百花繚乱クロニクルセブン-僕らのセカイとキミのミライ- 作:白鷺 葵
・ブンイチの技構成が2020シリーズやⅢのサムライとは違います。ご注意ください。
「いやー、本当にありがとうねー」
「いえいえ。同じ珍味好きの頼みですから」
満足げに笑った女性研究員アミィの手には、新鮮なスパイラルミートが大量に抱えられている。珍味好きなら絶対に協力したくなるような依頼を果たしたリヒトの表情は、これ以上ないくらい晴れやかだった。
グロテスクな巻貝の肉が大量に積まれている――マサハルからしてみれば、なかなかハードな光景だ。思わず口元を抑えて視線を逸らした自分は何も悪くないはずである。我が孫ながら、どうしてこんな好みになったのか。
「楽しみだなー。スパイラルミートのバター焼き!」
「バター焼き以外にも、刺身や味噌汁の具材にしても美味しいですよ」
「おおお! 情報ありがとう! さっそくチャレンジしてみるわ!!」
満足げに笑ったアミィは、スパイラルミートを大事そうに抱え、奥へと走り去って行く。リヒトはニコニコ笑って彼女の背中を見送った。
これから、アミィはスパイラルミートを調理するのだろう。数日前、マイルームのキッチンを阿鼻叫喚に陥れた光景がフラッシュバックする。あの後も、リヒトは独自で調理法を研究していた。その情報がどこから漏れたのか、話を聞きつけたアミィがリヒトに「スパイラルミートを分けてくれ」と頼み込んできたのだ。
彼女は表向きとして“鉱石分布図調査のため、スパイラルミートが欲しい”と言った。実際、スパイラルキャノンは希少金属を凝縮して殻を形成する特性があるため、鉱石調査に持って来いのマモノである。勿論、仲間たちに対して、リヒトはこの依頼の表向きしか話していない。裏を話せば、大惨事になることは予測できたためだ。
マサハルは深々とため息をつく。アミィという同類を得たリヒトは、珍味追及を深めていくだろう。このままいけば、“知り合いに対して珍味テロを行い、周囲を阿鼻叫喚に陥れる”ことは明白であった。自重しろと言っても止まらないことも明らかなのだが。東雲マサハルという人間は、苦労し続ける運命にあるらしい。
そんなことを考えていたとき、背後から押し問答の声が聞こえてきた。何事かと振り返れば、受付嬢と少女――ミオが何かを話している。
リヒトもミオの存在に気づいたようで、迷うことなくエントランスへと駆け出した。マサハルもリヒトの背中を追う。
「ミオ!」
「あっ、リヒト!」
ミオの姿を見たリヒトは満面の笑みを浮かべてミオを迎え、リヒトの姿を確認したミオも表情を輝かせる。まるで、逢瀬の約束をしていた恋人たちのようだ。
受付嬢の表情が引きつる。恨めしそうな様子からして、彼女は独身/彼氏と別れた直後なのだろうか。それを質問することは憚られた。
「リヒトさま、こちらの方は?」
「僕の大切な友人です」
受付嬢の問いかけに、リヒトは穏やかな笑みを崩さず答えた。それを聞いた受付嬢は、非礼を詫びてミオを通す。押し問答から解放されたミオは、安堵の息を吐いた。
「助かったよ。ありがとう、リヒト」
「いえいえ。それは何よりです」
2人の周辺は、まるで花畑の中に居るんではないかと思うくらい、空気がふわふわしている。マサハルは思わず目を細めた。この場にヨツミとシラユキがいたら、優しい眼差しで2人を見守っていたことであろう。
丁度そのタイミングで、エレベーターからナガミミが降りてきた。マスコットの姿を確認した受付嬢がナガミミに声をかける。ウサギのマスコットが主任をやっているという光景は実にシュールだった。
しかも、ナガミミの喋り方は完全な営業用である。13班をナビゲートするときのような毒舌や口の悪さなど、一切出していない。ナガミミの演技は文字通り完璧だった。思わずマサハルは舌を巻く。あれは絶対真似できない。
ナガミミは主任の地位と営業用のフレンドリーな態度で場を収めようとしていた。主任の知り合い、主任本人の「任せろ」という言葉で、受付嬢は引き下がる。
受付嬢の追及を捌き終えた後、ナガミミは深々とため息をついた。
そして、ぎろりとミオを睨みつける。
「ブチ殺されてーのか、コムスメ……」
「ご、ごめんなさいっ!?」
「まあまあ、落ち着いてくださいよ。ミオが怖がっているじゃないですか」
ナガミミに睨みつけられ、ミオは怯えたように身をすくませる。見かねたリヒトがナガミミを諌めた。マスコットと同じ目線まで屈み、そっと耳打ちする。
