「料理を覚えたい?」
ある日の昼下がり。
一夏は、近所の複数の農家から頼まれている午後の畑の草むしりの段取りを考えながら、簪と一緒に昼食を食べていた。そんな時、簪が一夏に料理を教えて欲しいと切り出した。
「なんでまた?」
「あ、えっと・・・。お昼って、私たちだけの時はいつも一夏が作ってるでしょ? けど一夏は外仕事が多いし、少しでも体を休めてほしいから・・・。だったら私が作れたら、少しでも一夏の負担が減るかなって・・・」
一夏はキョトンとした表情で問い掛け、反対に簪は少々複雑な表情で答えた。
そう思って・・・と言いながら一夏の手元に目を落とす簪に誘われて、一夏は自分の手元に視線を落とす。今日の昼ご飯は鮭のムニエルに卵スープ、そして趣味で浸けたザワークラフトという顔ぶれだ。
言うまでも無くこれらは全て一夏が作ったもの。これといって手の込んだ物では無いが、旨いか微妙かで言えば自分でも旨いと思う。
「いや、別にこのくらい俺は負担でも無いし、気にしなくて良いぞ?」
「うぅ・・・そういう事じゃなくて・・・」
気にしなくて言いという一夏だが、簪は少々不服そうだ。その簪の態度に、一夏は首をかしげる。簪との付き合いはそう長くないけれど、簪の性格は何となく把握している。気弱だが、いざとなった時の度胸は有って、これと決めたことには頑固者。
しかし頑固者と言っても自分の気持ちを決して曲げないという訳ではなく、自分にとって本当に大切な事に関してだけはとても頑固、という訳だ。逆に言えば今簪が一夏の返答に対して煮え切らない態度を取っているのは、この提案はそれだけ簪にとって大切な事だと言うことだ。
一夏は考える。いったい簪は何が不服なのだろうか?少し考えるが一夏には検討が付かず、うんうん唸る。
そんな一夏の様子を見て、簪は隠していた本心を告白する。
「うーん・・・」
「・・・ねえ一夏。一夏は私の料理・・・食べたくない?」
簪は手元の料理と一夏の顔を交互に見ながら尋ねる。
「へ?」
「私が一夏に料理を作ったのは千冬さんが来た日だけだし、私はいつも一夏に作って貰うばかりだから・・・。これからは私も一夏にご飯を作ってあげたいの。それに・・・」
「それに?」
簪は恥ずかしそうに、俯き顔を赤くして呟く。
「一夏のお嫁さんになるなら、一夏にはいつも私の手料理を食べてもらいたい、から・・・」
「お、おう・・・」
言い終わる頃には簪は真っ赤になっていたが、それは一夏も同じだ。今まで誰からも言われたことの無いストレートな告白は一夏の胸に響き、一夏も嬉しさと気恥ずかしさで赤くなる。
「そ、そうだな。そういう事なら俺も教えてやりたいけど・・・」
一夏は頬をポリポリと掻く。
「いつ纏まった休みが取れるかな・・・」
「あ・・・」
一夏の言う通り、最近の一夏の生活は忙しい。近所の人から頼まれた事(一夏が自分で聞きに行った)や士郎と桜の手伝いなど、一夏は毎日忙しなく働いている。一夏は外で、簪は家で。
どれもこれも衛宮家に置いてもらっている事や近所の人に良くしてもらっている事への感謝の気持ちからだ。これらは、何の対価も無く士郎と桜に厄介になる事は嫌だったから、一夏と簪の二人で相談して決めた事。
相談したら一日休むくらい快く許してくれそうな人たちばかりだが、一度引き受けたことを無かった事にするのは自分自身が許さなかった。
一夏も簪も、自分が決めたことに関しては頑固と言うか頭が固いと言うか・・・。
どうしようかと困っていた一夏と簪だが、そこに一手に問題を解決する手段を持った人物が現れた。
「話は聞かせてもらった、私に良い案があるわ!」
彼女は居間の襖《ふすま》をサッと開けると、三十代中盤とは思えない軽やかさdーーー
