ラブライブ!~化け物と呼ばれた少年と9人の女神の物語~ 作:そらなり
今回は空也のこれからが関わってくる場面となっています。……目指してきたからできたものがあって、もしもそれが叶うのであれば……こんなにうれしいことはない。
それでは、今回も進み続ける彼の物語をご覧ください!
とある事実を知った穂乃果と花陽と一緒に屋上でμ'sは集合していた。そして話になるのは先ほどのこと。
そう、体重が増えていたということだ。女の子にとってとても敏感になるこの出来事に本人たちだけでなく、周りも深刻な空気になっていた。
絵里「まさか、こんなことになってたなんて……」
いままで練習のことと体調に目を向けすぎていて、各メンバーの体の管理は一切してこなかった。その事に後悔している絵里。
その横で穂乃果と花陽が肩を落として落ち込んでいた。
この現状になんとかフォローを入れようとする希。
希「まぁ、2人とも育ちざかりやから。そのせいもあるんやろうけど」
確かに希の言っていることだってあるだろう。しかし、この状況ではあまりいいことではない。いくら育ち盛りといっても限度がある。身長が変わっていないのだからあまり説得力があるとも思えないし。
それに、ただ体重が増えただけならここまで落ち込むほどではない。せめて『あ~、ダイエットしなきゃな~』程度で済む。
にこ「でもほっとけないレベルなんでしょ?」
でも今の状況は本当にまずい、何とかしないといけない。そういう増加量だったためになっている。絶対にほっとけないのだ。これからのことを考えると、絶対に。
だからこそ厳しい指導が必要になってくる。
海未「これが……。今日からのメニューです!」
そこで出したのが海未が企画したダイエットプラン。『ダイエット! ギリギリまで絞るプラン!!』と書いてあるプランをを2人の前に提示した。
そこには普段食べていい食事量やノルマとして課題にされている運動量がかかれていた。
穂乃果「えぇ!? 夕飯これだけ!?」
中身を見ていると、次第に受ける2人から不満の声が出てくる。
花陽「おっお米は……」
ダイエットを始めるというからには今まで通りの生活が送れないというのと同義であるから、ハードなプランになるのは仕方がないのだがどうしても今までの生活とのギャップを感じてしまう2人。
それでも無理にならないようにいろいろと考えられているプランナだけにきっとこのプランを守っていけばきっとダイエットは成功するだろう。
海未「夜の食事を多く摂ると体重増加につながります。その分、朝ごはんはしっかり食べられるのでご心配なく」
夜に食事の量を減らすのは、残りの活動が少ないため。寝ている時間にカロリーを消費するとはいえそれでは取り入れたカロリーと使用したカロリーのバランスが不安定だということもあり、夜はかなり食事の量を減らしていた。
ただその分、これから激しい活動を始めるからという理由で朝食を多く食べれるように設定して無理のないダイエットを実現するようにしていた。
いろいろなことが配慮されているプランを見てわがままを言っている暇はないと感じる。自分だけではなく周りのみんなが手伝ってくれるんだから結果を出さないといけない。そういう考えが花陽と穂乃果の背中を押した。
花陽「頑張るしかないよ。穂乃果ちゃん」
覚悟を決めた花陽はダイエットのプランをやり遂げる決意を固めた。
そしてそれは穂乃果も同じ。
穂乃果「そうだね……。でもよかったよ! 私と同じ境遇の仲間がもう一人いてくれて」
それに加えて最初は1人だけだと思っていた穂乃果は運命共同体である花陽の存在をうれしく思っていた。花陽の手を取り、まるで一心同体の片割れを見つけたかのような喜び具合だった。
でもそれを思っていたのは穂乃果だけ。
花陽「仲間?」
そう言い花陽は目をそらす。あまりいい印象のものではなかったから。
勿論その行動は穂乃果に伝わって……
穂乃果「目、そらした?」
ジト目になりながら花陽のほうを見つめていた。
そんな話をしていると屋上の扉が開かれる。
???「あの……、今休憩中ですよね?」
そこから現れたのは音ノ木坂学院の制服をまとい、水色のリボンをした少女3人組だった。水色のリボンが示すのは1年生であるということ。そして1年生は1クラスの身だということを考えると、ここにいる3人は凛たちのクラスメイトということになる。
そんな彼女たちがμ'sが練習中であることを知ったうえで今は練習をしていないということをわかったうえでこうして屋上に訊ねてきた。
???2「よかったら、サイン頂きたいんですけど……」
その理由は一般の人が芸能人に向けてお願いするようなものだった。最近では花陽とにこがA-RISEに対してやったようなものと同じものを。