「これ以上ミオをいじめるなら、あなたの口に“加熱処理していないスパイラルエキス”を突っ込まなくてはいけなくなりますが」
「……で、コムスメ。ここに何の用だ? 遊びに来ただけだってなら、とっととお家へ帰った方がいいぞ?」
『うわ、えげつねえ!!』
我が孫ながら、なんて悍ましい脅迫なのか。不慮の事故で“生状態のスパイラルエキス”を飲んでグロッキーになってしまったマサハルにしてみれば、以前の悪夢が形を変えて再来したことに他ならない。
勿論、ナガミミは瞬時に高圧的な態度を軟化させた。ヒイナとマサハルが“スパイラルエキスを飲んで倒れた”ことは、ナガミミに報告済みだったためである。正体不明のマスコットでも、ゲテモノに耐性があるわけではないらしい。
「えっと、……実は、アリーさんに会いに来たの」
「アリーに? なんでまた……」
「……ナビゲーター、引き受けようと思って」
そう言ったミオの瞳は、強い意志が宿っていた。
彼女の横顔が、嘗てマサハルたちを助けた双子のナビゲーター――ミロクとミイナに重なる。その面影と意志は、確かにミオへと受け継がれたのだ。
なんだか感慨深いものを感じて、マサハルは思わず鼻を鳴らした。滲んだ視界を服の袖で拭いながら、リヒトとミオの姿を見つめる。
「私もアリーさんに協力したい。ナビゲーターとして、リヒトを助けたいんだ」
ミオの声には一切の震えがない。目の前に居るのはか弱い少女ではなく、自身の戦うべき理由を見つけ出した戦士だ。
戦場へ赴く覚悟を固めた若芽色の瞳。彼女の覚悟を聞いたナガミミが、感心したように声を漏らす。
その言葉につられるような形で、リヒトもまた表情を輝かせる。金色の瞳が嬉しそうに瞬いた。
「決心したんですね」
「うん。わたしは、わたしにできることを、もっと一生懸命に頑張りたい。……全部、リヒトやイノリたちの受け譲りだけどね。えへへ……」
「それでもいいんですよ。理由は何であれ、成し遂げようと思い、行動することが大事なんですから。ミオは凄いです」
「そ、そんなに褒められると、照れちゃうな……」
ミオの決意に対し、リヒトは惜しみなく賛辞を贈る。真正面から褒められた経験が少ないのか、ミオは顔を真っ赤にして視線を彷徨わせた。
そんなミオの姿を見て、リヒトは慈しむような眼差しを注いでいた。お花畑全開の2人に対し、物を申せるような猛者はいない。
「それに、ちょっとだけ下心があるんだ」
「下心?」
「わたし、お父さんを探してるの」
ミオは密やかな告白をするように、小さな声でリヒトに話し始める。
彼女がノーデンスを訪れたのは、行方不明となった父親を探しに来たためらしい。ミオの祖父は「両親は2人とも事故で死んだ」と語っていたらしいが、彼女はそれを信じていない。小さい頃、父親がノーデンス社について言及していたことを覚えていたためだ。
他にも、父親に頭を撫でてもらった記憶も、父親の生存を信じている理由なのだと彼女は語る。それらを分析した結果、“一緒に居られないのは何か理由があるためだ”という結論に至ったらしい。勿論、確定的な証拠はどこにもない。妄想と言えばそれまでだ。
(……ミカゲの坊や那雲夫婦から全容は聞いてたけど……)
すべてを聞いている人間としては、ミオの記憶力や直感には舌を巻かざるを得ない。マサハルは何とも言えない気分になりながら、ミオの父親と祖父に想いを馳せた。
「ミオのお父さん、すぐ見つかりますよ」「も、もう。……リヒトが言うと、ホントにそう思っちゃいそう」――このままいくと、2人の言葉通りの光景が広がることになる。
精神的な疲労が折り重なる図を思い浮かべ、マサハルの口元にも乾いた笑みが浮かんだ。完全に、人間関係が大事故を起こしている。マサハルは思わず遠い目をした。
記憶力がいいのは、Nav.シリーズと銘打たれた人工生命体たちの能力だ。ナビゲーターには、ナビゲート能力だけでなく、膨大な情報を記憶し演算する力も必要なのだから。
嘗ての英雄の系譜を引く者たちを、嘗て英雄たちを支えたナビゲーターの系譜を引く少女が導く――。
因果と言えば因果である。マサハルは遠い過去へと想いを馳せた。ミロクとミイナの勇士は、今でも覚えている。
「ここで働いていれば、いつかきっとお父さんに会えると思うの。……まあ、採用されなきゃ意味がないんだけど」
「僕でよければ協力しますか?」
「……ううん、大丈夫! 自分でなんとかするって決めたから!」
そう言って、ミオは力強く微笑んだ。
「……そうですね。ミオなら絶対採用されますよ」
言いたいことを飲み込んで、リヒトも柔らかに笑い返す。ノーデンスに対して黒い取引を持ちかけようと考えていたらしい。