「女の人の年齢をさらっと暴露しないの!」
「す、すいません藤村さん・・・(誰に怒ってるんだ・・・)」
「うんうん、よろしい」
現れたのは衛宮家の隣に在る藤村組という家の女性、藤村大河。藤村組と言う名前の通り藤村組はYAKUZAだが、この辺りで問題を起こしたという話は聞かない良い?YAKUZAである。そういう組織には多少詳しい簪もその名前を悪い意味で聞いたことは無いそうだ。
そんな組織に身を置く大河だが、そんな雰囲気は微塵も感じさせない明るく朗らかな人物で、その上教師として近所の高校で教鞭を取り、生徒からも同僚からも、果てはこの辺り一体に人たちからも好かれている。
士郎は桜も以前から良くして貰っており、二人とっての恩人であると一夏と簪は聞いている。
最近は結婚して以前のような騒がしさが消える・・・と士郎からは期待されていたが、そんなことは無い。結婚は女性を変える?否。そんな事は大河には適用されず、彼女は今日もこうして暴れ回って結果として物事を良い方向へと転がして行く。
因みに家には勝手に上がってくる。弟分の家なのだからここも私の家だという屁理屈を振りかざし、初めて会った一夏と簪を大いに振り回した。
閑話休題。
一夏の素直な様子に腕を組んで満足気にウンウンと頷く大河だが、そんな大河に簪が話しかける。
「あの、藤村さん。良い案って一体・・・」
「そうそうその話!」
簪の質問に大河は右の人差し指をビシッと立てると、キメ顔で二人を見る。
「今度士郎と桜ちゃんが料理教室を開くじゃない!二人もそれに参加したら良いのよ、一夏君は料理を教える側、簪ちゃんは料理を教わる側でね!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
料理。
それは人が火を使い始めた瞬間から始まったと言っても過言では無いだろう。人は火を使い食材の安全性と保存性を高め、食事の質の高さは特権階級の証だった。現代の、特に先進国では一定以上の水準の食事は簡単に確保する事が出来るが、それは料理人の価値を落とす事無く、寧ろより高い水準の料理を提供できる事はステータスとなりうる。
つまり何が言いたいかと言うとーーー
「料理が出来る、これ即ち最高の嫁候補。メシマズに入る隙無し」
「・・・簪、突然どうしたんだ?」
「何でもない、変な電波を受信したみたい」
一夏と簪は、士郎と桜が開催した料理教室に来ている。ここは隣の市に在る調理専門学校で、その一室を借りて開催している。
二人が士郎と桜に理由を説明したところ、快く了承してくれた。寧ろ今回は初心者の若奥さま向けで人数が多いから、料理の出来る一夏には全力で頑張って欲しいと力強く肩を叩かれたくらいだ。その時の士郎の目は嫌にギラギラとしていたが、一体どういう事だろうか・・・。
そんなことを考えていると、士郎の挨拶が終わって今日の料理の手順が書かれたレシピが配られる。
それを見ると、どうやら今日のメニューは鳥の照り焼きと卵と玉ねぎのコンソメスープ、主食は白米らしい。
確かに簡単で、失敗の少ない料理だと一夏は感じた。主食はパンでも良いかもしれないが、それだとパンは買ってくるか一から捏ねる事になる。けれどせっかくの料理教室で買ってきたパンと言うのも味気無いし、一から作っていたらパン作りがメインになってしまう。だったら自分で炊いたという実感が持てる米の方が良いだろうと一夏は思って、レシピから目を離し、簪に話し掛ける。
「簪、どうだ?」
「うん、これなら上手く行くと思う」
簪は自信満々・・・とは行かないものの、不安そうな表情は見せずに答える。
