ウルトラマンアーザ   作:仁。

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誘惑は誰にでもありますよね


登場怪獣

暗黒染体超古代植物 ギジェラ


第八話 誘惑の花道

地底怪獣テレスドンが暴れたその日から数日、CREWRUYSに二人の姿があり、二人は今からパトロールの担当なのか、RUYS専用の乗用車、RUYSカーピクドチェイサーαが止めてある場所へと向かっていた。

「ダイキーパトロールいくぞー!」

「えっちょっと、だから早いって!ユウジ!!」

 

大声で、ダイキの事を呼ぶユウジに応えてダイキも、多く返事をしてRUYSカーピクドチェイサーαに乗りこんだ。そして、カーピクドチェイサーαは発進していった。

発進してしばらく、街をゆっくり回って走りながら周りを見渡す。

「それにしてもお前とパトロールしてると面白いんだよな…」

「何が?」

「何って、いつも人助けすることになるからかな、お前お人よしだよな、俺そういうとこめっちゃ好きだぜ…」

「ははは照れるなァ」

と雑談としながら、パトロールしていた。

そして、住宅街の道に通りすがる際にダイキが何か気付いた。

「なぁ、ユウジ」

「んー?」

適当に返事をするユウジの腕を引っ張りそこを見るように呈す。

「なんだろうこの花。」

道端にかなりな量の毒々しい花が生えている。ユウジは、それを見てあぁ~と思い出しながら、話す。

「あぁ、最近道端に生えてきた花だな。最近人気らしいぞ?」

急に、いろんな場所に生えてきて、あまりにも人気だから、飾られたりしてるだそうだ、という豆知識も付ける。その説明を聞いたダイキは、表立って嫌な顔をする。

「そうかなぁ形歪じゃん…臭そう…」

「……いわれてみれば、そうだよなぁ、なんだダイキ、気になるのか?」

さらに腕を引っ張るダイキを見かねて、車を止める。

「調べたほうがいいよ。急に生えてきたって時点でおかしいって。」

「確かにな、宇宙人関係か?」

「案外また怪獣かも」

そう花を見つめつつ花をとろうと手を伸ばす。しかし、その時、

 

「やめんか!!その花に触れるな!!!!」

 

「!!お爺さん!?」

老人だと思えないほど大きいお声で叱咤される。そして杖を突きつつもがつがつと二人に近づく

「この花は全部儂のじゃ触るな!!!」

ユウジ達を押しのけ、花から離れたのをみて満足したのか、離れていく。

 

「ほらやっぱりおかしい今のうちに一輪だけ持っていこう。」

「賛成だ…絶対何かある…」

爺さんが見ていないうちに、一凛だけ花を採った。その時、風が吹き、花が揺れて花粉が飛び出した。

「うわっ、やっぱり臭い。」

「いや、全然臭くはなかったぞ?」

「えっ?」

臭くないというユウジに驚いて振り向こうとするが、

 

 

 

『───────、アーザ、そこにいたのですか?』

 

 

「    え?」

懐かしい優しい声が聞こえた気がして、そこを見るがそこには何もいない。

(そんなわけないか、母上の声が聞こえた気がしたけど…ありえない。)

聞こえた声がそこにいるわけないと振り切ってかき消すかのように頭をふった。

だって、遥か昔弟が生まれた時に母は亡くなってしまっていたのだから。

 

「…イキ?…‥ダ…キ……ダイキ!!!!どうした!?」

「うぉあっ!?どうしたんだ!?ユウジ!?」

何度呼び掛けても返事をしないダイキを耳元で読んだ。その声に驚いたのかへんてこな声を上げる。

「どうしたって、お前が返事しないから心配になったじゃねぇか!!!」

「えっ!?ごめん!」

屋っと返事したダイキに安堵の息を吐き、そして、運転席側のドアを開ける。

 

「きゃあああああああ!!」

 

