百花繚乱クロニクルセブン-僕らのセカイとキミのミライ- 作:白鷺 葵
喧騒-よりどりみどり
「……うっ、ぐすっ……」
海色の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。少女の横顔は、悲しみに満ちていた。
溢れた涙の行く先は、自分が持っている絵本の上。丁度そのページに描かれていたのは、泡となって消える人魚姫だ。王子を殺すか自分が死ぬかという二者択一を迫られた乙女は、王子への愛に殉じることを選ぶ。誰もが知ってる童話だった。
乙女の決意と、泡沫の様に弾ける命――幻想的に描かれた挿絵に、涙の痕が点々と刻まれていく。泣きじゃくる少女に対し、技術屋一本を貫いてきた自分に何ができるだろう。混乱する中でできたことと言えば、彼女をあやしてやることだけだった。
「マリナ、大丈夫?」
「……うん。ありがとう、リョウスケ」
ひとしきり涙を流したことで落ち着いたのだろう。少女――マリナは真っ赤になった眼を擦りながら、自分――リョウスケに礼を述べた。彼女の横顔は悲しみを湛えたまま。海色の眼差しは、幻想的な挿絵を通じて、どこか遠い場所を見ているように思える。
1万2000年の時を超えて再誕したルシェ族にして、竜殺剣の作り手――失われし海洋帝国、最期の女王の記憶と力を有する者。第5真竜フォーマルハウトに対抗する対殺竜兵装を生み出すために生み出されたのが、マリナという少女であった。
ルシェ族は海で生まれ、真竜との決戦で相打ちになり海へ還った。その散り様は、泡沫と消えた人魚姫の最期とよく似ている。生まれたばかりのマリナはあまり分かっていないみたいだが、女王の記憶から影響を受けている節があった。
「私、今、とても悲しいの。悲しくて、苦しくて……怖い」
マリナは震える声でそう紡ぎ、両手を強く握りしめた。拳は小刻みに震えている。
「みんな、海へ還るの。泡沫に消えるの。海で生まれて、海で死ぬ……それが、私たちの
「マリナ……」
「でも、本当は怖いの。消えたくないの。……死にたく、ないの」
収まったはずの涙が滲みだす。悲痛に満ちたマリナの横顔は、朝焼けの海に溶けて消えた人魚姫を連想させた。
人魚姫はどんな気持ちだったのだろう。自分が死ぬか愛する人を殺すかで葛藤し、自分が死ぬことを選ぶまで。沢山悩んで、恐怖や悲しみと戦って――考えるだけで胸が痛む。
アトランティス最後の女王も、同じような気持ちだったのだろうか。国民や自分が愛した英雄に希望を託し、けれどあと一歩届かず、己が死に絶えるまで何を思ったのだろう。
消えたくなんかなかったはずだ。生きていたかったはずだ。消えていくのを黙って見ていたくなんかなかったはずだ。誰かの命を巻き添えになどしたくなかったはずだ。
今、最前線で戦うムラクモ13班員全員の願いと同じように、みんなと一緒に未来を生きていきたかったはずなのだ。粛々と終わりを待つなんて、できるはずもない。
それでも粛々とした態度で在ろうとしたのは、“アトランティス最後の女王”としての矜持と生き様だったのかもしれない。誰も語り継ぐことのない、太古の英雄譚。
(泡沫と消えた人魚姫、海洋帝国と共に海へと還った最後の女王……)
時空を超えて結びついたそれが、今、マリナに悲しみと不安を与えるものであるのなら。
“アトランティス最後の女王”には無く、“ここにいるマリナ”だけが持っているものは。
女王と少女の決定的な差を、リョウスケは誰よりも知っているはずではないか。
「マリナ」
リョウスケはマリナの手を取った。彼女の両手を、自分の両手で包み込む。
いきなりのことで戸惑っているのか、マリナは海色の瞳を真ん丸に見開いて目を瞬かせていた。
「大丈夫だよ。マリナには、オレがついてる」
「リョウスケ……」
「そりゃあ、オレの職業は前衛向きじゃないよ。攻撃手段だって微妙だし、援護くらいしかできることないし、時々手持無沙汰になることもある。極め付けには、オレはキミがくれた希望――竜殺剣の担い手としても不適合者だ。そんな奴が何言ってるんだって思うかもしれない」
脳裏に浮かぶのは、つい先日見た光景。青く輝く剣を手にした渡来ミカゲと、彼に竜殺剣を託したマリナの姿だ。
マリナは言った。「竜殺剣は、ミカゲだけが使える剣である」と。その言葉にショックを受けなかったわけじゃない。
納得はしているけれど、それでも悔しかった。どうしてリョウスケではダメだったのかと思わずにはいられなかった。
でも、だから何だ。
竜殺剣の担い手じゃなくても、前衛職の花形でなくても、13班の最年少でも、今ここにいる少女――マリナを守るヒーローになれるじゃないか。
選ばれた存在じゃなくても、敵を殲滅する力がなくても、技量も経験も足らなくても。マリナを想う気持ちだけは、誰にも負けない自信がある。
「だけど、オレ、マリナが好きだ。キミを笑顔にしてあげたいって気持ちや、キミを守りたいって気持ちは、誰にも負けない」
「……本当?」
「本当だよ。……逆に言えば、今の俺に誇れるものはそれくらいしか――」
リョウスケの言葉は、そこで止まってしまった。精神的な意味でも、物理的な意味でも、マリナによって
時間にしてわずか数秒間のことだったけれど、破壊力は凄まじい。呆気にとられるリョウスケに、彼女は更なる追い打ちを叩きこんできた。
「――うれしい! 私も、リョウスケのこと……好き。大好き!」
海中で宝石にカテゴライズされるものといえば、
マリナが浮かべた柔らかな笑みは、それを連想させるような、尊いものだ。胸の奥底から湧き上がってくる感情を、何と言い表せばいいのだろう。口元がムズムズする。
そんなリョウスケの気持ちなんて露とも知らず、マリナはリョウスケへとすり寄ってくる。どこからともなく甘い香りが漂ってきた。……チョコレート、だろうか?
