百花繚乱クロニクルセブン-僕らのセカイとキミのミライ-   作:白鷺 葵

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ウィンドシア

 人類復興の拠点、国会議事堂。

 

 真竜襲撃以前と比べれば明らかに慎ましやかで、ささやかな営みが紡がれていた。不満に愚痴を零す人もいたけれど、それ以上に、明日に希望を抱いて瞳を輝かせる人の方がはるかに多い。先の大戦で勝利を収め、自分たちを取り巻く環境が微々たる程度でも改善されつつあるというのも理由であろう。

 とりわけ、今日はいつもより()()()()である。普段は嗜好品とされている酒やジュース、珈琲や紅茶、菓子類が、出し惜しみされることなくテーブルに並んでいた。大人は飲めや歌え屋のどんちゃん騒ぎだし、子どもたちは滅多に食べられない嗜好品に表情を綻ばせつつ、主役の姿に目を輝かせていた。

 

 主役が身に纏うのは、純白のドレスと漆黒のタキシード。寄り添いあう夫婦は、ピアノの白鍵と黒鍵のようにしっくりきていた。

 新たな絆を結んだ2人は、これから様々な曲を奏でていくのだろう。どちらかが欠けてしまえば、たちまち曲が止まってしまいそうだ。

 互いが互いにとって、絶対に必要な相手。先の戦いで育まれた想いは、新しく花を咲かせた。それはとても喜ばしきことだった。

 

 

「ナユタには、好きな子はいないの?」

 

 

 壇上の主役を眺めていたナユタに声をかけたのは、桃色の髪と獣耳が特徴なルシェ族の女性。ナユタにとって姉のような人だった。

 彼女はナユタと同じ目線にまで屈んだ。慈しむように細められた眼差し。藪から棒に投げ渡された問いかけに返答するには、ナユタはあまりにも幼すぎた。

 

 

「マリナ姉さんとリョウスケさんたちのような“好き”は、僕にはまだ分からないかな」

 

「ふふ、そっかあ」

 

 

 素直に答えれば、女性――マリナは密やかに微笑んだ。キラキラ輝く砂糖菓子のように甘く――けれど、澄み渡った湧き水のように透明な笑い方だ。

 

 彼女が純白のドレスを身に纏い、壇上に立っていたのは今から半年前のこと。ムラクモ技術班期待の星と謳われたリョウスケが作り上げたドレスは、1万年前に滅んだ海神の国をイメージしたものだった。

 マーメイドラインの要素を取り入れたアンクル丈のドレスは、動きやすい服を好むマリナの趣向を汲んだものだったのだろう。フリルやレースをたっぷりと使ったティアードスカートは、花嫁の可憐さを引き立てていた。

 その代わりに、彼女が頭につけたヴェールは地面を引きずるスレスレまで長かった。繊細なレースで編み込まれたのは、今は亡きエメル総長が残した資料に掲載されていたアトランティス時代のデザインである。

 

 勿論、技術班期待の星がその程度で終わるはずがない。彼は結婚指輪まで自分で作ったのだ。伴侶への愛と己の才能に物を言わせた結果であろう。

 補足を付け加えるとするならば、「指輪やドレスを己の手で制作できないからといって、その人物が伴侶を愛していない」という訳ではないということだ。

 

 

「これで、ムラクモ13班は全員所帯持ちってことか」

 

「なかなかくっつかないからやきもきしましたよねー」

 

 

 兄姉の結婚式を見た弟妹よろしく涙ぐむのは、13班の専属ナビゲーターであるミロクとミイナだった。特にミイナは、主役たち含んだ13班員がゴールインする瞬間を今か今かと待ち焦がれていた張本人である。……同時に、修羅場の現場を見て一番熱を入れていたのも彼女だったか。

 司会進行役の仕事もひと段落し、主役たちにお祝いの言葉を述べ終えたのもあるのだろう。2人は炭酸飲料を煽っていたが、その様はアルコールを煽る大人と大差ない。ミロクとミイナが成人するよりも先に、13班全員が結婚する方が早かったようだ。

 

 本来、司会進行役を担うのは組織の長である。だが、組織の長には“()()()()()()()()()()()”という大役があった。伴侶と共にいるときは苦笑することが多かった総長であるが、今このときは柔らかに微笑んでいる。眼鏡の奥の瞳は、幸せそうに細められていた。

 普段は様々な人を阿鼻叫喚の地獄に追い落としている英雄の1人は、肩ひもがないプリンセスラインのドレスを身に纏っていた。バッスルラインのスカートは、エレガントな淑女を印象付けている。実際、式の最中、彼女は上品な淑女の振る舞いに徹していた。

 蛇足であるが、13班の秘書を務める女性も“()()()()()()()()()()()”という大役を負っている。シンプルで上品なスレンダーライン。スカート部分にはドレープが施されており、知的な大人らしさと上品さを引き立てていた。

 

 

