翡翠色のアスタリスク   作:サバ缶みそ味

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やっとこさ戦闘回を……なんだこの長さは!?

気づいたら長くなったんです、すいません!


見回りと手紙と時々本気  後編

「きょーすけ、呑気にしてていいんですー?」

 

「んー…」

 

風紀委員室にて携帯をいじったまま黙っている亨介の横から風香は顔をのぞかせた。それでも気にせず亨介はもくもくろ携帯をいじり続けている。

 

「昨日、純煌式武装の適合率検査があったんですよー。その検査で綾斗さんが純煌式武装の『黒炉の魔剣(セル=ベレスタ)』との適合率が高かったため『黒炉の魔剣』を所持することになったんですー」

 

「(´_ゝ`)フーン」

 

まったくの無関心な生返事に風香はため息をついた。

 

「あんたさん本当に興味なさそーですね」

 

「他人事だもん」

 

きっぱりと答えた亨介に風香は肩をすくめた。風紀委員としての仕事と行動はしてくれているのだが、あれからというもの捜査のひとつもせず、風紀委員室でだらけているのである。

 

「やれやれ、クローディアさんのお墨付きなんならしっかりしてくだせーな。このままだらけているんなら懲罰房に入れますよ?」

 

呆れている風香に亨介は無言で携帯を押し付けた。風香は携帯の画面をみた。画面には星導館学園の情報掲示板が映っている。

 

「掲示板?これをずっと見てたんですか?」

 

「俺だってのんきにだらけていると思ってもらっちゃ困るぜ?行動するにはなにより情報と証拠が必要だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()。あとよろしくー」

 

よっこらせと鞄を背負った亨介は風紀委員室を後にした。一人残った風香は掲示板の内容を見たのち、ため息をついて苦笑いをした。

 

「はあ…後のことはうちに押し付けるんですか。…ってこの携帯はきょーすけのじゃない…誰の?」

 

*********

 

「おいーっす、おはよーさん!」

 

「おい、亨介!俺の部活用の携帯はどうした?」

 

HRが始まる前に教室に入ってきた亨介に英士郎が第一声に問い詰めてきた。思い出した亨介はあっやべっと口に出した。

 

「いっけね、水無月に間違えて渡しちまった☆」

「おいいいいいっ!?なにしてくれてんのぉぉぉ!?ちょっと貸してくれって言ったから貸してやったのに…俺、懲罰房行き決定じゃねぇかぁぁぁあっ!!」

 

亨介は面白さ半分と申し訳なさ半分の気持ちでものすごく落ち込んでいる英士郎を無言で肩に手を乗せ励ました。ふと視線を変えるとユリスが何か考え事か悩み事で頭がいっぱいなのか席に座り込んだまま上の空だったのに気付いた。

 

「おいっす、ユリス。腹痛か?」

 

「……」

 

冗談で茶化してもユリスは無反応のままだった。滑ったのかガチで腹が痛いのか反応に困った亨介は焦る。

 

「ちょ、ユ、ユリスさーん?」

 

「…あ、ああ。なんでもない」

 

ぎこちない返事に亨介は違和感を感じた。兎に角どういうことか隣の綾斗に聞こうとしてたが綾斗もユリスの不自然さに疑問を抱いている様子だった。

 

「綾斗、何か知ってるか?」

「いや、俺もよくわからないんだ。」

 

それじゃあ本人に事情を聴こうかと思っていた矢先にHRのチャイムが鳴り、匡子が殺気を振りまきながらやってきた。

 

「おらおらぁ!席につけ席に!出席をとるぞー!」

 

ああ、今日もご機嫌が悪そうだ。とりあえず後で詳しく聞こうと上の空のままのユリスを見ながら綾斗と話し合って決めた。

 

~*~

 

「ユリス、どうかした?」

 

放課後になり、綾斗はユリスに話しかけようとしたが、ユリスは綾斗の顔も見ずに席を立った。

 

「すまない、今日は用事がある。」

 

いそいそとユリスは教室を出て行った。綾斗はそんなユリスに違和感を感じていた。

 

「どうしたんだろう…?」

 

***************

 

そのあと綾斗は昨日に起きた一件をクローディアに報告すべく、生徒会室に向かっていた。生徒会室に入るとクローディアは笑顔で迎えた。

 

「綾斗、ごきげんよう。どうかしましたか?」

 

