翡翠色のアスタリスク   作:サバ缶みそ味

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ちょっと長くなるので前編後編にわけております。

よろしくお願いしまーす!


見回りと手紙と時々本気  前編

「クローディアさん、状況は悪いままでごぜーやす」

 

『そう…、あなたに無理してもらってごめんなさいね」

 

通信を通してクローディアにこれまでのことを報告をしている風紀委員長の水無月風香はため息をついた。星導館学園に潜む鳳凰星武祭に出場する選手を襲撃している犯人の目星が未だについていないのである。風紀委員は見回りの時間を増やしたり、巡回する人数を増やしたりして強化を図っているが、犯人はあざ笑うかのように襲撃を繰り返しそしてうまく身を隠し続けている。

 

「なにか手がかりがありゃぁいいんですけどねぇ…」

 

『ええ、その犯人の目的さえわかればいいのだけれども…」

 

「もうちょっと捜査を強化したいのは山々だけれども、()()()()()()()()()とかのせいでうまくいかねーですわ」

 

大きくため息をついた風香を見ていたクローディアは苦笑いをした。自分を含め風香、学園の序列一位の子の三人がかりで()()()()()をお縄につけたのだがその後は全く反省することもなく寧ろ悪化してしまった。今日も学園中を『フハハハハハ!!』と高笑いしながら走り回っているようである。

 

『そうね…今できるとすれば、襲撃に気を付けるよう鳳凰星武祭りに出場する選手に呼びかけるしかないわ』

 

「今のところそれしかねーようですな。まあ、うちはもうちょっとあちこち見回りをしますよ」

 

他に手はないか考えていた二人だったが、廊下からズドドドと勢いよく駆けている音が聞こえてきた。その音は風紀委員室の前で止まり、亨介が勢いよく扉を開けて駆けつけてきた。

 

「あれ?きょーすけ、どうしたんです?学校の私物を破壊するようなマネはやめていただきやせんか?」

 

「水無月っ!!頼む!匿ってくれ!」

 

亨介はものすごく慌てていた。どういうわけで慌てているのか風香は聴こうとしたが亨介はすぐ近くにある懲罰房へ駆け込んだ。

 

「いいな!俺がこの中にいることはぜってーいうなよ!?」

 

「いや、ちょ…ああもう。勝手なんだから!」

 

『亨介君、かなり慌てていたけれどまたユリス達に追われてたのかしら?』

 

 

フハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!!!!!

 

 

二人の予想を反し、廊下から聞いたことがある高笑いが響いた。その笑い声を聞いた風香とクローディアはものすごく嫌そうな顔をした。風紀委員室にアホの帝王ことサザンが堂々とドヤ顔で入ってきた。

 

「フハハハハハ!!お邪魔するぞ。」

 

「もしかしてここが風紀委員室と知らずに入ってきていやせんか?」

 

あきれながら見ている風香に気づいたサザンは少しギョッとして軽く身構えた。

 

「ぬっ!?貴様はこの学園の帝王である俺を独房にぶちこんだ忌々しき風紀委員!?それに俺をこの学園の生徒会長にさせまいと妨害を続けているクローディアではないか!」

 

『いや、貴方を生徒会長にしたら世紀末になるから』

 

「なにを言う!俺が生徒会長になった暁には暴力と力のry」

 

『却下』

 

ばっさりと却下されたサザンはぐぬぬと歯ぎしりをしてクローディアに睨み付けた。

 

「それでうちに何のご用ですかー?」

 

「フハハハ、話は早くて助かる。貴様、亨介を見なかったか?」

 

その質問を聞いて風香とクローディアはいろいろと察した。

 

「一応聞くけど、亨介になんか用なんですぅ?」

 

「ふっ、答えは簡単だ。あのリーゼルタニアの王妃も斧を振り回す下郎共は亨介との闘いを望んでいるであろう?」

 

『まあ確かにそうですわね…』

 

「つまりだ、この帝王が亨介を倒す→帝王は亨介より強い→下郎共が俺に勝負を申し込む→俺が勝つ→この学園の帝王はこの俺だ!どうだ、すごいであろう?」

 

『「その理屈は色々とおかしい」』

 

ドヤ顔で答えるサザンにクローディアと風香はバッサリと吐き捨てた。

 