「今回の合同結婚式は東雲(シノノメ)兄妹だもんな。ミカゲたちのときも思ったけど、なんかこう、感慨深いなあって」

 

「それ、すっごくわかります! 今見てる光景は、実は夢なんじゃないかって思ってしまうんですよ」

 

 

 ミロクの言葉に同意したミイナは、主役席に座る新郎新婦に視線を向けた。そうして、ほう、と感嘆の吐息を漏らす。

 

 

「憧れるなあ、ああいうの」

 

 

 ミイナの眼差しに込められたのは、ウェディングドレスに対する羨望だけではない。苦楽を共にし、分かち合える伴侶と出逢い、結ばれることも入っている。

 熱っぽい片割れの様子に、ミロクは引き気味のようだった。ただ、彼女の羨望は理解できるようで、何とも言えない表情を浮かべてジュースを煽っていた。

 

 兄貴分と姉貴分を横目にしつつ、ナユタは主役席に視線を向けた。どちらの新郎新婦も、竜戦役を経て結ばれた人々である。彼と彼女は、自他ともに、互いを運命の相手だと信じて疑わない。

 

 

(……いつか、僕も、そんな人と出逢えるのだろうか)

 

 

 白紙の未来図に、いずれ出逢うことになるであろう“運命の人”を思い描く。その出逢いがいつかは分からないけれど、それでも。

 英雄たちが繋いでくれた未来は、ナユタたちの前に広がっている。まだ何を成すかの算段はなく、けれどそれ故に何事も成せる()()()()()が。

 明日がやって来ることが、未来が“今”へと変化していくことが、こんなにもワクワクする。ナユタは胸を躍らせながら、新郎新婦の門出を見守った。

 

 

 

***

 

 

 

「――ミハルが、結婚?」

 

 

 シロウから齎された情報を、ナユタは鸚鵡返しにするので精一杯だった。

 

 

「それって、ミキオよりもヨツミ先生が黙ってないんじゃ……」

 

「ご推察の通りです。相手方にエグゾーストサクリファイスをブチかまそうとしていました」

 

 

 「母に『離婚するよ』と言われて止まりましたが」と語るシロウの横顔は、どこかやつれきっている。

 想像するだけで頭が痛いやり取りを、彼は現実で目の当たりにしたのだ。気持ちは察するに余りあった。

 

 彼は深々とため息をつきながら、食べ終えたネイビーバーガーの包みを綺麗にたたむ。ごみの捨て方がやけに洗練されているのは父親譲りだった。閑話休題。

 

 

「おまけにその相手方が、ミカゲさんの教え子だったんですよ。……がっつり剣術を仕込まれた、ね」

 

「ああ……」

 

 

 人類最強と謳われた英雄の教え子となれば、英雄最弱を争う男など太刀打ちできないだろう。良くてイーブンに持ち込むのが手一杯か。戦術的な判断は間違っていない。

 仲間の教え子に自爆特攻しようと思い至るヨツミもアレだが、親友が教え子に自爆特攻しようとする現場を目の当たりにしたミカゲも気が気じゃなかったはずだ。

 そして、立場は当事者であるにも関わらず、蚊帳の外に追いやられたミキオも可哀想である。ミキオに許されたのは、彼らの間でオロオロすることだけだったろう。

 

 「人間関係が大事故を起こしている」とはこのことだ。疲れ果てたシロウの様子からして、話が纏まるまで大変だったことは明らかである。

 

 ナユタは労うように視線を向けた。何も言わずとも伝わっているよ、と、シロウは目で合図する。「つうと言えばかあ」というのは、良いことばかりではないようだ。

 2人が食べ終えたネイビーバーガーの包みを、巡回していた店員が回収していく。去り際、彼は「ごゆっくり」と言って会釈した。ナユタとシロウも会釈を返した。

 

 沈黙が広がる。今日は客が少ないせいか、店内のBGMが響いてきた。常夏の国をイメージした、ゆったりとしたリズムが心地よい。

 

 

「……ミハルには、幸せになってほしいものです」

 

 

 ぼそりとシロウは呟いた。ブラックコーヒーを煽る彼の姿は、人生が甘くないのだと体感しているように思う。

 

 

「そうだな」

 

 

 ぼそりとナユタも返答した。シロウに追随するかのように、こちらもミルクティーを啜る。イングリッシュブレックファーストを使用したミルクティーだ。

 この茶葉のブレンドは強めの苦みが特徴である。それを使ったミルクティーは、苦みの中にも確かな幸せがあるのだと信じたい、ナユタの願望そのもののように思えた。

 

 

「――運命の相手、かあ」

 

 

 意識せず零れ落ちた言葉は、ミルクティーの水面に吸い込まれるようにして消えた。

 

 

 

■■■

 

 

 

「ああ、提督。いらっしゃいませ。いつものお席へどうぞ」

 

「すまんな、店長。今日も世話になるぞ。諸君、こっちだ」

 

 