「おいーっす、綾斗もクローディアになんか用か?」

 

生徒会室になぜかいる亨介の姿をみて綾斗は驚いた。亨介はのんびりと紅茶を飲んでいる。

 

「亨介!?なんでここに?」

 

「俺も綾斗と同じくクローディアに伝えなきゃならんことがあってな。あ、砂糖もっとちょうだい?」

 

「そうなんだ…。あ、そうだ。昨日、また連中がちょっかいを出してきてさ。」

 

「ええ、話だけは聞いてますわ。レヴォルフの生徒を使ったみたいね。」

 

レヴォルフ黒学院。校章は覇道の象徴である二対の双剣。個人戦は圧倒的な強さを持つ学院なのだが個人主義の巣窟であり勝つためなら容赦はなく、金銭で買収、犯罪を行う学生が絶たない所謂世紀末学園である。

 

「なるほどねえレヴォルフも関わってんのな。」

 

紅茶に砂糖を多く入れた亨介はいっきに紅茶を飲みほした。

 

「それで…犯人の目星はついたんだ。」

 

 

綾斗のその根拠である話を聞いたクローディアは目を見開いた。

 

「それは本当ですか?」

 

「ああ、たぶん間違いないよ」

 

「おっ、奇遇だな。俺も犯人はすでに知ってたんだ」

 

「亨介もかい?」

 

「あとは証拠も欲しかったんだよ。綾斗のおかげでこれでお縄につけるぜ」

 

二人の話を聞いたクローディアは深く考え込んだ。

 

「そう…わかりましたわ。こちらでも調べておきますわね。これで解決すればいいんだけど…」

 

「だな、あとはホシの『目的』だ。うーん…」

 

ふと亨介は思い出した。あの時のユリスの不自然さには違和感があった。考え込んだ亨介は顔を青めた。

 

「なあ、もしユリスも()()()()んならよ、あいつの言ってた()()って…」

 

「それってまさか!?」

 

ユリスが気づいたのならば自分だけでもどうにかしようとするに違いない。

 

「少々まずいことになりましたわね…」

 

「それなら奴さんも黙ってねえだろう。ユリスが相手ならなにか手を打ってるはず」

 

「!?じゃあ今朝の手紙はひょっとして…!」

 

「手紙?」

 

「今朝、ユリスが見ていたんだ。隠すようにしていたけどおかしいと思ったんだ」

 

「いけないわね、ユリスを探しましょう。」

 

しかし、人工島とはいえアスタリスクはかなり広い都市である。探すとしても日が暮れてしまう。クローディアがひとまず寮に戻っているか確認をし、犯人が呼び出しているなら人目のつかないところに呼び出すはずなので捜索する場所を定めようとしたとき綾斗の携帯端末が鳴った。モニターを開くと紗夜が困っている様子を見せた。

 

「紗夜?どうしたのさ?」

 

『綾斗、助けて。道に迷った。』

 

率直な答えに綾斗は頭を抱えた。

 

「またかい…。ごめんよ、紗夜。今はユリスで手一杯で…」

 

『?リースフェルトを探してるの?それならさっき見かけたぞ?』

 

紗夜の答えに三人は目を見開いてモニターに勢い良く近づいた。

 

「ほ、ほんとうかい!?どこで!?というより今どこ!?」

 

『場所がわからないから聞いてる』

 

「紗夜、フォースを感じるんだ」

 

『うーん・・・・きょーすけ、私にフォースはないようだ』

 

「亨介君、いまふざけないで。沙々宮さん、周りの景色を映してもらえませんか?」

 

こくりとうなづいた紗夜は周りの景色を映した。

 

「再開発エリアの外れですね。ここなら絞り込めそうですわ」

 

「紗夜、助かったよ!」

 

『私はまだ助かってない』

 

「そんじゃあ水無月に向かわせるように伝えるからそこで待ってくれや」

 

『きょーすけ、サンキュー』

 

「それじゃ綾斗と亨介君はユリスをお願いいたしますわ」

 

「任しときな!」

 

すぐに場所をピックアップしたクローディアの手配の速さには驚いたが綾斗はふと疑問に思った。

 

「…それにしても、ユリスはなんで黙って一人でいったんだろう?」

 

「綾斗にはまだ言ってなかったな。あいつ、頭堅そうに見えてものすごーく義理堅いやつなんだ。」

 

