Fate/Grand Order 二人目の生存者(仮称)   作:biwanosin

5 / 15
戦闘シーン、難しい・・・


第四話

「大聖杯はこの奥だ。ちぃとばかり入り組んでいるんで、はぐれないようにな」

 

キャスターにそう言われてみると、確かに入り組んでいる。もはや若干迷路だ。はぐれたら確実に死ぬな、うん。

 

「天然の洞窟・・・のように見えますが、これも元から冬木の街にあったものですか?」

「でしょうね。これは半分天然、半分人工よ。魔術師が長い年月をかけて広げた地下工房です」

 

と、マシュの疑問に答えたのは所長だった。元から知ってたわけじゃないだろうけど、ぱっとみて分かるほどのものなのだろうか?

 

「それより、キャスターのサーヴァント」

 

と、さも素人の意志は気にしないといわんばかりにそれよりと切り捨てられた。目の前の光景に対する感想、気にしてちゃだめなのね・・・

 

「大事なことを確認していなかったのだけど。セイバーの真名は知っているの?何度か戦ってるような口ぶりだったけど」

 

あ、うん。かなり重要なことだった。これから戦おうって相手のことなんだから、確認しておおた方がいいんだろう。まあ・・・

 

「?どうかなさいましたか、主殿?」

「や、何でもない」

「はぁ・・・」

 

と、俺の隣で、なでなで続行は無理ということで手をつないで移動し、そのまま手をつないでいる牛若丸が女だった、って時点で名前から得られる情報がどこまで正確なのかはわからないんだけど。

 

「ライダーはさ。ああいうの、気にならないの?」

 

キャスターが宝具を喰らえば誰だってその正体に突き当たる、と言っているのを聞いて、ふときになったことを聞いていみる。単純に、牛若丸がこの会話に参加していないことから思っただけなんだけど。

 

「そう、ですね。その宝具ゆえに他のサーヴァントが倒されたといわれれば、気にはなります。ですが、それを知ったからこうする、と言ったことが私にできるとは思えませんので」

「そうなのか?」

「はい。相手の宝具が武器であり、それに対抗できる武器が宝具としてあるのであればできるでしょうが、私の宝具に武器は含まれていませんから」

 

うーむ、まだその宝具ってやつが何なのかよぅ分かってないんだけど、なんとなく「英霊の代表的なもの」ってイメージになっている。こう、ヤマトタケルの草薙の剣みたいな。

そう考えると、まあ俺は知らないわけだが牛若丸にも何らかの刀はあったはず。それとかなんじゃないかな、って思ってたんだけど・・・って、そもそも。

 

「そう言えば牛若丸、あの時宝具使ってたよな?『五条大橋』、って」

「はい、あれは私の宝具、その一部です」

 

ふむ、一部、とな。

 

「そもそも、私の持つ宝具は」

約束された勝利の剣(エクスカリバー)。騎士の王と誉れ高い、アーサー王の持つ剣だ」

 

と、仲間内ではない第三者からの声が聞こえる。慌ててそちらを見ると、海存(弁慶)の時と同じ、真っ黒い状態のサーヴァントが・・・

 

「アーチャーのサーヴァント・・・!」

 

ふむ、なるほど。確かに弓持ってるな、この黒い人。

 

「オウ、言ってるそばから信奉者の登場だ。相変わらず聖剣使いを守ってんのか、テメエは」

「・・・ふん。信奉者になった覚えはないがね。詰まらん来客を追い返す程度の仕事はするさ」

 

なんだか、因縁でもありそうな口調で会話をしている二人。あれかな。今回行われてた、って言う聖杯戦争の中で何かあったのかな。

 

「ようは門番じゃねえか。何からセイバーを守ってるのかは知らねえが、ここらで決着を付けようや」

 

キャスターはそう言うと、手に持つ杖をアーチャーへと向ける。

 

「永遠に終わらないゲームなんざ退屈だろう?良きにつけ悪しきにつけ、コマを先に進ませないとな」

「その口ぶりでは事のあらましは理解済みか」

 

え、そうなの?理解してるの?だとしたらいい加減、俺にもちゃんとした説明が欲しいんだけど。

 

「大局を知りながらも自らの欲望に熱中する・・・魔術師になってもその性根は変わらんと見える。文字通り、この件で叩きなおしてやろう」

 

あれ、あの人アーチャーなんだよね?弓兵なんだよね?なのになんで、弓をしまって剣を両手に?

