翡翠色のアスタリスク   作:サバ缶みそ味

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┌┤´д`├┐<執念が足りん


‥‥それではスタートです


根性と釣りと時々┌┤´д`├┐

さぁ、やってやるデスよーっ!!」

 

 恋歌が石突を地面に突くと彼女の周りからくの字の形をした光弾が5つほど漂いだし、神通めがけて飛び交いだした。神通は飛び交う光弾を躱すが一発だけ目の前に迫ると小太刀で防いだ。光弾は弾けて消えると急に小太刀が重くなりがくりと腕が落ちそうになる。

 すかさず小太刀を地面に突き刺し後ろへ下がる。そんな彼女を蓮華は追いかけて連撃を放つ。

 

「小太刀一本だけで私たちの猛攻を防げるかしら!」

 

 蓮華の猛攻は止まることなく攻めたてる。神通はその猛攻を防ぎ躱し、小太刀で隙を狙い定める

 

「そうはさせないデスよ!」

 

恋歌が鎌槍を振り回し大車輪のように回転して神通に斬りかかる。その攻撃を躱そうとしたその時横腹に激痛が走る。蓮華の二―キックが直撃した。一瞬の怯みをみせた神通にすかさず鎌槍が振り下ろされる。その刃を星辰力で防いだ。

 

「フル怒ライ舞デス!」

 

マフラーから爆音と煙が吹き上がり勢いが増す。神通はそのまま弾き飛ばさる

 

「…っ!」

 

 体勢を立て直した神通は苦痛を感じないかのように静かに真剣な眼差しで蓮華達を見つめたまま小太刀を構える。蓮華はそんな彼女に拍手をした

 

「なかなかやるじゃない。さすがは『明鏡止水』、体の一部分が重い比重をかけられていても眉ひとつ曇らせないなんて素晴らしいわ!」

 

 神通の右腕と左足がわずかに震えていた。その部分は恋歌の能力で比重が大きくかかり普通の生徒では持ち上げることができない程である。

 

「はぁっ…はぁっ…」

 

 神通は後ろで前のめりに倒れている清霜を見た。彼女は重くなった艤装に押しつぶされないように必死に耐えている。このまま長期戦に持ち込んでしまうと体力は持たないだろう。この状態を解くには…

 

「やっぱり、狙いを恋歌に定めたようね…でも手遅れでしてよ?行きますわよ、恋歌。フォーメーション『デンジャラスフルーツ』!」

「デスデスデースッ!!」

 

 合図とともに恋歌は石突を地面に突くと彼女たちの周りに大きな半透明な緑色の光弾があちこちに漂いだした。まるで海にゆらりと浮かぶ機雷のようだ。一個でもあたると比重が大きくかかり体が重さに耐えきることなく動けなくなるだろう。

 そんな中を蓮華は光弾を縫い分けるように駆けていく。同じく別方向からも恋歌が走ってきた。神通はその場で迎え撃つ。不規則に漂う光弾から、迫るかの二人から清霜を守らなくてはならない。

 

「さあ戦艦ガールを守りながらどこまでもつかしら!」

 

 蓮華の振り下ろすブレードは先ほどよりも重くなっていた。それでも神通は重い腕を振るい猛攻を防ぐ。離れたところで恋歌がVの字型の光弾を数発放った。その光弾の飛ぶ先には清霜がいる、蓮華から間合いを取った神通は飛んでくる光弾をすべて叩き切る。

 

「仲間を守るのは感心するわ、でも余所見は厳禁よ?」

「一気に降りてくるデス!」

 

 気づくと自分の真上から漂っていた大きな光弾がたくさん下りてきていた。躱そうとしたが肩に触れてしまった。神通の体が急に重くなりがくりとよろめく。

 

「さらにごり押しをくらいなさい!」

 

 蓮華の星辰力をフルチャージしたブレードの一撃を防ぎきれず光弾がたくさん漂っている方へ吹っ飛ばされる。神通が着地したころには体中にかなりの比重による負荷がかかっており、地に跪いてしまった。

 

『おおっと!ついに二水選手が地についてしまった!』

 

「師匠、やったデスね!」

 

「ふふふ、あれだけの負荷がかかっているのですもの。さぁギブアップしてもよろし…」

 

 蓮華は言葉が出なくなった。神通は苦しむことなく立ち上がったのだ。彼女の立っている床は亀裂が走り、足元は泥でも踏むかのように床は大きくめり込む。それでも彼女は汗一つ流れることなく真剣な眼差しで小太刀を構えていた。

