Fate/Grand Order 二人目の生存者(仮称) 作:biwanosin
では、本編へどうぞ。
第零話
「はぁ・・・フツーに疲れた・・・」
今すぐにでも座り込んでしまいそうになる足を無理矢理動かして、あてがわれた部屋に入る。この施設にたどり着いた時はシャワーでも、とか思っていたんだけどもうそんな余裕はない。疲れすぎてすぐに寝られる気はしないのだが、シャワーとか浴びてたら寝る自信もあるのだ。もうどうしようもないし、さすがに初日から迷惑をかける気にはなれない。と、言うわけで。
「あー・・・ベッドは人類の秘宝だよ、うん」
かなり質のいいベッドに、靴だけ脱いでダイブ。どうにか腕を動かして伝えられている時間に起きられるよう、三十分前から三分おきに目覚ましを設定。後は寝るだけ・・・
「一般人相手に『人類終了を防ぐの手伝え』とか言われても、困るって・・・」
存外、俺の体はすぐに寝た。
▽▲▽▲
数時間後、アラームの音と振動でたたき起こされた俺はまだぼんやりとしているもののどうにか歩き、指示されていた部屋の指示された椅子に座る。そこそこ後ろだ。
「どーゆー基準で分けてるのかね・・・」
ふと思ったことを漏らしながら周りを見回す。これを会話の糸口にしてダベろうかとも思ったのだが、なんでもここにいるのは多くが魔術師だと聞いている。うん、正直胡散臭い。そんな相手とどう接したものかと考えている間に、明らかに俺達とは服装が違う人物が入ってきた。なんか偉そうだな・・・あ、話し始めた。話し始めからもう『時間通りとはいきませんでしたが』とか言ってるし、何ともめんどくさそうだ。というか無駄に厳しそう。これは本格的に寝ないように気を付けないと・・・あ、最前列で寝てる猛者がいる。
「貴方たちは各国から選別された―――」
何とも見事に寝てるよ。前で話してる人は周りのやつらの反応からすると結構すごい人みたいだし、それでも気にしないで寝てるってことは・・・俺と同じ一般人枠?それにしたって、この空気の中で寝られるってのはかなりすごいことだと思う。あ、思いっきり平手打ちされた。ついでに追い出されていった・・・
「・・・関わらずに済むなら、あれもありか・・・?」
割と本気で考えたんだけど、やっぱりそれ以上に面倒が多そうだ。下手に目を付けられたくはない。
▼△▼△
「終わったー・・・ダルい」
あの後、寝はしないが別のことを考えるという日本人学生必須スキルを用いて過ごし、連絡事項だけちゃんと聞いて、その後に諸々済ませてから部屋に戻った。なんでも、れいしふと、とか言うタイムトラベル現象を行うファーストミッションからは外されたらしく、制服に組み込まれてるらしいもののレクチャーと七めんどくさそうな資料だけ渡されて開放されたのだ。
正直なところ、まだ現状を何一つとして理解できてないから助かる。が、その間にやっておくようにと別件を言い渡された。
「魔術回路、ねぇ・・・さっき言われるがままにやってみて違和感こそ感じたけど、そんなファンタジーなものを言われましても」
まあ、言われるがままにやってみて起動できて、制服のものも起動できたから、スタッフさん曰く筋はいいそうだ。うん、全くわからない。
「で、それだけ確認出来たら『この詠唱はいるから覚えろ。この陣は描くことになる可能性があるから覚えろ』とか言われるし・・・」
と、先ほど渡された資料を見ながらベットに寝転がる。現状の深刻性とかその辺りを一切理解できてない人間にそんな緊急性を持って伝えられてもどうしろというのか。まあ、あとが怖いから今読んでるわけなんだけど。
「にしたって、まさかこんな厨二チックなことをマジで学んで、実行する機会が来るとはなぁ・・・」
しかも、この二つを組み合わせれば英霊を呼べちゃうらしい。歴史とか神話とか、そう言うのの人たち。相変わらずのリアリティのなさだけど、それでもアーサー王とかヘラクレスとかヤマトタケルとか会ってみたい。チンギスハンに会って歴史の真実を聞くのもいいし、モーツアルトとかバッハとかベトベンとかに会って音楽を楽しむのもありな気がする。なんにせよ、男の子だから『英雄』って言うものには多少なりとも憧れがあるのだ。
・・・うん、やっぱり呑気に考えてる。でも、仕方ないでしょ。
「・・・あ、そうだ」
だからなのか、自分でしっかりと覚えることをしようとできない。これを覚える必要があるのは、向こうで描いたり唱えたりするから。で、当然のことではあるんだけど服とかの身に着けてるものは反映されるらしいし、それなら・・・
「カメラカメラ、っと」
楽をしよう。うん、それがいい。これはテストじゃないんだから、こういうのもありなはずだ。そう思った俺は古臭いカメラを取り出して、パシャリ、と撮影する。その場で現像されるタイプのマジで古いカメラだ。こんな骨とう品じみたものを持ってきたのは、説明の時に『機械とか魔術師は嫌い』って言われてたのが原因である。便利なのに・・・
「よし・・・これで終わり、っと」
撮影したものを袋にしまって、制服の内ポケットに入れる。これであとは必要になった時それに合わせて取り出せばいい。ついでになんか渡されてた綺麗な石もいれる。そうとなれば、もう今やることはないわけで・・・
「さ、もう一眠りもうひと眠り」
大人しく睡魔に身を任せることにしよう。さ、電気を消して・・・
「・・・うん?家主の意志を読み取ったりするのかな?」
だとすれば、さすが魔術。すばらしい。けどプライベートってものがないんじゃないかな?まったく、何でも便利にすればいいってもんじゃぁ・・・
ドガン!