ただいきなり来てもすぐに対応することができるかといえばノーだ。
空也「えっと、あなた達は?」
だからせめて相手がどういう人なのかを知りたかった。いくら制服を着ているからといってすぐに安心できることもないし、いきなり来られて驚いている状況でもあったから。
きっと空也の質問の意味に気が付いたんだろう。
1年ファン1「あぁ……すいません!」
最初に入ってきた子はぺこりと頭を下げてまず謝罪をした。それにつられて残りの2人も深く頭を下げていた。
そして顔を上げるとまずは先ほどの質問に答える。
1年ファン2「私たちこの前のハロウィンイベントを見て、感動して」
昨日のイベントを見てくれていたみたいだ。そしてみてくれた人の心を動かすことができたみたい。
その事を知れた絵里たちは大いに喜んだ。
絵里「ありがとう。うれしいわ!」
ネット上でそういうことを書かれたりする機会は多くあったけど直接口で言われるとまた違った風にも感じられ一層喜びが増す。
そしてそれは作詞をした空也も同じこと。自分の書いた詩で人の心を動かせたのだ。これ以上にうれしいことはない。
空也「そうだな。穂乃果、どうする?」
でも、サインをするかどうかはリーダーである穂乃果に決めてもらおう。あくまでも空也は裏方。本人たちに決定権がなくてはならないのだから。
話を振られた穂乃果は屋上の入り口付近にいるサインをもらいに来た1年生に笑顔で、
穂乃果「もちろん! 私たちでよければ!」
サインを書くことを了承した。
そしてこの場にいるアイドル研究部の全員が持ってきていた色紙にサインをする。そう、全員が。
1年ファン1「わぁ~、ありがとうございます!」
書いてもらった色紙を胸に抱いて感動している一番最初に屋上に入ってきた彼女は最高の笑顔を出していた。
この場にいる全員がサインをしたということは……
空也「なんで俺まで……」
そう作詩をしている空也のサインまでその色紙にはあるということだった。9人から書くよねと迫られ断れなかったみたいだ。
サインをもらって安心した1年生たちはそれぞれ自分の思っていることを口にした。
1年ファン1「実は私、園田先輩みたいなスタイルに憧れてたんです」
最初に入ってきた女の子は海未に向けた言葉を。
ただ、聞いているほうとしては恥ずかしいことこの上ないことなのだが……、
海未「そっそんな。スタイルだなんて……」
余程恥ずかしいのかほほを染め、否定の言葉まで言いよどんでしまう。
それに続き次に入ってきた女の子が今度はことりのほうを向いて、
1年ファン2「私は、ことり先輩のスラッとしたとこがきれいだなって」
さっきの女の子と同じように思っていたことを話す。
ことりも海未のように恥ずかしさを感じて謙遜の言葉を口にした。
ことり「全然すらっとしてないよ……」
自分のことを好んで高評価をしている人なんて早々いるわけではないのだから人としては当然の反応といえるだろう。
そして一番最後に入ってきた人は穂乃果のことを見つめていた。
1年ファン3「私は穂乃果先輩の……!」
今までの流れからしてきっとプロポーションのことを言われるのだろうと、ここにいるみんなが軽く予想していた。
それは言われる本人である穂乃果も例外ではない。
穂乃果「の!」
かなり食い気味にそのあとの言葉を目を輝かせながら催促していた。
でも、そのあとに続けられた言葉は今までの流れを完全に断ち切るものだった。
1年ファン3「元気なところが大好きです!」
確かにそれが穂乃果の長所であるからしっかりと見ているのだろう。
ただ、望んでいた結果が出なかったことに穂乃果は肩を落としていた。
穂乃果「あっありがとう……」
それでも褒められたというのは悪くはないものだ。嬉しさ半分、悔しさ半分な気持ちを今の穂乃果は感じていた。
一通りやりたかったことのできた1年生3人は屋上を後にして、この場にはアイドル研究部の10人だけとなった。
空也「なんで俺まで……」
そんな中、先ほどのサインのことでずっと不満そうに思っていた空也は再びこのセリフを言っていた。
もう何度目かと思うセリフを聞いているにこには正直うんざりするようなことでもあったため、
にこ「あんたいつまでそんなこと言ってるのよ」
空也本人にツッコミを入れる。サインごときで何を言っているのだと。
それでも、空也には1つの考えがあった。
空也「俺は裏方なんだから、サインなんてしなくてもいいんじゃないか?」
本来作詞をしてみんなの練習を見てと本番のステージの上では何もしていない自分がサインを欲されるほどではないという考えを。
ただそれは空也個人の意見。希たちはそういう考えをしていなかった。
希「そんなことあらへんよ、空也君はもう立派なμ'sの一員や!」