 

「うそデスか…あれだけの負荷がかかって普通は動けないはずデスよ!?」

 

「…鍛えてますから」

 

 神通はさらりと一言で片づける。彼女は自身の星辰力を多く放出して耐えていたのだ。そして未だに潰されまいと必死に耐えている清霜を見つめる

 

「七海、立ち上がりなさい。あなたの実力はその程度ですか?」

 

「ちょ、無茶よ!?あの戦艦ガールの小さな身体じゃ立ち上がることはできないわよ!?」

 

 蓮華は動けないでいる清霜のことを心配するが、清霜ははっとしたように神通を見る

 

「武蔵先輩は自分がどんなに苦しくても、辛くても立ち上がり、そして最後まで諦めませんでしたよ?あなたはそこで倒れてもいいのですか?」

 

 そうだ…私はあの人の背中を追ってここまで来たんだ…あの人のように、あの人以上に強く、逞しくなりたいんだ!こんなところで這い蹲っている場合じゃない!

 

「ふぬ…ふんごおおおおおぉっ!!」

 

 清霜は力を込めて立ち上がり、体を震わせつつも重くのしかかる艤装を起き上がらせる。ステージに雄叫びを響かせた。

 

「た、立ち上がった!?」

「す、すごい気迫デス!?」

 

「私はっ!!負けないっ!!『三式弾』装填!!」

 

 金属がこすれる音を響かせながら主砲は上方へ照準を向けた。艤装から何かが装填される音がした

 

「?一体何をするつもりデスか?」

「いや…『三式弾』ってもしかして…!?」

 

 首をかしげる恋歌と鎧兜で顔色が伺えないが蓮華は青ざめていた。そして2対の主砲から紡錘型の光弾が2発、勢いよく上方へ放たれた。それは高く飛び上がると大きな爆発をし、大量の赤い光弾が雨のように降りかかってきた。

 

「「うそぉぉぉぉぉぉっ!!?」」

 

 蓮華達は必死に走り雨のように降りかかる光弾を躱す。だが驚くのはそれだけではなかった。普通の人では身動きすらできないほどの負荷がかかっているはずの神通が物凄い速さでこちらに迫っていたのだ。

 

「な、なかなかの速さデスね!でも、それだけの負荷デスから星辰力を大量に消費しているデス。すぐにでも尽きるデスよ!」

 

「その通りですね。…ですが、それだけの負荷がかかっていないものがあれば話は別です」

 

「まさか…!?恋歌!それ以上走ってはダメ!」

 

気づいた蓮華は声をかけたが手遅れだった。神通が目にも止まらぬ速き剣閃で恋歌の校章を6分割した。

 

『明星恋歌、校章破損』

 

「え?…うそ‥ってわわっ!?」

 

ぽかんとしている恋歌を神通は担いで走る。まだ光弾の雨は降りやんでいなかったのだ。そのまま立っていたら間違いなく巻き込まれたであろう。

 

「なかなかやるじゃないの…!」

 

「はあああっ!!」

 

降りかかる光弾を全て躱した蓮華は艤装をフルブーストさせ駆ける清霜を迎え撃つ。

 

「さあ!どう来るか見せてみなさいな!」

 

「ムサシ、艤装アーム展開!」

 

艤装の一部が大きな五本指に変形し、大きな鉄拳を振り下ろした。蓮華はそれをブレードで防ぐが反動が体中に響く

 

「ぬううんっ!?この程度のパワァ、私を打ち倒すことはできなくてよ!」

 

「まだ、こっちの拳がある!」

 

 もう片方のアームの拳は蒼く光っていた。その拳は相手を倒せと輝き叫ぶように星辰力を大量に放出している

 

「ひぃぃぃぃっさつ!!ムサシィィィナァァァァックルっ!!」

 

蒼く輝く拳が放たれた。蓮華はブレードで防ぐがその衝撃に耐えきれずブレードは砕け、ついに直撃しステージの端まで吹っ飛ばされた。

 

「な、なんという情熱…私の負け…ね…がくり」

 

『蓮華・ピエール・アルフォンソ、意識消失! 試合終了!勝者、二水神通&七海清霜!』

 

試合終了とともに会場から多くの歓声が響き渡る。その声を聴き、清霜は笑顔でブイサインをした。

 

「や、ヤッターっ!!」

 

そんな清霜を神通は優しく見つめていた

 