それもそうだ。簪の作る料理は不味く無いし、強いて言うなら包丁を使い慣れていないから食材の形が悪い、つまり経験が足りていないというだけだ。
実際殆ど初めてだっただろう味噌汁も具材の形が悪かっただけだし、卵焼きも少し焦げが目立って形が綺麗じゃないだけで味は良かった。
・・・こうして思い返すと毎日少しずつ台所に立つだけでも上達したんじゃないかとも思うが、今日のように集中して教わるという機会も大事な事だろうと思って、一夏は士郎に呼ばれて簪の側を離れた。
「ああ、違うぞ。包丁はこうで、左手はこうだ」
「うん。・・・んん・・・かたっ」
「ん、手伝うぞ」
「あ、ありがと・・・」
一夏は固くてニンジンを縦に半分に切れない簪の後ろに立ち、簪の包丁を持った右手に手を重ねて力を込める。そうするとニンジンは簡単に割れて、二つにコロンッと転がる。
因みにそんな体勢だから自然と体が密着する訳で、簪は少し赤くなっているが一夏は至って真剣な表情だ。台所では普段の緩さは出ないという事に簪は頼もしさと共にイケメン特有の謎のオーラを感じ、胸が高鳴る。
だがその謎のイケメンオーラに当てられたのは簪だけではないようで、簪の近くの台所を使っている若奥さま達から「切れなーいチラチラ」というアピールが飛んでくる。
一夏はそれを無視する訳も行かず、全員をフォローしていく。勿論簪のように後ろから手を添えるという事はしないが、簪は自分をほったらかしにされたようで少し寂しく思い、一人で頬を膨らませてニンジンにピーラーをかける。
包丁で皮剥きと言えば料理上手の証のようにも思えるが使えるならピーラーでも何でも使った方が楽で良いと言うのが日頃から台所を使う一夏や士郎、桜の共通認識だ。それに加えて怪我するといけないから、と一夏に言われしまっては簪にピーラーを使わないという選択肢は無かった。
簪がニンジンの皮剥きしていると、突然遠くの台から「痛ったーい!」という悲鳴が聞こえる。誰か指を切ったようだと察して簪がそちらを見ると、どうやら見覚えがある人だ。
そう、何を隠そう冬木の虎、藤村大河その人だ。先程は気付かなかったが、実は参加していたらしい大河は包丁での皮剥きに挑戦して見事指を切ってしまったらしく、まな板の上には包丁と剥きかけのニンジンだけが置いてある。
実は一夏が感じた士郎の目のギラ付きはこれが原因だ。大河がいる=何か起きる。士郎にとって大河は頼れる姉であると同時に困った姉で、それはこの年になっても変わっていない。今も予め用意していた絆創膏を取りだし、指に巻いてからお説教をしている。
「うぅ~、士郎~」
「だから安全なピーラーを使えって言っただろ藤姉。包丁なんて滅多に使わないんだからちゃんとーーー」
「まあまあ、士郎さんもその辺で。藤村先生も反省されてるようですし・・・」
「いや、こんなんじゃ反省しないことは桜も知ってるだろ?」
「そうですけど・・・。流石に痛い目をみたら藤村先生でも反省されますよ」
「さ、桜ちゃんまで~」
その様子を見て、簪はクスッと笑う。
「どうしたんだ?」
そこの一夏が丁度戻って来て、突然笑顔を見せた簪を不思議に思って尋ねる。
「みんな楽しそうで、つい」
「・・・だな。士郎さんは大変そうだけど、確かに皆楽しそうだな」
「だよね」
そう言って、一夏も簪も微笑みを見せる。子供っぽく涙目でお説教される大河と、小姑かと勘違いする位クドクドと注意する士郎、そしてそんな士郎を諫めながらも大河に毒を吐く桜という構図に、この場の人間皆が暖かな目を向けていた。・・・主にこの場で最年長の大河に向けて。
「醤油と味醂を混ぜたのを入れて・・・。うん、後は丁度よくなるまで見てれば良いんだよね?」
