ユーリちゃんと憑依者の物語   作:リリカル☆レモン

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遊戯王の映画見てきました。あそこまで食い入るように見たのは凄く久しぶりで見終わった後もずっと興奮してました。見てない人は見に行こう。今ならOCGカードのレモン・マジシャン・ガール、14日からは守護神官マハードが貰えるよ!(謎の宣伝)


白い少女と緑の動物

テスタロッサ家と旅行に出掛けた日の夜。再び荷物の上に置かれ、寂しい思いをしながら寝ていた私だが、旅館に近いところで魔法が使用されたことを感じ取って起きた。

 

《誰だ、こんな夜遅くに。近所迷惑なんだけど》

 

その言葉が届くはずもなく、知らない人は魔法を行使している。

 

「ん…アーク?どうしましたか?」

《あ、ユーリ。結構近くで魔法使ってる人がいるみたいなんだ》

「…え?ここって、確か魔法が一般的じゃない世界ですよね?」

《うん。だから内心なんか変なことになるんじゃないかと怯えてる》

 

おそらく、私達のように管理世界出身の人が魔法の技術・情報を持ち込んだのだろう。

 

《でも、好都合だ。もしかしたら、夜天の書か、紫天の書について情報を持ってるかもしれない》

「そうですね。アリシアさん達を…」

《いや、起こさないで行こう。これは私達の問題だから》

「…分かりました。けど、アークも考えすぎないでくださいね。アークも、巻き込まれてしまったようなものですから」

 

そう言ってユーリは私を首に掛け、みんなを起こさないようにそっと部屋を出た。

 

 

 

反応のあった場所にたどり着くと、茶髪の白いバリアジャケットを着た少女と、小さい動物が黒い思念体と戦闘していた。

 

「ディバインバスター!」

 

と、少女が見るからに威力の高そうなピンクの砲撃を撃つ。思念体は当然避けようとするが、そうはさせないと動物がチェーンバインドを思念体に掛け、動きを封じて命中させる。

あれは当たればひとたまりもないと魔力の知識に乏しい私でも分かり、事実思念体のいた場所には何もなかった。…いや、ひし形の何かが浮かんでいた。

 

《ユーリ、あれは?》

「分かりません。でも、魔力がとても多くて危険です。放っておいていいものではないと思います」

 

と、その危険物を入手して喜んでいた少女たちが、こっちに気付いた。

 

「ふえ!?な、なんで人が結界の中にいるの!」

「ぼ、僕にもよく…しっかりと張ったはずなのに」

 

と、ふえ!?以外は小声で話しているつもりなのだろうが、残念ながら全て聞こえている。

 

《…変わろうか?》

《お願いします》

 

とても短い会話を終えて、表に出る。

 

「…それは危険な物だ。はやく離してこちらに渡してくれ」

「「っ!?」」

 

向こうの2人は驚愕の表情を浮かべた。まあ、迷いこんだと思った初めて会う自分より小さい少女が、何か知っているようなことを言ったのだ、仕方ないと思う。

 

「聞こえなかったか?それは危険な物だ」

「っ、だったら、あなたが持っていても同じだと思うの!」

「…結界に侵入されたことに気付かず、戦い方も素人。そんな人たちに持たせておく方がよっぽど危ない」

「う…へ、屁理屈言わないで!」

「知らなかった?屁理屈でも、それを否定出来なければ、それは立派な理屈として通ることを」

 

うぅー!と私、怒ってます!みたいな顔をする少女。ここまで感情的になってしまうのは、さすがにどうかと思う…

 

「じゃあ、こうしよう。今から私とあなたが戦って、勝った方が『それ』を持っていく、ということで」

「…それは僕たちにメリットがあるのかな?」

「そこは大丈夫です。万が一私が負けたとしたら、それを集めるのに私も協力する」

《あの、なんで私の意志関係なく話を進めてるんですか?》

「ただし、私が勝ったら、約束通りそれを渡してもらいます。そして、二度とこんなことに関わらないでください」

《……あ、危ないから関わらないでってことですよね。私アニメ見て知りました。それ、「つんでれ」って言うんですよね?》

 