それを妨げるように女性の悲鳴がここまで聞こえてきた。

「ユウジ!あっちだ!!!」

「おうっ!!」

悲鳴をきいて、駆け付けた二人は、野次馬をかき分けて、悲鳴の元を探す。

「CREWRUYSです!どうしたんですか!?」

「RUYSの兄ちゃんたち・・・人が死んでんだ…」

人が死んでいるといわれて、倒れているその人物を見る。

 

「……なぁ、この爺さんってさっきの…」

「ああ、そうだ。さっきの爺さんだ。妙に花に執着してた…」

 

そこに倒れていたのは、先ほど、花を取ろうとしていきおい凄い形相で怒鳴ってきた、あのお爺さんが、道端に倒れ、死んでいた。しわくちゃな顔がさらに青くなっており生気を感じられなかった。その手には強くあの毒々しい花をだれにも渡さないかのように、握り締めて死んでいた。

花がかかわっていることは明らかであった。

 

「と、とりあえず報告。これは只事じゃない!」

「GIG!」

そういって、集まってきた人たちに、近づかないように言って通信をつなげた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

基地に戻ってきたダイキとユウジは、素早く隊長に話に行った。

「隊長!!!報告した通りです、あのお爺さんが死んだのはこの花が関係していると思うんです!」

「そうですあの爺さんめちゃくちゃ花に執着していたそうです!近所の人の話も、妻が死んでから落ち込み気味でしたけど、花が生えてきたあたりからおかしくなったっていう話です!」

勢いよくまくしたてつつ報告する二人に、落ち着いて話を聞くアイハラ隊長。

「あの私達もそれについて報告が!花が生えてきた時期からおかしくなる人たちが増えているようです!花を分けてもらおうと話しかけましたけど、ことごとく激しく拒否されました!」

「えっそっちも?」

「そうよ?やっぱりおかしいわよ。放置してはいけないと思います!」

「そうだな。確かにおかしいと思うな。ユウヘイ!」

「はいっ!」

「ユウジ達が持ってきた花をすぐに調べられるか?」

「お任せください!」

そして、またユウジ達に向き直ると、言った。

「そのほか4人は警戒を怠らないこと!パトロールを続けること!」

「「G.I.G!!」」

 

 

 

 

夜となり、ユウジと別れたダイキは暗い廊下を一人で歩いていた。

「今日は何もなかったな…ユウヘイは急いで調べてるし、こっちでも調べるかな…」

其れよりも花が気になった、母の声の幻聴を聞いたのはあの花の花粉を少しだけだが浴びてしまったからだ。

 

「貴様にできるかな」

「お前は!?」

闇から現れたのはこの前、アンジュと名乗ったその女は、妖しく笑いながら現れた。

 

「その花は、誘惑しかつて失った懐かしい幻覚を見せる効果があるものだ。まぁ、あんな量ではウルトラマンであるお前にはそんなには効かなかったようだが、お仲間は大丈夫なのかな?」

「なに?!何が目的だ!?」

 

その問いかけににやりと笑い、

「ふふっ、わかっているはずだ。闇を齎すには光は邪魔なのだ。邪魔ものには早く退場させ、目的を達成させる。大事なことだろう?」

 

「っ‥」

 

言葉をなくすダイキに、さらに叩きかけるアンジュ。

「ちなみに、この花は本来幸福の夢へと誘い、人を溺れさせるものだが、手を加えた結果、この花は幻覚を見せつつ、人間どもの生気を吸い続ける物と変質した。」

「!!」

 

 

「早く倒さねば、仲間が死ぬぞ?さぁ幸福の夢に溺れて死ぬがいい!さぁ目覚めの時間だ。暗黒染体超古代怪獣・キジェラ!」

 

女はそう言ったとたん地震が起き、ダイキは、バランスを失ってよろける。何とか取り戻すとすぐにそこを見るが、アンジュはそこにおらず、代わりに、CREWRUYSの基地の目の前に現れた植物の形をした視たこともない怪獣が現れた。

 

 

 

 

 

数時間前

 

