Fate/Grand Order 二人目の生存者(仮称)   作:biwanosin

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八話目!また短め!
さて・・・どうやっておフランスで頑張ろうかしら。あのヘタレどう動かそう?


第九話

「・・・森?」

 

前の時と違ってコフィンを使った安全(なはず)のレイシフトの結果、目を開けば森の中にいた。

 

「森、ですね。なんの疑いようもなく」

「ん~、狸の性質故かすっごく落ち着くね~」

 

一人和みだしてる芝姉はおいといて、少なくとも俺のサーヴァント二人は来ているらしいので安心する。芝姉は本人曰く戦力にならないそうだけど、牛若丸と一緒にいればまず死ぬことはないだろう。太夫黒マジ優秀。

 

「さて梓さん、これからどう・・・」

 

と、今ようやく気付いた。ここにいるのこの三人だけだ。梓さんもマシュもいない。

 

「・・・ド、ドクター?いますかー?」

 

何も聞こえてこない。どうやら通信は通じていないようだ。

 

「なんでだよ!?」

 

思わず地面にたたきつけて壊してしまいそうになるが、横から伸びてきた手にがっちりと止められてしまった。

 

「はい薫ちゃん、ストップストップ。何か不具合があるっぽいけど、直るかもしれないんだから」

「・・・・・・まぁ、確かに」

 

その言葉でどうにか自分を抑え、再びポケットの中にいれる。そもそも物資の都合上マシュさんたちには直通らしいけどこっちのは経由するタイプだって言ってたし、物無しでの通信だって前回から中々できなかったんだ。召喚サークルが設立されれば気付いてくれるだろうし通信も回復するだろうし、だからうん、大丈夫だろう。でもロマンには三人分のケーキを奢らせることにした。五人分でもいいかもしれない。

そうして怒りの矛先をロマンに向けることで落ち着いたので、三人でこれからどうするのかを話そうと思う。まず優先するのは「合流」か「調査」といったところだろう。サーヴァントを探しそれが味方側であったのなら、それはそれでありだ。と、そんな感じのざっくりとした旨を二人に伝える。

 

「確かにそれがよいでしょう。しかし・・・サーヴァントの気配を感じます」

 

そう言いながら刀に手をかけ警戒するようにある方向を見る牛若丸。その姿を見て俺も立ち上がり、牛若丸の後ろ、芝姉の隣という安全スポットに陣取ってそちらを見ると・・・

 

「・・・あら、サーヴァントの気配と思ったら、人間もいたのですね」

 

痴女がいた。思わず牛若丸に親戚かと聞きそうになって、ギリギリ踏みとどまる。危ない危ない。

 

「あー・・・貴女は、この時代に召喚されたサーヴァント・・・ですよね?」

「ええ、その通りです。私はこの時代に、聖杯の持ち主によって召喚されたサーヴァント」

 

あ、敵だこれ。なんか雰囲気が綺麗だったから期待してたのに、少しショック。とは思うものの、そうも言ってられないんだろうなぁ。

 

「話に聞いていた最後のマスター。予定外ではありますが・・・その実力、見せてもらいましょう」

 

と、そう言ってどこからか十字架っぽいでかいものを取り出してきた。どう見ても間違いのない戦闘態勢。反射的に牛若丸の後ろから牛若丸の斜め後ろの本人曰くより守りやすい位置に移動して、芝姉の手を取り指を絡めて握る。元々何か唐突に想定外のことがあればこのようにすると決めていた、一番色んな流れに持っていける・・・はずな状態。正直自信はありません。あってる自信も、これでいい自信も。

と、それはともかくとして少しこちらを見た牛若丸に対して視線で指示を出す。

 

「あら、まだ未熟だろうという話でしたが、マスターをしているのですね。素晴らしいことです」

 

さすがに、しっかり何かを企んでいることは見抜かれていた。まあ、俺は凡人だし仕方ない。ついでに・・・この手段になるのも、仕方ない。

 

「芝姉!」

「はいは~い!」

 

本人曰く、弱い妖怪だという。ただでさえ弱い妖怪が、しかも器に入れられただけだという。だが、その妖怪の性質は完璧に受け継いでいるという。で、だ。狸といえば人を化かすものだよね?

 

「・・・は?」

 

なんだか唐突に口調が崩れていらっしゃるんだけど気にしない方向にして、体から力を抜く。その間に芝姉は俺の薬指にはまる指輪に変化し、牛若丸が俺ごとピックアップ。そして、太夫黒に乗ってそのまま逃げる。もちろん全力で。

やー、だって俺、死にたくないし。逃げますよ、そりゃ。

さて、長持ちしないって話だからこれだけ鮮やかに逃げたんだ。そろそろ復活してるはず、その考えから俺はチラッと後ろを見て・・・なんか、全力で十字架振りかぶってるんですけど、あの人。その先には樹があるんですけれども、え、まさかちがいますよね?

 

「ざっけんなぁ!」

 

あ、これは敵だわ。そう確信してしまった掛け声と同時にフルスイング。その瞬間にはもう俺は正面に向き直り、恥ずかしいとかそんな感情どっかに捨てて抱きつきながら牛若丸に叫ぶ。

 

「マズイ!樹が倒れてくるか飛んでくる!」

「あ、主殿、確かに今掛け声は聞こえましたが、さすがにそれは」

「や~、よっちゃん。これマジだ」

「マジですか」

 

牛若丸の口からマジって単語が出たことに驚き。って、そんなことを言ってる場合じゃ無いのよね今、どう考えても。何かが倒れてくる音は聞こえるし、打撃音は続いてるし!

 

「ぜ、全力で避け続けます!これだけ離れてしまった以上、再度近づくのは方針としては危険です!」

「予定通り事前会議通り俺と芝姉は全部牛若丸に任せるから!どうにかしてくださいお願いします!」

 

逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろー!

 




このチキン!少しは戦えよ!そう思った方、安心してください。これが薫です(オイ)
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