「そうだな、それで完成だ」
スープは完成し、下拵えのしっかりした鶏肉に火が通ったのを確認した簪は最後の照りを入れるタレを掛けて蓋をする。後は適度に返して、完成を待つだけだ。
「じゃあ俺は使った包丁とかをーーー」
「あ、一夏くーん。これで良いかなー?」
「はーい、今行きます!」
そう言って使い終わったボウルや包丁を洗い始めた一夏だったのだが自分を呼ぶ声を聞いて、それらを置いて呼び声のした方へ行ってしまった。
「・・・洗った方が良いよね」
残された簪は一夏の洗いかけの調理器具を見て、今の内に洗っておこうとそちらに向かう。それが結構大変で、つい集中して油汚れと格闘してしまう。ーーー大事な事を一つ忘れて。
そんな所に、一夏が帰ってきた。
「ーーー! 簪、鶏肉!」
「えっ? ・・・あっ!」
一夏の言葉にその存在を思い出し、鳥肉を焼いているフライパンに即座に向かう。蓋を取った簪の鼻腔を刺激するのは香ばしい香りーーー・・・ではなく焦げた臭い。焦げたのは鳥肉本体ではなくタレの方だ。今回のタレに使われたのは醤油と味醂。元々多くの糖分が含まれている味醂は、簪が少し目を離した隙に炭化し、炭に変わって鳥肉を覆い尽くしてしまった。
簪は膨れ上がった炭にまみれ、黒くなった鳥肉を呆然と見詰め、しゃがみこんでしまう。一夏もすぐ後ろからその光景を見て、簪の心中を察して何と言えば良いのか分からなくなってしまった。
簪がポツリと呟く。
「そんな・・・」
「簪・・・。ま、まあ簪は料理に慣れてないんだから失敗くらいーーー」
「・・・めんね・・・」
「・・・えっ?」
「一夏に美味しい料理食べて貰いたかったのに、失敗しちゃった。・・・ごめんね、一夏ぁ」
一夏を見る簪の瞳には、溢れんばかりの涙が溜まっていた。一夏は簪のその表情に言葉を失う。
想像以上だった。一夏の考えが甘かった事が突きつけられた。これまで何度も料理をして、そして何度も失敗している一夏にとってはこの位の失敗は大したこと無い、何度もある失敗の内の一つだったが、簪にとってはそうでは無い。
一夏のお嫁さんになるなら、と言っていたように、それだけ簪は料理を上手くなるということに真剣だった。それなのに、問題ないと思っていた料理での初歩的なミス。それはこれまでの簪の人生から考えたら、絶対に許されない事だ。
過去のトラウマの再来とまでは行かないものの、この失敗は簪の心を大きく抉った。
「簪・・・」
異変に気付いた周囲の人が二人の様子に目を向けるが、その張り積めた空気に誰も割って入ることが出来ない。
簪は体を震わせる。
「・・・こんな簡単な事も出来ないなんて・・・やっぱり私、一夏のお嫁さんなんてーーー」
それは過去に受けた仕打ちを思い出しかけているのか、簪は自分の体を抱き締め、震えは大きくなりーーー
「あら・・・美味しいじゃない、この鳥肉」
簪に駆け寄った一夏より早く、その明快な声が響いた。
「ーーー・・・え?」
「ふ、藤村さん?」
その声の主は藤村大河。一口大とはいえ、大きめにカットされた鳥のモモ肉を文字通り一口で食べた大河は、二人の反応など何のその、二つ目の鳥肉を掴むとパクッと食べてしまう。それは炭まみれになって、決して美味しいものでは無い筈なのに・・・。
「簪ちゃん、この照り焼き美味しいわよ。確かにちょぉ~と苦いけど、鳥の味もしっかりしてるし・・・あ!下味をしっかりしてるからね、これは! タレの味じゃない、胡椒とかもしっかり効いてるわ!」
「あ・・・え・・・?」
そう言ってまた大河は一つ食べてしまい、簪はその光景に目を白黒させる。
理解出来ない。それは絶対美味しい筈無いのに、どうしてそんなに美味しそうに食べてくれるの?