「この花は、……なんかだるくなってきた…」

ユウジ達が持ってきた一輪の毒々しい花を分析して長時間スキャンしたりして、調べていたユウヘイは、体の不調を感じはじめていた。

「大丈夫か…?なんか俺もだるくなってきたよ…何かわかったか?」

「それがまだ結果がでないんですよね…」

ユウヘイは自身のメガネを上にあげ、目をこする。

「とりあえずこの花の組織は、どの花にもない組織がこの花にあるんですよね…宇宙産かな?」

 

とシンと話していたその時、音が鳴り、スキャンが終わったことを知らせた。

「あ、終わりました…そんな…」

「どうした…?」

 

「この花粉には幻を見せる効果があるんです!失ったものとか会いたい人とか、あらゆる幻を見せて誘惑するんです!」

「まるで幸福の夢を誘うような感じだな…」

 

「あともう一つあるんです。」

そういったユウヘイの顔は、思いつめた表情して真剣そのもので、シンは、ごくりと息をのんだ。

「こちらは、衛星からのスキャンです。この地域辺りに分布されているこの花のすべて、根っこは一つでつながっていて、とある場所に集まってるんです。」

「つまり?」

「その場所に、この花の本体があるんです。それが、」

 

 

「その場所は、ここです!!!この基地の目の前に本体があります!!!」

 

ユウヘイがそこまで特定して言ったその瞬間に大きな地震が襲った。

 

「怪獣出現!アーカイブに存在しない怪獣です…!!!」

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

ダイキは、急いで怪獣が現れそこに向かうために走っていた。

そして、基地を出て、基地の前に現れた球根のような怪獣をその目で見た。

 

”アーザ!お願いです!あの花が咲く前に倒してください!”

「地球!どういうこと!?」

 

”お願いです!!!!あの花が咲いたら、この地球に住むすべてが、人類が、永遠に夢に溺れ、そして死んでいく…お願いです!アーザ!”

「そんな…わかった!任せてくれ!」

 

地球に頼まれ、変身をアイテムを胸の前に持っていくいき、片方の手で手のひらを押し付け、そして、腰にもっていこうとしたところで後ろから、

 

『行くのですか?なぜです?母と一緒にいましょう?』

 

「っ!」

 

また聞こえてきた母の声に動きを止める。

相変わらず声だけだ。

”駄目ですアーザ!聞いてはいけません彼女は、貴方の母君ではありません”

地球が母ではないという。

 

『アーザ?どうしたのですか?さぁ、母とともに逝きましょう』

 

”駄目です!受け入れてはいけません!夢に囚われてしまう!貴方の母君は、そんなことをいいますか?”

 

「………母上…‥…」

体の動きは止まったまま、振り返ることはない。振り返ってしまったら、幸福の夢を受け入れてしまう。そんなことはできない。振り返ったって母はもういない。

 

『母の言う事がきけないのですか?父も待っていますよ?』

 

「!…違う…」

ダイキは、その言葉に、この声は、違うと確信した。父は待たないし、母はそんなこと言わない優しい人だった。だから、”これ”は母の声を借りた”なにか”だ。

 

「父上はそんなことはない!お前は母上じゃない!」

 

だって自分は父に託された。

 

「”これ”は違う!!!!!俺は…っ!!!」

 

動きを止めていたからだが再び動きだす。腰にためていたアイテムに光が集まりそして、真上に腕を突き上げた。母の声の幻覚はその時にはもうすでに消えていた。

 

「ウルトラマンだ!!!!アーザ――――――――――!!!!!!!!」

 

そうして光に包まれた。

 

 

 

「デュアッ!!!!!」

 

夜が更けるRUYSの基地を守るように光が現れ、そこから、ウルトラマンアーザが現れた。

 

そして、そのままギジェラに向かって攻撃をする。

そして、ギジェラの方は、最初からアーザの事を敵として認識しているのか、攻撃される。球根から鞭をだし、アーザに向かって勢いよく伸ばす。

アーザは捕まりそうになるが、たたき起こしながら、空へと飛びあがり、追ってくる触手をアーザスラッシュで切り落とすが、

 

「がっ!?」

 

足を掴まれ、そのまま地面へとたたきつけられる、振りほどこうとするが、振りほどけず何度か叩きつけられる。

 

「デェアァ!!!!」

やっと、アーザブレードで切り離し、そのまま攻撃しようとしたその時、

 

「やめろーーー」

「そうだやめてー!!この花が亡くなれば」

「そうだそうだー!!!やめてくれー娘に会えなくなってしまう。」

 

ギジェラに攻撃するアーザに向かって非難の声が届く。その光景に戸惑うアーザに、町の人は集まってくる。

(な、なんでっ…!)