 つうと言えばかあ。ネイビーバーガーの店員とヨリトモの関係を簡単に言い表すとするなら、この言葉が適切であろう。その様子だと、顔馴染みどころか常連レベルでこの店に通い詰めていることは明白であった。

 店の雰囲気は、ヒュウガ艦内にある食堂を彷彿とさせる。しかし、内装は海辺のコテージを連想させるようにまとめられており、居心地がいい。壁のコルクボードには、客が撮ったと思しき記念写真が飾られていた。

 

 その中でも、ユマの目を惹いたのは1枚の写真である。日付は今から25年近くも前のものだ。特殊な加工を施したため、未だに色あせぬままのもの。

 

 ISDF野外戦闘用の軍服を身に纏った黒髪の女性、作業用のつなぎを身に纏ったグラマラスな女性、白衣を身に纏った金髪で浅黒い肌の少年、スーツに身を包み紫の髪を2つに束ねた女性議員、ISDF野外戦闘用の軍服を身に纏った緑髪の少年、顔立ちが瓜二つな金髪色白の少年少女、野外専用の服を身に纏ったルシェ族の青年。

 彼/彼女らは、弾けんばかりに輝かしい笑顔を浮かべている。この世が希望で満ち溢れていることを信じて疑わない眼差し。そんな風に笑う写真の人物たちを「幼い」と認識してしまうのは、伊倉ユマの人生が大分荒んでいたためだろうか。彼らのように無邪気であれたなら、きっと幸せなことであろう。

 

 

「ナ、ナユタさん!?」

 

 

 ヨリトモに促されたユマとユウマが歩き出そうとして――店員が大仰に声を上げたことで中断した。何事かと3人が店員を見れば、彼はシズクを見て驚いている様子だ。

 しかも、店員はシズクの姿を目の当たりにして誰かの名前を口走っている。驚いたように目を丸くするシズクを横目に、店員は彼を質問攻めにした。

 「貴方、随分前に行方不明になったと聞きましたよ!? 息災なら、どうして連絡してくれなかったのですか!?」と捲し立てられたシズクは、何とも言えなさそうにしていた。

 

 シズクの反応がないことから、店員はようやく“シズクはナユタという人物ではない”ことに気づいたのだろう。店員は申し訳なさそうに頭を下げた。

 彼の様子からして、シズクはナユタという人物とよく似ているらしい。そう言えば、コルクボードに飾られた写真にもよく似た人物が写っていなかったか。

 

 

「ナユタさんは第2次竜戦役で発生した議事堂襲撃の際、フォーマルハウトを間近で目撃したらしいんです。その際大量の瘴気を浴びたみたいで、黒呪病を発症したと言っていました。もし彼が生きていたら、キミのような外見のまま、今年で75歳になっていたでしょうね」

 

「……そうなんですか」

 

 

 シズクの表情は能面のまま、何も変わらない。けれど、ほんの微かにだが、声が揺らいだ。

 

 黒呪病というのは、第5真竜フォーマルハウトの置き土産のようなものだ。奴の瘴気――気体の状態でも、フロワロの状態でも――を真正面から大量に浴びてしまうことで、肉体の成長が一時的に止まってしまうという奇病である。肉体の一部が不老不死になるのとは毛色が違うらしい。

 症状は2段階あり、1段階目では外見と精神の老衰が止まる。実質的な不老状態になるのだ。そして第2段階に到達すると、体の内部が急速にボロボロとなり、一気に老いて死に至る。第2段階の恐ろしいところは、いつ第2段階になるかが分からないという点にあった。

 第2段階に突入してしまうと、あっという間に死に至る。長くても3カ月程度が限界だというデータも残されていた。おまけにこの奇病、遺伝する上に()()発症する。勿論、発症するタイミングは不明。資料によると、幼い子どものまま成長を止めた者もいたという。

 

 奴と対峙していたムラクモ13班員は全員この奇病を発症し、72年前当時の姿で成長を止めてしまった。彼らの系譜を継ぐ子孫たちも、現在進行形で、その奇病がいつ発症するかの恐怖と戦っている。

 しかし、フォーマルハウトの置き土産による被害を受けたのは英雄だけではなかった。奴がスカイタワーや国会議事堂を襲撃した際、建造物内外問わず大量の瘴気をまき散らしたため、一部の避難民も黒呪病を発症したのだ。本当に嫌な置き土産である。閑話休題。

 

 

「……俺は、そんなに彼と似ていますか?」

 

「はい、とても。ナユタさんが帰ってきたみたいで、嬉しいです」

 

「……そうですか」

 

 

 シズクは静かに目を細めた。少々アクシデントが起きたものの、ユマたちは席に腰かける。

 店員はメニューを渡すと、「ごゆっくり」と人の好い笑みを浮かべて頭を下げた。

 

 

「それで、ヨリトモ提督。このお店でのオススメを伺えますか?」

 

「チャーハンだな。ついで、チーズサンドイッチだ」

 

 