そんなこと知らない。

私の挑発に乗ったのか、少女がデバイスの杖を構える。こちらもバリアジャケット―ユーリの物―を展開し、空に上がる。

 

「言っておくけど、手加減なんかしないよ」

「むしろ、手加減されたら困る。全力で来てくれ」

 

また機嫌を悪くする少女。

 

「ディバインバスター!」

 

と、先ほどの砲撃を放つ。

 

「はい」

 

と声をだし、こちらも輪の形をした魔力弾を1発放つ。そしてそれは、少女の魔法を打ち消して、少女に向かっていく。

 

「え!?」

 

少女はよほど自分の砲撃に自信があったのか驚いたが、すぐに横に移動した。

 

「…驚いたけど、真っ直ぐにしか飛ばないし、少し遅いんだね」

「だからなんだ?ああ、開始の合図も出さずに不意打ちをしたけれど仕留められなくて悔しいのを誤魔化してるの?」

《あの、それ以上そういうことを言わないで下さい。いくらもう関わらせないためとは言っても、あの人が不快に…》

 

再び挑発したが、こんどは反応せず、次の魔法を撃ってきた。

 

「ディバインシューター!」

 

こんどは3つの球体の魔力弾。だが、遅い。

 

「アクセル!」

 

が、急に速くなった。遅いと見せかけて、急加速で当てるつもりだったのだろう。

 

「そんなのが当たると思ったの?」

 

そうして当たるギリギリまで引き付け、寸前で後ろに下がる。魔力弾の2つはぶつかりあって消滅し、1つは障壁で防ぐ。

 

「当たるだなんて思ってないよ!本命はこっち!」

 

と、背後で杖を振りかぶる少女。だが、フェイトに比べたら、その移動は止まって見える。

 

「遅い」

 

振り下ろされた杖を両手で掴み、引き寄せる。バランスを崩した少女に向かって、球体の魔力弾を1発だけ放つ。

 

「きゃあ!」

「なのは!」

 

少女の悲鳴と、地上の動物-少女の使い魔?-の声が同時に聞こえる。だが、少女はまだ飛んでいた。このくらいで落ちるだろうと威力を調整したが、そうとう防御力があるのだろうか。

 

「はやく諦めたらどうだ?接近戦も射撃戦も通じない。君が勝てる手段はない」

「…諦めない。やっと見つけたんだ。私にしか出来ない事。だから、絶対諦めない!」

 

と、先ほどまでと随分違う目でこちらを見つめてくる。少女が何を思ったのかは分からないが、だからといってはいそうですかと立ち去るわけには行かない。

 

「ディバイィィィィン…バスターーーーー!!」

 

と、彼女の全力を込めて放った砲撃が、こちらに飛んでくる。

 

 

 

 

なのはside

 

「や、やった!」

 

会ったこともない謎の女の子との対決。何も通じなかったけど、最後に撃ったディバインバスターはようやく命中した。

 

「これで、やっと…」

「やっと?これがどうかしたのか?」

「……え?」

 

そこには、バリアジャケットも傷ついていない、さっきまでとなにも変わらない女の子がいた。

 

(そんな…当たったとしても、通じないなんて!)

「…それで終わり?」

 

と、心底がっかりした、といった目で女の子が私を見てくる。

 

「っ、まだ、まだ終わりじゃないの!」

 

と、自分でももうなにも出来ないと分かっているのに、そう叫ぶ。対する彼女は目を閉じたかと思うと、最初にディバインバスターを突き抜けてきた魔力弾を撃ってくる。

 

「くっ!」

 

先程よりも速くなっていた魔力弾を避け、距離を取ろうとする。

 

「…え?」

 

だけど、その行動を取る前に、何かが私の背中に当たった。暫くしてから、それがさっき避けた魔力弾だということに気付く。

 

(なんで…)

 

何が起きたのか。そう考えてしまった。そして、その思考と攻撃を受けた反動で止まっている間に、あの女の子は槍のような物を作り出し、私に向けて放つ。それはさっきの魔力弾なんか目ではないほど速く、私が動けるようになる前に命中する。

 

「きゃぁぁぁ!」

 

その攻撃で一瞬気を失い、落ちていく。

 

 

「…大丈夫ですか?」

「…え?」

 

けど、何故か女の子が私を抱えていた。…待って、これって…

 

(私、お姫さまだっこされてる!?)

