翡翠色のアスタリスク   作:サバ缶みそ味

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ジョインジョイントキィ
デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー


トラウマとコンボと時々ロープ

「ねえねえ□□!どうして一緒にお話ししないの?」

 

 白い蛍光灯が照らすコンクリートの壁に覆われただだっ広い部屋で白い服を着た少年はコンクリートの壁に唯一ある窓を睨み付けている黒い服を着た少年にしつこく話しかける。

 黒い服の少年は何も答えずに真っ黒で中が何も見えない大きな窓をずっと見上げたまま動こうとはしない

 

「□□!聞いてるの!」

 

「あ、ああ悪い■■。外がちょっと気になってな…」

 

「もー、ちゃんと聞いてよね。てっきり聞こえなくなったかと心配したんだから!」

 

 白い服の少年は頬を膨らませて黒い服の少年に怒る。黒い服の少年は苦笑いで軽く謝った。謝ったのに満足したのか白い服の少年はにっこりと笑い白い部屋の真ん中にいる『もの』に駆け寄った。

 

「ところで□□、どうして途中でお話しするのやめたの?『これ』とのお話は楽しかったのにさぁ」

 

 白い服の少年は楽しそうに寝転がっている『もの』を強く踏みにじる。その『もの』は迷彩柄の軍隊の服を着た少年たちよりも体格がはるかに大きく逞しい禿頭の大男であり、人間であった。男は体中斬られ、肉は抉られ、四肢は両断され、血が流れ水溜まりができている。

 黒い服の少年はその男にはなんの哀れみもなく、ただ無情に眺める。しかし、白い服の少年には悲痛な眼差しを見せた。それにも気づかず白い服の少年は楽しそうに話す。

 

「『これ』はさ、すごく強い兵隊さんの偉い人だったけど何年か前に起きた石の大雨で家族を失って、絶望したんだって。でも、自分を励ましてくれた女の人に恋して仲良くなったってさ。そんな時に『フクロウのおじさん』に恋人を殺されちゃって、復讐するためにここまで来たんだって!面白い話だよね!」

 

 無邪気に笑う白い服の少年に黒い服の少年はうんともすんとも言わずただただ見つめることしかできなかった。ふと動かなかった男がビクリと痙攣しながら動いた。

 男は顔を黒い服の少年に向けて虫の息の如く掠れた声で呻く

 

「た…助け…て…」

 

男は黒い服の少年に助けを求めていたがそれは叶わなった。まだ息があったことに気づいた白い服の少年は翡翠色のジャックナイフで男の首を何度も何度も刺した。

 

「だめじゃないか。壊れた『もの』はもう用はないんだよ。君のお話しも飽きたんだから『もの』は『もの』らしくいてよね」

 

動かなくなった男に白い服の少年は何度も何度も刺し続けた。無邪気な姿を見ている黒い服の少年の目は悲しさと悔しさが募っている

 

 

 ああ、もっと早く止めることはできなかったのか。ずっとずっと後悔だけが残っているばかりじゃないか。こうして何もできずにあいつをどんどん『人』ではなくなっていく様を見届けているだけだ。

 だからこそ、今度こそ、俺は『あいつら』を…

 

 

 

 

 

「私が贈った『唄』はうまく育まれているようだな…さて、次は『籠の中の鳥』を放とうではないか」

 

 

 

 

 俺の後ろから男の声がした。その声を聴いて俺は目を見開き、絶望と恐怖で体が震えて動くことができなかった。俺の後ろにいる男に気づいたあいつは嬉しそうに駆け寄っていく。そして俺は金縛りのように動かない首を無理やり動かして男を見た。

 

 

 

 

    男の眼は暗闇を飛ぶ梟のように黒く、鋭く、俺を見下ろしていた

 

 

 

                  ~*~

 

 

「うおわぁっ!!?」

 

 俺はガバリと控室のソファーから勢いよく起き上がった。息を荒げながら自分の手を、右手首についている翡翠色のブレスレットを見つめる。ブレスレットは控室のライトで不気味に光る。体中に嫌な汗がついている。息がようやく落ち着いてきたので大きく息を吹いて深呼吸をした。

 

「…亨介。大丈夫か?」

 

 気づけば綾斗と綺凛ちゃんが心配そうに俺を見つめていた。綺凛ちゃんに至っては涙目で俺の様子を伺っているし…怖い思いにさせたのなら本当に申し訳ない。

 