 この店は一体何だったのか、と、突っ込みたくなるようなラインナップである。その無節操さがウリなのだとヨリトモは笑った。一応、ここはネイビーバーガーの店なのかを確認ししてみたのだが、やはりネイビーバーガーの店である。

 だが、ヨリトモはチャーハンが好物らしい。常連と言えども軍属――しかも提督ともなれば、この店に通う頻度に長期的な空白が発生することも有り得た。「選択の余地があるなら、自分の好みに拘りたい」というのは軍人の性であろうか。

 ヨリトモに牽制球を投げつつ様子を見ても、彼は一切揺らがない。むしろ、伊倉ユマを道化にして、ユウマに話題を振り始める始末。ユマたちを食事に誘っておきながら、実質的にはヨリトモとユウマの親睦会になりつつあった。

 

 慇懃無礼の態度を貫きつつ、彼らの会話に耳を傾ける。――ふと、沈黙を保ったままの相棒のことが気になった。

 ユマの隣に腰かけるシズクは、相変わらず無表情なまま。……しかし、彼の眼差しはコルクボードの写真に向けられている。

 

 

「何? ……貴方、件のナユタ氏が気になるの?」

 

「まあ、そんなところだな」

 

 

 密やかな声で問いを投げれば、一寸の狂いもなく投げ返される。そこには何の違和感もない。

 

 ……違和感はない、はずだ。静かに細められた紫苑の瞳が、もう戻れない日々を懐かしむように――あるいは、失われたものを悼むかのように揺れているように感じたのは。

 シズクは遠い場所を見ている。あまりにも遠すぎる場所を眺めている。ユマが目を離せば、シズクはふらふらと()()へ向かおうとするだろう――そんな予感がした。

 

 彼の様子も気にはなるが、こちらは完全に手詰まりだ。ヨリトモに牽制球を投げるよりも、手の打ちようがない。

 相変わらずヨリトモは難攻不落で、ユマに攻め口を与えてくれなかった。シズクに至っては完全に空気と化している。

 だが、ユマは1人ではない。ユマの代わりにヨリトモへ一石投じたのはユウマだった。空気を読まない彼は、穿った一撃を叩きこむ。

 

 

「では、何故自分の教育係にユマ――ああ、すみません。伊倉一尉と雪待一尉を?」

 

「簡単に言えばユウマには、我々の在り方を知ってほしいのだ」

 

 

 「自分たちは軍事機構ではあるが、ドラゴンから人類を守る盾でもある」――そう言ったヨリトモの口調は、理想論を語るようであり、本心を語るようであり、話を聞いている者全員に対して()()()()()()()と願うかのようだ。

 

 伊倉ユマは、ヨリトモの声色と似通った響きを()()()()()。分かってほしい、理解してほしいと祈りを込めて語りかけていた青年の姿を()()()()()

 時には父のように、兄のように――いや、それ以上の存在として、シズクはユマに寄り添ってくれた。ユウマに語り掛けるヨリトモの様子は、息子を見守る父親そのものだ。

 ヨリトモの話を聞いたユウマは難しそうな顔をしていたけれど、上官の言葉を無碍にはできなかったらしい。曖昧に笑って頷いて見せた。内心どう思っているかは分からないが。

 

 

「おっと、いかん。説教臭くなってしまった。料理を食べながらでも――」

 

「――自分の友人は、人工生命体に関わる関連部署に勤めていました」

 

 

 沈黙を保っていたシズクが、ゆっくりと口を開いた。

 ヨリトモが驚いたようにシズクを見る。

 

 

「その友人は()()()()()()。……これは、その友人から聞いた話なのですが」

 

 

 前置きし、シズクは訥々と語り始めた。

 

 

「彼の上司は、人工生命体として生み出された人々を、自分の子ども……いいや、孫のように可愛がっていたそうです。その中でも一際可愛がっていたのは、末っ子の女性でした」

 

 

 何故、雪待シズクはそんな話をするのだろう。この場にいる全員が、同じことを考えているに違いない。

 紫苑の瞳は、ゆっくりとヨリトモへ向けられた。どこまでも静かな眼差しは、澄み渡った水面の如し、だ。

 

 

「そんな彼女に恋人ができたと聞いた途端、友人の上司は相手の元へ殴り込みに行こうとしました。ですが、末っ子の伴侶は、彼の親友の教え子だったそうです。単純な戦闘能力で比較した場合、友人の上司には勝ち目がなかった。何故なら、親友は“前線から離れたとはいえ、未だに戦闘訓練校の教官を務める程の実力者”で、親友の教え子も“現役の軍人”だったからです」

 

「シ、シズ――雪待一尉?」

 

 

 ユマの制止など気にも留めない。

 シズクはつらつら話を続けた。

 

 