最も、何かあったらすぐにそれをしようと思案しているようだ。……本当に、我が孫ながら恐ろしい奴である。
「それじゃあ、リヒト。行ってきます!」
「頑張ってください!」
意気揚々と立ち去っていくミオの背中を見送る。
ナガミミは今後のことを予測し、楽しそうにほくそ笑んだ。
……だが、その笑みは長くは続かなかった。
「ナガミミ様ー! ただいまーっ!」
「げぇーっ!? ブンイチ!!」
本業を終えてノーデンスへと戻ってきたブンイチが、ナガミミを強襲したためである。ブンイチはナガミミにスライディングし、タッチダウン宜しくマスコットを抱きしめた。
人目についているということで、ナガミミは営業状態でブンイチを迎え撃つ。しかし、ブンイチは何も気にすることなくナガミミとべたべたしていた。お持ち帰りを画策している。
ブンイチの暴走を見ていたマサハルは深々とため息をついた後、彼を止めるために歩き出した。
■■■
有明の夕日は美しい。一仕事終えてきたせいか、普段よりも目に沁みるような心地になる。ブンイチが珍しく感傷に浸っていたとき、ISDFの隊員たちとすれ違った。ノーデンスと共同で時空を超えている部隊だろう。横須賀基地へと帰投するその背中を見送った。
ブンイチは意気揚々とノーデンスのエントランスに足を踏み入れた。早速愛しのマスコットを探しに行こうとし――丁度、件の相手を発見した。
ウサギを模したマスコットは、こちらの存在に気づいていない。幸運にも、無防備な背中を晒していた。ブンイチは迷うことなく駆け出す。
「ナガミミ様ー! ただいまーっ!」
「げぇーっ!? ブンイチ!!」
ブンイチはナガミミにスライディングし、タッチダウン宜しくマスコットを抱きしめた。ナガミミはひっくり返した声を上げて、脱出しようと派手にもがく。
耳を振り乱し、手を押し付け、ナガミミは必死になってブンイチの拘束から逃れようとしていた。その度、柔らかな肌触りがブンイチの五感を刺激する。
澄み切った森林のような心地よい香りを鼻一杯に吸い込みながら、ブンイチはマスコットに頬ずりした。ああ、ブンイチの想い人は今日もツンデレ可愛い。
「オ……ちょっと待つミミ! いつものことだけど、本当にオマ……キミは無茶苦茶ミミ! いい加減自重を覚えてほしいミミ~!」
「あはは、可愛いなあナガミミ様。照れ屋さんだもんなぁ」
「照れてないミミ! 本気で嫌がってるんだミミィィィ!」
ナガミミは全力で暴れているらしいが、ブンイチの握力からしてみれば全然大したことがない。女の子とのじゃれ合いレベルである。
何故だかわからないが、現在、ブンイチには、顔を真っ赤にして暴れる金髪の美女の姿がはっきりと見えていた。本当に可愛い。
幸いなことに、この場にはアリーやジュリエッタ、チカやリッカのような邪魔者たちの姿はない。受付嬢は別件を言い渡されてグロッキーになっているようだし、今ならお持ち帰りしても咎められることはないだろう。
『――おい、いい加減にしないか』
ぺしん、と、誰かに頭を叩かれた。何事かと見上げれば、そこには呆れ果てた顔をした男性が佇んでいた。灰色の髪を束ね、眼鏡をかけ、ひげを生やし、黄色のスーツを身に纏った男――旧ムラクモ13班に所属していた東雲マサハル氏である。
彼の瞳には、幾何かの懐かしさと疲れが滲んでいる。それは安堵であり呆れだった。彼の眼差しの意味を、ブンイチはよく知っている。遠い昔から見慣れた眼差しに、安堵したのはブンイチも同じであった。
刹那、マスコットの元へと通信が入る。声の主はアリーだった。
『やっほーナガミミ。今、あなたの近くに暇な子はいるー?』
「ナイスタイミングだアリー! ケダモノが、ケダモノが!!」
『……オケオケ。大部分は把握したよ』
第一声よりだいぶ疲れたアリーの声がする。その時間は僅か十数秒だ。何が起きたのだろうと思いつつ、ブンイチはナガミミに頬ずりする。ビロードのような肌触りが心地よい。
次の瞬間、マサハルによって、ブンイチはナガミミから乱暴に引っぺがされた。首根っこを引っ掴まれているため、抵抗することすらままならない。自分の体は不便だ。
黒呪病によって15歳で成長が止まってしまったブンイチであるが、それ故に、立ち回り方については人一倍気を使ってきたつもりだ。第3者にそれを言うと怪訝そうな顔をされるが。
こめかみに血管を浮き出しかねないマサハルの様子を見て、ブンイチは押し黙ることを選択した。物理的手段に出られたら、一撃でノックアウトされることは目に見えている。