 

 

 

 

アークside

 

…正直に言う。ちょっとやり過ぎた。

確かに完膚無きまでに叩き潰して手を引かせようとは思ったが、気を失うまでやろうとは思ってなかった。

 

「…どこか痛む?」

 

少女から返事がなかったので、問いかける。

 

「あ、大丈夫なの…」

 

少しぼーっとしているが、そう答えてくれた。もしかして、頭に当たってしまったのだろうか。

地上に降りながら回復魔法をかけ、ゆっくりと少女を下ろす。

 

「さて、約束です。アレを渡してください」

「あ、うん…」

 

そうして、デバイスからひし形の物を取り出し、渡してくる。取り敢えず、私(首に掛けてあるデバイス)の中に入れておく。

 

「さて、それでは私はこれで」

「あ、待って!」

 

…まだ、何か用があるのだろうか。

 

「最後の、後ろから来た攻撃。あれってなんだったの?」

「どう考えても一つしかないだろう。君が避けた魔力弾だ」

「え、でも、あれって真っ直ぐにしか…」

「…私が一言でも、それは真っ直ぐにしか飛ばない、と言った?」

「あ…」

 

…どうやら、この子はとんでもないくらいの戦闘の素人らしい。

 

「正直言って、君は弱すぎる。もうじき管理局の船がくるだろうから、その人たちに任せて、君達は手を引いて」

「あ、まだ聞きたいことが…」

「もう待たない。それじゃあ」

 

少女にこれ以上呼び止められる前に移動する。もうそろそろ寝たい。

 

 

 

ゆっくり、出て行った時と同じように部屋に戻ってくる。そして布団に戻る。

 

「どこに行ってたの?」

「え?」

 

が、アリシアに話しかけられた。

 

「少し、トイレに…」

「それにしては随分長かったし、アークも行く必要なかったよね」

 

と、痛いところを突かれる。ユーリも私も言い訳を思い付けず、黙ったままでいる…

 

「…いいよ。話さなくても」

「え?でも…」

「大丈夫だって。悪い事をしてないのは、普段の2人を見てれば分かるから。やましいことが何もないなら、お姉ちゃんは気にしないよ」

「…アリシア……」

 

…感動した。フェイトの方がお姉ちゃんぽいと思ってたけど、今の台詞ものすっごいかっこよかった。

 

《いえ、魔法関係でしたけど、もしかしたら私達に関係することだと思いましたから》

「うん。けど、凄く大事なことだったから、明日の朝、皆に話そうと思ってる」

「そうなの?じゃあ、寝よっか。ほら、こっちおいで」

「《……え?》」

「…心配してたんだよ?何も言わずに出て行っちゃったんだもん。だから、罰として一緒の布団で寝なさい」

 

…それ、要するに甘えたいってことだよね?

一瞬で格好いいところを台無しにしていくところは、しっかりと遺伝してるんだなぁ…




初戦闘…戦闘って言えるかな?一方的だけど…
ちなみに、主人公は実際は強くありません。元々はエグザミア…つまりは魔力を生み出してるだけです。プレシアさんのわけわからん頭脳で作られたデバイスの機能やらでユーリの魔法を使ってるだけです。しかも戦闘経験は描写してないテスタロッサ姉妹との模擬戦だけ…まあ、対人経験のないなのはさんよりはマシですが。
なのはさんは原作通り手を引きません。不屈の心はちゃんとぺったんこの胸にありますので。
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