ライブ前の円陣を組む時だって空也は10番目を担当している。確かに表舞台に出ることはないのかもしれない。だけど、μ'sの仲間でかけがえのないメンバーであることには変わりなかった。こうやって同じ時間を共にしているのだから。
希の言葉に続き凛が空也に向けて話す。
凛「そうだよ! それに今じゃ作詞家が表に出るなんてざらにゃ!」
作詞をする人だって表に出ないわけではない。詩を書いたときのことなどを話したりすることだってあるし、ずっと裏方というわけでもない。
この2人の言葉で空也の考えが一変した。特に凛の言葉は将来を考えている空也にとって大きな変化を表せた。
空也「……。そうだな! っと、電話か……。ななか? 悪いちょっと出てくるわ」
そのおかげで自分が10人目であることを改めて確認すると、空也のスマホにななかから着信が入ったようだ。アイドルと看護の仕事をしている彼女が連絡をするというのはかなり珍しい。2つとも忙しい仕事であることを考えるとなかなか合ったものじゃないのだから。
それで連絡をしたということは本当に何か用事があるということで、出ないなんて選択肢は空也の中には存在しなかった。
屋上を後にすることにした空也を絵里が注意をして見送る。
絵里「あまり遅くならないようにね?」
これから練習をするんだ。確かに時間を長く取られるのはあまりいいとは言えない。
その事も頭に入れたうえで空也は、
空也「努力する」
屋上を後にした。一体どんな連絡なのかを少しだけ考えながら。
空也は1人、生徒会室で電話に出る。知り合いだということは隠すつもりはないのだが、本人と話せるということになると話は変わってくる。
空也「もしもし? ななか?」
周りで騒動が起こる可能性を考えて基本誰も来ない生徒会室で電話に出ることにした。
電話の先にいたのはもちろんスマホに登録されてあるななかだった。
ななか『あ! 空也君?』
そして向こうも電話している人が空也であることを確認する。
その問いに対してすぐに答える空也。絵里に宣言したこともあるため早く本題に入るための行動だった。
空也「そうだけど、なんかあったのか?」
電話がかかってきたときにも思ったこと。ななかは忙しい身であることから電話をかけてくるときは必ず何かあった時だ。こっちから連絡したときにたまたまそこにいたということがあっても、さっきの理由でななか自信からはなかなか電話がかかってくることがなかった。
空也に何かがあったという質問に対してななかはまず確認をとるためにもう一度質問を重ねる。
ななか『うん! 空也君って作詞家目指してるんだよね?』
それは空也の将来の夢の話。作詞家を目指しているかどうかを確認するためのものだった。
もちろん今までそれを目標にして活動してきたという面もある。作詞家になりたいから作詞を初めて、それが巡り巡って今、μ'sの曲の詩を書いている。
空也「そうだけど?」
だからすぐにそれを肯定する。ただ、なぜそんなことをななかがわざわざ聞いてきたのかが分からない空也には疑問が生まれた。
それでようやく話は大本の本題へと入っていく。なぜななかが連絡してきたのか、さっきの質問をしてきたのか。その答えがようやくわかる。
ななか『実は、事務所の所長が将来的に作詞家である空也君をスカウトしたいって言ってるんだ。ちょっと早いけど、どうする?』
誰も予想ができていなかった。出来るはずのなかったことがななかの口から告げられる。
ずっと求めていたこと。だけどいざその瞬間に立ち会うことになるとすぐに情報を処理することができない。
空也「…………。えっと……要するに、俺がプロデビューするチャンスが出てきたってことか?」
一瞬の間の後、怯えながら言われた内容を復唱する。もし間違っていたりしたら行けないから。
ななかはその空也の言葉に頷く。それが正しいことを示すように。
ななか『簡単に言うとね。それで私が知り合いだっていったら、スカウトしてくれって頼まれちゃって。今決めなくていいけど、どうする?』
時間がたつにつれて言葉の意味をようやく理解し始める空也。ようやく手に入れたこのチャンスは絶対に手を離してはいけないものであることが空也の中に深く刻まれた。
ただ、今プロになれることが決まったとしてこれからがどうなるのかわからない。それに目標を2つも設定してしまえば必ずどこかで破綻してしまう。
空也「…………。まだ待っててくれるか。出来るなら、ラブライブが終わるまで……。そこでμ'sが優勝したら決めるよ」
だから、これからの運命をμ'sと一緒に歩むことにした。今まではただ最高の結果を求めて優勝を掲げて活動を続けてきた。それだけでも十分だが、空也にとってはまだ足りない。空也のプロの鍵は優勝とともにある。そうすれば、自分にもいい効果があるはずとそう考えての行動だった。