「大丈夫だ。ちょっと嫌な夢をみただけさ」

 

「本当か?私たちが来たときお前は苦しそうに呻いていたぞ?」

 

 部屋の隅でユリスは心配そうに見ていた。もし体に異常があるのならば医者も呼ぶぞと声をかけるが亨介は笑って首を横にふる。紗夜は起きた亨介に近づき頭を撫でる

 

「もし困っているのなら私たちに話して。力になる」

 

「ありがとうな。でも、心配はねえ…ま、俺の問題だけどな…」

 

 俺は最後の方は聞こえないように呟く。…こればかりはどうにもならないからさ。ソファーから降りて背筋を伸ばす。思い出した、3日目の第2試合はあの李姉妹との試合だ。そろそろ時間になるし行かなくては。…って、あのアホの帝王の姿が見えないんだけど…?

 

「あのアホ、どこに行ったか知らない?」

 

「え、えと…私たちと控室に向かう途中にサザン先輩が何か思いついたようで『すぐに戻る』と言ってどこかへ行ったんですけど‥‥」

「サザン曰く『帝王らしさがなかった』とぬかしていたがな…」

 

 綺凛ちゃんとユリスの話を聞いてるとあれだわ。もう嫌な予感しかしないわコレ。そんな折、タイミングよくサザンがどや顔で戻ってきた。あかん、これはやばいやつだ。

 

「フハハハハ!行くぞ、亨介!!これを使ってこの俺をアピールするのだ!!」

 

「‥‥うそだろ、おい…」

 

*************

 

試合3日目、シリウスドームにて亨介とサザンペアと李姉妹の試合が行われようとしていた。ステージにはすでに李姉妹は出ており、実況と解説による李姉妹の詳細と解説が終わろうとしていたところだった。

 

『…ということで、界龍第七学院から出場の李菊花選手と李桜花選手の紹介でした!さて、彼女たちの対戦相手は、星導館学園のダークホースであり、星導館学園一の問題児タッグ、千利亨介選手と南星・サザン選手でございます!!』

     

歓声とともにゲートから亨介とサザンがステージへと歩み出てきた。しかし彼らの姿を見て観客席からどよめきと笑い声が響いた

 

    『星導館☆我らが帝王☆サザン☆』

 

とでかでかと書かれた文字とでかでかとドヤ顔のサザンの悪役らしい笑顔の顔が写っている旗を亨介が掲げ、その後ろで高笑いしながら登場したのであった。

 

『な、なんというパフォーマンスでしょう!ば、場違いな雰囲気ですが自分をアピールしているサザン選手は清々しい笑顔でご満悦の様子です!』

『というより旗を持っている千利選手は死んだ魚のような目をしてるッスね…いろいろと諦めた様子っす…』

 

 

 「やってられっかぁぁぁぁっ!!」

 

亨介は我慢の限界になり旗を投げ捨てた。サザンはいつものように後ろの隅で椅子に座ってくつろいでるし、相手の李姉妹はプルプルと怒りで震えてるし、こいつの旗を持っているのに戦うの俺だからね!?俺は悪く無くね!?

 

「ふぅ、では任せたぞ亨介。」

「うん!お前いつか殴るからな!」

 

「さあ亨介。引導を渡してやるネ!」

「亨介さん…覚悟!」

 

「ねえ、完全に俺アウェーなの!?チクショウ!てめえらなんか怖くねー!ヤロウ、ブチノメシテヤラー!!」

 

亨介はやけくそになって翡翠色のマラカスを展開させて構えた。

 

『千利選手、もうやけくそになってますね…!色々と吹っ切れたようで安心しました!今回、千利選手はマラカスを展開しましたが…』

『相手は『石破』と『兵破』という強力な一撃と受け流す反撃を組み合わせた戦い方をするッスからねー。リーチを短くして接近戦に持ち込むと思うッスよ』

『なるほど…いよいよ試合開始の時間がやってまいりました!果たしてこの激闘を制すのはどちらでしょか!それでは本日の第二試合、スタートです!!』

 

 

『≪鳳凰星武祭≫Gブロック二回戦一組 ≪試合開始≫!』

 

 

 

 「参ります!!」

 

 第一声とともに桜花が亨介に向けて駆ける。その駆ける速さは一瞬姿が消失する程のスピードで、あっという間に亨介は彼女の間合いに入っていた。

 