『とりあえず他の生徒に迷惑をかけるようなことは控えてもらいたいわね。』

 

「やだ!!(ドヤ顔)」

 

「話を戻すけどもきょーすけはここにはいないですぜ?」

 

「なにっ!?」

 

サザンは風香を睨み付けた。しばらく目線があったまま黙っていた。

 

「ふん…この帝王に嘘を通せると思っているのか?」

 

「ここで暴れたらきょーすけごとあんたさんも懲罰房へぶち込むつもりですけど?」

 

ぬくっとサザンは呻いて身を引いた。ぐるりと背を向けて出ていこうとしていた。

 

「…まあよい。もし亨介を見かけたら知らせてくれ。この帝王が直々に引導を渡してくれるわ!」

 

「りょーかーい(するとは言っていない)」

 

フハハハハと再び高笑いしながらサザンは出て行った。しばらく静寂になった風紀委員室に二人のため息が響いた。懲罰房の扉がゆっくりと開きひょっこりと亨介が顔をのぞかせる。

 

「あいつ…いった?」

 

「もうだいじょーぶですよ。安心してくだせー」

 

ふうと一息をついて亨介は背伸びをしながら出てきた。ユリスやレスターに加えてサザンにまで追いかけらることになってしまった亨介にクローディアは亨介を励ます。

 

『いろいろと大変なことになってるわね。ご苦労様としか言えないわ…』

 

「おかげさまっすよ。あいつらのせいでのんびりと過ごせねえし、頼まれ事もスムーズに取り掛かることもできねぇし。」

 

あーメンドクセーと愚痴る亨介を見ていた風香は一つ提案を出した。

 

「追いかけられるのが嫌だったらうちの風紀委員になりやせんか?」

 

「なん…だと…。あの風香が俺を誘うだと!?明日は大雪か!?」

 

「懲罰房と協力するの、どっちがいーです?」

 

「Yes、マイロード。あなたに従います。」

 

風香の提案(脅迫)に即跪いた亨介にクローディアは苦笑いをした。確かに学園の風紀を取り締まる風紀委員になれば無暗やたらと決闘を申し込まれることもなく、亨介は追いかけれずにすむ。

 

『風香、いいの?』

 

「仕方ありゃーしません。こちとら亨介を追いかけたり、うちに押しかけて来る連中もこれで大人しくなりますし、それにきょーすけも襲撃犯を探す頼まれ事もあるしきょーすけが加わればより巡回が強化されやす。」

 

クローディアがうなずいた。確かに亨介に襲撃犯を捕まえてくれと頼んでいる。風紀委員とともに捜査をすればより有力な手がかりが見つかるかもしれない。

 

「それに、クローディアさんは()()()()()()()()()()()()()()()()じゃありやせんか。」

 

『ふふふ…そうね。亨介君の実力は私のお墨付きだから、安心してこき使ってあげてくださいな」

 

「ちょ、クローディアさんブラックなことを言わんといて…」

 

『えー、私とってもブラックですので。それじゃあ頑張ってね』

 

クローディアは二人にウィンクをしてモニターを閉じた。

 

「ふう…なんつーか、よろしく頼むわ!」

 

「そんじゃま今日の放課後、一緒に見回りをしましょー」

 

ヒャッハー!風香と見回りだー!!と大声をあげて喜びの舞をしている亨介にイラっときた風香はシャイニングウィザードをかました。

 

***********

 

放課後になり待ち合わせの場所である高等部玄関前で風香は待ちぼうけをしていた。まさか30分も待たされるとは風香は思いもしなかった。まさか場所を間違えたのかそれともすっかり忘れてしまったのかぐるぐると思考を張り巡らせているとき、亨介が食パンを咥えて駆けつけてきた。

 

「遅刻、遅刻ぅ~っ!!」

 

「遅いっ!!」

 

風香は亨介に思いっきりラリアットをかました。亨介は『たわばっ』と情けない声をあげて倒れた。

 

「どこぞのラブコメに登場するヒロインっぽく登場すれば許されると思いやがったんです?」

 

「仕方ねーだろ。授業の終わりの鈴が鳴ったと同時にサザンの野郎が押しかけてきて俺はそれから逃げてたんだぞ?」

 

怒っていいのか同情していいのかよくわからない理由を聞いた風香はすこし口ごもった。とりあえず咳払いをして話を続けた。

 

