IS-理外の観察者   作:SINSOU

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7話

こうしてお尻ぺんぺんした後、私はびくんびくんしている織斑姉と少女束の縄を解き、

二人を背負って家へ運び、一夏少年とは別の部屋に、お布団を引いて放り込んだ。

 

いやー、家から持ってきたものと、通信販売で買ってしまったお布団があって良かったよ。

買った時は、これ使う予定無いんじゃないかなー!?と自分を責めたのだが、

肥やしにならなくて済んだというものだ。

 

というか、私のベッドよりも高いってどういうことだよ。

高級布団とか聞いてなかったんだけど。

まぁ、今更せめても仕方ない。

 

いやー、波乱万丈な時間だったよ。

私はふと時計を見れば、針は数時間しか動いておらず、まだ真夜中に近い時刻を示していた。

いや、体感時間と物凄い差を感じたんですが、それだけ必死だっということかもしれん。

 

取りあえず、お風呂に入って寝ちゃいますか。

そうして私は、自動でお風呂を沸かし、その間に少し用事を済ませ、

お風呂で温まった体をベッドにいれて、ようやく寝つけたというわけだ。

 

で、翌日の朝食だが、部屋の空気が最悪だった。

そりゃそうだろ、気まずい姉と弟が一緒に部屋にいるし、

頭に兎耳を突けた不思議系変少女はしきりにお代わりをしてくるわけだ。

まぁ、3杯目を頼んできた際は、アツアツの里芋の煮っ転がしを放り込んで黙らせたが。

 

そんな少女束を尻目に、私はちらりと織斑姉と一夏少年を見る。

まぁ、ギクシャクしてるのは仕方がない。

なにせ、互いに思うところはあるし、どう切り出せばいいのか分からないのだから。

 

私としては、そういうのは私の家ではなく、自分たちの家でやってくれと思うのだが、

乗り出した手前、見捨てるという選択肢は始めから無いのだ。

 

「とりあえず御飯が冷めるから食べろ。兎耳、お前はお代わり禁止だ」

 

ぶーぶーいう少女束の口に、今度は煮込んでいた大根を突っ込んで黙らせる。

文字にすると変だが、もちろん口にだ。ジタバタする兎を見て、内心ガッツポーズを忘れない。

 

朝食を終えた後も、やはり空気は沈殿したままだ。

原因が解消されていないんだから、当たり前だが。

 

「思うところがあるだろうが、とりあえず家に帰りたまえ。

 二人とも話し合う必要があるはずなのだから、そういうのに私がいてはダメだろ」

 

そういうことを率先して聞く趣味もないし。

私の言葉に思うところがあったのか、二人はお礼を言って帰っていった。

 

「まぁ、良い方向に行くことを願っているよ」

 

私は、遠ざかる二人の後ろ姿にそっと呟いた。

誰だって、家族が争うなんて見たくないと思う。私も嫌だ。

卯耳はいつの間にか消えていた。あいつ絶対不審者だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんでこうなったんだろうなぁ・・・」

 

私は回想から意識を戻し、朝食をとりながら目の前の一夏少年を見る。

あの後、私の所に二人がやってきて、互いに話し合ったという。

想像でしかないが、互いに胸の内を言えたのだろうか、二人の顔は少し明るく見えた気がした。

 

で、お礼がしたいと言ってきたが、私は別にいらないと言った。

これは偶然の産物であり、私が好きでやったことでしかないからだ。

お礼を言われるものではなかったし、もう関わり合うこともないと思っていからだ。

 

内心、これで私の穏やかな日々が戻るから来ないでください、と思っていたのは秘密だ。

 

が、それを御謙遜と取られてしまったのだろうか、

それとも私の行いに何を思ったのだろうか、気に入られてしまったのだ。

 

もう本当に訳が解らなかったよ。

 

気付けば、学校が終われば一夏少年が私の所に来るようになり、

学校を終えた織斑姉が一夏少年を迎えにやってくるという、おかしなことになったのだ。

時に兎さ耳が侵入をしてくるので、その時は引っ捕まえて親御さんに引き渡している。

というか、普通に玄関から入ってくればいいものを、なぜに光学迷彩で裏から来ようとするのだ。

本当に兎耳を理解することが出来ん。

 

そしていつの間にか、一夏少年に新たな仲間が追加されていた。

それも、1人ではなく4人もだ。

確か、卯さ耳の妹、時折お世話になる食堂のご子息とご息女に、その友人だったろうか。

 

はっきり言って、やかましいとしか言えん。

私の家は広い庭があるのだが、そこで走り回ったり、私の部屋に入って本を漁るなど、

もう子供さながらに大暴れをしてくるのだ。

 

取りあえず、学校帰りに来る時は、おやつとしてパンケーキやせんべいを与えて黙らせるが、

一行に子供たちの元気力を削ぐことが出来なかった。

というか、余計なことをしてる気がするのはなぜだろうか。

そもそも、なぜ私はおやつを用意しているのだろうか。

まぁ、仕方ないと諦めるか。

 

「で、遊びに来るのは君だけか?それとも後で援軍が来るのか?

 あと、昼食はどうする気だ?

 はっきりしてくれなければ、こちらも用意が出来んのだが」

 

「えっと、弾と蘭、それに箒が後で来るって言ってました。

 お昼ごはんを食べてから来るって」

 

「そうか、お昼は君と私だけか。ならパスタを作るから覚悟しろ。

 おやつは・・・おはぎでも作ってやるか」

 

取りあえず、おはぎに関しては私の分も入れて5人分を作らねばならんと言うことか。

それにしても、どうしてこうなったんだろうな。

 

私は自分の平穏な日々を求めていたというのに・・・。

朝食の食器を洗いながら、私はお昼から来る子たちのおやつ作りのために、

冷蔵庫の中身を思い出していた。

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