大変遅くなりました。
第5話です!
宴は終わり、その日は全員部屋に戻り休んいる中、
孫策
「・・・・・・」
孫策は一人、用意された部屋の中で寝台から身体を起こし、窓から見える月を見ていた。
今日の一件で、美羽に向けていた全てのものが音を立てて崩れてしまった事に戸惑っていた。
母である孫堅が死に、その事で江東が荒れた始めていた時に、美羽の母・袁逢によって領土を
掠め取られ、姉妹とも離れ離れになり客将として苦渋の思いをしてきた。1年前の江東の返還に
訪れた南陽で見たのは、生気を失った美羽の姿。母親を亡くす痛みは自分も痛いほど分かる。
しかし、実際は話を聞くと自分なんかがちっぽけに見えてしまうほど、美羽は辛い思いをしてき
ていた。
孫策
「・・・・・・はぁ~、袁術ちゃんがあんなに変わっていたことも驚いたけど・・・・・・
一番不思議なのは今まであった袁術ちゃんへの恨みがこんなにもあっさりと無くなっちゃった
ことね~」
下を向き、呟いていた。
そして、再び窓のほうを向くと
美羽
「・・・・・・」
美羽が城壁の方に向けて歩いていくのが見えた。
孫策
「・・・・・・っ?」
―どうしたのかしら・・・・・・?―
―こんな時間に城壁で何するのかしら?―
孫策
「・・・・・・っ」
孫策は静かに部屋を出て、こっそりと美羽の後をつけていった。
美羽の後を暫くつけていると、城壁の上まで行き、優しそうな顔をしながら街を眺めていた。
孫策
「(街を眺めに来ただけかしら?)」
そうして見ていると、宴の時に使用していた音がなる木箱を縮小化させたものを出し、
先程と同じく水晶を入れた。
♪~
弦楽器が鳴った直後に
美羽
「真っ白な景色にいま誘われて」
「僕は行くよ まだ見ぬ世界へ」
そのまま美羽は箱から流れる伴奏に合わせて歌い始めた。
美羽
「必ず届くはずさ まだ見ぬ世界へ」
そのまま木箱から流れる音楽も止み、再び静かな風景を見つめていた。
パチパチ
孫策
「凄いわね、袁術ちゃん」
拍手をしながら孫策は城壁の上に上がって来た。
美羽
「孫策? どうしたのじゃ?」
孫策
「いえ・・・・・・袁術ちゃんが城壁の方に向かっているのが見えたから、気になって
ついてきたの・・・・・・それにしても本当に上手ね」
美羽
「・・・・・・妾にはこれくらいしかする事がないのじゃ」
孫策
「・・・・・・」
美羽
「・・・・・・のぅ孫策」
孫策
「何かしら?」
美羽
「妾のことは恨んでいるのか?」
孫策
「・・・・・・っ!」
美羽
「・・・・・・恨まれても仕方がないのじゃ。母様が孫策たちを守ろうとしたとはいえ、
辛い事ばかりさせてしまったからの」
孫策
「・・・・・・えっ?」
-私たちを守る?―
孫策
「私たちを守る・・・・・・それってどういう事?」
美羽
「・・・・・・母様は孫呉に恨みを持つ者を抑える為に江東を預かったのじゃ
・・・・・・それを誤魔化す為に、わざと辛い境遇にしたのじゃ・・・・・・孫呉の地を
荒らさせないために」
孫策は衝撃を受けた。
今までは領土の為に江東の地を奪われていたと思い憎んでいたが、実際は自分たちを守ろうと
していてくれたことに。
美羽
「今となっては言い訳にしか聞こえんかもしれんが・・・・・・じゃが、もしまだ妾の事を
恨んでいるなら恨んだままで構わないのじゃ・・・・・・殺したいほど憎いなら、殺されても
いいのじゃ」
孫策
「・・・・・・っ!!」
美羽
「でも、妾を殺したとしても約束して欲しいのじゃ・・・・・・南陽の子供を絶対に不幸に
しないと・・・・・・それだけはやく――――――<ガバッ>――――――!!」
最後まで言い切る前に孫策が抱きついてきた。
孫策
「もう・・・・・・馬鹿ねぇ、袁術ちゃんは・・・・・・」
そう言いながら頭を撫で始めた。
孫策
「寧ろ謝らないといけないのは私のほうよ。1年前に私は袁術ちゃんに何にもしてあげられ
なかった・・・・・・自分たちの事ばかりで、私たちなんかよりずっと辛いのに・・・」
美羽
「・・・・・・誰かに聞いたのか、妾達の呪いを・・・・・・」
孫策
「えぇ、張勲から・・・・・・でも、これからは私たちも頼ってちょうだい・・・・・・・。
何が出来るかは分からないけど・・・・・・少しでも貴女の力になりたいの」
美羽
「・・・・・・分かったのじゃ」
そう言うと孫策は美羽から離れると、
孫策
「・・・・・・(ポロポロ)」
美羽
「・・・・・・(ポロポロ)」
二人は涙を流していた。
今まで心に突っかかっていた物がスッと落ちたようで二人は嬉しかった。
暫く二人は静かに泣いていた。
二人が泣き止み、無言で街を眺めていた。
孫策
「ねぇ、袁術ちゃん? 私の真名、受け取ってくれる?」
美羽
「良いのか? 妾が受け取っても・・・・・・」
孫策
「ええ。これから仲良くするのよ。真名を預けないと私の気が済まないわ」
美羽
「なら、妾の真名も受け取って欲しいのじゃ」
孫策
「分かったわ・・・・・・これからよろしくね、“美羽”」
美羽
「うむ、こっちこそよろしくなのじゃ“雪蓮”」
そう言うと、先程の木箱に色の違う水晶を入れた。
美羽
「友達になった記念なのじゃ」
雪蓮
「ええ、聞かせてもらうわね」
先程の曲みたいに弦楽器を奏でる伴奏に合わせ
美羽
「慰めながら 不謹慎だけど」
美羽と雪蓮が真名を預け合い歌を歌っているのを、離れた場所で見ていた七乃と周瑜。
七乃
「良かったですね、周瑜さん」
周瑜
「そうだな・・・・・・それと私の事は冥琳で構わない」
七乃
「真名を預けてくれるんですか? なら、私も七乃で構いませんよ」
冥琳
「雪蓮は1年前の事をずっと気にはしていたが、あそこまで気に病んでいたとは
思わなかった」
七乃
「でも、これで孫策さんと美羽さまとの隔たりが無くなりましたから良かったですよ」
冥琳
「あぁ・・・・・・問題はその他の者たちだな」
七乃
「あ~・・・・・・孫権さんとかは説得が難しそうですね」
冥琳
「蓮華さまは良くも悪くも真面目な方でな。裏があると思い、
暫くは疑いの眼差しだろうがな」
七乃
「私としては暫くはお二人の友好関係は隠していた方が良いと思うんですけどね」
冥琳
「私もだ。友好関係が知れればどんな輩が動くか分からんからな」
七乃
「そうですね。老害さんたちは殆どは一刀くんが始末しましたけど、生き残りが
何を企んでいるか分かりませんからね」
冥琳
「そうだな。でも今日くらいは・・・・・・」
七乃
「そうですね。お二人の安らかな時間ですから・・・・・・」
美羽が歌声に耳を棲ませる二人だった。
はい、今回は以上です!!
本当に遅くなりましたが、投稿することが出来ました。
仕事が忙しすぎて、中々書く暇がありませんでした~
まぁ、次はいつになるか分かりませんが、出来次第投稿したいと思います。
では~
*とんぷーさん、誤字報告ありがとうございます。