固まってしまったリョウスケになんて気づいていないのか、マリナは無邪気に微笑む。
「リョウスケはいつだって、私のヒーローだよ」
少女の賛辞が、自分の胸に沁みわたる。■■リョウスケが欲していたものは、いとも簡単に、惜しみなく与えられた。その事実に胸が震える。
真に不甲斐ないことだが、じわりと視界が滲んだ。涙を零さなかったのは、マリナのヒーローでありたいという意地と矜持によるものである。
涙を振り払うようにリョウスケは笑った。もう一度、マリナの両手を取って、彼女と向き合う。
海色の瞳と空色の瞳が重なる。お互いが、お互いだけを見ている――なんて嬉しいことだろうか。
手の中にある温もりを守れるような存在でありたい――リョウスケは、そう強く願った。
「約束するよ、マリナ。キミを絶対、人魚姫なんかにさせやしない」
「リョウスケ……」
「勝つよ。必ず勝つ。フォーマルハウトを倒して、キミの元へ帰ってくる」
――そうして、正真正銘、マリナだけのヒーローになるのだ。
***
昔々のお話です。
陸の国は、凶悪な竜に攻め込まれていました。一度は奴らを追い払うことができたのですが、竜たちは懲りずにまた、陸の国全土を襲ったのです。
とある国の王子は、従者たちと一緒に海辺の近くを散策していました。しかし、そこで鉢合わせた隣国の兵士に攻撃され、王子さまと従者は離れ離れになってしまいます。
迷子になった王子は、浜辺で美しい女性を見かけました。好奇心が強かった王子は、彼女に声をかけてみました。女性は慌てて逃げ出そうとします。
王子は「自分は危害を加えるつもりはない」ことを一生懸命説明しました。王子の様子を見た女性は、王子を信じることにしたのでしょう。逃げるのをやめてくれました。
女性に近づいてみた王子は驚きました。彼女の下半身はまるで魚のようです。目を瞬かせる王子を見た女性は、自らを人魚姫と名乗りました。
人魚姫の一族は、元々、遠い海の国で暮らしていました。ですが、海の国は凶悪な竜によって滅ぼされてしまったそうです。
人魚姫は悪い奴らを倒すための武器を持ち、命からがら逃げ出してきたのでした。彼女たちは武器と使命を代々受け継いで、ずっと漂泊の旅を続けてきたそうです。
人魚姫は、自分の持ってきた武器を扱える陸の戦士を探していました。残念ながら、王子はその武器の適格者ではありません。
王子は落ち込みましたが、すぐに立ち直りました。人魚姫が持ってきた武器を扱える戦士を探す決意をしたのです。
その戦士に、王子は心当たりがありました。王子の従者の中で、一番武芸に秀でている人です。彼は嘗て竜が国に攻め込んできたとき、奴らを一網打尽にしたという武勲がありました。彼ならば、人魚姫の持つ武器を扱えるかもしれない――そう思った王子は、従者たちを探しました。
従者たちと合流した王子でしたが、そこへ隣国の兵士たちがぞろぞろとやってきました。隣国もまた、竜の被害に苦しみ、竜を倒す力を求めていたのです。彼らは武器だけでなく、人魚姫の物珍しさにもつられたのでしょう。嫌がる人魚姫を、無理矢理連れ去ってしまったのです。
勿論、王子は納得できません。従者たちと共に、隣国の王に直談判しに行きました。
「勝った方が、人魚姫と彼女の持つ武器を自由にできる」という約束で、王子たちは隣国最強の兵たちと戦うことになりました。彼らの連携に苦戦しますが、王子たちは諦めません。王子は従者を鼓舞しながら、隣国の兵を倒すチャンスを伺っていました。
そうして、ようやくチャンスが巡ってきます。隣国最強の兵たちの隙を見出した王子は、従者たちがそこを攻め込みやすくなるように策を講じました。それは見事に成功し、従者たちは彼らを打ち倒したのです。