 焦る亨介はすかさずマラカスを振り下ろす。しかし振り下ろされたマラカスは空を切った。桜花は一瞬姿が消える程のスピードで後ろへ下がったのだった。

 

「『石破剛掌拳』!!」

 

桜花が下がったと同時に亨介へ迫っていた菊花が星辰力をフルに上げて拳を放つ。亨介は放たれた剛拳を防ぐがその振動と反動までは防ぐことができなかった。後方へふっ飛ばされすかさず受け身を取り体勢を立て直した。

 

「ふー、とっさに星辰力で防いで正解だったぜ。そうじゃなかったらこれじゃなくて腕が粉々になってた」

 

 

亨介はヒビが入って粉々になった翡翠色のマラカスを解除し、一息入れて李姉妹を見る。桜花は真剣な眼差しで亨介を睨み、菊花はこれで仕留めることができなかったため悔しそうにしていた。

 

 

「確か妹の一瞬姿を消すように相手に迫る技は『兵破夢想流舞』ってやつだな。そんでそいつに翻弄されている隙に菊花の一撃で仕留める。スピード撃破作戦ってところか?」

 

 

 ドヤ顔で解説したけども、危なかったー。昨日の夜に夜吹に姉妹の試合の映像を見せ貰わなかったら負けてたかもしれないぜー。しかし、ほんとうに厄介だな、闘気ってやつは。

 

 

 闘気、所謂『気』というものであるが界龍では星仙術と同様に最も特化された『星辰力』の一種である。主に武術に長けた者、極めし者が習得し、闘気を放ったり、形状、性質を変化させ攻撃をする流派もあるのである。

 少し冷や汗を掻いている亨介をよそに姉妹は不敵に笑う。

 

「ま、これも手の内のひとつネ。でも、これから私たちの連撃を防ぐことは不可能ネ!」

 

菊花が星辰力を高め駆ける。その菊花の後ろでは桜花が闘気を込めていた

 

「いきます!『闘頸呼法』!」

 

桜花が床へ二本指を突き刺すと4つの衝撃波が放たれた。地を走る衝撃波は駆ける菊花を追い越し亨介へと迫る。

亨介は右へと走るが衝撃波も右へと方向を変え地走る。

 

「ちょ、ホーミングかよ!」

 

亨介はデッキブラシを展開させ4つすべての衝撃波を壊す。その爆風と爆炎の中から菊花が飛び出してきた

 

「『石破羅裂拳』!!」

 

菊花から無数の拳が繰り出される。亨介はその拳を防ぎ、躱すが真正面に拳が迫ったとき高くジャンプして飛び越したた。だが着地する寸前、亨介の目の前には桜花がおり、迎撃態勢に入っていた。飛び越したと同時に亨介へと『兵破夢想流舞』で一瞬で間合いに詰めていたのだ。

 

「かかりましたね。『兵破破流掌』!」

 

桜花の裏拳が直撃し吹っ飛ばされる。亨介は焦る。ふっ飛ばされたその先には菊花が闘気をため込んでスタンばっていた。菊花の腕が闘気で真っ赤に炎のように染まっている。あれに当たったらやばいと亨介の直感が喚く

 

「『石破天将雷撃』!!」

「あぶねぇっ!?」

 

渾身の力を込めた手刀が振り下ろされる寸前に亨介は体制を立て直し躱した。菊花の立っていた場所は大きくへこみ地面には無数の亀裂が走っていた。

 

「完全にやる方だ。『殺』ってかいて『やる』やつだこれ!?」

「つべこべ言わずさっさとやらるネ!」

 

 

亨介はデッキブラシを振るう。菊花はぐるりと一回りすると入れ替わるように桜花が入り込み両手でデッキブラシを押さえる。桜花はすかさぞ亨介の腕に袖を絡ませ勢いよく投げ飛ばす。

 

「なっ!?」

 

「『石破砕覇拳』!」

 

菊花の闘気を込めた渾身のアッパーが亨介の鳩尾に直撃し高く打ち上げられた。

 

「桜花!」

「はい!」

 

腕を前へ伸ばす菊花は走る桜花を乗せ、バレーボールをレシーブで返すように上へ飛ばす。

 

「『兵破鎚輪脚』!」

 

 