その空也の言葉を聞いたななかは少しだけ考える間を作ってから話し始める。
ななか『そうすると、優勝できなかったときは話がなしになっちゃうけどいいの?』
確かに空也の言ったことはそういうことだ。優勝できなかったらプロになる話はなしとなり、また一から頑張っていかないといけないことになる。
ななかは空也のことを心配して声をかけた。だけど、この提案を出したのは他でもない空也自身。
空也「あぁ、実現できないと思ってるならこういう提案はしないさ。優勝できると信じているから、確信しているから言ってるんだ」
自分でも無理だと思っている賭けは絶対に成功しない。でも、勝てるとそういう確信があるのであれば勝負するだろう。勝負をしないと勝てないんだ。だからこそ、大胆な一手が必要になってくる。
空也が出した提案の理由を聞いたななかは一度深呼吸をしてもう一度空也に声をかける。
ななか『……いいよ。っというか最初っからそのつもりだったんだよね』
するとななかの口から出てきた言葉は意外なものだった。ここまで話してきたけどまさか、ラブライブが終わるまで待ってくれるということまでななかの事務所は考えていたのだ。そして優勝できなければ採らないとそういうことを言ってるんということが分かった。
優勝できるほどの詩を書かないと採用はしないってそう言っているのも同然だ。
まぁ、空也が言ったことを了承してくれているということは提案した側としてもうれしいこと。
空也「そういうことで。まだ保留にしてほしい。話はそれだけか?」
だから答えを待ってほしいということをもう一度告げる。そしてこの後も話が続くのか確認の言葉を入れた。
そう空也が聞くとななかはいきなり慌てながら反応を示した。
ななか『あ、それともう一つ! 実は…………って話も出ててね。こっちもどうするかは本人たちにってことになってるんだ』
事務所の中で出たもう一つの出来事。それが空也の耳に入った。一体いつからこの話が出ていたのかはわからない。ただ、こんなにも早く話が出てくるのかと少しの驚きを空也は感じていた。
でも結局は本人たちに委ねられるということでひとまず話はここで終わる。
空也「了解だ。まぁ、とにかくはラブライブが終わるまでだな」
そう、すべてはラブライブが終わるまで。それがμ'sの中でできたある約束でもあったから。
空也の言葉にななかは元気良く頷き、
ななか『うん! ラブライブ、がんばってね空也君』
最後にファンとして友達としてエールを送り、
そのエールを受け取った空也が言葉を返すと、
空也「あぁ、じゃあな。ななか」
この電話は終わりとなった。そこまで時間は立っていないはずなのに内容が濃すぎて長く話していたように感じる。
ずっと夢に見ていたことが実現可能な範囲まで来たというだけで今の空也にはうれしいものがあるだろう。
だからこそ、この話を噛みしめていた。
空也「プロか……」
今の空也の心の中には今までに感じたことのないほど大きな歓喜によって包み込まれていた。
ようやく手に触れ始めた夢への切符を噛みしめるようにずっと生徒会室で立ち尽くしていた。
空也「やったんだな、俺……。っと、このままじゃアイツらを心配させちまうな。よっし、行くか」
まだ確定したわけではない。それでも、声がかかるまでには成長ができた。そのことだけでもうれしいものだ。今までの努力が報われ始めているということを実感できることなのだから。
ただ、絵里にした約束は守らなくてはならない。ただでさえダイエットをしている穂乃果と花陽の面倒を見るのに何人かを付けているのだから練習できない人がいる状況になってしまう。それを解決するために空也は早く屋上に戻らなくてはいけなかった・
そう考えていた空也だが、先ほどのこともあり浮かれ気味な足取りで屋上に向かった結果……
空也「誰もいないじゃん!」
屋上にはμ'sのみの字も見当たらない。人の影すら見当たらない状況がただただ広がっていた。
遂に、彼の努力が実り始めましたよ! 空也のプロデビューは実現するのでしょうか? それは今後の展開次第で空也の頑張り次第です。
そして始まるダイエットプラン。ダイエットは一切したことのない作者が客観的に見てきたことだけを文にしてこれからお送りしますのでそこらへんはご了承ください。
新しくお気に入り登録してくださったキース・シルバーさんありがとうございます!
次回『ダイエットの結果』始まったと思ったらもう終わりに……!
それでは、次回もお楽しみに!
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