隣国の王は大層怒り狂って約束を反故にしようとしましたが、隣国の兵たちは王子と人魚姫たちを逃がしてくれました。それだけでなく、竜との最終決戦時には力になると約束してくれたのです。
王子たちは自国に舞い戻り、早速人魚姫の武器の適合者を探しました。王子の予想した通り、武器が見出したのは王子の従者――嘗て、竜との戦争で奴らを一網打尽にした武人――でした。世界の運命は、従者に託されたのです。
喜ばしいことではあったのですが、王子にとってはとても悲しいことでした。王子は従者たちのように、武勲に秀でてはいません。
自分に力がないことは承知でした。それでも王子は、人魚姫のことを愛していました。人魚姫のことを笑顔にしたいと、守ってあげたいと願っていました。
意を決した王子は「身の程知らずとは承知している。けれど自分は、人魚姫のことを愛しているんだ」と、人魚姫にプロポーズしたのです。
王子のプロポーズを受けた人魚姫は頷きました。竜との戦いが終わったら、共に生きると誓いあったのです。
そうして、竜との最終決戦が始まりました。人魚姫は王子の帰りを待ちます。王子たちは様々な人々の力を借りて、竜の親玉の元へと辿り着きました。
長い長い戦いの果てに、人魚姫から武器を賜った従者が、竜を一刀のもとに切り伏せました。竜は呻き声を上げて消滅しました。竜との戦いは終わったのです。
王子は人魚姫の元へ帰ってきました。約束通り2人は結婚し、いつまでも幸せに暮らしたそうです。
「――めでたしめでたし、だったか」
『……まだ覚えてたんだね』
誰も知らない人魚姫を諳んじ終えたソウセイに、リョウスケは苦笑した。それを見たソウセイは肩をすくめる。
「そりゃあ、ばあさんがあれだけ幸せそうに語ってたわけだからな。何度も何度も聞かされていれば、その気がなくても丸暗記するさ」
肩をすくめるソウセイであったが、彼の祖母――リョウスケにとっては妻――であるマリナを語るその口調は、どこまでも優しい響きを宿していた。
紅蓮の瞳が見据えているのは、アトランティスで出会った女王ウラニアであろう。最後の女王という言葉から察するに、彼女がマリナのベースになった人物だ。
アトランティスに住むルシェたちも、マリナの写真を見て「女王ウラニアさまにそっくりだ」と口を揃えたのだから間違いない。リョウスケは顎に手を当てる。
海洋帝国アトランティスの状況は最悪だ。ニアラに攻め込まれた際にオリハルコンを破壊され、多くの居住区が海の藻屑と消えたという。残されているのは、最上層で見かけた宮殿とその真下に存在する首都、先日訪れた最下層のみ。
ウラニアは玉砕作戦を行う覚悟を決めている。彼女の心境は、さながら「究極の二者択一を迫られ、己の命を捧げることを選んだ人魚姫」だろうか。遠い昔に妻が浮かべた悲しげな横顔を思い出し、リョウスケの胸がずきりと痛んだ。
(彼女を、助けなくちゃ)
アトランティス最後の女王がいたから、リョウスケはマリナと出会うことができた。裏を返せば、彼女の死がなければリョウスケはマリナと出会うことができなくなる。ジュリエッタの語っていた歴史改変云々のことが脳裏によぎったものの、それはアリーによって否定されたことを思い返した。
真竜の襲来によって行われた竜戦役の傷跡は、各真竜を倒したエントロピーでも消し去ることは不可能だ。
アトランティスでニアラを倒しても、2020年に発生した竜戦役の事実は変わらない。
恐らく、フォーマルハウトの襲撃や、その際に竜殺剣を用いたという事実も消えないだろう。
そして何より、今は亡きマリナがこの事実を知ったら――きっと、彼女はリョウスケにこう言う筈だ。
「アトランティス最後の女王、ウラニア・テ・クァンブルを助けてあげてほしい」と。
「海の藻屑になどさせやしない。……そうだろう?