「?亨介、それってどういうこと?」

 

「最初はブスーッと誰もひきつけないオーラを出しててな。俺と英士郎で茶化してたんだけど、しだいに打ち解けてきてくれたんだ。あいつは自分の手の中のものを守るに精一杯だったんだと気づいたんさ。たぶん、その守りたいって中にお前も入ったんだろうな」

 

「守る…?ユリスが俺を?」

 

「そ、うらやましいぜ。」

 

綾斗はふうと一息ついて顔を上げた。何か胸のつっかえが取れて目の前が大きく見えるようになった感じであった。

 

「ありがとう、亨介。今、なにを『成すべきこと』がやっとわかったよ」

 

「そっか。じゃあ行こうぜ!」

************

 

再開発エリアの外れにある一角の廃ビルにひとり、ユリスは辺りを警戒するように突き進んでいた。解体工事中のこの中は夕暮れの日が不気味に照らされいるがそれでも奥の暗闇は見えない。打ち壊された箇所、朽ちている個所と崩れそうな広い場所だが廃材が積まれており死角は少ない。ユリスは黙々と突き進んだそのとき、頭上から大量の廃材が彼女を押しつぶさんと落ちてきた。

 

「咲き誇れ__隔絶の赤傘花(レッドクラウン)!」

 

彼女のまりに守るように炎の五角形の花弁が傘のように彼女を包み込み落ちてくる廃材を跳ね除けた。

 

「いい加減出てきたらどうだ。……サイラス・ノーマン」

 

屋上まで貫いた吹き抜けにはうっすらと月が照らされいる。そんな月明りに照らされた巻き上がる土埃の中から一人の男の姿が現れた。痩せた少年、サイラス・ノーマンは芝居かかったように頭を下げた。

 

「これはこれはよくおいでくだしましたね」

 

「ふん…わざわざ貴様が口を滑らしたおかげですぐに貴様が犯人だとわかった」

 

「鎌をかけたつもりが逆にかけられるとは僕もうかつでした。まあターゲットをあなたから彼に変えたのは正解でした。」

 

不屈に低く笑うサイラスにユリスは強く睨み付けた。

 

「ふふふ、わかっていますよ。そうさせないためにも貴女はわざわざこちらから足を運んでくれたのですから」

 

「貴様っ!『これから周囲の人間を狙う。それを望まぬな以下の場所に来られたし』なぞとふざけた手紙をよこして…!さっさと用を済ましてやる!」

 

「まあまあ落ち着てください。僕だってあなたとの争いは望んでいません。だからこそここに呼び立てたのですよ?」

 

なんだと?とユリスは黙ったままにらみつける。余裕の態度のサイラスはそのまま話を続けた。

 

「聞きましたよ?貴女も私と同じく大金を稼ぎたいと。そこで提案があります。あなたには鳳凰星武祭の出場辞退

してもらい、僕と襲撃事件とは無関係だと証言していただきたい。その見返りとして君のパートナーの天霧綾斗の身の安全は保障しましょう。」

 

「話にならんな。」

 

ユリスはサイラスの提案をばっさりと切り捨てた。

 

「そんなこと貴様を叩き潰せばいいことだ。それに風紀委員も生徒会もすでに貴様に辿り着いているはずだ。」

 

「そっちはどうともなります。証拠なぞけすのはたやすい。」

 

余裕綽々と話を続けるサイラスだったが、突如声が響いた。

 

「サイラス!これはどういうことだ!!」

 

レスターがずかずかと大股でやってきた。

 

「ユリスが決闘を申し受けたと聞いて来てみれば…てめぇがユリス達を襲った犯人だと?」

 

「その通りですがなにか?」

 

あっけからんと答えるサイラスにレスターは怒り心頭に怒鳴った。

 

「なぜだ!なぜそんなまねをする!」

 

「…知らなかったのか?こいつはどこぞの学園を通して鳳凰星武祭に出場する選手を襲っていたんだぞ?」

 

何も知らないレスターに半ばあきれながらユリスは答えてやった。それを聞いたレスターは驚愕した。

 

「…なぜ、なぜそんなきたねぇ真似をする!仲間を売るつもりか!?」

 

「はあ…僕はあなたのように脳筋じゃありませんし。スマートに稼ぐ方法ならあるでしょう?勝つためなら仲間なんていりませんよ。」

 