 

「・・・ライダー、これどういう状況?」

「敵が現れました。なので斬ります」

「アッハイ」

 

源義経。若くして天狗に育てられ、そこから兵法などを学んだ天才。の、はずなんだけど・・・俺は牛若丸脳筋説を今後提唱していきたいね。

 

「そっちの痴女も準備はいいな?オマエさんが攻め込み、お嬢ちゃんが矢から守って、オレが魔術を撃つ」

「痴女ではないといっただろう!そちらから先に斬るぞ!」

「ライダー、どうどう。あれは味方だ。変態、変質者、危険人物のうたがいはかかってるけど、味方だから」

「オイ坊主、今なんつった」

 

といわれましても・・・出会い頭にキリエライトさんのお尻に触った、とか言われるとそれ以外の印象を持つ方が難しいと思うんだけど。

と、そんなことを考えている間にもちゃんと指示は聞いていたのか、ライダーが一気に前に出る。ふと気が付けば視界から外れてしまっていそうなほどの素早さで飛び出していくと、まず一太刀。

 

「弓兵と侮っていましたが、やりますね」

「そう珍しいことでもないだろう。弓兵であろうと、必要とあらば剣も取るし盾も使う」

「それもそう、ですね!」

 

そこからの戦いは牛若丸のやり方なのか、はたまた天狗から教わったものなのか。身軽に跳び回りながら攻撃を加え、トリッキーさをもって相手を封殺する。普通ならば、これを続けつつキャスターが攻撃を続ければ勝てる勝負だ。が、

 

投影開始(トレース・オン)・・・!」

「何っ!?」

 

どうやらこの相手は、普通ではなかったらしい。牛若丸の剣に対して反撃するのではなく防ぎ続け、さらに宙に剣が現れる。

 

「投影魔術、ですって・・・!?ありえない、たかが投影魔術で宝具を作り出すだなんて!」

「このあたりが、あの弓兵の気に食わねえところでな。いけすかねえ上に宝具を生みだし、そして使い捨てる」

「使い捨てるって、それは一体・・・」

 

そんなことを話している間に、その行動は開始されていた。空中に作り出された剣たち。それらは切っ先をこちらに向けると、そのまま矢か何かのようにこちらへ飛んでくる!?

 

「ちょ、あれ剣じゃないのかよ!?」

「これが、アイツがアーチャーなゆえん何だな、これが」

「キャスター、呑気に言ってないで準備して!マシュ、お願い!」

「はい、先輩!」

 

水鳥さん強すぎ、とか思いながらキリエライトさんが持っている盾で防ぎ、叩き落としていくのを呆然と眺める。元はただの人であったのに、ここまでできるようになるものなのか。と、そこで。

 

「キャア!?」

 

剣が、爆発した。もう正直わけが分からない。さっきからずっとだけど、もうその仕組みが分からない。なんで剣が爆発するのさ。

 

「次来るよ、マシュ!」

「く・・・はいっ!」

 

若干、無理があるように俺には見えた。まだマシュには爆発の際のダメージが残っているように見えるし、体勢も無理矢理に立て直す。爆発で若干俺達側によってしまっているから今度は俺達も巻き込まれる可能性は高い・・・

 

「真名、偽装登録」

 

と、割と本気で逃げる算段を立てようと背を向けかけていたら、そんな声が聞こえてくる。まだ何か手段があるのか、とそちらを向くと・・・キリエライトさんが、そのでっかい盾を構えている。間違いなく、何かするつもりだ。

 

「宝具、展開します・・・仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)!」

 

その瞬間、盾が広がった。いや、広がったように見えた。実際にはキリエライトさんの持っている盾はそのままの大きさなのに、何か薄く、半透明な盾が広がっているように見える。しかも、そこにあたった剣はそれより先には進まず、爆風も向かってこない。