「それでも諦めきれなかった友人の上司は、必死になって考えました。『何としてでも、可愛い孫をたぶらかした男に一矢報いたい』と。そうして思いついたのが、相手へ自爆特攻することだったそうです。……勿論、周囲は阿鼻叫喚になりました。詳しい話は聞けませんでしたが、友人曰く、『最終的に、末っ子の婚約者に“末っ子を幸せにする”と約束させる』、『実際にやらかしたら離婚すると奥方に脅された』ことで事態は収拾されたとか」

 

 

 「戦術論的には何も間違っていなかったことが恐ろしいです」と呟いて、彼はメニューへと視線を落とした。それと入れ替わるように、ヨリトモの表情が揺らぐ。まるで、シズクの話に心当たりがあるかのようだ。血の気が引いているあたり、地雷を踏みぬかれたことは間違いない。

 

 今、この機に乗じてヨリトモを攻めれば、それなりに情報を引き出せたであろう。……だが、ユマはそうしなかった。()()()()()()()()。ヨリトモを問い詰める以上に、ユマの目を惹いたものがあったから。――それは、雪待シズクの過去に関わる断片である。

 この男は謎が多すぎるのだ。彼がユマの教育係になる以前の経歴も()()()()()()()()()()だし、旧ムラクモ機関の研究に対してやけに造詣が深い。特に生命科学、その中でもとりわけ、人工生命体に関しては強い拘りを持っている。

 生命科学という分野を専攻する人間に対して、シズクは常に心構えを求めた。命を生み出すことの責任を、生まれ落ちた命への配慮を、そして――生まれ落ちた命に対し、真摯であり続ける姿勢を。

 

 ……それは、もういない友人から受け継いだモノだったのかもしれない。あるいは、友人が仰いでいた上司の背中か。

 友人の上司の言動は狂気めいたものを感じるが、件の人物たちの根底にあるのは、命と真正面から向き合おうとする真摯な姿勢だった。

 

 

「友人も、その上司も、命に対して真摯に向き合ってきました。命を生み出す者の責務を果たそうとしていました。生まれた命の行く末を憂い、幸せを願った人たちでした」

 

 

 なのに、と。シズクは、血反吐を吐くようにして紡ぐ。

 

 

「何故、そんな人たちが()()()()()()()()()()()()のですか」

 

 

 シズクがゆっくりと顔を上げた。紫苑の瞳は黒々洞の闇を孕み、底が一切見えてこない。顔よりも雄弁に語る眼差しには、何の感情も浮かばない。

 ユマの耳がムズムズした。背中を撫でるのは悪寒である。……つい先日も似たようなことがあったはずだ。『U.E.61年、犠牲を忘れない』と刻まれた石碑。

 ()()()()()()。何の理論も道筋もなく、ほぼ直感だった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()――!!!?

 

 

「自分には分からないのです。彼らの想いを踏みにじり、彼らの命や生きた証さえも()()()()存続する外道連中が。生み出した命を“モノ”として見ることが正しいと信じて疑わぬ馬鹿野郎どもが。完璧な兵器であることを至上とし、命を蔑ろにする驕り高ぶった阿呆どもが。そいつらが蔓延るのを当たり前とする現状が……自分には、まったくもって度しがたいのです」

 

 

 聞いている人間を侵していくような、ドロドロとした響き。水面に投じられた石は激しく波紋を広げ、この場にいる全員の心をかき乱していく。

 シズクの眼差しは、どこまでも深い闇を湛えていた。彼の眼差しは訴えている。()()()()()――その一念が、肉薄してきたように感じた。

 

 和気藹々とした雰囲気を爆散させたこの沈黙は、爆散させた張本人によって終わった。

 

 

「提督、不快な話をしてしまって申し訳ありません。今のは忘れてください」

 

「う、うむ」

 

 

 シズクは無表情を崩さぬまま、静かに一礼した。声色は申し訳なさそうだ。顔を上げたときにはもう、闇を凝縮したような瞳はない。

 どこからどう見ても普段の雪待シズク一尉だ。その事実に、ユマは心の底から安堵した。……おそらくは、ヨリトモやユウマも。

 

 気を取り直して親睦会を再会しようとすれば、規則正しい足音が近づいてくる。何ごとかと振り返れば、そこにいたのは士官の男性。気まずそうな顔をした彼は、ヨリトモに入電があったことを伝えに来たらしい。

 至急戻れという伝令を聞いたヨリトモの表情が曇る。歴戦の将校が不機嫌そうな様子で睨んでくるのだから、士官にとっては恐怖以外の何物でもない。中間管理職の性で、士官はおろおろと「どうにもならないのです」と繰り返す。

 士官もヨリトモも逆らえないようなところからの命令らしく、ヨリトモは渋々ながらも先に帰ることにしたようだ。代金は支払っておくと言い残し、彼は店から出ていく。その背中を、ユマたちは見送った。

 

 

「……ユマ。何か、異変があったのでしょうか?」

 

「分かるわけがないわよ。でも、非常招集じゃないし、今はタダ飯を楽しみましょ?」

 

 

 ユマはシズクに向き直った。

 

 

「シズク一尉もいいわよね?」

 