「まあ…以後気を付けてくださいよ?それじゃあ行きましょー。」

 

風香と並んで学園内のあちこちを見て回った。どこもかしこも怪しい気配はなく、亨介は退屈になってきた。

 

「しっかしほんとに見つかんねえなぁ。」

 

「当たり前じゃねーですか。そう簡単に見つかるわけがねーですって。」

 

「ところで、襲撃犯ってのはいつから現れたんだ?」

 

「最初の襲撃は転入生の天霧綾斗とユリスの決闘中ですねー。汚ねーことに矢で不意打ちを狙ってたようですよ?まあ天霧さんが未然に防いでくれましたけども。」

 

「ふむ…それから有力選手が襲われるようになったのか。」

 

「そうですねー、おかげさまで今のところ鳳凰星武祭に出場する選手はレスターとその取り巻きのランディの二人だけ決定している状況ですよー。」

 

今出場可能の選手はその一組だけ、このまま期限が過ぎれば星導館学園はまずいことになる。もしかしたら奴さんは鳳凰星武祭の優勝を遠のけようと妨害をしているのかもしれないと亨介は考えた。

 

「妨害としたらホシはどっかの学園の手先かもしれね」

 

「確かにそうかもしれないですけどそうだとすればうちもクローディアさんもすぐに気が付くし手は早く打ってますよ」

 

うーんと二人は深く考え込んだ。その時であった。遠くで爆発音と何かが壊された大きな音が響いた。

 

「ちょ、襲撃にしちゃあ派手じゃねえか?」

 

「あそこは噴水のある中庭。きょーすけ、はやく行きやしょう!」

 

うなずいた亨介は風香とともに中庭へ駆けて行った。走っている途中、黒ずくめの何かが木々の中へ逃げている姿が見えた。

 

「風香!」

 

「追跡は難しですね…とりあえずけが人はいねーか確認を!」

 

爆発音があった現場に到着すると巨大な銃を持っている紗夜と桃色の光を出すレイピア型の煌式武装を持っていたユリスがいた。どうやら戦闘は終わっていたようだった。亨介は辺りを見回してけがはないか確認をした。

 

「おいーっす、二人とも無事か?」

 

「きょーすけー。アイムウィナ~」

「襲撃があったが紗夜も私も大事ない。」

 

怪我はしていない寧ろ二人がかりで撃退したようだ。亨介は安堵した。

 

「一応聞くけど何事ですー?」

 

「水無月か、先ほど私を狙ってきた不届き者が再び襲い掛かってきてな。紗夜と二人で追い払ったところだ。」

「ブイッ」

 

ドヤ顔をする二人をよそに風香はふーんと言って辺りを見回した。噴水は壊れ水が流れておりあちこちに瓦礫がばらまかれている状態だった。

 

「まあいいんですけど、噴水を破壊するのはいただきませんね~。あとで反省文を書いてもらいますねー」

 

「うっ、こ、これぐらい大目に見てもらえないか?」

「けち。私は遺憾の意を表明する。」

 

抗議をする二人のところに綾斗が駆けつけてきた。

 

「ちょっとすごい音がしたんだけど…って、うわ!なにこれ、どうしたの!?」

 

粉々になった噴水をみて綾斗は驚愕していた。

 

「綾斗、これが三角関係の争いだ」

 

「亨介!綾斗に変なことを吹き込むな!い、いろいろあったんだ、なあ紗々宮。」

 

「…‥うん、いろいろあった。」

 

「そしてうちが取り締まっているところなんですよー」

 

「・・・・?」

 

わけがわからないので綾斗は首をかしげるしかなかった。詳しい説明を聞くとかなり長くなりそうと思った綾斗はいなしておいた。

 

「よくわからないけれど、これじゃ‥‥って、わわっ!」

 

よくわからくて困っていた綾斗は突然顔を赤めて慌てて視線をそらした。その様子を見ていたユリスは首をかしげていたがすぐさま理解をした。このあたりは破壊された噴水から噴き出す水で水浸しになったいる。当然そこで戦闘をしていたユリスと紗夜はびしょぬれになっており、それ故に生地の薄い夏服は水にぬれて肌にぴったり張りつく。

 

つまりすっけすけなのである。

 