「話は長くなりそうだがもういいだろう?言い残すことはないか?」

 

怒り心頭のレスターと同じくユリスも話を早く終わらせこの汚い男をぶちのめしたい気持ちでいっぱいであった。レスターも斧型の煌式武装『ヴァルディッシュ=レオ』を持ちサイラスをにらみつける。

 

「サイラス、一応聞くがなぜ俺を呼んだ?」

 

「それはもちろん保険ですよ。あなたとユリスが仲良く共倒れ。あなたは襲撃犯の罪を被って頂く、そんなシナリオですよ」

 

「ふんっ!このオレ様が簡単にやられると思うなよっ!!」

 

レスターは思い切り地を蹴り一気にサイラスに迫った。

 

「レスター!気を付けろ!あいては『魔術師(ダンテ)』なのだろう?何か仕掛けてくるぞ!」

 

ユリスはレスターに忠告したがレスターは無視をしてヴァルディッシュ=レオをサイラスめがけ振り下ろした。しかし、突如吹き抜けから降ってきた黒ずくめの大男二人に素手で受け止められた。

 

「くっ…!こいつらがてめえのお仲間か!」

 

「いえいえ、仲間じゃありませんよ。これが僕の『人形』達ですよ。」

 

サイラスは勝ち誇ったように指をパチンとならす。するとあちこちから黒ずくめの男たちが姿を現し黒い衣装を脱ぎ捨てた。その下から現れたのはまさしく人だった。マネキンのように顔の目と鼻のくぼみはなく関節は球体で繋がっており、無表情の様子は不気味だった。サイラスはさらに指をぱちんと鳴らすとさらに人形たちが現れユリスとレスターを取り囲んだ。剣や斧、銃やクロスボウ、鈍器など様々な煌式武装を持っており中には大きい人形もあった。

 

「戦闘用人形か。100体以上はいるな…」

 

「サイラス!てめえを張り倒してやる!」

 

「ふふふふっ、余裕ようですが。あなたたち二人がかりでこの128体の人形に勝てますか?」

 

すでに勝負はあったと余裕綽綽にあざわらうサイラスだった。

 

「2人じゃねえ、4人だぜ!」

 

突如声が響いた。そのとき隣の壁を蹴り壊して亨介と綾斗が駆けつけ、二人の前に立った。

 

「綾斗!?それに亨介!?」

 

「ユリス、遅くなっちゃった。」

 

「ようレスター面白いことしてんじゃん。俺も混ぜろよ?」

 

「ふん…」

 

「『黒の魔剣』に…ただの風紀委員ですか。貴方たちが加わっても戦況は変わりませんよ?それに綾斗くん、あなたのような二流の使い手では宝持ち腐れでしょう。凡愚にも劣る実力のあなたではこの百体を超える人形に勝とうなぞ…」

 

「黙れ。不意打ちしかできないのはあなただろう、サイラス・ノーマン」

 

綾斗らしかぬ、冷たく鋭い声にサイラスはビクリとひるんだ。綾斗の様子にレスターも亨介も感心した。

 

「い、いいでしょう!たった4人でどうにかできるならやってみるがいい!」

 

サイラスの合図とともに人形たちがとびかかってきた。綾斗とユリスは構えたが亨介に止められた。

 

「綾斗、ユリス。お前らは大将をゆずってやるよ。そこらへんの雑魚は俺に任せときな。」

 

「いいのかい、亨介」

 

亨介はにやりと返した。綾斗とユリスは頷いてサイラスめがけて駆け出した。

 

「おい、ヒヨっこ!!なんでてめーが犯人かわかったか教えてやんよ!」

 

「ふん、一応聞きましょうか?」

 

「てめーは見回りの時水無月に『ユリスは二度襲われた』って言ったよな?けれどあの時の情報では誰もあの時ユリスが二度も襲われたっていう情報はなかったんでね。それをなぜか知ってるてめーを怪しいと思ったんだ。あとは証拠もそろっているからあきらめてお縄につきな!」

 

「何をいまさら!レスターからユリスから逃げている腰抜けに何ができる!」

 

「出血大サービスだ!今日ここで本気を見せてやるさ!」

 

レスターたちは気づいた。亨介の右腕にいつの間にか翡翠色に透き通った大きなブレスレットがついていた。京介が右腕を掲げるとブレスレットは眩い緑色の光を放ち変形をした。

 