「ユマ一尉、タダ飯という表現はやめなさい。罪悪感で針の筵になりそうだ」

 

「でも楽しむんでしょう? 貰えるものは貰っておけって、いつも言ってるじゃない」

 

「……だな。その分、今度は我々がヨリトモ提督におごればいいか」

 

 

 そう言ったシズクの口元が、普段より緩んだように感じる。だが、どことなく寂しそうに見えたのは気のせいだろうか? しかし彼はユマの疑問を完全無視し、自分が食べる料理を決めたらしい。ふむ、と呟いた。

 丁度そのタイミングで、店員が料理を運んで来た。随分と『間のいい』店である。ヨリトモが愛用するのも当然のことだ。運び込まれてきたチャーハンとチーズサンドイッチ、おまけのポテトがテーブルに並ぶ。

 本来それを食べるはずだった人間はいない。幸い、この料理はヨリトモ提督の支払いなのだ。本人からの許可だってある。今のうちにたっぷり食べてみるのも悪くないだろう。デザートも頼んでみるとしようか。

 

 食事を楽しもうという意図で組まれたはずの親睦会なのだが、ユウマは相変わらず栄養価を気にしている。彼はジャンクフードに対し、懐疑的な眼差しを向けていた。

 ユマは、頭の中で対人関係の欄に大きなバツを書く。教え子の対人技能がマイナス突き破っていて辛い。教育係も大変だとため息をつきかけ、ふと思った。

 

 

(……シズクも、こんな気持ちだったのかな)

 

 

 ユマを見捨てなかったのは教育係としての意地なのか、作られた命と向き合おうとする真摯で高潔な意志なのか、それとも()()()()()()()()()()()()()

 

 彼の粘り強さに感心しつつ、ユマはちらりとシズクを見た。チャーハンを取り分けて口に運ぶ青年の口元が綻んだように思える。耳がぱたぱたと揺れた。

 丁度そのタイミングで、シズクが注文したアイスのミルクティー――茶葉はイングリッシュブレックファースト一択――のグラスが運ばれてきた。

 

 

 

***

 

 

 

 現在、伊倉ユマは、とある老人から受け取った試作刀とやらのテストをする羽目になっていた。しかも、ヨリトモが臨席する元で。

 いつもならば2桁の人数が鍛錬に励む訓練施設なのだが、ここにいるのはヨリトモとユマの2人きりだ。いつもとは違う静謐がこの場を支配していた。

 

 ユマの目の前に置かれたのは、巨大な装甲版。この強度は、過去の記録から推察されている真竜の耐久度と同等だ。それを、件の試作刀――太刀で斬れという。それがヨリトモからの命令であった。

 そこに疑問も質問もなく、シンプルな要求だけがある。ならば、と、ユマは太刀を構えた。無心に一呼吸入れ、耳を澄まして刀身の声に耳を傾ける。玉鋼の声を聴き、心を通わせようと試みた。

 ……しかし、いくら待てども、太刀は一切何も語らない。いや、()()()()()()()()と言った方が正しい。この刀には()()()()()()()()()()のだ。不気味なことこの上ない。

 

 

(刀身には一切の異常はなし、か。とりあえず、為すべきは為そう)

 

 

 決意を載せるなり、ユマは初太刀を振り下ろす。刹那、刀を当てられた装甲版は、鈍い音を立てて床に転がり落ちた。真竜すら一刀で斬れる刀というのは伊達ではないらしい。

 

 だが、やはりこの刀は異常だった。手ごたえがあった瞬間の、あるべき刀の声がない。斬ったときでさえ、この刀は何も語らなかった。ルシェ族の勘が訴える。

 何も知らぬヨリトモが感嘆の声を漏らす。真竜と同レベルの強度を誇る物体を真っ二つに出来たのだ。心強いと思うのは当然のことだろう。

 

 

「72年前の戦士たちもこのような刀を手に真竜と戦った、ということだろうな」

 

「残念ですが、提督。この試作刀は、ダメです」

 

 

 感銘を受けたと言わんばかりに頷き続けるヨリトモへ、刀を収めたユマははっきりと断言した。目を見張るヨリトモに、ユマは試作刀の何がダメなのかを説明する。

 

 1つめは、ユマの戦闘スタイルが試作刀のコンセプトとは合わないことだ。ユマの修めた剣術は、居合と正眼の構えを基本とした抜刀術である。それに対し、試作刀は初太刀で敵を屠ることをコンセプトとし、一撃特化となっていた。

 状況に応じて戦術を変えるユマの戦闘スタイルに対し、一撃必殺だけを突き詰めた試作刀は合いそうにない。道場のような場所でならともかく、咄嗟の判断が物を言う戦場では使いたくなかった。

 