自分の相棒が“マサハルの一撃を再現するために思考錯誤を繰り返していた”姿を思い返し、ブンイチは空恐ろしい気分になった。「機械仕掛けで再現には成功したものの、反動が厳しい」とは彼の談である。閑話休題。
『ついさっき、ミオがナビゲーターとしてCode:VFDに協力したいと申し出てくれたのよー』
「知ってるぜ。なんせ、オレ様はその場に居合わせたからな」
『じゃあ話が早いわね。彼女に再試験をしたいんだけど、ケダモ……ブンイチに協力してもらいたいんだ』
ノーデンス上層部では、眞瀬ブンイチは“ケダモノ”で通っているらしい。隣に居たマサハルが額を抑えて天を仰いだ。丁度そのタイミングで、背後の方から誰かの声が聞こえてくる。ブンイチはそちらの方に視線を向けた。
「あの人たち……」
「技術部の連中だな。なんでも、セブンスエンカウントでバグが見つかったようだ。だが、メンテが思うように進まないらしい」
『メンテ、というと、プログラム系列か?』
バグ、という単語に、マサハルが難しい顔をした。ゲームのバグと聞くと、真っ先に連想されるものはプログラムの羅列である。
英字と数字が複雑に組み込まれた記号を目の当たりにした場合、一般人は呆ける以外に手はないだろう。餅は餅屋、プログラムはハッカーだ。
「いいや、ソースコードとにらめっこしろって話じゃない。バグが集まって奇跡的に生まれちまったドラゴンの始末だ」
『そんなことがあり得んのかよ……!?』
マサハルはリョウスケを呼びに行こうとしたが、ナガミミに引き留められる。それを聞いたマサハルは目を剥いた。
本職のハッカーであるリョウスケが知れば、どのような原理なのかを追求し始めるであろう。旧ムラクモ機関所属の技術者は、最終総長キリノを含んで情熱/変態的な人物ばかりだったためだ。徹夜明けなのに「今日はすこぶる調子がいい」とハイになっていたこともある。
もしこの場にリョウスケが居合わせていたら、開発者であるジュリエッタの元へと突撃したかもしれない。三日三晩で済めばいいが、ジュリエッタが徹夜になる未来しか見えなかった。相棒に頼んで、メディカルチェックを施してもらうべきだろうか。閑話休題。
「そんなの、どうやって修理するのさ?」
「実践でエラーコードを記録して、そっから原因を解析するんだ。オマエはいつも通りドンパチすりゃあ問題ない」
『そうなんだよねー。今のところは被害は出てないんだけど、
ナガミミの解説をアリーが引き継ぐ。ホログラムに映し出された女社長は朗らかに笑っている。だが、薄らと開かれた紫の瞳は憂いに満ちていた。
ゆったりとくつろぐアリーの背後では、見覚えのある少女が緊張した面持ちで座っていた。いつぞや見かけた少女である。確か、那雲ミオとか言ったか。
“先日ナビゲーターを辞退したミオが、改めて「ナビゲーターとして協力したい」と申し出てきた”ことは、つい先程耳にしたことである。
再試験、という単語が頭をよぎった。ブンイチは眉間に皺を寄せる。
「もしかして、『ミオちゃんの再試験兼ねて、そのバグエネミーを倒して来い』ってこと?」
『わーい☆ 大正解なのよー!』
ブンイチの予想は間違っていなかったようで、アリーは嬉しそうに笑った。
一仕事終えて戻ってきた人間に、本人の承諾なしに新たな仕事を押し付ける――典型的なブラック企業である。その日はきちんと休暇を申請していたのに、急に仕事を入れるとは、本当に容赦がない。
“どこぞのブラック民間企業の社長が社員に刺された”というニュースを耳にしていたブンイチからしてみれば、ブラックデスマーチを容認――いや、むしろ推奨するアリーの企業方針に反発する者が現れてもおかしくなさそうだ。
正直、ブンイチは、いつかアリーは社員に刺されるのではないかと思っている。しかし、不思議なことに、アリー・ノーデンスは社員から好かれていた。
彼女には“人を極限まで追いつめる”という気質、あるいはきらいがある。けれど同時に、“人を成長させる環境を整えることを惜しまない”という一面もあった。
後者の面が強いため、当事者も第3者も、前者の事実に気づきにくいのだろう。“崖っぷちの中で見せる人間の成長”を好んでいると言われればそれまでだ。
『
『マジかよ……。絶対倒せない敵なんて、イベント戦闘じゃねーんだから……』
『クソゲーの烙印を押され、集客が下がるのは目に見えてるねー。このままだと利益の7割減は確実だと言われてる』
『7割ィ!? ちょっと待て! 一極に依存しすぎな経営は問題だぞ!?』
