IS-理外の観察者   作:SINSOU

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6話

さてさて、私の目の前には二人の少女がいる。

一方はお腹を押さえてうずくまり、

もう一方は昆虫標本のように、両手足に針を刺されて動けない。

ふふーん、私の家に土足で踏み込むような人々にはいい気味でございます。

といっても、二人を抑えるために私は満身創痍なんですがね!

針が刺さったままですからすっごい痛いです!

 

さてさて、私は警告しましたよね?

正当防衛ということで、レッツケツたたきだオラァ!

では物置小屋に移動しましょう。

二人を背負っていくのは大変なので、引き摺っていきましょう。

おっも!こいつら重過ぎ!見た目に反して重いぞこれ!?

何を食べたらこんなナリして重いのよ!

あ、私が非力なだけか!どうでもいいや!

 

イタイタイタイタイ・・・と聞こえてくるも、私は無視して物置小屋まで引きずる。

不審者を物置小屋にshoot!超!exhausted!

馬鹿やってないでさっさと準備をしますか。

物置小屋に引き摺られ、これから何をされるか解らない恐怖か、

少女束は必死のもがくこうとするも、自分に刺さった針で動けない。

織斑姉はまだ再起動できない御様子。

 

はいはーい、じっとしててねー。縛っちゃうからねー、暴れないでねー。

いやー、まさか昔読んでいた『自縛自縄、誰でも出来る縛り!』が役に立つとは思わなかった。

とりあえず、織斑姉は手首と足首を縛り、少女束は海老反りにしますか。

私はニタニタと笑いながら、二人をせっせと縛り上げる。

私は作業を終えると、縛った二人の目の前に椅子を用意して座り、

千冬姉が起きるのを待った。

 

そして数分後、再起動した織斑姉は自分の状態に目を見開く。

そりゃ気付いたら縛られてました!って驚くよね。

そして隣で沿っている少女束を見て更に目を見開く。

 

「白雪姫はお目覚めかね?また暴れられても疲れるから縛らせてもらったよ。

 ああ、そんな目で睨まないでくれ。私だって自分の命は護りたいのだ。

 危険な存在を放置するわけにはいかないだろう?」

 

私を睨みつける織斑姉を薄笑いで応えるが、内心では心のガラスにヒビが入ってます。

 

「さて、こうしてゆっくりと話が出来るようになったわけだが、

 とりあえず私の話を聞いてくれないか。

 こっちとしては、いい加減話を聞いてくれない苛立ちが生まれてきているのでね」

 

少し真顔で言うことで、相手に注目させる方法です。成功してガッツポーズ!

 

「玄関でも言ったが、私は君の家に留守電をしておいたわけだが、

 それは間が悪かったのか、聞いてもらえなかったようだ。それは別にいい。

 問題は、一夏少年を君に渡せないという方だな。

 正直に言えば、一夏少年は今悩んでいる。織斑姉、君との関係でね」

 

「なんだと!?」

 

私の言葉に織斑姉は驚く。そりゃ知らない訳だからね。

 

「君は随分と優秀なようだ。一夏少年から君の話を聞かせてもらったよ。

 文武両道を絵に描いた人、という印象だった。

 一夏少年も誇らしげだったよ」

 

なぜか頬を赤らめる織斑姉。

 

「だがその結果、一夏少年は周囲からいじめを受けていたようだ。

 優秀である君(姉)と較べられてね」

 

「嘘だ!一夏はそんなこと私には」

 

「そう、言っていない。言えるはずがない。なぜなら迷惑をかけたくなかったら。

 だが、それでも限界はある。

 たまりにたまった苛立ちや鬱屈した感情は、次第に君を恨むようになっていった。

 そして自分を責めてね、自分は姉に相応しくないと思って家を飛び出したらしい」

 

「そんな・・・」

 

私の言葉に項垂れる織斑姉。まぁ、そうだよね。弟が自分せいで苦しんでいると知ったんだから。

 

まあ、本番はここからだ。

 

「それで、今度は君のことを話してくれないか、織斑姉。

 私から見るに、君は弟の一夏少年を大切にしているのだろう?

 君の話し次第で、私に出来ることがあるかもしれんからな」

 

私の言葉に、織斑姉は睨みつけながらも、

自分が一夏をどれほど大切にしているのかを語った。

 

両親がいなくなり、姉と弟で生きていくしかないと決まった時、

自分が一夏を守らなければならない、と決意したこと。

お金を稼ぐために多くのバイトをし、一夏を寂しくさせていた後悔の想い。

そうしたことを織斑姉は語る。

ちょっと後半からヤバい雰囲気になりそうだったので話を切り上げさせたのは内緒。

 

「う、うん、君が弟をどれだけ愛しているかは理解出来た。

 故に、今日は帰ってくれないだろうか?

 一夏少年のことを思うのならば、彼に考える時間を与えてほしい。

 そして、家族で話し合ってほしいのだ。これは私からの頼みだ」

 

私は織斑姉に頭を下げた。

 

「どうしてそこまでするんですか。赤の他人だというのに」

 

「公園で拾った時点で、彼と私は赤の他人ではないんだよ。

 それに、苦しむ人を見捨てるのは気分が悪い」

 

織斑姉は「感謝します・・・」と呟くも、私は聞こえないふりをしておいた。

 

「さて、それでは尻叩きの方を始めますか!」

「「え?」」

 

私の唐突な発言に目を点にするお二人。

 

「私は君たちに言いました。暴れるなら正当防衛で尻を叩くと。

 故に、今から行うのは拷問でもなんでもありません。

 正当防衛で戦いに勝利した特権です」

 

「あの、許してくれるんじゃ・・・」

 

「だまらっしゃい!人の家に土足で入ろうとするわ、話を聞かずに襲ってくるわ、

 針をぶっ射されるわと許せる範囲を超えているんだよ。

 というわけで、覚悟しなさい。お二方?」

 

「「イヤー!」」

 

その夜、偶々起きた一夏少年は、どこからか何かを叩く音と叫び声に驚き、

一目散に布団に戻ってガタガタ震えていたらしい。

 

 

 

 

 

 

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