 2つめは、ルシェ族特有の能力(ちから)が由来の“感覚的なもの”だ。この試作刀は、使い手となる人間のことなど眼中にない。器は完璧だが、魂が宿っていないのだ。

 その影響か、刀を振るっているはずなのにレーザーメスを振るっているような心地だった。制作者が苦心して作り上げたことは、仕事ぶりからして明らかだ。

 しかし、悪魔は細部に宿るもの。ほんのわずかな一歩が、すべてを決することだってある。ISDFで軍人勤めをしていれば、その一歩のために悲劇や奇跡が起きることくらい知っていた。

 

 

「研究室ならばともかく、何が起きてもおかしくない戦場で、想定通りに使えるか不安が生じます」

 

「“想定された環境”がお膳立てされていなければ力を発揮できない刀となれば、最初から使わない方がいいでしょうね。使うとしたら、とどめを刺す瞬間だけでしょう」

 

 

 不意に、背後から声がした。振り返れば、呼ばれたはずのないシズクが仏頂面で突っ立っている。

 ユマの教育係は、正の感情が声色と耳以外で推し量れない代わりに、負の感情の発露が顕著だった。

 

 ユマの言葉を引き継いだ彼は、険しい顔つきのまま話を続ける。試作刀に向けられた眼差しは厳しい。

 

 

「『作り手が担い手のために祈り、担い手が作り手の想いに応えようとするからこそ、武器は敵を屠るための力を発揮する』――嘗て武器開発に携わっていた友人が、常に口にしていた言葉です。……彼女も、()()()()()()が」

 

 

 そう付け加えたシズクの眼差しは、施設の窓へ――その中に広がる青空へと向けられていた。いや、その表現には語弊がある。シズクは青空の向こう側に、失った友人を見ているのだ。

 彼女、という言葉がユマの中に引っかかる。ユーモアは備えていても仏頂面で愛想が悪かったこの男と仲良くする女性なんて、並大抵の感情を抱いていないだろう。良い仲だったのだろうか。

 湧き上がってきた不快感に蓋をして、見ないふり。恋する乙女というのも楽ではないし、ユマの葛藤など知らないシズクは相変わらずである。もう少し痛い目見てほしいなと思うのは、ちょっとしたひがみだ。

 

 

「この試作刀には、作り手の“祈り”が込められていません」

 

「竜を殺すという理念でも、貴官の言う“祈り”には成り得ないということか?」

 

「殺傷能力だけを追求した権化が、『人類を守りたい』と思うはずがない。己が役目を果たせないと悟った途端、勝手に自壊してしまいそうです。もしくは、自分を必要としない世界は滅んでしまえと叫びだしそうですよ。まあ、これは意志を持たない道具ですから、後者のようなことはなさそうですけど」

 

 

 シズクは呆れたようにため息をつきながら、ユマの元へ歩み寄った。彼はじっと試作刀を睨みつける。

 紫苑の眼差しに宿るのは、強い憎悪。慇懃無礼で実直なはずの男性士官――雪待シズクの口から溢れだしたのは、過激な暴言だった。

 

 

「……まったく、これが量産可能の竜殺剣だと? 帝竜検体を3体以上使った訳でもなく、担い手が祈りを込めたわけでもなく、ただコストと殺傷能力だけを突き詰めた鈍らじゃないか。先人を馬鹿にしているのか」

 

 

 竜殺剣――72年前の神話で、古のサムライがフォーマルハウトを屠った最強兵装。文字通り、竜を狩るという一念に置いて絶対的な力を発揮する。

 

 近代神話の人造兵器が飛び出してくるなんて予想外だ。しかも、この試作刀が、シズク曰く「竜殺剣の模倣品(パチモン)」だという。

 それにしても、やけにハッキリ断言したものだ。シズクの語り口からして、彼は竜殺剣と何らかの関わりがあったのかもしれない。

 いや、それこそが副産物なのだろう。旧ムラクモ機関の造詣に詳しいことや、それに関する事実が絡むと感情が発露することに本当の意味がある。

 

 あまりの変わりように、周囲が驚くのは当然のことだ。ヨリトモに名前を呼ばれたシズクは我に返った後、バツが悪そうに視線を逸らした。

 「失礼。竜殺剣の模倣品が眼前に並んでいると思うと、つい」――模倣品という部分に、副音声でパチモンとルビが振られたように感じたのは気のせいではない。

 

 

「ヨリトモ提督は存じ上げているはずですよね。祈りの体現や具現化がどのようなものか」

 

 

 シズクは確証を持って、ヨリトモを見返した。水面に一石投げ込まれたが如く、ヨリトモが揺らぐ。詰まるような声を漏らし、彼は深々とため息をついた。

 ヨリトモが取り乱す姿はシズクの琴線に触れたのだろう。どこか安心したような――嬉しそうに目を細め、満足げに頷いた。

 

 

「確証の持てない試作品を無理に使う必要もあるまい。予備として保管しておいてくれ」

 

 