『えっ?』
「ばあさんの言ってた王子さまは、じいさんのことだろう? ばあさんが生きてた頃から知ってたさ」
ソウセイはくつりと笑う。そんな孫につられるような形で、リョウスケも笑った。
物語には、ハッピーエンドが良く似合う。みんな笑顔で大団円。泡沫に還る終わりなど、願い下げだ。
銃弾の装填を終えたソウセイが武器をしまい、プログラムの確認を終えたリョウスケも立ち上がる。
さあ、行こう。
外では仲間たちが――アトランティスでは、愛する人の面影を宿す女性が待っている。
■■■
「グッモーニン、13班!」
ナガミミからの暴力的なモーニングコールで叩き起こされたイノリたちノーデンス13班は、会議室に集められた。
早朝だというのに、アリーのテンションはやけに高い。その理由は、程なくして、全員に指示されることになる。
「さあ、ミオさま。どうぞこちらへ」
「ありがとうございます。え、えへへ……」
銀の髪を束ね、緑色のサングラスをしたコンシェルジュに手を引かれて現れたのは、照れ笑いを浮かべるミオだった。
そういえば先日、リヒトから「ミオがCode:VFDのナビゲーターを名乗り出て、試験を受けることになった」と聞かされていたか。
彼女なら軽々試験を突破出来ると思っていたが、この結果は案の定と言えるだろう。特に疑問を抱くことなく、イノリは納得した。
自分たちの反応はアリーも予想していたことのようで、細かい説明は省くことにしたようだ。アリーはニコニコ笑ってミオの肩を叩く。
「はい、改めて自己紹介☆」
「え、えと……この度、ナビ見習いに着任しました。那雲ミオです。精一杯頑張りますので、よ、よろしくお願いします!」
最後の方は早口になりながらも、ミオは自己紹介を終えた。そのままぺこりと頭を下げる。緊張しすぎて慌てたためか、彼女はすぐに直立不動の姿勢を取った。
この場に沈黙が広がる。周囲の反応を機敏に察知した途端、ミオはおろおろし始めた。彼女の面持ちはあっという間に焦りと不安に染まっていく。
真っ先に動いたのはリヒトだった。彼は迷うことなくミオの元へ歩み寄る。それに気づいたミオは、半ば困惑したままリヒトの方に顔を向けた。瞳がかち合う。
一歩遅れて、リヒトはふわりと表情を緩ませた。まるで、相手を慈しむような優しい目をしている。
彼の表情を真正面から目の当たりにし、ミオの目が大きく見開かれた。色白の肌が淡く染まったように見えたのは気のせいではない。
「こちらこそ、宜しくお願いします。ミオ」
「う、うん……!」
2人の周囲には花が満開になっているように思えた。イノリの見間違いでなければ、2人の周囲に咲き乱れる花の種類は、カーネーション、白いバラ、赤いアネモネ、紫と白のライラックだろうか。心なしか、周囲よりも明度が数段階上がったようにも見受けられる。
口元を綻ばせ、頬に朱を散らすリヒトとミオの様子を見ていると、なんだかとても微笑ましい気持ちになってきた。特に、リヒトがこんな緩み切った笑みを浮かべるなんて珍しいことだ。特にマサハルは、孫に春が来たことが嬉しいようだ。感極まったように俯いて眼鏡を直す。
その中で、ミカゲは何とも言い難そうな顔をして思案していた。時折「人間関係大丈夫かな」と不安そうに零す。難しい顔をしていた祖父に紅茶を差し出したのは、アリーの後ろに控えていたはずのコンシェルジュであった。
「…………」
「…………何か?」
「いや、なんでもない」
ミカゲは彼の顔をじろじろ見ていたが、肩をすくめて紅茶を受け取る。コンシェルジュは静かに微笑み一礼した。
コンシェルジュはすぐにアリーの後ろへ戻り、定位置に控える。彼の動作には一分の隙も無い。洗練に洗練を重ねた結果、辿り着いた境地とも言えた。
隅の方で繰り広げられるやり取りなど気にも留めず、アリーは不満そうに頬を膨らませる。
「えー? それだけー? 年齢とか、好きなものとか、もっと色々知りたいなー」
「え、えっと……14歳で、あと、ドライフルーツが好きかな……」
「ドライフルーツかー。アリーはナマの方が好きだなー」
ミオの好みを聞いたアリーはぼそりと囁く。特に後者は口にして口寂しくなったのか、物欲しそうな吐息を零す。
それを目ざとく聞き取ったリヒトとコンシェルジュが顎に手を当てて考え込み始めたのは同時だった。