・・・宝具って、すごい。

 

「・・・ねえ、言いたくないんだけどさ。水瀬君今、一人で逃げようとしてなかった?」

「マジスイマセンした」

 

超冷たい目で見られている。

 

「というかね?今、この状況だよ?向こうさんからしてみれば、私たち全員敵なんだよ?逃げたりして離れたら、たぶんむしろきっとやっぱり危ないよ?」

「不思議な話し方をしますね、水鳥さん。・・・あ、ハイ反省してますです」

 

ちょっと睨まれた。その後ろで所長もにらんでたけど、水鳥さんの笑顔の中で睨んでくるという点が無茶苦茶怖かった。怒らせちゃだめだ、うん。

 

「ま、ヤベエって思ったらすぐにケツまくって逃げるのはありだと思うけどな。さすがに状況を理解しようや、ボウス」

「・・・まあ、はい」

 

逃げても無駄だといわれて、もう逃げる気は失せた。というか、相手は弓を使う立場で、英雄にまでなれるような人なんだ。逃げたところですぐに背中からバンだ。なんだか百周くらい回って冷静になった気がしてる。

 

「ハァッ!」

 

と、その頭でライダーの方を見るとライダーの体には傷がなく、アーチャーの体、というか服にはいくつかの切断痕が見られる。本体への攻撃は通っていないようだが、それでもライダーが有利なんじゃないかと思う。

 

「ク・・・I am the born of my sword」

「ッ・・・五条大橋」

 

と、アーチャーが何かを・・・唱える?ようにしたところで、ライダーは何かに気付いたように弁慶にも使った宝具を使う。

 

「書き換える前に、書き換えさせてもらう・・・!」

 

ライダーの言うことが何をさしているのかは、わからない。だが、今目の前で起こっているのは何もない洞窟だったはずがその一部だけ別の空間になったかのように橋がかかっている。これを書き換えだとすれば、アーチャーも同じことをしようとしていた?

 

「ふぅん、なるほどね。固有結界で書き換えられる前に極小で固有結界を生成、邪魔をしたってわけか」

 

なんかキャスターさんが火の玉撃ちまくりながら説明してくれた。なるほど、どうやら俺の予想は当たっていたらしい。そして、今出てきた固有結界という単語。当然わからないわけなんだけど・・・生きて帰れたらその辺りについてもちゃんと聞こう。ライダーにもさっきの続き・・・ライダーの宝具について聞いておかないと。

 

「さーて、焼き尽くすか」

 

と、準備が整ったらしくキャスターさんが火の玉攻撃を一旦止めて、杖を構えて唱える。

 

「我が魔術は炎の檻、荊の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社―――」

 

と、何かでかい熱源が生まれた。なんだなんだと思って後ろを向くと、そこには蔦で構成される、なんか燃えてる巨人が・・・

 

「倒壊するはウィッカー・マン!オラ、善悪問わず土に還りな!」

「「「ちょ、キャスターサン!?」」」

 

俺、水鳥さん、キリエライトさん。以上三名の心が一致した。こんな狭い空間でそんな危険物を呼び出すとか、何考えてるんだこの英雄様は!

って、それどころじゃない気がする。ライダー、まだアーチャーの方にいるはずだし。というか、いるし。五条大橋展開して、欄干を跳び回ってアーチャーの攻撃を避けて避けて避けて避けてる。

 

「ね、ねえ水鳥さん!これどうするべき!?ライダーどうするべき!?」

「お、おちついて水瀬君!こういうときはまず119番に」

「先輩こそ落ち着いてください!消防車を呼んだところでこの状況をどうにかできるはずがありません!科学的対処ができる専門家を呼ぶべきです!」

「「それだ!」」

「それだ、じゃないでしょうあなたたち!」

 

所長に怒られた。

 

「いいから早く令呪使いなさい!」

「令呪って何ですか!?」

「ちゃんとカルデアで習ってるはずでしょう!その手の甲についてるやつ!それを意識しながら『こうなれ』って命令!早く!」

「ハ、ハイ!イエスマム!」

 