アリーの話を聞いたマサハルの顔色が変わった。彼は嘗て東雲財閥を取り仕切り、経営し、発展させてきた社長である。新分野の開拓や開発から手を引くタイミング等の塩梅を見極めてきたマサハルからしてみれば、ノーデンスの経営は歪と言えよう。
セブンスエンカウントの大ヒットに胡坐をかいているため、次回作についての構想や新作開発は進んでいないとみなされても仕方がない。実際はCode:VFDに力を入れているためなのだが、似たような状態である。
他に新しいゲームを展開しようにも、セブンスエンカウント以上のゲームを生み出すのは難しいだろう。更なる利益を上げるには、セブンスエンカウントを基盤にしつつ、システムを発展させていくのが確実だ。
最も、『近代神話を体験できる』という触れ込みで売り出されたセブンスエンカウントを超えるのは至難の業だろうが。
それは、ゲームを売り出した側であるノーデンスにも言えることである。自分で自分の首を絞めたとも言えそうだ。
「……正直、気乗りしないなあ」
ブンイチは思わず呟いた。解放されて自由を謳歌していたナガミミが、じっとりとした視線を投げてよこす。
「オマエのような万年休業パートを雇ってやれる程、こっちはお人よしじゃねえんだ。偶にはノーデンス13班として、こっちにも協力してもらわなきゃワリに合わねーよ」
「そうだね。でも、こういうのってモチベーションが大事だと思うんだ。時間外手当出る?」
「アホか!? オマエの頭は一体どうなってやがるんだ……!」
頭を抱えて唸ったナガミミを視界の端におさめつつ、ブンイチはアリーとマサハルの方へと向き直った。2人はああだこうだと話し合っている。
嘗ての会社経営者と大企業の社長が企業方針を語らう図は壮観であったが、ブンイチは気にすることなくアリーへ声をかけた。
「ねえ社長。時間外手当って出ますか?」
『アリーに何とかできる範囲なら』
「ナガミミ様の一日所有権とか」
『オケオケ。それで手を打とう』
即決した。
斜め後ろの方から「オレの意志はムシかよ!?」というマスコットの悲鳴が木霊する。マサハルもナガミミのことを不憫に思ったようで、アリーに対して反論した。
しかし、“普段は仕事をしない社員が珍しくやる気を出してくれた”ということで、ナガミミ様一日所有権は『必要経費』という扱いとなったらしい。
嘆きを叫ぶナガミミが、アリーと口論を始めた。アリーは頑としてナガミミの反論を受け入れない。そんな社長と主任のやり取りを見て、マサハルはげんなりとしている。
正直な話、単騎で突っ込むと言うのは無謀だとブンイチは思う。しかし、相棒に頼むわけにはいかない。
今日も相棒は無様に吹っ飛ばされて気絶していた。既に意識は取り戻したものの、自他ともに認める要安静である。
「マサハルさん、暇?」
『あ、あぁ――……げ』
ブンイチはじっとマサハルを見上げる。マサハルは素直に返事をしかけ――災難の気配を察知して渋い顔をした。そういう気配を察するのは得意なくせに、結局は押されて頷き、自ら災難へと踏み込んでいく。
色々あっても、最終的に、自ら率先して困難へと向かう背中は、
「仕事帰りの俺1人で挑むのは、ちょっとなー」
『…………』
「頼むよ。マサハル
第三者からすれば、ブンイチがマサハルを『おじさん』呼ばわりするのはどこもおかしくはない。けれど、ブンイチとマサハルにとっては、この言葉は少し意味が違ってくる。
勿論、マサハルもその意味を理解している。故に、マサハルは気難しい顔をした。協力するか否かを思案しているようだ。元々のお人よしさが疼いているに違いない。
当然であるが、協力すれば確実に災難に巻き込まれることも理解しているのだろう。だから、マサハルの顔はどんどん渋くなってくるのだ。あと一押し、だろう。
もう一度、ブンイチは彼の名を呼んだ。縋るような声色で、「マサハル
幾何かの沈黙の後、彼は降参したかのように肩をすくめた。そのまま両手を上げる。マサハルは笑みを浮かべ、ガッツポーズを取った。
***
『エラーチェック用デバックモード起動します』
システム起動音が響き渡り、世界が展開する。広がるのは2021年のスカイタワーだ。空は分厚い雲に覆われ、紫を帯びた雷が迸っている。周囲には赤い花が咲き乱れていた。
現状の能力がどの程度のものかを確認するため、マサハルもセブンスエンカウントに足を踏み入れている。複雑そうな色を宿し、彼はじっとスカイタワーを見上げていた。
『……て、てすてす。てすてす……だ、だいじょうぶかな?』