大河は簪の心をしっかり理解した様に簪の前に回り込み、今度はさっきまでとは違った真面目な表情で膝を折り、簪と同じ目線になる。
「簪ちゃん、私は簪ちゃんの過去に何が有ったか詳しく知らないけど・・・」
大河が士郎から一夏と簪、二人の過去を少しだけ聞いている。二人とも、親や周囲との関係が良くなかったという事だ。
「だけど、絶対に取り返しの着かない失敗なんてそんなに無いの。例え他人の命を奪ってしまうような失敗でも、それがわざとで無ければ生きて償うチャンスがある。そう、チャンスが残ってるのよ。だから料理の失敗でそんなに思い詰める事は無いわ」
「で、でも、私・・・!」
「簪ちゃんが作ってあげたかった一夏君は、料理の失敗で簪ちゃんを見捨てちゃうような人?」
大河が一夏を見ることは無い。大河は真摯に、簪だけを見ている。簪は不安げな、けれど確信の籠った目で一夏を見る。
「まさか、あり得ねえよ簪。俺だって料理は沢山失敗したんだ。簪だって、これから失敗しながら上達していけば良いと思う」
一夏は簪から視線を逸らすこと無く答え、今度は一夏が強い眼差しで簪を見る。
「あ・・・」
「そうよ。簪ちゃんの周りに、もう失敗したくらいで見限るような人は居ないわ。本当は、多くの人がそうなのよ。昔の簪ちゃんの周りには偶々そう言う人が多かっただけ。今はもう安心して色んな事に挑戦して、そして失敗して経験を積めば良いのよ」
じゃないと、この年になっても料理の苦手な残念美人になっちゃうぞ☆と、年齢不相応だと罵られそうな良い笑顔で言うと、大河はスクッと立ち上がる。
「じゃ、この美味しい照り焼きは貰ってくわね。簪ちゃんは私の作った、ちょっと微妙な味付けの照り焼きを食べるのよ!」
交換交換!と何故か本心からウキウキとしているのではないかと思わされる足取りと表情で、大河は自分に台に戻る。
少しして、士郎と桜がフライパンを一つ持って一夏と簪の元にやって来た。
「・・・簪、失敗は誰にでもあるんだからそんなに思い詰める事無いからな。俺も昔何度も失敗して道場送りに・・・あれ、何の事だ?」
「そうですよ、私なんて始めはおにぎりもマトモに握れませんでしたから、お料理なんてもってのほかでした。だから、心配しなくても大丈夫ですよ。皆失敗しながら成長するんですから」
桜の言葉に、いつの間にか集まっていた料理教室の生徒さんは皆がウンウンと頷き、中には旦那選びに失敗したわぁ~とか言う人までいる。・・・それは大丈夫なのか?
まあそんな話はさて置き、士郎は道場・・・なんだ、思い出そうとすると記憶が・・・と唸りながらフライパンを置いて大河の台に戻り、桜や他の奥様方も自分の場所に戻っていった。
その場に残されたのは一夏と簪二人だけ。
床に座り込んだ簪の肩に手を置いた一夏は、
「なあ簪。今度また、一緒に料理の練習しようぜ。今度は二人で、お菓子作りとかさ」
「・・・良いの?」
「ああ、勿論だ。皆言ってただろ?失敗して成長したら良いってさ。俺も最初は失敗だらけで、何度も失敗した料理を一人で食べてたよ」
だから、な?と一夏は簪に問い掛ける。簪は本当に良いの?と聞くが、一夏はまた良いぞと答える。
そんなやり取りをして簪は、
「うん・・・。よろしく、お願いします・・・」
そう言った。
「ああ。これからずっと、末長くな!」
一夏はさらっと、そんな言葉を口にした。
一夏の突然のプロポーズとも取れる発言に簪は赤くなりながらも笑顔を見せた。
が、しかしこの後奥さま方に思いっきり弄られたのは言うまでも無く、二人は赤くなりながら幸せそうに笑っていた。
因みに簪の食べた大河の照り焼きは、何故か本当に微妙な味だったが、今まで食べた中で一番美味しい鳥の照り焼きだった。
そして後日。一夏と簪が二人で作ったホットケーキはまだまだ綺麗な出来では無かったけれど、とても幸せな味がした。
お読み頂きありがとうございました!
大変遅くなりましたが、リクエストを頂いた内容を番外編として書かせて頂きました。お二人の方から頂いたものを合わせた内容となっていますが、納得して頂ける無いようになっていたらと思います。
『墓参り』というリクエストを頂いた方には申し訳有りませんが、そちらは完結後に書くという事にさせて頂きたいと思います。
大河の結婚相手ですが、ぶっちゃけ詳しい人物像は考えていません。流石に三十代中盤で未婚は不味いだろ・・・と思い、結婚した事にしました。藤姉ルートは潰えたんですから、良いですよね・・・?(震え声)
あと、料理下手設定については・・・調べても書いてなかったので、良いかなって。・・・大河は食べさせてもらっている描写しか印象に無かったんですよ。・・・けど、ぜっちゃんは山で野宿してたんだよな・・・(考えない考えない)
批評や感想・質問などいつでもお待ちしておりますので、お気軽にお願いします!
では、次回(本筋)をお待ちください!
ああ、そうだ。鳥の照り焼きの失敗の仕方は作者の体験談です。ビックリしましたよ、あの時は・・・。