「・・・・・・ばく、はつ?」
あ、あれだよね?アニメとか漫画とかである、『失敗したら起こる爆発。ギャグ補正』的なあれだよね?
『緊急事態発生。緊急事態発生。中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第二ゲートから退避してください。繰り返します』
あ、うん。これマジなやつだ。マジで逃げないとやばいやつだ。けど。
「第二ゲートって、どこだよチクショウ・・・!」
わからない。今日来たばかりなのだ、今日行ったところしかまだ分からない。分からない以上は・・・
「頼むから、誰かいてくれよ・・・」
半ば祈るようにして、走る。爆発の影響なのか歪んでいた扉を無理矢理に開けて、ガレキによって動きづらいその道を。
当然のことだが、俺はただの一般人として育った。部活で陸上をやってたから走ることはそれなりだと思ってるけど、それでも所詮はそれなりだ。なにより、障害物だらけの道を走る、なんてことは初めてのこと。何度も躓いて、何度も転んで、それでもただ生きたいから、自分だけでも生き残りたいから、確実に知ってる人間を探して走る。
アナウンスがまだなっている。何かを伝えているけれど、その内容を理解することはできない。そんな余裕が、ない。そして、たどり着く。
「スイマセン、誰か、いませんか!」
たどり着いて、入り口に手をつきながらそう叫んだ。息を整えようと下を向いて、しかし向かってくる熱気に顔を上げた。そこには、ただの火の海しかない。
「君、は・・・?」
と、そんな俺の視界ギリギリから誰かが声をかけてくる。たしか、そう。説明会の時に爆睡してた子だ。確か彼女もファーストミッションからは外されてたはずだし、この状況でここまで来たんだろう。
「ねえ、君・・・第二ゲートって、どこに」
『システム レイシフト最終段階に移行します。座標 西暦2004年 1月 30日 日本 冬木。ラプラスによる転移保護 成立。特異点への因子追加枠 確保』
もう間に合わないって頭では理解してるのに、まだ生き足掻こうとしている。そんな俺をあざ笑うかのように、アナウンスは流れる。
『アンサモンプログラム セット。マスターは最終調整に入ってください』
「様子がおかしい、急いで戻らないと・・・っ!?」
と、この状況のヤバさがどう考えてもなレベルになったところで、彼女は何かを見つけて走っていく。その先にいるのは、眼鏡をかけた少女。素人目に見ても致命傷な傷を負っていて、だからこそ彼女も抱き起すだけで声をかけられないでいる。そして、俺も指先すら動かせない。
『観測スタッフに警告。カルデアスの状態が変化しました。シバによる近未来観測データを書き換えます。近未来百年までの地球において、人類の痕跡は 発見 できません』
「なんだよ、それ・・・!」
『人類の生存は 確認 できません。人類の未来は 保証 できません』
俺の声は、当然ながらアナウンスには届かない。ただただ無慈悲に、無感情な声で伝えてくるだけだ。そして。
『中央隔壁 封鎖します。館内洗浄開始まで あと 180秒です』
もう、外には出られない。
「・・・隔壁、しまっちゃい、ました。もう、外には・・・」
「大丈夫、なんとかなる」
なんで、彼女はこうも強いのだろうか。どうしてこの状況で、弱音を吐かないでいられるのか。
『コフィン内マスターのバイタル 基準値に 達していません。レイシフト 定員に 達していません。該当マスターを検索中・・・発見しました』
もう、生き残れないのは確実だ。逃げ出す手段はないのだから。だから、アナウンスの声も聞こえているのに聞こえていない。
『適応番号47
アンサモンプログラム スタート。霊子変換を開始 します』
だから・・・
『レイシフト開始まで あと3』
俺は、その時。
『2』
自分は死んだのだと。
『1』
そう、感じて。いやだと、思って。
『全行程
そのまま、とんだ。
なお作者、邪ンヌのために十連×19回を行い出ませんでした。貯めに貯めた石が消えた・・・
とまあ、そんなどうでもいいことは置いといて、ですね。一応ここで簡単に注意事項?をば。
まず一つ目に、原作の主人公のポジションで動くのは(おわかりかもしれませんが)水鳥梓の方です。名前は何となくで決めました。魔術師の家系じゃないし、そこまで深い意味はいらないかなぁ、と。・・・これでゲームの方で魔術師関連だって出たら、その時頑張ってつじつま合わせないといけないなぁ・・・
そして二つ目に、主人公が契約するサーヴァントは①オリ鯖②作者が好きな鯖で構成されていく予定です。その辺りは悪しからず・・・オリ鯖は一騎だけの予定ですけど、まだ確定とは言えないのですよ・・・普通なサーヴァントにはしないで皆様に楽しんでいただけるようなものにする、つもりです。一騎確定しているのも、まあ普通ではない、はず・・・
では、そんな感じでよろしくお願いします。