『ええ、異常はないわ。頑張ってね、ミオ』
『は、はい!』
ジュリエッタからの激励を受け、頼りないナビゲーターが返事を返す。ナビがナガミミではないことが残念だが、この仕事がうまくいけばナガミミの一日所有権が待っているのだ。やる気は万端である。
「じゃあ行こう、
『……だな。
満面の笑みを浮かべたブンイチに対して、マサハルは複雑な表情を崩さない。ちぐはぐな自分たちではあるが、“早くこの仕事を片付けたい”という思惑は一致している。
2人は顔を見合わせて頷くと、スカイタワーに踏み込んだ。途端に、大量のマモノたちが徒党を組んで襲い掛かってくる。ブンイチは素早く抜刀した。
「みんなまとめて!」
自身のマナを刀に宿して振るう。金の光が舞い、巻き上がった旋風が雑魚たちを打ち払った。抜刀術の全体攻撃、金翅鳥王旋風である。
抜刀術は乱戦を中心にしたオールラウンド型だ。一刀流のサムライにはもう1つの型があるのだが、そちらは一騎打ちに向いていた。
ヘルクラウド、ブルーグラス、ラビ、スカウトポッドらが壁に叩き付けられて弾け飛ぶ。仮想空間で出現するエネミーたちの特性だ。
『ふううぅ……ッ! ――たぁーりゃ!』
ブンイチが打ち損ねた敵を、マサハルが的確に叩きのめす。見事な崩伏連脚だ。
相変わらず見事な足技に、ブンイチはひっそりと見惚れていた。
勿論、こちらも負けてはいられない。ブンイチは再び大地を蹴った。
「喰らえッ!」
ブンイチはヘルクラウドに肉薄し、和泉守兼定を振るう。一文字に叩き切られたエネミーは断末魔を上げる間もなく弾けて消えた。抜刀術の1つ、縦一文字である。
勢いそのまま、次の標的へ向かって駆け出す。マサハルに襲い掛かるスカウトポッドに割り込み、ブンイチは刀を振るった。雷の如く、敵に刃を打ち付ける!
雷鳴を轟かせるような音が響いたのと、和泉守兼定がスカウトポッドを叩き切ったのはほぼ同時。紫電の爆ぜる音と共に、スカウトポッドは爆発四散した。
これもまた、ブンイチの扱う抜刀術の1つだ。技名は
程なくして、ブンイチとマサハルらに群がっていたエネミーの群れは弾けて消えた。バグの影響なのか、マモノたちはやたらと好戦的である。
第一線を倒し終えても尚、周囲から殺気が飛んできていた。バグの元に到着するまで、どれ程のマモノが湧いて出てくるのだろう。
『えーと……今出現してきたエネミーは、リストに乗っている敵たちと同じだね。凶暴性が増しているのはバグの影響だと思う』
『おお、サンキュ。……そうだ、ミオ。他に何か分かったことはないか?』
『ううん。雑魚エネミーたちはいつもより好戦的だから、エンカウント率が倍になるってことくらいかな……?』
マサハルの問いにミオは答えた。声はたどたどしく、どこか拙い感じがする。それ以外は、おそらく完璧なナビだと言えよう。実際、イノリたちの話を聞くと、“ミオはリトルドラグの異常性を一発で見抜いた”とのことだ。
彼女に足りないのは自信と勇気である。自信と勇気は、経験でどうにかするしかない。経験が欲しいなら実践あるのみだ。まだまだ発展途上、これからの成長を期待と言ったところか。ブンイチはそんなことを思いながら気を引き締める。
ナビゲートを行っていなくとも、ナガミミはブンイチたちの様子を確認しているのだ。愛しい思い人の前で醜態をさらすわけにもいかない。さっさとバグエネミーを発見し、華麗に討伐すれば、ナガミミも少しは見直してくれるだろうか。
ミオのナビゲートによれば、バグエネミーの反応はスカイタワーの2階にあるらしい。距離はそれなりだが、マモノひしめく中を突っ切れるとは思わなかった。
勿論、手はある。ブンイチは鞄の中から小さな装置を取り出した。80年前のムラクモの技術によって作り出された装置、迷彩ツールである。
ノーデンス技術班でも同じものの開発に成功しており、リッカのショップで販売されていた。閑話休題。
ブンイチが迷彩ツールを起動させれば、マモノたちの気配が散った。このツールはマモノに見つかりにくくなる効果があった。
今回のように、エンカウント率が高い場所を長期的に探索するのに向いている。
『すごい! エンカウント率がぐっと下がったよ。これで探索が楽になるね』
「それじゃあ、ぱぱっと片付けに行こうか!」
『だな。こういうことは、さっさと片付けるに限るぜ』
ブンイチとマサハルは駆け出した。迫りくるエネミーを蹴散らす。
「よいしょっと!」
不意打ち同然に飛び出してきたブルーグラスに対し、ブンイチは躊躇うことなく刀を振るった。自然体同然に反撃されたブルーグラスは、呆気なく一刀両断される。