 結局、この試作刀の扱いは、ヨリトモの一言で決着した。試作刀は艦橋のロッカーに放り込んでおこうと決めた後、ユマは老人から頼まれていた伝言を思い出した。

 『最近は風邪気味でな、老人を労れ』――この言葉にどのような意味が込められているのか、一士官でしかないユマが知る由もない。

 ただ、ヨリトモの顔色を変えるには十分すぎる威力があったようだ。目に見えて焦りの色が滲んだ理由を問おうとし――その暇は、与えられなかった。

 

 慌てた様子で駆けこんできた闖入者が1人。それは、血相を変えた当直士官だ。彼が告げた急報に、全員が目を見開いて息を飲む。それを聞いた自分たちは、即座にCDCに向かった。

 

 それは、ISDFのハワイ艦隊に起きた緊急事態だった。海域調査をしていた艦隊が、正体不明の襲撃者によって甚大な被害を受け離脱中なのだという。被害の情報は錯綜して掴めていないらしいが、変事は間違いなさそうである。

 断続的に飛び込んでくる通信の様子からして、穏やかな状態とは言い難いだろう。提督であるヨリトモが悲観的な推測をするのも無理はない。非常事態に備えろという命令は、ヒュウガの船内に響き渡った。

 

 

「……どうしますか?」

 

 

 慌ただしく動き回る面々を横目に、ユウマがぼそりと問いかけてきた。

 

 

「私たちではどうしようもないわ。ジャマにならないよう、壁の華に徹しましょ」

 

 

 ユマはそう言いながら、士官たちの行動を見守ることにする。

 

 陸戦担当の中でも情報処理が得意なシズクは、士官たちと共に、バイザーをして状況分析を行っていた。

 得意分野の情報戦ということで、彼の表情は水を経た魚のように爛々としている。

 普段は現場ナビとして戦場へ赴き、後方支援をしている援護の鬼。自身の役割を粛々と果たすその背中は、称賛に値した。

 

 そうこうしているうちに、極東理事会からヨリトモへの呼び出しが入った。直通回線を通して、極東の指揮系統を握るアクツ総司令の姿が映し出された。彼は政治家の視点から、今回の一件について苦々し気に話し始めた。

 派閥と政治という観点から物事を図るアクツは、無能な政治家ではない。だが、彼はあまりにも現場に疎かった。ハワイ艦隊のことを厄介者だと吐き捨て、彼らを踏み台にして北米支部に恩を売ろうとしている。……ああ、政治家としては確かに優秀だ。

 

 

(上層部が何を言おうと関係ない。仲間が助けを求めているのなら、その手を握り返すまでのこと)

 

 

 この場にいる全員が、そう考えていることだろう。ユマはシズクへと視線を向け――ぎょっとした。

 雪待シズクの眼差しは、傲慢に笑うアクツへ向けられている。射殺さんばかりの勢いだ。

 

 

「たった今、命令を発した。行動を開始してくれたまえ、ヨリトモ提督」

 

「はっ、失礼いたします」

 

 

 それを最後に、アクツの姿はモニターから消える。入れ替わりに飛び込んできた通信文を受け取った通信要員たちが、大声を張り上げた。

 

 

「提督、ISDF極東参謀本部より入電! 緊急の出撃命令です! 我々に友軍、ISDFハワイ艦隊の救援が命じられています!」

 

 

 ミッションは、友軍の救出。

 戦いの始まりは告げられた。

 

 

 




【参考および参照】
『セブンスドラゴンⅢ U.E.72 未完のユウマ』(カルロ・ゼン著)
『画像で解説! ウェディングドレスの種類が一目で分かるまとめ(http://www.mwed.jp/tokimeki/767/)
『bokemaru.up.seesaa.net(http://bokemaru.up.seesaa.net/image/NNBBB2B9CD.txt)』より、『ウィンドシア(風圧の急激な変化)』

―――
現在、未完のユウマ編3章相当。メインとなり得る部分にのみスポットを当てたため、かなり端折りました。今回は特に、外伝を読んでいないと分かりにくい仕様となっています。ご了承ください。
雪待シズクという人物に関わる片鱗が姿を現し始めました。同時に、前半パートで姿を見せる明星ナユタという人物の会話も、後半パートでじわじわ姿を現しつつあります。ここで何かを察した方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しだけおつきあいください。

ゲームでのヨリトモは、サムライ奥義習得に関わっていますよね。でも、外伝小説では「自分は剣士ではないからわからない」と言っていました。サムライではない人が、どうしてサムライの奥義習得に関われるのか、ちょっと疑問に思ったんです。
因みに、このお話におけるヨリトモは剣士+古の13班の教え子となっています。現在は提督として指揮に徹することが多いですが、いざとなれば二刀流で戦線を駆け回ることくらいできる実力者。勿論、一刀流でも戦えます。流石だぜ!!
……え? 設置された地雷が多すぎて、メンタル的な方面がマズいことになりそう? ……頑張ってください、提督! この程度で根を上げてちゃあ、5年後はもっと大変なことになっちゃいますよ! 人間関係が大事故的な意味で!!(ネタバレ)
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