まず、何かに思い至ったのはリヒトである。彼はぱっと顔を上げ、ミオの方を向いた。
「……そうだ! ウチの子会社が近々『世界のフルーツ祭り』という企画で物産展を開くんです。ドライフルーツも一緒に扱っているので、よければ一緒に見て回りませんか?」
「ええっ!? ほ、本当!? ……いいの?」
「はい。ああ、そうだ。ミオの都合を伺いたいのですが」
「大丈夫大丈夫! 夏休みでフリーだから! その間ならいつでもいいよっ!!」
「分かりました。それじゃあ、ニアラ討伐作戦終了後でどうでしょうか? 丁度開催が始まる頃ですし」
「うん! 楽しみだなあ……!」
2人は楽しそうに今後の予定を話し合っていた。ニアラ討伐後を前提にしているあたり、リヒトには悲壮感など微塵もないのだろう。自分たちが挑む相手が真竜――しかも全盛期の第3真竜ニアラであることを理解した上で発言している。
豪胆と言えばいいのか、頼もしいと言えばいいのか、あるいは無鉄砲で無謀だと頭を抱えればいいのか。イノリ的には前者2つであるが、リヒトの祖父であるマサハルは後者らしい。深々とため息をついて天を仰いでいた。
戦いへ向かう前だというのに、酷く疲れ切っているように見えたのは何故だろう。……そういえば、マサハルはニアラ討伐作戦前の休日で散々なことになったと語っていたか。件のゴタゴタを引きずっているのかもしれない。
イノリがそんなことを考えていたとき、会議室の扉が開いた。視線を向ければ、コンシェルジュがワゴンを運んできたところらしい。
ワゴンの上には大きな籠が置かれている。中身はカットされていないフルーツだ。どれも瑞々しく、芳醇な香りを放っている。
「これが、陸の国で育った果物なのですね……」
「どれも美味そうだなぁ。なあ、コレ、幾つか持ってっていいか? アトランティスのみんなにも食べさせてやりたいんだ」
「畏まりました」
地上の果物が物珍しいようで、ウィータは目を輝かせる。モルスなんて、アトランティスに残してきた同胞たちに配る分を求めるという無茶ぶりに走っていた。
しかし、コンシェルジュは嫌な顔一つせずに果物を包み始める。リンゴ、パイナップル、バナナ、マンゴー、メロン、各種ベリー、ドラゴンフルーツ……多種多様の果物が、立派な桐箱の中に収められていった。クリュティエ姉弟は感嘆の息を吐く。どれもかなりの高級品だ。
……そういえば、コンシェルジュはいつの間に、会議室を出ていたのだろう? いくらリヒトとミオのやり取りを眺めていたとは言え、誰かが会議室を出入りする気配くらいは気づくはずだ。だが、周囲の驚き様を見るに、誰1人としてコンシェルジュが部屋を出たことに気づいていない。
イノリがコンシェルジュ当人に疑問をぶつけようとするよりも、半眼になったアリーが彼の首根っこをとっ捕まえる方が早かった。コンシェルジュは「ぐぇっ」と間抜けな声を上げて、そのまま部屋の隅に引きずられていく。アリーの背中からは、強い苛立ちが感じ取れた。
アリーとコンシェルジュはひそひそと何かを話している様子だった。うまく聞き取れないが、アリーはコンシェルジュの行動を咎めているらしい。
「頼むから、適度に自重してよ」「……了解、アリー」――彼女たちの会話からして、身分を取っ払った関係が親密であることが伺えた。
「ところで、先程『フルーツは生が好き』と言ってたよね?」
「そうだけど?」
アリーは自分たちの元へ戻ろうとして――コンシェルジュの問いに足を止めた。突如砕けた口調になったコンシェルジュに、アリーは怪訝そうな面持ちで振り返る。
「というか、キミ仕事中だよね。口調が完全に崩れてるけど?」
「あのフルーツ、アリーのために用意したものなんだよね」
「…………」
「いらないの?」
「…………色々と言いたいことはあるけど、キミの善意と食べ物に罪はないからね。丁度お腹もすいてたトコだし、頂くコトにするよ」
「……畏まりました」
「コラ、そこ笑わないのー! 今更敬語に直して誤魔化そうったってダメだし、決して食べ物につられたわけじゃないからねッ」
俯いて肩を揺らしたコンシェルジュの態度に思うところがあったのか、アリーは不満そうに頬を膨らませた。ムキになったアリーのソレは、コンシェルジュにとってはツボ以外の何物でもないらしい。