自然体に構えて相手を切り伏せる技――貫掛け。これは、抜刀や居合といった型にとらわれずに繰り出せるという特徴があった。
型が変われば技構成も変わるのが普通だ。そういう意味では、
マサハルのジャブを喰らったマモノが一撃で消し飛ぶ。それを見たマサハルは、何らかの手ごたえを得たらしい。嬉しそうに笑い、小さく口笛を吹いた。
迷彩ツールのおかげで、マモノに狙われる頻度も下がった。その影響が、ブンイチとマサハルの余裕を生み出しているのだ。
2階へ向かう階段にたどり着いた2人は、床に腰かけ休憩する。そのタイミングを待っていたと言わんばかりに、データの分析を終えたミオが声をかけてきた。
『ブンイチの使う剣術、凄く珍しいよね』
「あー、うん。よく言われるよ。叢雲流をベースにして派生した流派だけど、かなりマイナーなんだ」
『データを調べてたんだけど、ブンイチの流派を見つけるのに時間がかかっちゃった。
「正解。ナビする片手間に見つけたんだ。ミオちゃん凄いね」
誰かに褒められるというのが嬉しいようで、ミオは照れたようにはにかむ。その笑い方は、遠い昔に見送った双子の兄貴・姉貴分とよく似ている。懐かしさに、ブンイチはひっそりと目を細めた。
叢雲流剣術は、ムラクモ機関に所属していたサムライたちがよく使う流派だった。サムライの持つ力を最大限発揮できる流派としても有名である。抜刀術と居合術に分かれており、片方に特化する剣士もいれば、ミカゲのように抜刀と居合を使いこなす者もいた。
2020年代に発生した竜戦役を得て、叢雲流剣術は元・ムラクモ機関関係者により様々なアレンジや流派が派生している。特に、ISDFで取り入れられている流派が有名だ。Sランク~Bランク能力者が安定して対竜戦を行えるよう、独自に改良が行われた型だった。
……いや、改良というよりは、改悪と言える。ISDFに所属する軍人の中に、嘗てのS級と同等の能力者は一握りもいない。故に、2020年代の叢雲流剣術を再現できる担い手が存在しないのだ。どうにかして落としどころを探したのだろう。結果、ISDFの扱う叢雲流剣術は、一撃筆頭の一刀流と手数で攻める双刀流に分かれたのだ。
『アタシやナガミミでさえ、ブンイチの剣術がどの流派かを調べるのに数日かかったってのに……』
『んふふー☆ やっぱり、ミオの才能はスバラシーのねー』
『素晴らしいどころじゃないわよ。誕生してたかだか50年弱しかない上に、『ISDF監査部のスーパーエリートが使っている』というまことしやかな噂が囁かれているだけで、実際は誰が使っているかの情報が皆無な超マイナー流派なのよ? データベースをひっくり返すの大変だったんだから。……それを、たった数十分弱で見つけるなんて……』
ミオの分析とデータ収集力を目の当たりにして、ジュリエッタが舌を巻いた。それはいい。別にそこまではいい。問題は、ブンイチの流派をボロクソに語っているところにある。
言いたいことは山ほどある。正直な話、今すぐ刀片手にジュリエッタの元へ突撃したい。でも、ブンイチだって弁えていたし、それをするタイミングは今ではないと分かっている。
口元が若干引きつるのを抑えつつ、ブンイチは笑みを張りつけた。余程酷い顔だったのか、マサハルがハラハラし始める。元来の性格もあって、色々憂いているのだろう。
だが、ジュリエッタはブンイチの様子に気づいていない。相手に何かを悟られない技術を学び、鍛え続けたのは伊達ではないのだ。ブンイチはひっそりと息巻いた。
休憩を終え、ブンイチとマサハルは階段を登って2階へ足を踏み入れる。程なくして、奥のフロアから異様な空気が漂ってきた。2人は足を止める。ミオが不安そうに注意を促した。
『バグエネミーはこの先にいるよ。……ただ……』
「ただ?」
『気を付けて。この反応、帝竜クラスだよ』
「…………え?」
『…………え?』
ミオの言葉に、ブンイチの思考回路はフリーズした。おそらくは、隣に居たマサハルも。
帝竜。2020年代に活躍したムラクモ13班たちが、命懸けで戦い抜いてきた相手だ。7人がかりでどうにか倒してきたというレベルである。最近はノーデンス13班と旧ムラクモ13班がタッグを組んで、ようやく撃破できたとかなんとか。
ブンイチとマサハルは顔を見合わせた。現在の自分たちの人数は2人。各帝竜を屠っていた旧ムラクモ13班の人数にも、メイヘムという帝竜を討伐したという新13班の人数にも、圧倒的に届かない。2人で帝竜を撃破するなんて無謀過ぎないか。