自分の服を状況をユリスは確認した。白い夏服は肌に張り付きくっきりと桃色の下着がこんにちわしている。

 

「み、みみみみ、見るな、見るなぁ!見たらただじゃすまさんぞ!」

 

「‥‥すけすけ、これはエロい」

 

「ええい…紗々宮、お前も隠せ…ってお、お前、下着はどうした!?」

 

紗夜もユリスと同様水にぬれて夏服が張り付いているが違う点があった。紗夜は胸をなでおろし平然と言った。

 

「悲しいかな…私には必要ない。」

 

「紗夜、大きいやつを揉めば必要になるらしいぜ?」

 

「マジか。きょーすけ、グッジョブ。」

 

亨介は紗夜に変なことを吹き入れるわ、風香は「不純異性交遊でみなさん懲罰房行きですー」とにんまりとしているわ、綾斗は相変わらず気まずそうに視線をそらしているわの状況でユリスは頭を抱えた。

 

「とにかく何か羽織るものを持ってきてくれ、今すぐにだ!」

 

綾斗は慌てて羽織るものをとりに駆け出して行った。

 

「それじゃ、お2人さんは野次馬が来る前に懲罰房に行きましょーか」

 

「うぐっ、そ、それだけは勘弁してくれないか…」

 

さすがに正座したまま反省文を書かされるのは嫌だった。嫌がるユリスをよそに亨介がプギャーとあざ笑っていたのでユリスは亨介に真空飛び膝蹴りをくらわした。

 

そのあとユリスと紗夜は綾斗とクローディアに免じて反省文だけで許された。

 

 

********

 

 

「近頃闇討ちの事件が多くてぶっそーなけで夜の訓練は控えてくだせー」

 

そのあと巡回を続けた亨介と風香は鍛錬を続ける生徒たちに気を付けるように呼びかけていた。今現在は日が暮れて暗くなっても鍛錬を続けるレスターとその取り巻きに声をかけていたところであった。

 

「そうか‥‥。そんな汚ねぇ手を使う連中がいるとはな。」

 

「お?ふだんのターレスなら『おれがそんなキタネエやつらに負けるわけがねぇ!』とか怒鳴り散らすと思ったんだけどな。」

 

「ふん、そこまで俺は脳筋じゃない。つかターレスじゃなくてレスターだ。」

 

暴れてまた懲罰房に行かされるのは御免だからなとレスターはつぶやいた。そっか、お前も懲罰房で正座したまま反省文を書かされたんだな…と亨介は同感した。

 

「わかった。ひとまずは事が収まるまで控えておこう。だが早期の解決を頼むぞ?」

 

「りょーかいです。レスターさんならともかく、サイレスさんもランディさんも気を付けてくだせー。特にひと気のないところで単独行動は危ないです。ほとんどの生徒がそれで狙われてますんで」

 

「オーケー、レスターとタッグを組むんだ。迷惑をかけないよう気を付けるさ」

 

レスターとタッグを組み出場するランディは快く了解してくれた。

 

「がんばれよ、ランディ。とりあえずこのごっついディルムッドはパワーバカだかんな」

 

「誰がパワーバカだ。誰がごっついディルムッドだ」

 

にやけながら茶化す亨介にレスターはヘッドロックをかました

 

「こ、ここの連中はみんな格闘好きネー!!これじゃあレスターじゃなくてレスラーじゃねえか!!」

 

「レスラーじゃない!レスターだ!!」

 

ギャーギャーと喚く亨介とレスターをよそに取り巻きのひとり、サイレスが風香に尋ねた。

 

「けれども物騒になってるね、あの華焔の魔女(グリューエンローゼ)が二度も襲われるなんて」

 

「ええ。有力な選手ほど狙われるよーです。サイレスさん、レスターさんのサポートもおねげーしますよ?」

 

それじゃあさいならと風香は帰っていった。

 

「いや、ちょ、こいつも連れてってけよ」

 

レスターはヘッドロックしてKOした亨介を見た。

 

「どうする、レスター?」

 

「‥‥そっとしておこう」




どうしよう原作を勉強しようとしているのに間に合わぬ(;´・ω・)

ご愛読ありがとうございます!

次回もよろしくお願いします!


フハハハハハハハと聞くとガノンドルフと聖帝と黄金のコウモリおじさんを思い出す
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