 

”きっと、花の花粉をすって幸福の夢に囚われた人たちでしょう、だれもが何かを失って、大切な人の幻覚をみているんです…”

(そんな・・・元に戻すには…倒すしかないか…)

 

「デュアッ!!!!」

 

その時、ギジェラがその民衆に向かって攻撃しようとしているのに気づき、その攻撃が、その民衆に当たらないように背中を盾に守り続けた。

「うぐっ…かはっ…っつ…!!!!」

(お願いだ、逃げてくれ・・・!!!)

庇いながら、そこにいるたくさんの人たちに逃げるように仕草で促す。

 

攻撃が止む気配はなく、遂にはアーザのカラータイマーがなり始めた。

 

 

 

「………?なぁ、おれたち何してんだ?」

「なにって、倒すのやめさせようとウルトラマンに…・」

「そのウルトラマンは俺たちを守ってくれてるのにか?」

 

庇っているアーザを見て、疑問をもち段々正気に戻っていき、そして、

「逃げるぞ俺たちがここにいたら、アーザが戦えない!行くぞ!!!」

他の人にも声をかけながら逃げていく。

 

 

すべての人が逃げ切れるのを待って、前を向く。

そして、パリアを張りながら、近づいていく。攻撃が効かないと分かったのか、花粉をまけ散らす。

 

「ぐっ…」

 

 

(ま、負けるかぁ嗚呼ああ!!!!)

「デュアぁああああああ!!!!!!」

大量の花粉に苦しませるが、それでも耐えきって、構え、アーザストリームシュートを放ち、命中する。

当たるたびにギジェラから黒い霧が噴き出し、そして焼き尽くしていく。焼き尽くした後、残った根を引き抜き、消滅させた。

 

 

消滅したのと同時に、町中にあるギジェラの花がすべて消え去った。

肩で息をしながらも見届けたアーザは、飛び去って行った。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

アーザから人の姿に戻ったダイキは、急いで、ディレクションルームに駆け込む。

 

「みんな!!!!!そんな!!!大丈夫か!!!」

 

そこには倒れ伏すみんなの姿があり、焦って駆け寄る。

 

「よう、ダイキ。妙な体のだるさで動けなくてな、ちゃんと生きてるぜ…。これなんでだろうな…」

「花のせいだ…きっと生気とか吸われてたんだよ…」

 

「!?嘘!?その花どこだ!?捨てないと…」

倒れていたのかウソのように勢いよく起き上がったユウジに苦笑いで答える。

「大丈夫だよ。アーザが本体倒した瞬間全部消えたから、もう町のみんなもなんともないよ。」

 

「へぇ、そうなのかよかった。それよりみんな起こさないとな!」

「そうだな!」

 

そうして起きたユウジと一緒にまだ倒れている仲間を起こしていくのをあの花を植えていた植木鉢が見ていた…

 




劇場版 予告


「ツヅジ台?ってなに?なかったような気がするんだけど」

「なにいってんだ?ダイキ?前からあっただろ?」

「新しいウルトラマン…なんでアーザを攻撃するんだ!?」

「嘘言うんじゃねぇ!!!!!!ネタは上がってんだ!闇の使者が!!!」

「!?違う…俺はそんなんじゃない・・・!!!!」

心身ぼろぼろなダイキ。苦しむ大切な人達を心配する零。
そこに黒い姿をしたアーザが現れる。


「お前は誰だ!?なんで俺の姿をしている!?」
「…ふふっ、それじゃあ、私はお前、お前は私、とでも言っておこうか?」


「庇った…?まさか…違うのか?」

                  劇場版ウルトラマンアーザvsウルトラマンザージス 次回公開




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