勿論、アリーは不機嫌だ。彼女は怒りをぶつけるかのごとく、籠から適当なフルーツを手に取る。八つ当たりの生贄として選ばれたのはリンゴであった。哀れなリンゴは、生のまま丸かじりの刑に処された。
社長という高級感漂う響きとは裏腹に、アリーの食べっぷりはどこか荒々しい。大きく口を開けてリンゴに齧りつき、バリバリと音を立てて果肉を噛み砕く。それを見たコンシェルジュは「お前こそ自重しろよ」とぼやいた。
果物騒動がひと段落した後、ミオはイノリたちに向き直った。
みんなとの会話を経て、彼女は随分リラックスした様子だ。
「えへへ……こうして改めて挨拶すると、変な感じだね」
「確かにそうかも。私たち、随分前に会ったもんね」
ミオの言葉に、イノリはセブンスエンカウントに遊びに来たことを思い出す。夏休みの思い出作りに足を踏み入れたあの日のことは、もう随分昔のように思えた。
前人未到の好スコアを叩きだした自分たちは、ナガミミに連れられてノーデンス本社に案内された。Code:VFDの協力を要請され、それを引き受けた直後、有明に帝竜たちが襲来する。イノリたちでは太刀打ちできなくて万事休すになったとき、丁度そのタイミングでISDFが駆けつけた。
帝竜を一撃で屠った青年の背中を、その鮮烈さを、イノリはハッキリと覚えている。幸か不幸か、自分たちと青年――ユウマたちとは共闘戦線が敷かれることになった。ジュリエッタは不本意そうだったが、官民一体となって世界滅亡を防ぐのだから、心強いと言えるだろう。
過去へ飛んで散策した際、5000年も後の未来から転移させられた嘗ての英雄たち――祖父ミカゲと祖母ユイを含んだ旧ムラクモ13班の面々や、現地住民であるクリュティエ姉弟が加わり、彼らと共に帝竜メイヘムを討伐したのだ。
次こそ、Code:VFDの肝である真竜検体を入手する段階に入った。アリーたち曰く、「第3真竜ニアラの討伐も、充分可能なレベルに入っている」とのことだ。
ただ、旧13班の面々は「イノリたちの成長スピードだけでなく、自分たちの能力が飛躍している」ことに対して、何か思うところがあるらしい。詳しくは語ってくれなかった。
「彼女、スゴイのよー? 採用前にもう一度適性検査をさせてもらったんだけど、記憶力以外にも分析力や観察力に演算速度や空間把握……いずれもS級って診断されたの!」
「そんな、まぐれです! まぐ……コホッ、コホッ」
誰かにべた褒めされるということに慣れてないのか、ミオは慌てた様子で謙遜する。
しかし、彼女の言葉は最後まで紡がれることはなかった。口元を抑え、咳を繰り返す。
「身体能力は最低レベルだけどね☆」
「うぅ……」
上げて落とす系の追い打ちを喰らい、ミオは申し訳なさそうに俯く。これでは、褒められてるのか貶されているのか分からない。
アリーの様子からして、彼女は事実を述べているにすぎないのだろう。そういう意味では、ミオの気持ちなどお構いなしのようだ。
容赦のないアリーの発言に涙目になったミオへ助け船を出したのは、案の定、リヒトだった。
「その分、僕らが肉体労働面で頑張ればいいんでしょう? なら、何も問題ないはずです」
「リヒト……」
「僕たちは仲間ですからね。お互いの不足しているところを補うのは当たり前です。貴女のナビが素晴らしいことを、僕たちは既に知ってますから」
リヒトは穏やかに微笑んだ。その言葉に、ミオはハッと目を見開く。セブンスエンカウントで好成績を叩きだしたときの感覚を思い出したらしい。
自身ではどうしようもない欠点を、自分有責として考える必要はないのだ。誰にだって、どうやっても改善できない点は存在する。
けれどそれ以上に、誰もが素晴らしい
「そうだね。遊びとはいえ、一緒に戦ったもんね。お互いのことはちゃんと分かってるよ!」
「その意気です。頼りにしていますよ、ミオ」
「……うん! みんなの足を引っ張らないよう、頑張るね!!」
両手で握り拳を作ったミオは、力強く頷いて見せた。それを見たアリーは満足げに笑う。
「というワケでー☆ 今回のミッションから彼女も参加するよ! ナガミミ、面倒見てあげてね?」
「フヒヒヒ……せいぜい可愛がってやるぜ」
アリーの言葉を聞いて間もなく、背後の機材からマスコットが飛び出してきた。いつの間にそんなところに潜んでいたのだろう?