落ち着け、落ち着けー。慌てるな、俺。カルデアのスタッフさん言ってた。まずは落ち着くことだ、って。吸ってー。吐いてー。あ、思い出した。

 

「カルデア47番目のマスターが令呪を持って命ず」

 

確か、この詠唱はぶっちゃけ省略してもいいって言ってた。けど、念のため加えておく。で。

 

「ここまで戻って来い、ライダー!」

 

と、命令すると同時に手の甲の変な絵が一部薄くなり、隣にライダーが現れる。ほう、これは便利だな、令呪。

と、すぐ隣にライダーが現れたので半歩下がって半歩横に動く。自分の身の安全大切。なんか約四名に冷たい視線を向けられてる気がするけど、気のせいだよね、きっと。うん、気のせい気のせい。

 

「キャスター、今ので仕留められたと思うか?」

「いんや、無理だろうな。それなりにダメージはあるだろうし固有結界もキャンセルさせられただろうが、十分なダメージとは」

「では主殿、再び行ってまいります」

「え?」

 

と、聞き返す間もなくライダーは巨人の方へと向かっていく。なんでそこに躊躇いがないのかは一切わからないんだけど、え、ちょっと待って。せっかく呼び戻したのになんで向かうのさ!?

と、再び令呪を使って呼び戻すことまで考えていたのだが、目の前の光景にどこか違和感を感じて、それを思いとどまる。

 

「あれ・・・ねえ、水瀬君。あんな船、あったっけ?」

「さすがにないはず・・・ってか、あったらキャスターの攻撃でとっくに灰だろうし・・・」

 

見ると、そこには八艘の船がある。一体いつの間に、こんなものが・・・いや、違う。俺はもう二回、これと同じ現象を見ている。

一度目は、弁慶とライダーとの戦いで。二度目は、ほんの少し前。何もなかったはずの、そこになかったはずの場所に、橋が現れたその現象!

ってことは、つまりこれは・・・ライダーの。

 

「壇ノ浦―――」

 

ライダーの持つ、宝具―――!

 

「八艘跳!」

 

名の通り、跳ぶ。

まず一艘目。続けて二艘目、三艘目までは俺の目も何とかとらえていた。だが、それは続かない。

その動きは、ただ船と船の間を跳んで移動する、というものではない。段々と加速していき、四艘目からはもはや音で跳んだという事実を把握することしかできない。そして、船を跳ぶ音が合計八回を数えたところで、その姿は唐突にアーチャーの前に現れる。そのまま腰の日本刀へ手をかけ、また次の瞬間には日本刀を振りぬいた姿勢でアーチャーの後ろに現れる。

 

「首は、落とすまでもありませんね」

「まさか、防ぐ間もなく斬り捨てられるとはな・・・!」

「ええ。こう見えても私、天才ですから」

 

その言葉とともにライダーが日本刀を納めると、アーチャーも消滅する。えっと・・・

 

「・・・ねえ、俺今ライダーが何をしたのか全く理解できてないんだけど」

「大丈夫、私もだから」

「やっぱり、今更感はあるけど、俺達とは違うんだよなぁ」

「こう、人間やめてる感じだよねぇ」

「キリエライトさんが宝具を使ったことにもかなり驚いたし、火の玉攻撃を繰り返してたキャスターさんがやっぱりあれだったし、ライダーもライダーでかなりぶっ飛んだ発想してるし・・・」

「住んでる世界がちがうねぇ・・・」

「ちょっと待って貴方、今ルーン魔術のことを火の玉攻撃って言った?」

 

なんだろう、所長に目を付けられたぞ?ライダー、所長がものすごい顔で睨んできてるから、笑顔でこっちに手を振ってないで助けに来てくれ・・・あ、水鳥さんもなんかキリエライトさんとキャスターの方に避難してるし。

 




魔術に一切かかわりを持っていなかった一般人、水瀬薫から見た、キャスターのアンサズ→火の玉攻撃

なんだろう、スケール超しょぼいぞ・・・?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。