プロローグ
普通の毎日だった。
優しい祖父母に育てられ、あまり不自由なく生きてきた。
何故両親ではなく、祖父母なのかだって?
ははは、両親は俺をある程度育てた後俺を否定し祖父母の元に置いて何処かに行ったよ。
だからなのか、何かが違う。
そう感じてしまう。
自分を否定されたあの時にきっと、何かが食い違ったのかもしれない。
それはとても小さく、しかし時を経て少しずつ大きくなっていった。
自分に対する違和感を抱えて、それに気付かないフリをして。
故に、あの世界にとてつもない魅力を感じたのかも知れない。
『ソードアート・オンライン』
あの世界なら自分に対する違和感を消せる気がしたから。
本当の自分を知れる気がしたから....。
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2022年11月6日
とある部屋の一室のベットに腰掛けて、今日という日を待ちわびていた少年がいた。
「やっとだ!どれだけ今日という日を待ち望んだことか!ベータテストには当選しなかったからな。店頭に四日前から並ぶはめになっちまった。ともかく、ようやく始められるぜ!『ソードアート・オンライン』を!」
「おい学校どうした!」と言われそれうだがそんなの知らない!もちろん仮病でサボったに決まってるだろう!
少年の手にはナーヴギアと呼ばれるヘルメットのようなゲーム機がある。
いや、ゲーム機と呼んでいいのかは分からないが....。
それは希代の天才科学者、茅場晶彦が作った『
新世代のゲーム環境、完全ダイブを実現した。
それは真の仮想世界を創る。
広大な異世界に数千、数万のプレイヤーが同時接続し、己の分身を育て、戦い、生きる、それがMMORPGだ。
己の意識をゲーム内のキャラクターに移し体を、武器を実際に動かす。
通称『VRMMO』と呼ばれるシステム。そのVRMMOというゲームジャンルで発売されたのが『ソードアート・オンライン』である。
コンコン、と扉が叩かれる。
「もう帰ってきてるのか?」
「ん、うん帰ってるよ。ちゃんと昼御飯も食べてる」
「そうか、それならよかった。あんまり遅くまでゲームで遊び過ぎないようにな。それとちゃんと夕食の時には降りくるように」
「了解でございやす!」
しっかりと少し変な返事をすると、祖父は笑いながら下へと降りていった。
「お、もうすぐ13時だ。そろそろ準備しとかないとな」
少年はナーヴギアを被り、ベットに横になる。
「あれ?えっとなんだっけ.....。あ!そうそう思い出した。リンクスタート!」
気の抜けるようなど忘れをしたがしっかり思い出せたようだ。
最後の言葉とともに少年は仮想世界へと入っていった。