「…それがお前の煌式武装だと…?」

 

「ああ、これが俺の純煌式武装、『翡翠の悪魔(ジェーダ=ベリル)』だ」

 

亨介はどや顔で手に持っているものを構えた。手に持っているのは翡翠色に輝く・・・・・・デッキブラシだった。

 

「ふ、ふざけるなぁぁぁ!!」

 

馬鹿にされたと思いサイレスは怒り任せにどなり、二体の人形が亨介に襲い掛かる。しかし亨介は身をかわしデッキブラシを振り回した。直撃した人形はバラバラに壊れた。

 

「なっ!?」

 

「おらおらおらぁ!!!」

 

人形の振り下ろす剣や斧をかわし、放たれる光の矢や光弾を打ち払い亨介はデッキブラシを振り回し次々となぎ倒していく。亨介の背後から大型の人形が襲い掛かるがレスターのヴァルディッシュ=レオのパワフルな一撃をくらい崩壊した。

 

「やはり、てめえは思った以上の実力を隠しやがってたな。」

 

「ナイスアシスト。面目ねえ(へつらいの笑み)」

 

「詳しいことは聞きたいが…こいつらを片付けてからだ!」

 

亨介とレスターは勢いをさらに増して人形たちを倒していく。まさか苦戦することなく戦う二人にサイレスは戦慄した。特に千利亨介という男はデータにもない見たこともない純煌式武装を使っている。この男は一体何者なんだ…?

 

「よそ見をしてもいいのかい?」

 

ふと声がしたので見るといつの間にか綾斗がこちらまで迫ってきていた。ものすごい速さで次々に切り倒していく。よく見ると『黒炉の魔剣』を片手で持っておる。それにユリスも人形を切り倒してこちらに迫ってきている。

 

「く、くるなぁ!ぼ、僕の奥手を見せてやる!出てこいっ僕のクイーンッ!!」

 

腰を抜かしたサイレスはそれでも腕を振るう。彼の背後にあった瓦礫から巨大な人形が姿を現した。しかし、綾斗は臆することなく寧ろ『黒炉の魔剣』を強く握りしめた。

 

「天霧辰明流中伝『九牙太刀』ッ!!」

 

巨大な剣閃が人形にあたり、手足や体を両断されて地響きを立てて崩れた。着地した綾斗はそのままサイラス目がけかけていく。

 

「く、くるなあああああああああっ!!アバーッ!!」

 

サイレスは勢いよく綾斗にグーで殴り飛ばされた。空中で半回転をして地面に落ちた。すべて片付いた亨介は気絶したサイレスを取り押さえる。

 

「よっしゃ、お二人さんはどうする?」

 

「いや…これ以上外道に出す手はない。」

 

「……」

 

ユリスはこれ以上は責めず、レスターは責任を感じているのか黙ってそっぽをむいた。よっこらせと亨介はサイラスを縄で縛って背負う。

 

「しかし…お前がそんなに強かったとはな。亨介、お前の純煌式武装はなんなんだ?」

 

「ユリス、気になるのはわかるけど今は綾斗の心配をしたらどうだ?」

 

亨介は綾斗のほうを指さした。綾斗はふらふらとしており、ユリスにほうへ倒れた。

 

「あ、綾斗!?」

 

「感謝してやれよ?綾斗はお前を大事な仲間だから守りたい人だから助けに来たんだからな。相当無理をしたんだからよ」

 

「綾斗が私を…そうか、綾斗…ありがとう」

 

ユリスはほほを赤めてぎゅっと気を失っている綾斗を抱きしめた。レスターと亨介はうなずきこれで一件落着と終えようとした。

 

 

「フハハハハハハハ!!学園を脅かす下郎めが!!この学園の帝王サザンが打倒してくれるわ!!」

 

突如吹き抜けからサザンがどや顔で飛び降りてきた。あっと察した三人はサザンを無視して行動した。

 

「レスター、亨介。私はとりあえず綾斗を手当てしに行く」

 

「おk、レスター運ぶの手伝ってくんね?」

 

「任せろ」

 

三人はそのまま廃墟から去っていき、サザンだけがぽつりと残されただけだった。

 

「……あれ?もしかしてもう終わった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘描写がうまくなくてすいません








亨介の純煌式武装「翡翠の悪魔」のモデルは「帰ってきた」あのひとの「あれ」です

詳しい説明は後程で……
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