それに希は苦笑い。
絵里、海未、真姫は「なにかあった?」と言う顔をしている。
どうやらそれは、当の本人も同じようで
「穂乃果、変なこと言った?」
と訊いた。
…ネタじゃないのかい!…
…なお、たちが悪いにゃ…
ギャグには厳しい、2人だった…。
~つづく~