あまり話が進んでいないけど・・・・・・。
―1年前―
美羽
「・・・・・・」
彼女は失った。
自分が愛する母を・・・・・・母が愛した街も・・・・・・母が愛した民を・・・・・・。
残ったのは彼女を支えてくれる側近と護衛が一人。
そして――――――。
大量の死体の山に立つ、全身返り血を浴びた一人の子供だった。
―現在・建業―
そこは孫一族が収まめる江東の地。
1年前まではここは袁術の先代・袁逢が治めていた地だった。
数年前に孫家当代だった孫堅が死に、その援助としてしばらく江東の地を預かっていた。
しかし、1年前に南陽で反袁逢派によって反逆が起こり、当時領主だった袁逢は暗殺され、袁逢
を慕う臣下たちをも皆殺し。さらに反袁逢派は賊を雇い入れ、街にいる民を荒し廻った。
袁逢の娘である袁術は、何とかこの事態を収拾し、その当時の南陽の情勢を考え、孫堅の後を
継いだ孫策を呼び、江東返還ならびに旧臣の再結集の許可をだした。
そしてこの1年間、孫家は力を付けていき、周辺では孫策を江東の麒麟児とまで名を轟かし
ていた。
そんな建業の城、
???
「冥琳~。書類仕事飽きた~・・・・・・街に出たい~」
執務室で駄々をごねるのは、現・孫家当主である孫策。
???
「出すわけないだろう? 雪蓮、貴女が溜め込んだ2週間分の執務仕事・・・・・・今日こそは
絶対にやってもらおう」
孫策の後ろで、ドス黒いオーラを放ちながら、彼女を机に拘束しているのは、孫策とは子供頃か
らの幼馴染でもある周瑜。
孫策
「でも政務ばっかりじゃ、つまんない~」
周瑜
「ほほう? ここ2週間、毎日街を遊び歩いていたのはどこのだれだろうな~?」
孫策
「うっ! はぁ~・・・・・・分かったわよ、やればいいんでしょ。やれば・・・・・・」
そう言いながら、机の上に積みあがった竹簡を処理していく。
―数刻後―
あらかたの竹簡の山を処理した孫策は、ふっとあること思い出す。
孫策
「そう言えば、南陽の袁術ちゃんって今どうしているのかなぁ~?」
周瑜
「袁術? 確かに江東返還後、一回も姿を見ていないな・・・・・・しかし、噂はちょく
ちょく入って来てはいるがな」
孫策
「私も聞いたことはあるわ。何でも大陸一って言われるほど栄えてるって話でしょ。
凄いわね」
周瑜
「あぁ。1年前のあのありさまを復興し、そこまで栄えさせるのに一体どうやったのか
・・・・・・気になるな」
孫策
「でしょ~? だったら見に行かない? 一応、独立させてもらえた立場なんだし、お礼とか
何にもしてないし・・・・・・」
周瑜
「そうだな・・・・・・」
孫策
「でしょ! だったら―――」
周瑜
「残りの仕事を片付けてからだ」
孫策
「そんな~」
この日、孫策は一日中執務室から出てこれなかった。
―2週間後―
溜まりに溜まった政務を終わらせ、孫策と周瑜が建業を出たのは1週間後の事だった。
美羽に会うためにお土産の蜂蜜に、江東で取れる魚の加工品、布製品などを手土産を持ち建
業を出発した。
途中にいくつかの宿を経由して、美羽の住む街まで後、5里の所まで来ていた。
孫策
「ん~! 今日の昼頃には着けるかしら?」
周瑜
「まぁ、ここまで来れば賊も出てこないだろうしな。心配ないだろう」
南陽は比較的に賊の出現率が低い土地とされており、荊州内部どころか他の州の賊すら手を出
そうとしない、賊にとって恐れられている土地だった。
周瑜
「それもこの噂のせいか・・・・・・『南陽に戦神あり。数多の賊を打ち破り、南陽の領主を
守る最強の矛』・・・・・・真実かどうかは知らないが、実際に南陽に入った賊は悉く討ち
滅ぼされているからな」
孫策
「“戦神”か・・・・・・会ってみたいわね」
そう期待に胸を躍らせていると、前方から荷車を引いた馬とそれに跨る10歳程度の女の子とす
れ違った。
孫策
「ねぇ、冥琳」
周瑜
「なんだ?」
孫策
「南陽に入ってから、働いている子供多くない?」
周瑜
「・・・・・・言われてみればそうだな」
孫策
「って言うか、大人を見た記憶が無いんだけど・・・・・・」
周瑜
「そうだったな・・・・・・南陽の事件で色々手が足りてないから、子供たちが率先して
手伝っているだけではないかのか?」
孫策
「そうかな~・・・・・・」
そんな会話をしながら二人は馬を進めていく。
半刻後、二人は南陽の中心地・宛。
二人は街の関所の前で見慣れない光景を目にしていた。
少年
「・・・・・・」
槍を持った8、9歳の子供が槍を片手に見張りをしていた。
孫策
「(冥琳・・・・・・何なのコレ?)」
周瑜
「(分からん・・・・・・しかし、子供が関所の見張りをしているとは・・・・・・)」
二人は疑問に思いながらも、関所を通ろうとすると
少年
「・・・・・・(ギロッ)」
その少年は二人を睨んでいた。
二人は関所を抜け、街の中に入るとそこには5歳から12歳くらいの子供ばかりしかおらず、街を
警備する兵以外は全てが子供だけだった。
孫策
「これって・・・・・・」
周瑜
「・・・・・・・」
目の前の光景に驚いた二人。
それもそのはず、子供が親の店の手伝いをしているならまだ分かるが、どの店も大人と言えるべ
き人がおらず、肉屋や八百屋、鮮魚店も、鍛冶屋も服屋、酒屋も薬屋までもが大人がおらず子
供だけで経営していた。
そしてさらに二人を驚かせたのが
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
孫策と周瑜が現れた途端、街の賑わいは消え、二人が過ぎ去るのをジッ見張るように見ていた。
まるで、威嚇するように・・・・・・。
孫策
「(何なのかしら・・・・・・これ?)」
周瑜
「(あぁ・・・・・・まるで我らを警戒してるようだな)」
そんな子供たちの視線にあう中、
???
「あれ~、孫策さんに周瑜さんではないですか」
声を掛けてきた方に振り向くと、美羽の補佐を務める張勲が立っていた。
孫策
「あら、張勲。久しぶりね」
七乃
「そうですね~。江東返還の際に城に来て頂いた時以来ですかね。それで今回はどのような
ご用件で?」
周瑜
「あぁ、色々と世話になっていた袁術殿に手土産と近況報告にな」
七乃
「そうでしたか~。なら、美羽さまの下まで案内しますね」
そう言い、七乃は二人の前に立ち先導を始めた。
如何だったでしょうか?
今回の物語では雪蓮は美羽のことを憎んでいないという設定にしました。
まぁ、美羽√の時点で原作崩壊していますが・・・・・・
気にしない気にしない♪
それでは今回はここまでと言うことで!
さよなら~