桜花は体を一回転してその勢いで踵落としを繰り出し亨介を叩き落とす。地面にたたき落とされた亨介はなんとか立ち上がろうとするが先ほどの鳩尾に直撃したダメージが残っており痛みに耐えながら起き上がる

 

「かはっ…容赦ねーなおい…」

「じゃあさっさとギブアップするがヨロシ」

 

菊花はゆっくりと亨介に歩み寄る。しかし彼女の真っ赤になった右手は炎が揺れるように闘気のオーラがあふれている。亨介は舌を出して挑発をした

 

「だれが、ギブアップするかよ」

 

「それじゃあ‥‥滅するがいいネ」

 

菊花が拳を握りしめ腕を引く。これやばいやつだ。当たったら天に滅するやつだこれ。亨介は大きく後ろへ飛び下がった。

 

「『兵破酔舞撃』!」

 

後ろから桜花の当身が繰り出され、直撃した亨介は前へ飛ばされカミングアウト。菊花の真正面へ戻された亨介はひくひくと口だけ笑ってひきつった。

 

「うそ…」

「天に滅せぇぇぇぇぇいっ‼」

 

床が崩壊するとともに菊花の剛拳をくらった亨介は物凄いスピードで隅の壁まで吹っ飛ばされ爆発するかのように土埃が勢いよく舞い上がる。

 

『菊花選手の剛拳が直撃したぁーーっ!!』

『あれはさすがに千利選手でもまずいっスねー』

 

菊花は桜花とハイタッチをし、椅子に座って一部始終を眺めていたサザンに指をさす

 

「さぁ、今度はお前の番ネ!」

「シュウ様の敵、取らせていただきます!」

 

李姉妹はサザンを睨みつけているがサザンは椅子から立ち上がろうとはせず、寧ろ呆れてるかのように見ていた

 

 

「何を言っている。お前たちの相手はまだ倒れてはおらんぞ?」

 

 

 姉妹ははっとして後方を見る。ようやく土埃が薄れていった時、そこには亨介は傷一つ負ってないかのように立っていた。

 

「マジかヨ…私の全身全霊の拳を受けて立ち上がるなんてありえないネ!」

 

 

 亨介は全身全霊の拳を受けた胸のあたりをさすりながら首をこきこきとならす

 

「生憎、打たれ強さに特化してるんでね。」

 

 亨介はデッキブラシを解除して両手に翡翠色の軍手を展開させる。そして不敵に笑いながら身構えた

 

「もう頭にきた。容赦はしねーから覚悟しとけよ?」

「それはこっちの台詞ネ!」

 

桜花と菊花は駆ける。桜花はいつものように『夢想流舞』で一瞬で亨介の懐まで迫った。しかし亨介の目線は桜花を既にとらえていた。

 

(まさかこのスピードについてきている!?)

 

 桜花はすかさず手刀を振るうが亨介はその腕をつかみ菊花の方へ投げる。菊花は投げ飛ばされた桜花を受け止めてくるりと回り亨介に拳のラッシュを繰り出す。

 亨介はその拳のラッシュを軽くいなす。体勢を立て直した桜花も加わり菊花と共に拳のラッシュを繰り出した。しかし、亨介はリズムよく拳を防いだり躱したりしていた。

 

「このっ…!チョコマカしつこいネ!」

「姉さん、亨介さんはなにか企んでます。気を付けて!」

 

 

後ろへ飛び下がり間合いを離す亨介はにやりと笑う

 

「縦横無尽に駆けて変幻自在のように拳を繰り出すからな、一人で倒すのが面倒だ。そこで一ついいことを思いついた。」

 

亨介は軍手を解除すると翡翠色のロープを展開した。そのロープは大きく撓り長さもかなりありそうだ

 

「鞭術ネ?長いリーチで倒そう手なんて甘いネ!」

 

菊花は闘気を右手に込めて亨介に拳を振るった。しかしひらりと躱した亨介は目にも止まらぬ速さでそのロープを巻き付けた。その手を止めぬまま迫る桜花にも巻き付けて最後は思い切り引っ張った。

 

「なっ!?」

「あっ‥‥」

 

引っ張られた勢いで二人の体がぶつかる。手首、足、体を絡まるように縛られ身動きが取れなくなったのだった。亨介は一息入れて手をパンパンと払う

 

「捕縄術ってやつでな。一人が無理ならいっそのこと二人にまとめちゃおうってやつ?」

 

 