いくらナガミミがぬいぐるみサイズと変わらないとはいえ、会議室の機材には収納スペースなど皆無である。一体どこから飛び出してきたのか。
早速新人、もといミオいびりを開始したナガミミに問いかけようとして――
「ナガミミ様に可愛がってもらう、だと……!?」
「――ヒィッ!?」
地を這うような声とともに、会議室の扉が開いた。満身創痍の眞瀬ブンイチが、愛刀を杖代わりにしてよろよろとナガミミの元へ近づいていく。
顔色は真っ青で、唇は紫がかっている。目には一切の光がなく、倒れてもおかしくなさそうだ。血反吐を吐くような形相に、思わずイノリは身をすくめる。
「ブンイチくん、貴方入院してたんじゃなかったの!?」
「ナガミミ様に可愛がってもらえると聞いて!」
「可愛がるって……多分それ、ブンイチくんの想像してる可愛がるとはジャンルが違うと思うけど……」
「ナガミミ様に可愛がられるなんて、ご褒美と天国以外の何物でもないじゃないか! こんなときに医務室のベッドで寝てる暇なんかないよ!!」
「オレ様から言わせてもらえば、こんなの悪夢以外の何物でもねーよ!? 病人はさっさと医務室へ帰れェェェェ!!」
バイブレーションよろしく震えていたナガミミであったが、恐怖が突き抜けて一周した結果黙っていられなくなったのだろう。マスコットはウサギ宜しく飛び跳ねながら、ブンイチの顔面目がけて蹴りを叩きこんだ。
医務室で絶対安静を言い渡され、尚且つ顔面を足蹴りにされているというのに、ブンイチは倒れない。蹴りを喰らう度に「ありがとうございます! ありがとうございます!」だの「俺には最高のご褒美です!」と叫ぶのみ。
視界の端にいたマサハルが天を仰ぎ、ミカゲが居たたまれなさそうに視線を逸らし、ヒイナが綺麗な笑みを湛えて親指を立てていた。アリーは半眼になってブンイチから距離を取る。コンシェルジュに至っては、1人で何かをぼそぼそ呟いていた。話し声が複数人聞こえるような気がしたが、イノリの気のせいだろう。
勿論、医務室で絶対安静の患者が行方不明になったとあれば、医者と看護師が黙っているはずがない。
程なくして会議室の扉が荒々しく開かれた。
息を切らせたホリイとマイマイが、慌ただしく会議室へ踏み込む。
「いました先生!」
「こんなところにいたのかい!? ああもう、キミは重病患者なんだから! ほら、病室へ帰るよ!!」
「嫌だ! ずるいずるい! 俺もナガミミ様に可愛がってもらうんだ!!」
「って、うおおお!? 要安静くせになんだこの力は!? どっから湧いてくるんだ!?」
医者と看護師2人がかりでも、ブンイチの力を止めるには至らないようだ。さしずめ、あれは火事場の馬鹿力という名を冠した欲望だろうか。
「――ッ、分かった、分かったから! オマエが元気になったら、好きなだけ可愛がってやるから!」
「だからさっさと医務室に戻りやがれ!!」――じたばたと暴れる眞瀬ブンイチという恐怖映像に思うところがあったのだろう。顔面蒼白のナガミミが悲痛な声で叫んだ。
途端に、ブンイチの抵抗が止まる。紫苑の瞳は大きく見開かれた。「約束、だからね」――ブンイチは嬉しそうに笑うと、満足げな微笑を浮かべて燃え尽きた。真っ白に。
動きが止まってしまった好機を利用する形で、医者と看護師がブンイチを会議室から引きずり出す。会議室の扉が開き、彼らの姿が消えていった。
それと入れ替わりに部屋に足を踏み入れたジュリエッタが、視線だけをブンイチたちに向ける。コンマ数秒で、会議室の扉は閉まった。
沈黙がこの場を支配する。ジュリエッタは会議室の扉とイノリたちの様子を見比べていた。最後にもう一度だけ扉に視線をやり、アリーに向ける。
「……アタシの気のせいだとは思うのよ。思うんだけど、念のために確認するわよ? アタシの見間違いだったらなんだけど、今、医療室で要安静にしてなきゃいけない重病患者が
「その患者なら、今しがた医者と看護師によってドナドナされてったよ」
「見間違いじゃねーのかよォォ! あれは間違いであってほしかったよ畜生!!」
余程、ブンイチが会議室から出てきた光景を現実だと認識したくなかったのだろう。普段はオネエ言葉を使っているはずのジュリエッタが野郎の口調に戻ってしまっている。彼はガシガシと頭を掻いた後、自分が己を失っていたことに気づいたらしい。慌てた様子で咳払いした。
一歩遅れるような形でISDFの面々が会議室に足を踏み入れる。彼らの身体は確かに会議室に足を踏み入れているのだが、心と視線は廊下の向こうに釘付けであった。
ユウマたちもまた、ブンイチが医者と看護師によって引きずられていった姿を目の当たりにしたのだろう。何とも言えなさそうな顔をしていた。
「あの、今のは――」
『大丈夫大丈夫。あの子強い子だから!』
ユマがノーデンス陣営に問いかける。答えたのはヒイナだった。清々しいまでにいい笑顔を浮かべて、彼女は親指を立てる。
ヒイナの自信はどこから来るのだろう。その出所を知っていそうな面々――旧13班が総じて視線を四方八方に逸らした。みなバラバラである。