「…見ていますか、武蔵先輩。あなたの自慢の後輩はあんなにも立派になっていますよ…」

 

~*~

 

「さすがは『戦闘戦艦』シリーズ。私の予想以上だ」

 

テレビで試合の様子を見ていた紗夜は嬉しそうにうなずく。

 

「と、いうより凄いバカ力だな…。あの『三式弾』は驚いたぞ」

「それに、神通さんの方も凄いよね。」

 

ユリスと綾斗が納得するように頷いている中、サザンは興味津々に清霜の映像を見つめていた

 

「サザン、どうしたのだ?…もしや自分を脅かす存在に怖気突いたか?」

 

ユリスがにやにやとして挑発したが、サザンはフハハハと高笑いせずラジコンに憧れる男の子のように目を輝かしていた

 

「帝王に『戦闘戦艦』…これはいけるぞ!」

 

「「やめて」」

 

これ以上変なことをしないでほしいとユリスと紗夜は真顔で止めた。

 

「あれ?そういえば亨介先輩の姿が見当たらないんですが…」

 

「亨介なら観戦中に端末から誰かに呼ばれて外へ出て行ったよ?」

 

~*~

 

「呼ぶのはいいけどさぁ、場所を決めとけよ…」

 

「ふふふ、安心しろ。このエリアはほとんどが『サザンクロス』が運営している。いわば俺の庭だ」

 

亨介はシンに呼ばれていた。しかし、話す場所を決めていなかったためとりあえず亨介のサボリスポットのひとつ商業エリアにある小さな釣り堀で釣り糸を垂らして座っていた。

 

「で?用は何だ?試合か?」

 

次の第五回戦の試合、亨介は聖ガラードワースの出場選手、古川シンとアレックスのペアと闘うことになっていた。シンに勝てば本戦出場が決まる。こいつのことだからその自慢話だろうと高を括っている。もしそうなら一発殴って帰ろうか

 

「まあそれもそうだったが、お前に聞きたいことがある」

 

「ぬ?聞きたいこと?」

 

「お前は優勝したら何を望む?」

 

シンの問いに亨介は黙った。そのまま静寂が漂う。

 

「…ふん、言たくないのなら構わん。だが、生半可な願いでは勝利は掴めんぞ?」

 

「…余計なお世話だっつーのっ…ちぇ、逃がしちまったじゃねえか」

 

亨介が釣竿を引いてアワせたが魚は掛からず餌がとれた釣り針が戻ってきただけだった。亨介は黙々と餌を付けて再び釣り糸を垂らす。

 

「あと、この大会にはいろんな奴らが何か企んでいる。」

「例えば―?シン、魚がかかってんぞ?」

 

 シンは釣竿を引くが逃げられてしまった。そして黙々と釣り針に餌を付ける

 

「例えば、アルルカントの『日輪知将』こと毛利直家。あいつは勝利と自分のためなら陰で謀殺だってえげつない事を躊躇わず行う。それとレヴォルフの生徒会長ディクルだ。あいつも直家どうようあの手この手で駒を動かし暗躍しているという話だ」

 

「ふーん、てかそれを俺に話すんだな」

 

「まあ俺は貴様のライバルだからな!」

 

「はぁ?」

 

 亨介は竿を引いて小さなフナを釣った。そのフナを素早く針を取ってやり静かに逃がす

 

「俺の見るところ、お前は思った以上に闇に関わろうとしようとしている。」

 

「…心配っていうなら余計なお世話だ」

 

「ふん、だがその程度の執念では俺に勝てんぞ!」

 

シンは竿を引く。釣り針には大きなナマズが掛かっていた。シンはドヤ顔で亨介を見るが、亨介はそそくさと片づけて帰ろうとしていた

 

「ま、てめーには負けねえよ。んじゃ、あとの支払いよろしこ~」

「ちょ、おま、このナマズどうすんだ!?」

 

 亨介はシンを無視して釣り堀を出た。まだ暑い夏の夕方の日差しが眩しい。

 

「…執念、か」

 

~*~

 

 鳳凰星武祭、7日目のシリウスドームにてステージに立っている亨介は空を見上げる。どうやら先の試合で綾斗とユリスは本戦の出場が決まったらしい。いやはや、あいつらならまじでやるだろうなと思う。未だに本気で戦っているようではなかったし、あれくらい余裕で羨ましいほどだ。なんたってこっちは死のGブロックかってのとツッコミたいぐらいだし、それに…