「こんの…っ!」

「ね、姉さん、引っ張らないで…っ!」

 

無理やり引っ張って解こうとするが、互いが互いを引っ張ることになりもはや解くことすらままならなかった。

 

『な、なんということでしょう!縄で縛って相手の身動きを封じたっ!…ですが縛り方はちょっと試合的には大丈夫でしょうか…?』

『ま、まあ捕縄術は武術のひとつッスからねー。一応セーフっス』

 

観客席からの歓声からは『ええぞ!ええぞ!』『もっとエロく!』『薄い本がー!』という声が混ざっていた。そんな声をよそに亨介はにこやかに姉妹に話しかける

 

「さ、どうする?ギブする?」

 

「誰がするもんかネ!」

 

「ですよねー。モラルを問われるが…悪く思うなよ!」

 

亨介はロープを片手で思い切り引っ張る。姉妹ごと亨介のところへなす術なく勢いよく引っ張られた。亨介のもう片方の手にはデッキブラシが展開されていた。

 

「オラアアアッ!!」

 

亨介は力任せにデッキブラシを叩きこんだ。

 

「「きゃああああっ!?」」

 

縄が解かれもんどりうって吹き飛んだ姉妹はそのままぴくりと動かない。そんな姉妹を亨介は申し訳なく見ていた

 

「わりい、あとでお前らの代わりにサザンを殴っとくから堪忍な」

 

 

『李菊花、李桜花、意識消失(アンコンシャスネス) 試合終了! 勝者、千利亨介&南星・サザン!』

 

 

歓声と喝采でステージは包まれた。実況と解説をよそに亨介はサザンを見た。サザンは見飽きていたのかうたた寝をしている。

 

「とりあえず、てめーは反省しろやゴラァ!!」

 

亨介は助走をつけてサザンにドロップキックをお見舞いした。

 

~*~

 

「あーそこ、もうちょっと強く…」

「亨介先輩、ものすごく凝っていますね!やりがいがあります!」

 

控室にて、ソファーにうつ伏せに寝込んでいた亨介は清霜にマッサージをしてもらっていた。ユリスは亨介といつまでも高笑いをしているサザンを呆れるように見つめる。

 

「お前たちは色々と吹っ切れているな。特に亨介は…」

 

「ちょ、そんな目で見るなよ。縛るのは趣味じゃねえぞ。てゆーか天霧辰明流にも縛法あんだろ?」

  

「ま、まあ一応あるけど…」

 

「ほら見ろ。ユリスなら綾斗に縛られたいーって思ってるんじゃね?」

 

「…清霜、私と代わってくれ。私がマッサージしてやろう」

 

ぷっつんとユリスの中で何かが切れていた。ユリスは亨介を養豚場の豚を見るような眼でゆっくりと近づく。

 

「ちょ、ユリスさん?め、目つきが物凄くこわ(ry)あだだだだだだだだ!!」

 

ユリスは亨介に逆エビ固めをして亨介をシメた。ギブギブと何度も床を叩くがユリスは止めない。インガオホーである。そんな様子を見ていた神通は興味津々に綾斗に質問をした。

 

「綾斗くん、ユリスは格闘技が得意なんですか?色々と鍛えているようですけど‥‥」

「うん、違うんだけど、こうなったのは主に亨介のせいなんだけどね」

 

そういえばと彩斗は携帯端末を開いて明日の予選を確認をした

 

「神通さんと清霜ちゃんの明日の相手はクインヴェールの蓮華さんと恋歌ちゃんのペアの試合だね」

 

「ええ。とても美味しいケーキを作ってらっしゃるとか、ケーキ食べたいですね」

「うん!明日は頑張ります!」

 

二人は張り切って気合い(食い気とやる気)を入れた。その隅で亨介はいまだに逆エビ固めをされていたまま悶えサザンはそれを見て高笑いをしていた。

 

「フハハハ!」

 

帝王、ご満悦である




ナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォ ゲキリュウデハカテヌナギッナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーンテンショウヒャクレツケンナギッハアアアアキィーンホクトウジョウダンジンケン K.O. イノチハナゲステルモノ

今回の姉妹戦はこんな感じです。ビームはまた今度で…

次回のおかまとデスデスペアは清霜ペアか紗夜ペアかどっちで戦うか悩みました。
紗夜ペアにはアルディ、リムシィペアというライバルがいらっしゃいますので


それでは次回へ
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