特に、ミカゲとマサハルが人一倍沈痛そうな面持ちをしていた。ブンイチの様子について、彼らの中でかなり悩んでいることが伺える。
「……あー。その、何だ。とりあえず、作戦会議を始めるべきだと思うんだが……」
「…………そうね。そうしましょう」
若干戸惑った調子ではあったものの、ヨリトモがぎこちなく音頭を取った。ジュリエッタもぐったりした調子で同意する。
仲間たちが椅子に座ろうと動き出した丁度そのとき、アリーがぽんと手を叩いた。
「ISDFの3人にはまだ、紹介してなかったよね? 新人ナビのミオちゃん☆」
那雲ミオの名前を聞いた途端、ヨリトモが――ほんの一瞬だが――大きく目を見開いた。その様子を知ってか知らずか、ミオは簡単に自己紹介して頭を下げる。だが、ヨリトモは険しい眼差しを向けたまま沈黙している。
上司の様子にただならぬ気配を察知したのか、ユマが眉間に皺を寄せた。ユウマは上司に対して違和感を感じたものの、真意が分からず首を傾げる。ミオは困惑して身を縮ませた。
那雲夫妻は無言を貫いている。ミカゲは心配そうに目を伏せた。奇妙な視線にさらされるミオを守るかの如く、リヒトが彼女の前に立つ。その瞳には、底なしの闇が蠢いていた。
東雲リヒトは、普段は温和で穏やかな微笑を浮かべる好青年である。しかし、腹の中には恐ろしい獣を飼い慣らしているタイプだ。彼の獣は、ヨリトモに狙いを定めているらしい。
以前にも似たようなことがあった。ノーデンスの広場に帝竜が出現した後も、ヨリトモとリヒトが同じような睨み合いを繰り広げていたように思う。今のこれは、その焼き直しだ。
リヒトはヨリトモに対して強い疑念を抱いている。ヨリトモがミオを見つめる眼差しに、その態度に、得体の知れぬ気配を察知したのであろう。
「ミオに、何か?」
「いいや、何も。……ナビの紹介など不要だ」
「――あァ?」
ミオを蔑ろにされたという事実が、リヒトの逆鱗に触れたのだ。彼の纏う空気が一気に冷える。背中を凍てつかせる寒気は、リヒトの怒りそのものだ。
絶対零度の如き憤怒。その矛先を一身に浴びても尚、ヨリトモは一切の揺らぎを見せない。余波を受けたユマとユウマでさえ身じろぐほどだったのに。
「13班、クラディオンの星晶石の前で落ち合おう。行くぞ、2人とも」
ヨリトモは吐き出すようにして要件を紡ぐと、振り返ることなく会議室を出ていった。
ユウマとユマは「了解」と返事はしたものの、上司の態度に引っかかりを覚えているらしい。
どこか躊躇うように彼の背中と相棒の顔を見合わせた後、小さく肩をすくめた。
「そういうことですから、俺たちは先に行ってます」
「分かりました。後で落ち合いましょう」
「それじゃあ、また後で」
ユウマは柔らかに微笑み、ひらひらと手を振った。くるりと踵を返す。一歩先に歩き出したユマの背に続いて、先に部屋を出ていったヨリトモを追いかける。
視線を動かせば、リヒトとジュリエッタが落ち込んでしまったミオを励ましているところだった。ヨリトモ有責で話を進める彼らの後ろで、那雲夫婦が憂いに満ちた眼差しを向けている。ミカゲは両腕を組んだまま、何かを思案するように俯いていた。
クリュティエ姉弟は何とも言えない顔で彼らのやり取りを見ていたが、クラディオンの面々に配るための果物を確認する作業に戻ることにしたようだ。この状況を静観していたコンシェルジュも、何も語らぬまま粛々と包装作業に戻った。
(上手く言えないけれど、不穏な気配を感じる……。大丈夫かな)
作戦開始前のてんやわんやを思い返し、イノリはひっそり一抹の不安を感じる。
しかし、イノリは13班のリーダーだ。仲間に不安を与えるような表情なんか浮かべられない。
心の中で自身に喝を入れ直したイノリは、早速クラディオンへ向かうことにした。
【参考および参照】
『花言葉-由来「由来も知りたい!」誕生花,画像など花情報満載(http://hananokotoba.com/)』より、『カーネーション(全般:無垢で深い愛)』、『バラ(白:純潔、あなたは私に相応しい)』、『アネモネ(赤:君を愛す)』、『ライラック(紫:恋の芽生え、初恋/白:青春の喜び)』
前半はアトランティスの女王=愛した人の面影を宿す女性へ思いを馳せるリョウスケとその孫ソウセイ、後半はクラディオンへ向かう前のてんやわんやとなっています。ついに原作Chapter3=改定前の時間を通り過ぎました。
特に後半は沢山のネタや伏線を詰め込みました。リヒトとミオの熟年夫婦系カップル、見覚えのある特徴を持つコンシェルジュとアリーの戯れ、可愛がってほしいブンイチとどさくさに紛れて言質を取らされたナガミミ、一触即発のリヒトとヨリトモ等々。
コンシェルジュとISDF勢(特にユウマ)の絡みも入れようかと思ったのですが、今回の作戦会議は会議室で行われないので断念しました。フルーツ大好きなアリーのためにフルーツを用意するコンシェルジュさんなので、機会はあるでしょう。碌なネタじゃないけど(ぼそり)