『今、データを解析しているんだけど、今までのデータベースにはヒットしないタイプだね。えーと、能力は……即死攻撃、眠り攻撃、氷属性攻撃に適性値が高いみたい。2人の能力値でも充分互角に戦えるとは思うけど……』
『頑張って』というミオの声援が、これ程までに頼りないと思ったことはない。すぐに終わらせようという気持ちが、一気に削がれてしまった。
何とも言えない顔をして、ブンイチはマサハルと顔を見合わせる。顔を見合わせたのは数秒前のことだと言うのに、先程以上に老けたように思った。
ナガミミの一日所有権が報酬とは言えど、流石にこれは厳しすぎた。チカが自分の勤める会社を「ブラック企業」と罵る気持ちがよくわかる。
次の瞬間、思いもよらぬ人物からの言葉が飛んで来た。
声の主は、試験を後ろから眺めていたナガミミ様ご本人である。
『データ上は問題無ぇんだ。ただし、油断だけはするな。しっかり気を引き締めていけ』
「ナガミミ様……」
『……ンな情け無ェ面晒すんじゃねーよ。オマエはいつも通り、オレ様に突っ込んでいくようなノリでやってりゃいーんだよ。……分かったなら、さっさとバグを片付けろ!』
それだけ言い残し、ナガミミはホログラム上から姿を消した。ただ、試験会場には居座っているみたいで、ジュリエッタが噴き出す声が聞こえてきた。
ミオは困惑顔だったが、気を取り直した様子だ。彼女の案内に従って先に進む。広場一帯を飲み込むような暗闇が揺らぐと、件の帝竜が姿を現した。
帝竜を一言で言い表すとするなら、暗闇が相応しいだろう。ヤツの趣向は四ツ谷をリアル四谷怪談へと変貌させたという女帝竜ロア=ア=ルアに近い部類かもしれない。
しかし、灰の体躯にまだら模様が浮かんでいた翼竜と比較すると、デザインの方向性は違う。あの帝竜には、竜らしさが一切ないのだ。鳥のようなフォルムと言えよう。
闇が実体化したような黒の体躯。辛うじて、輪郭周辺が紫を帯びていた。そんな帝竜の周辺にはどす黒い闇が渦巻いている。アレに飲み込まれたら、二度と光を拝めなさそうだ。
『――黒影竜、デッドブラック』
帝竜の姿を見て、アリーは懐かしそうに目を細める。そんな社長の様子に違和感を覚えたのか、ジュリエッタが問いかけた。
『どうしたのアリー? あの帝竜のこと、知ってるの?』
『ううん。アリーが知ってるのは、アレの名前くらいかなぁ』
『デッドブラック、とか言ったわね? ……直訳して“黒い死”、か。見た目も名前も物騒な帝竜ね。ミオが分析した得意攻撃も含めて、油断ならない相手であることは間違いないわ』
「……了解。気を付けるよ」
ブンイチはそう返事をして、帝竜――デッドブラックと対峙した。帝竜もこちらを敵とみなしたようで、大きく羽を広げた。デッドブラックが羽ばたく度に、スカイタワー内に闇が湧いてくる。
渦巻く闇はこのフロア一帯を包み込んだ。フォーマルハウト襲撃時を再現したため、元々光の少なかったスカイタワー内が更に暗くなる。電気の灯りすらをも、デッドブラックの闇は塗りつぶした。
殺気が肌に突き刺さってきた。先程よりも威圧感が強くなったように思うのは気のせいではない。ブンイチのこめかみから冷たい汗が流れ落ちる。マサハルの横顔は険しいものになっていた。
『な、なにこれ!? フロアのデータが侵食されてく!?』
『ウソ……!? デッドブラックの能力値が、急上昇してる……!?』
ノーデンスウォッチから、ジュリエッタとミオが切羽詰った声を上げた。フロア中に広がる闇も、デッドブラックの威圧感が増大したのも、気のせいではなかったようだ。
2人の物言いからして、ブンイチとマサハルが視認している情報が、データで証明されているらしい。――すると、どこからか声が聞こえてきた。嘲笑うかのような、声。
『闇は、我が力そのもの。深淵こそ、我が領域』
「喋った!?」
『喋った!?』
『恐れおののけ、家畜。――そして、我の糧となるがいい!!』
声の主はデッドブラックだった。驚きの声を上げたブンイチとマサハルなど気にも留めず、デッドブラックが舞い上がる。戦闘開始を告げるかのように、カン高い鳥の鳴き声が響き渡った。
【参考・参照】
拙作感想欄(c+javaさま)、および『セブンスドラゴン(DS版)』より、サムライスキル
改定前とは若干構成を変えて、ブンイチの技に関する設定を変更。ついでに、ブンイチの使う技=流派について色々掘り下げました。あからさまな伏線ですが、頭の片隅に留めておいていただければ幸いです。