 

『千利選手、なんだか悲しそうに空を見上げてますね…』

『そりゃあもうパートナーのサザン選手、ついにテーブルとジュースまで持ち込んできてるッスからねー』

 

 サザンはオレンジジュースを飲みながらくつろいでいた。お前は本当にやる気があるのかと殴りたくなってきている。観客の中には『お前も戦えー!』とヤジをとばしてくれる人もいるけど、ごめんそれは逆効果なのね。

 

「フハハハハ!俺が戦ってしまってはつまらないだろう!あと亨介、オレンジジュースは100%濃縮じゃなくてなっちゃんがいい」

 

 うん、こんな調子なんだよね。俺が買ってきたオレンジジュースにけちつけてるしさーほんとに殴りたいわー。

 

『では気を改めまして、千利選手の対戦相手を紹介いたしましょう!聖ガラードワースから古川シン選手とアレックス選手の出場です!』

 

 入場ゲートから派手なマントを羽織るシンとその後ろからゆるキャラのようなひよこの着ぐるみを着た奴がステージへ進む

 

『さて、古川選手は聖ガラードワースでは序列外ですが、『なんでもやるわよ』というキャッチフレーズで有名な『サザンクロス』のリーダー!彼の実力は聖ガラードワースの生徒会長も認める程とのことです!』

 

『それとパートナーである着ぐるみッスかね…?アレックス選手も序列10位とかなりの実力ッス。どんな試合になるか楽しみッスね!』

 

 ドヤ顔でマントを投げ払うシンを見て亨介はふと気づいた。

 

「あれ?お前さ、煌式武装はねーのか?」

 

 聖ガラードワースは騎士道精神あふれる生徒が多く、剣の煌式武装を扱うのが多い。『魔女』や『魔術師』の生徒もちらほらいるがシンにはその様子さえなかった。ただただ指を鷲の爪のように構えているだけであった

 

「ふっ、俺は剣よりもこちらの方がメインなのでなぁ」

 

「まじかよ、お前も拳法家かよ…」

 

 亨介は嫌そうに頭を抱える。前の李姉妹の戦いといい、拳法家にはもうこりごりだ。

 

「亨介、シンという男を甘く見ない方がいいぞ」

「なっ、お前知ってんのか!?」

 

 珍しくサザンが亨介に忠告をした。亨介はサザンの方を見ると先ほどのふざけた様子はなくなり、これから起こる戦いを嬉しそうに眺めていた。何か知っているようだが、あいつのことだ。絶対に教えてくれない

 

「アレックス!援護だけでいい、任せるぞ!」

 

 アレックスはその要請に【分かってますよ。】と書かれたプラカードを掲げた。てゆーかどっから出したそのプラカード。まあ1対1的な展開になるなら構わないか。亨介は翡翠色のデッキブラシを展開させ構える。いよいよ試合開始だ

 

 

『≪鳳凰星武祭≫Gブロック4回戦10組 試合開始!』

 

 

 さあ何からおっぱじめるのか、見ものだ。着ぐるみのアレックスの口がぱかりと開く。その口から機関銃が出てきた

 

「はぁ!?」

 

 驚く亨介にむけて機関銃が荒々しく火を吹く。冗談じゃないほどの弾丸が飛んでくる。亨介は駆けて弾丸を躱すとシンが亨介に向けて凄まじい勢いで片手を振り下ろしてきた。その攻撃をデッキブラシで防ごうとしたその時

 

 

  __コレを防いだらヤバい__

 

 

 

 一瞬本能がそう喚く。背筋がぞくりとし亨介はすぐさま後ろへ飛び下がる。気が付くとデッキブラシが五つに分断され、制服の一部が切り裂かれていた。

 

「…さすがだな。今のをうまく躱すか」

 

 シンはドヤ顔で亨介を見る。今のは闘気なのかと亨介は焦る。普通、闘気は身にまとうか、衝撃波や拳に込めて攻撃するがシンのように切り裂くことはできないはず…

 

「知りたいか?ならば教えてやろう!俺の拳は落星雨が起こる前から伝わる『天星五聖拳』がひとつ、『殉星孤鷲拳』!相手の肉体を貫き、切り裂く拳だ!」

 

「うん、知らない」

 

 シンの説明を亨介は一言で一蹴する

 

「ですよねー!」






┌┤´д`├┐<ナントゴクトケン


ご愛読ありがとうございます

南斗ではシンとレイが好きです。

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